by richard(画像:Creative Commons)
うそつき、脳で分かる? =活動領域で解明―京大
(2014/8/6、時事通信)
脳の活動領域から正直者とうそつきの違いが分かったと、京都大の阿部修士特定准教授らの研究グループが発表した。報酬を期待する際に働く「側坐核」という領域の活動が活発な人ほど、うそをつく割合が高かったという。
京都大の阿部修士特定准教授らの研究グループによれば、報酬を期待する際に働く「側坐核(そくざかく)」という脳の領域の活動が活発な人ほど、嘘をつく割合が高かったそうです。
■嘘の真実
(Jul 2011、TED Talk)
噓の真実1.「嘘は共同作業である」
他の誰かがそれを信じて初めて 嘘は力を得るのです
どんな嘘であっても、言葉として発せられたからといってその効力を発揮するわけではなく、誰かがその嘘を信じるからこそ嘘は力を持つということです。
逆を言えば、どんなデマや嘘であろうと、信じる人がいなければ、その嘘は力を持つことがないということです。
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【参考リンク】
- 原則2、受け手がその嘘を望んでいること。|嘘ってなんだ?マジシャン篇(2018/1/7、ほぼ日刊イトイ新聞)
噓の真実2.「私たちは嘘を否定しながらも 裏では嘘をついている」
私たちは必要にせまられて もっともな理由があって 時には 単に現実を受け入れられず 嘘をつきます
私たちは本質的には嘘を嫌いながら、嘘をついてしまいます。
「誰もが 己の願望のためには 進んで何かを差し出すものだ」 これが嘘の本質なのです
私たちの願いや夢想と現実の差を 埋めようとするのが嘘なのです 実際の自分と こうありたい自分 こんな風だったらと思う自分との差です なんと 進んで現実との差を嘘で埋めようとするのです
私たちの願望と現実との差を埋めるためにつくのが「嘘」なのです。
例えば、あなたが「〇〇」について知らなかったとします。
だけど、本当は知らない方が自分なのに、「自分がそんなことも知らないなんてと思われたくない」という気持ちから「知っている」という嘘をつくことにより、願望との差を埋めようとしていることは経験があるのではないでしょうか。
■嘘が現れる2種類のパターン
1.嘘をついている人は嘘の対象に対して距離を置く言葉を使いがち
(Jul 2011、TED Talk)
「短縮形を用いない否認(did not)」がありました 研究によると 否定しようと意気込みすぎている場合 形式ばった言葉を使ってしまうと言われています また 「あの女性」という「距離を置く言葉」がありました 嘘をついている人は 無意識に 嘘の対象について距離を置く言葉を 使おうをするのです
嘘をつく際には、形式ばった言葉の使い方をしたり、無意識に嘘の対象に対して距離を置く言葉を使ってしまうそうです。
2.ボディランゲージ
口を覆う、鼻を触るというように、嘘をつくときにとってしまうボディランゲージはいろいろあります。
言葉では「はい」と言いながらも、し頭を振ったり、肩をすくめたりといった「いいえ」のしぐさをしてしまうものです。
嘘をつくときに話のおさらいはしますが 身振りまでは練習しません
どんなに頭の中で嘘のストーリーを組み上げたとしても、身振り手振りといった仕草までは練習しないものなので、そこで真実がばれてしまうのです。
■ウソを見破る方法
先程紹介した研究では嘘をつくときに脳の側坐核が活発に働くことがわかりましたが、ウソつきを見破るために、脳を調べるわけにはいかないので、ボディランゲージからウソを見破る方法を紹介したいと思います。
イソップ童話「ピノキオ」は嘘をつくと鼻が伸びるというお話でしたが、ウソをつくと鼻の温度が上がる?で紹介したスペインの大学の研究によれば、人はウソをつくと鼻と目頭の周りの温度が上昇することがわかったそうです。
これは、本当の感情を偽ったために、島皮質と呼ばれる脳の報酬系を司る領域が活発になったためだと考えられるそうです。
ちなみに、気になる人の前では避けたほうがいいボディランゲージによれば、「自分の鼻を触る」というボディランゲージは嘘つきがよくやってしまうボディランゲージなのだそうです。
つまり、「鼻」はウソをつくことと関係が深いということなのではないでしょうか。
その他にも、ウソをつくときについ出てしまうしぐさを「本音は顔に書いてある」(著:アラン・ピーズ/バーバラ・ピーズ)の中から紹介したいと思います。
嘘を付くときについでてしまう仕草
・口を覆う
・鼻に触る
・目をこする
・耳をつかむ 嫌な話を聞きたくない
・首をかく 疑いや不安を持っているときに出る
・衿をひっぱる 顔や首の敏感な皮膚がむず痒くなる
・指をくわえる 心もとない気持ちの現われ
■まとめ
噓の真実2「私たちは嘘を否定しながらも 裏では嘘をついている」であげたように、人はやさしい気持ちから嘘をついてしまうこともあります。
相手を決してだましたいわけではなくても、嘘をついたほうがいいのではないかというタイミングが誰しもあるはずです。
嘘をついていいかどうかの基準がここにあるのではないでしょうか?
それが、「モラル・道徳」なのだと思います。
映画「トランセンデンス」を見て、人工知能(コンピュータ)について考えたことでは、映画「トランセンデンス」を見た後に、その人の記憶(思い出)こそがアイデンティティ(「自分は何者であるのか」)なのだと思っていたのですが、その考え方は間違っていると感じ、アイデンティティを確立させるもの、自分自身を証明するものは何なのかについて考えました。
アイデンティティを形作るものは記憶ではなく、その人のモラル
(2015/10/12、TROPE)
回答を分析した結果、 家族やパートナーは患者の記憶が失われても「(患者は)人が変わった」とは感じていませんでしたが、患者のモラルに関する特徴が変化したとき、人が変わったと感じていることがわかりました。
人の記憶が失われることによって、人が変わったと感じるのではなく、人のモラルに関する特徴が変化したとき、人が変わったと感じることがわかったそうです。
嘘をつくときにはモラル・道徳基準と照らし合わせて発せられているはずなので、その人が仮に嘘をついて嘘であることがばれたとしても、「あの人はそういう人だからああいう嘘をついたんだ」と相手が思ってくれるはずです。
真実が見えにくい現代だからこそ、真実の持つ力は増してくるはずですので、しっかりとしたモラル・道徳基準を持っている人はそれだけ信頼のおける人として価値が高まっていくのではないでしょうか。
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