by Dave Worley(画像:Creative Commons)
【東大→医師→マッキンゼー】最高のキャリア持つ若者が起業した理由――日本医療の破綻
(2015/9/24、ハフィントンポスト)
この「MEDLEY」が優れているのは、250名近い医師が中心となり、疾患情報や医薬品、最新治療の情報などを、オンラインで提供している点だ。患者とその家族が、治療法・治療薬について理解を深めることができ、将来的には、医者にかかるべきかどうか判断ができたり、素早い応急処置の方法を知ることができたりする可能性もありえるとのこと。
医師たちがつくるオンライン病気事典「MEDLEY」は、医療従事者と患者の懸け橋となるべく、病気に関する情報や医薬品、最新治療法を提供しているそうです。
ただ、この分野(病気・医療・医薬品・治療法をまとめること)に関しては、近い将来、人工知能が担う分野になるでしょう。
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人工知能に話しかけるだけで、最新の医療情報が提供されたり、健診データから病気を予測できるようになるでしょう。
Googleが行なっていることもその先駆けともいうことができるでしょう。
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そうなったとき、医療従事者と患者との架け橋となり手助けができる存在としては、何ができるのでしょうか。
人工知能と人間の差は何なのか?
ポイントとして考えられるのは3つ。
1.「医師たちがつくる」ということの信頼
信頼を失わないように誠実に情報を提供し続けることが欠かせません。
ただ、以前は病院が提供しているサイトは専門用語や独特の言い回しで一般の人にとってはわかりにくいものでした(最近では以前に比べて病院のサイトも分かりやすいサイトが増えていますが)。
また、医師だからといっても、常に勉強し続けなければ、患者にとって間違った診断をしてしまう恐れもあります。
例えば、C型肝炎の治療薬は劇的に進歩し、今では90%近くの患者が治るによれば、C型肝炎治療薬は劇的に進歩し、今では90%近くの患者が治るようになっているそうですが、その一方で、古い知識を持った医師によって、治療が勧められないというケースもあるそうです。
C型肝炎治療薬(インターフェロン)自体があることを知っていても、肝臓の専門医以外はその治療薬の進歩について知らないということがあるそうです。
15年ほど前の知識では、薬を使っても治る人の割合は20%であり、また治療期間が最大で1年間、さらに副作用も強いというものですから、医師の側も治療を患者に勧めにくいという理由がありました。
そのため、病気が進行し、肝硬変などの深刻な状態になって初めて治療をするというケースが多かったそうです。
このように医師でさえも新しい知識を知ろうとする努力をしなければ、患者にとって良くない選択をさせてしまうことがあるのです。
大事なことは、常に情報をアップデートしていく努力だと思います。
医療に限らずテクノロジーは日進月歩で進んでいるのですから、立ち止まったとたんにその知識は古いものとなり、常識だと思っていた知識がある日突然非常識になることもあるのです。
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ヨーロッパでは中世から二〇世紀になるまでほぼ一貫して、水に体を浸すのは明らかに不健康どころか危険であるというのが、衛生についての社会通念だった。毛穴を土や油でふさぐことによって、病気から身を守るとされていたのだ。「水浴びをすると頭が蒸気でいっぱいになる」と、一六五五年にフランス人医師が助言している。
体を清潔に保つということは現代人からすればさも当然なことであっても、当時の人、それはたとえ医師であっても「きれいにする」ことは当然ではなかったのです。
未来の人からすれば、なぜあの時代の人はあんなことをしていたのだろうと思われることをしているかもしれません。
一つ一つの情報をアップデートしていく努力をし続けなければ、「医師たちがつくる」ということの信頼も失われてしまうでしょう。
2.人間らしさ
正確な情報よりも人間らしい回答を求める患者もいるのではないでしょうか。
3.人はウソをつく
人間というものは、意識的にまたは無意識的に嘘をついてしまうものです。
例えば、「痛い」のに痛くないといってしまう人もいるでしょう。
そうすると、正確な答えを返すことはできません。
嘘を嘘と見抜くためのコミュニケーション能力を備えることが今後のカギになるかもしれません。
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■まとめ
オンライン医療・病気辞典は、人工知能型・人力型・ハイブリッド型ができるでしょう。
人は賢く使い分けていくのではないでしょうか。
そして、その先のサービス、例えば、マッチングサービスなどが重要なポイントになるのではないでしょうか。
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