数字を追いかけるのは大事!だけど数字以外の評価基準を持つのはもっと大事!


Hacking Culture Bootcamp @ Waag Society

by Sebastiaan ter Burg(画像:Creative Commons)




数字を追いかけることについて考える機会が増えている。

バズらせることに疲れたあなたへ。ネットの消化・消耗文化に立ち向かうにはどうしたらよいのか?では、ネットでビジネスをしている人は、日々バズる技術を磨いて、「バズらせる」ことを目指しているが、数字に追われる日々に疲れてしまい、これで本当にいいのかと思っているということについて書いた。

数字というのは、企業においてわかりやすい評価基準であるため、大事だ。

しかし、それだけでいいのだろうか。

もうバズらせることに疲れたよ。ネットの消化・消耗文化にガチで勝負いたします。

もっと大切にしたいのは、発信した相手の感情にどれだけ訴えかけるか……という「感情の深度」

軽くないもの。いっときの消費で終わらないもの。相手の深い深い感情部分までドスッと落とせるようなものを、どれだけ生み出せるだろうか?そんなことを忘れないようにしなきゃって思います。

きっと仕事を始める前は相手の感情にどれだけ訴えかけられるかを意識していたと思う。

でも次第に数字に追いかけられ始める。

そうすると、最初に思っていたことは忘れてしまうのだ。

少し話は変わるけど、テレビが面白くなくなった理由には、「視聴率」という存在を視聴者が知ってしまったことにあるんじゃないだろうか。

それまでは、ただ面白いと思ってみていたのに、視聴率という数字があることによって、視聴率(数字)を基準に面白いか面白くないかを決めてしまっている。

自分の中にある面白いか面白くないかで判断すればいいのに。

そして、テレビを作る側の人たちはただ自分たちが面白いと思ったものを作ればよかったのに、視聴率を基準にテレビを作るようになる。

そうなるとどうなるか。

視聴者の声を集めるというマーケティングをすることで、視聴者が求めていたものを作るようになる。

当初視聴者にとって心地の良い番組が作られることによって、番組は改善したように見える。

しかし、番組の欠点が少なくなったものの、番組の長所が消えてしまったり、視聴者の想像を超えるものが作られなくなり、スケールが小さくなってしまう。

つまり、このことは、視聴者の声を聞くという楽(ラク)をとることで、番組を作る側の人間が「ワンホップ」を考える努力を放棄したともいえるのだ。

【関連記事】

話を元に戻すと、数字を追いかけることは大事だが、数字以外の評価基準を持つことはもっと重要だ。

「言語化できないけど心を動かすものが差異を生み出す」|猪子寿之さんと落合陽一さんの言葉より によれば、感動の再現性が共有できない言語化できないけど心を動かすものを追求することが大事なのだ。

【企画人:B面】千田絵美さん(株式会社ブラケット PRマネージャー)メディアに連絡しない広報に学ぶ、逆転発想の企画力

(2015/11/4、企画ラボ)

単純な掲載数という意味では減りましたが、結果的に社員がとても注目されるようになり、「面白い会社だ」という評価を高めてもらえるようになりました。

ブラケットでは、メディアに会社側から連絡したり、リリースを出すというアプローチをすることをやめて、「社員をどんどん表に出していく」、「他の会社がやっていないようなPRをする」ということを行なうようになって、掲載数は減ったものの面白い会社という評価が高まったそうだ。

企業においては、数字という評価軸ともう一つの評価軸を持つことが楽しく仕事をやっていくことにつながる。

その評価基準が、「面白い」と思われることであったり、「かっこいい」と思われることであったり、「夢」を追いかけることなのだ。

Twitterがツイート数を公開しなくなったことがそのきっかけになるといいな。

■まとめ

数字を追いかけるのは大事!

だけど数字以外の評価基準を持つのはもっと大事!

【追記(2016/11/26)】

今年の英単語は「ポスト真実」(POST-TRUTH) 英オックスフォード大が選出

(2016/11/17、産経ニュース)

英オックスフォード大出版局は16日、今年注目を集めた英単語として「客観的な事実や真実が重視されない時代」を意味する形容詞「ポスト真実」(POST-TRUTH)を選んだと明らかにした。

真実を伝えるニュースよりも、感情に訴えかけて、人々の関心をあおりシェアされるニュースが求められるようになった時代になったを形容して「post-truth」という言葉が注目されています。

そんな時代だからこそ、事実を積み上げていくことが大事なのだと思います。







P.S.

「星の王子さま」や「「モモ 時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語」(著:ミヒャエル・エンデ)には数字だけで人や物を判断する大人の話が出てくる。(「星の王子さま」は自分がオトナの視点で世界を見ていることを思い出させてくれる

数字だけで人や物を判断する人って魅力的ですか。

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