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男性の中には、「お腹が張る(お腹の張り)」の原因について悩んでいる人が多いようです。
お腹が張る(腹部膨満感)の5つの原因やお腹のガスを減らす方法についてまとめました。
【目次】
- お腹が張る(腹部膨満感)の5つの原因
- 1.胃や腸にガスがたまる
- 2.おなかに液体がたまる腹水
- 3.腹部の腫瘍(しゅよう)
- 4.機能性ディスペプシア
- 5.過敏性腸症候群(IBS)
- お腹のガスを減らす方法
- 低FODMAP(フォドマップ)食
- ここ15年で胃腸の病気に変化が見られる?
- まとめ
■おなかが張る(腹部膨満感)の5つの原因
by James Palinsad(画像:Creative Commons)
(2015/12/14、朝日新聞)
お腹の不調の中には、「お腹が張る(腹部膨満感)」という症状がありますが、鳥居内科クリニックの鳥居明院長によれば、その原因としては次のものが挙げられます。
1.胃や腸にガスがたまる
ガスが溜まることによって、お腹が張る場合には、食事するときに空気を飲み込む呑気症や便秘によるガスだまりが考えられるそうです。
●腸内にたまるガスのもと1.口から飲み込んだ空気
(2016/12/10、日本経済新聞)
お腹の張りの原因の半分が口から飲み込んだ空気(窒素ガス)で、早食いの人やストレスで奥歯をかみしめる人は、空気を飲み込む量が増えやすいそうです。
そうした空気を外に出す手段であるげっぷを我慢するとお腹の張りの原因となってしまうので我慢しない方がよいようです。
●腸内にたまるガスのもと2.腸内のガス
ガス(おなら)を出して大ぜん動を促して便秘解消!うつ伏せゴロゴロ寝運動のやり方|#ガッテン(#NHK)によれば、健康な大腸の人はおならが1日に数回出るのですが、便秘の人はおならが出ないそうです。
そのために便秘の人はガスが出ないためにおなかが張ってしまい大蠕動が起こらなくなります。
大蠕動が起こらなくなると、腸内細菌がガスを発生させてガスがたまることによりおなかが張って、ますます大蠕動が起こらなくなってしまうのです。
【ぜんどう運動と大蠕動の違い】
- ぜん動運動とは、大腸の壁から栄養や水分を吸収するために食べ物を動かす運動で、大腸にある内容物はゆっくりとしか動きません。
- 大蠕動は、通常のぜん動運動と比べて200倍のスピードで一気に直腸まで運んでくれるそうです。
しかし、大蠕動は副交感神経が優位の時しか起こらず、緊張しているときなど交感神経が優位の時には大蠕動は起こらないそうです。
しっかり眠れていないときにも大蠕動は起きないので、しっかり寝ることも便秘対策には重要なのです。
また、そのおなかの痛み(腹痛)、腸閉塞かも?便秘が原因で腸閉塞になることがある!?によれば、慢性的に便秘の症状がある方は、おなかの張りがあるかと思いますが、おなかの張りに加えて、激しい痛みがある場合には、腸閉塞になっている恐れがあります。
腸が動かなくなることによって、便やガスなどが排泄されず、腸がふさがってしまう病気が腸閉塞です。
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2.おなかに液体がたまる腹水
腹水とは、臓器と臓器の隙間にある腹腔(ふくくう)に血管やリンパから染み出したタンパク質や電解質といった栄養分を含んだ体液が通常よりもたまった状態です。
肝臓で作られる血液中の「アルブミン」というたんぱく質には、血液中の水分を一定に保つ役割があるのですが、肝機能が低下すると、アルブミンの量が減ることで、浸透圧が下がり、血管から水分が出ていってしまい、腹水やむくみが起こります。
また、肝臓の病気に関していえば、肝硬変になると、肝臓が硬くなることによって、門脈の血流を受け入れられなくなり、静脈から血液中の血球以外の成分(獎液)が漏れ出て、腹水がたまってしまいます。
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3.腹部の腫瘍(しゅよう)
卵巣腫瘍によって、腹部膨満感(おなかの張り)があることがあるそうです。
また、最近では、ストレスによって、胃や腸に機能障害が起こることが分かってきています。
胃の場合は「機能性ディスペプシア」で、腸の場合は「過敏性腸症候群」です。
4.機能性ディスペプシア
食後の胃痛・胃もたれはもしかすると「機能性ディスペプシア」かもしれません
1.食後のつらい胃もたれ感
2.すぐおなかいっぱいになる早期満腹感
3.みぞおちの差し込むような痛みや、焼ける感じ
3つの症状のうち一つ以上の症状が半年以上前から始まり、その症状が3か月以上続いていて、かつ胃がんや胃潰瘍など明らかな病変がない場合、「機能性ディスペプシア」と診断されるそうです。
5.過敏性腸症候群(IBS)
過敏性腸症候群(IBS)は、大腸や小腸に原因となる異常が見られないが、腹痛などの腹部症状に下痢や便秘といった便通異常を伴う疾患です。
過敏性腸症候群(IBS)の症状の中には、ガス(おなら・ゲップ)があり、おなかの張りという症状が現れることがあります
→ 過敏性腸症候群(IBS)の症状・原因・チェック・治し方 について詳しくはこちら
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■お腹のガスを減らす方法
●早食いの人は空気を飲み込む量が多いので、よく噛んで食べるようにしましょう。
●げっぷは、空気を外に出す手段なので、我慢しないようにしましょう。
●ガスを発生する食品を控えるようにしましょう。
■「低FODMAP(フォドマップ)食」
(2016/12/10、日本経済新聞)
ガスや腹痛、下痢などの原因になる特定の糖質を控える「低FODMAP(フォドマップ)食」が注目されています。
「発酵性のオリゴ糖」「二糖類」「単糖類」「ポリオール類」という糖質は小腸で吸収されにくく、小腸内での糖質の濃度が上がると水分が小腸内に引き込まれるため、お腹の不調が起こるそうです。
また、小腸で吸収されないものが大腸に移動して腸内細菌のエサとなり、分解する過程で多量の水素ガスが発生して、お腹の張りやおなら(ガス)が増えてしまうそうです。
「低FODMAP(Fermentable、Oligo-、Di-、Mono-saccaharides and Polyols:フォドマップ)食」では、FODMAPの食品を最小限のものにして、少しずつ摂取していき、おなかの不調の原因となる食品を見分けていきます。
(2016/12/10、Newsweek)
ミシガン大学の研究によれば、低FODMAP食によって、過敏性腸症候群(IBS)患者の50%以上でIBSに関連した腹痛の症状の改善が見られ、6週間の食事療法で61%の患者のQOLが改善したそうです。
【参考リンク(論文・エビデンス)】
「低FODMAP食」ではどのような食事を避ける必要があるのでしょうか?
●フルクタン・ガラクタン
小麦、ライ麦、大麦、玉ねぎ、にんにく、イヌリン、チコリの根、マメ科に属する植物のほとんど、アーティチョーク、豆乳、ライスミルク、ココナッツミルク
●ラクトース
牛乳、ヨーグルト、アイスクリーム、チーズ(カッテージチーズ、リコッタチーズ)
●フルクトース
コーンシロップ、はちみつ、アガベ、リンゴや梨(西洋なし)、すいかなどの果物
●ポリオール
堅い核のある果物(桃、プラム、さくらんぼ)、マッシュルーム、カリフラワー、シュガーレスガム・キャンディー
【参考リンク】
- Low FODMAP™ Diet Introduction|University of Michigan Health System
●ゴロゴロ寝転んで、ガスを移動させましょう。
ガス(おなら)を出して大ぜん動を促して便秘解消!うつ伏せゴロゴロ寝運動のやり方|#ガッテン(#NHK)
- 夜寝る前に、おなかのあたりに枕やクッション・座布団を敷いて、うつぶせの状態になり、この姿勢のまま10分間動かずにじっとします。
- 次に、体を左右にゴロゴロ転がします(5往復)。
※食後2,3時間は避けたほうが良いそうです。
■ここ15年で胃腸の病気に変化が見られる?
大きな要因は胃の中にいる細菌、ヘリコバクター・ピロリの除菌が進んだこと。以前は胃潰瘍(かいよう)や十二指腸潰瘍で「おなかが痛い」という患者が多かったが、除菌の普及で胃潰瘍などが減り、腸や食道の病気が目立つようになった。
最近はヘリコバクターピロリ菌の除菌が進んだことで、胃潰瘍などが減り、腸や食道の病気が目立つようになったそうです。
→ 胃潰瘍の症状(痛み)・原因・予防・食事 について詳しくはこちら
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■まとめ
おなかの張り(腹部膨満感)という症状がある場合には次のような病気の可能性があります。
1.胃や腸にガスがたまる
2.おなかに液体がたまる腹水
3.腹部の腫瘍(しゅよう)
→ 胃痛(胃が痛い)|胃の痛みから考えられる病気とその原因・特徴的な症状 について詳しくはこちら
→ 胃が痛い・胃の痛み|胃腸の病気の症状・原因・予防 について詳しくはこちら
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