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ドライアイとは、何らかの原因によって、眼を保護する涙液が不足したり、涙の質の異常が起こることで、眼の表面が乾いてしまう症状の病気です。
ドライアイには「目の痙攣(まぶたの痙攣)」という症状がありますが、なぜドライアイになると目の痙攣(まぶたの痙攣)という症状が現れるのでしょうか?
【目次】
■なぜドライアイになると目の痙攣(まぶたの痙攣)という症状が現れるのか?
なぜドライアイになると目の痙攣(まぶたの痙攣)という症状が現れるのでしょうか?
ドライアイとは、眼を保護する涙液が不足したり、涙の質の異常が起こることで、眼の表面が乾いてしまう症状であり、目の乾きと目の痙攣(まぶたの痙攣)とは一見関係がないように思えますが、ドライアイの原因と目の痙攣(まぶたの痙攣)の原因には共通点が2つ考えられます。
それは1.「長い時間目を酷使する」こと、2.ストレス(緊張)です。
長時間目を酷使すること
スマホやパソコンなどの画面を長時間見ることで目を酷使することにより、目のピント調整力が低下し、夕方頃になると老眼と同じような症状があらわれる「スマホ老眼」になります。
目には「水晶体」があり、カメラでいうとレンズに当たります。
この水晶体を、近くを見るときには厚くし、遠くを見るときには薄くなるように調節を行なっています。
スマホを見る際には、近くにピントを合わせるために毛様体筋の調節を行っているのですが、目を酷使することで、この毛様体筋に負担がかかっているからです。
また、スマホやパソコンが原因の「夕方老眼」の人が増加中によれば、スマホは強い光を発していて、目に入る光の光量を抑えるための虹彩筋にも負担がかかっているようです。
そして、スマホやVDT作業(パソコンでの作業)で画面を注視したり、読書、運転などをするとまばたきの回数が少なくなります。
通常は1分間に15回程度まばたきをするのですが、画面を凝視しているとそれが3分の1に減ってしまうことがあります。
まぶたの縁には目を保護する油を出す分泌腺であるマイボーム腺があり、まばたきする際に、このマイボーム腺から目の表面に油の膜が張り、水分の蒸発を防いでくれています。
この油の膜は10~15秒で破れてしまいますが、通常のまばたき回数であれば油の膜が破れることはありません。
しかし、まばたき回数が減ると油の膜が破れたままの状態になり、涙は蒸発して目が乾きやすくなってしまい、ドライアイになってしまいます。
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つまり、長時間目を酷使することは、言い換えると、まばたきが減少して目が乾きやすくなり、目の疲れによる目の痙攣(まぶたの痙攣)を起こす原因となっているのです。
(2011/7/10、日本眼科学会)
患者の自覚症状で約半数が目の乾燥感を訴えるだけでなく,実際に前医でドライアイの診断を受けている患者が国内,海外とも 4 割以上にみられる14)19)24).またドライアイと診断され,種々のドライアイ治療に抵抗する患者の 57%(ドライアイと診断された患者の 8.6%)が眼瞼けいれんであったとの報告もある25)
眼瞼けいれん診療ガイドラインによれば、ドライアイの診断を受けている患者の多くに眼瞼けいれんの症状がみられているそうです。
眼瞼けいれん診療ガイドラインを参考に、眼瞼けいれんの自覚症状についてまとめました。
- まばたきの回数が増える
- まぶた(眼瞼)の痙攣
- 目が開かない
- 目を開けるのがつらい
- 目が自然に閉じてしまう
- まぶしさを感じて、目の痛みや不快感を感じる(羞明:しゅうめい)
- 眼瞼下垂(正確にはまぶたが下がる)
- 目がチクチクする
- 目がゴロゴロする
- 目に何か入っているような不快感・異物感
- 目の痛み
- 目が乾く
- 流涙
- 頭痛
- 耳鳴り
- 肩こり
- 抑うつ
ストレス
●ドライアイとストレス
マイボーム腺は副交感神経がコントロールしているのですが、緊張した状態が続くと、油も涙液も出にくくなるそうです。
ストレスや緊張によって交感神経優位になることも涙が出なくなる原因です。
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●目の痙攣とストレス
ストレスや目の病気によるまぶたの痙攣もあります。
なぜストレスでまぶたがピクピクしてしまうのか?によれば、顔面神経はストレスが強くなると興奮し、不必要に筋肉を動かしてしまうことから、顔がピクピクしてしまうそうです。
ストレス性のものは女性が多く、特に目の痙攣はほとんどが若い女性なのだそうです。
一時的な目の痙攣の多くは、疲れやストレスによるものが多く、あまり心配しすぎず、疲れのサインだと思って、まずはゆっくり休養をすることが大事です。
→ ドライアイとは|ドライアイ(目が乾く)の症状・原因・治療 について詳しくはこちら
→ 目の痙攣の治し方・止め方|目がピクピクする原因 について詳しくはこちら
→ まぶたの痙攣の治し方|まぶたがピクピクする原因 について詳しくはこちら
■ドライアイ改善方法・予防
ドライアイで光がまぶしいという症状にならないためにも、しっかりと、ドライアイ予防が重要になってきます。
そこで、ドライアイの改善方法・予防についてまとめました。
スマホやパソコンをよく見ている人は、定期的に目を休める。
遠くを見たり、目を動かして目の緊張を和らげる。
まばたきの回数を意識的に多くする。
「20-20-20-20」という眼精疲労回復エクササイズは、20分おきに20フィート(約6メートル)離れたところを20秒間見つめながら、20回連続で瞬きをすると疲れ目に良いそうです。
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蒸しタオルで目を暖め血行をよくする。
温かいおしぼりをまぶたに乗せて、目を温めることで涙の成分のうち脂分が出やすくなり、目の表面の保湿効果が高まります。
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目の周囲をマッサージする。
目の周りの皮膚は非常に薄く、刺激を与えすぎるといけないので、目のクママッサージを参考にしてみてください。
→ 目のクママッサージ について詳しくはこちら
睡眠を大事にする
睡眠不足など生活習慣の乱れにより、涙の分泌量が少なくなるため、ドライアイになることもあります。
ドライアイに効くツボ
風池(ふうち):頭蓋骨の最も下側でくぼんでいるところ。(うなじのくぼんだ所あたり)
- 親指で頭の中心に向かって押します。
- 左右同時に5秒間押して離すを5回。
- 額をテーブルにつけて押すと力が入りやすい
頭の血行を促し、頭痛や目の疲れ・ドライアイを解消してくれるそうです。
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目薬を利用する。
ドライアイの症状がひどい場合には、ドライアイ専用目薬を利用しましょう。
但し、乾燥が気になっても、市販の目薬を頻繁に差すことは、くれぐれも習慣化しないように気をつけてください。
防腐剤などの刺激で症状が悪化することもあるそうです。
防腐剤の入っていない『人工涙液』を選ぶことをお勧めします。
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- 「目薬後に目をパチパチ」は間違い!?目薬の点眼方法、不適切が9割超|正しい目薬のさし方とは
- ドライアイの目薬(点眼薬)に新しい成分(人工涙液・ヒアルロン酸ナトリウム・レバミピド・ジクアホソルナトリウム)|ドライアイの治療
部屋の湿度を保つ
部屋の湿度が下がると、ドライアイになるリスクが高くなるので、加湿器などを利用して、部屋の湿度を保つようにしましょう。
また、エアコンの風が直接当たらないように気を付けてください。
コンタクトレンズの正しい利用をする
コンタクトレンズを使用する際には、使用上の注意を守り、ドライアイの症状がひどい場合には、コンタクトレンズ専用目薬を利用してください。
アイメイクに気をつける。
最近は、目を大きく見せるための「ぱっちりメーク」が流行っていますが、マイボーム腺がふさがれ、油が分泌できなくなることがあります。
ドライアイにならないためにもメーク落としをしっかりと行なうことが重要です。
食事・栄養に気をつける。
目や身体の血流をよくするよう食事に気をつけ、健康補助食品(カシス・ルテイン・ブルーベリー)などを利用してみてはいかがでしょうか。
ドライアイにならないためにも、普段から目に優しい、つまり、あなた自身に優しい生活習慣をするようにしてください。
→ カシス(アントシアニン)の健康効果 について詳しくはこちら
→ ブルーベリー(アントシアニン)の健康効果 についてはこちら
→ ルテインの健康効果 について詳しくはこちら
→ 目の病気・症状 一覧 について詳しくはこちら
【参考リンク】
(2011/7/10、日本眼科学会)
14) Anderson RL, Patel BCK, Holds JB, Jordan DR: Blepharospasm:past, present, and future. Ophthal Plast Reconstr Surg 14:305―317, 1998.
19) 三村 治, 鈴木 温, 木村亜紀子:本態性眼瞼痙攣の臨床. 神経眼科 20:15―21, 2003
24) 若倉雅登:誤 診 だ らけの眼瞼痙攣. 眼科 45:1975―1981, 2003
25) Tsubota K, Fujiwara T, Kaido M, Mori A, Mimura M, Kato M:Dry eye and Meigeʼs syndrome. Br J Ophthalmol 81:439―442, 1997.
1) Grandas F, Elston J, Quinn N, Marsden CD: Blepharospasm:a review of 264 patients. J Neurol Neurosurg Psychiatry 51:767―772, 1988.
2) 若倉雅登:眼瞼けいれんと顔面けいれん. 日眼会誌 109:667―684, 2005.
14) Anderson RL, Patel BCK, Holds JB, Jordan DR: Blepharospasm:past, present, and future. Ophthal Plast Reconstr Surg 14:305―317, 1998
23) 根本裕次, 金子博行, 芹澤留見, 増子真理, 石葉泰嗣, 高橋英樹:眼瞼痙攣患者の自覚症状調査. 臨眼 53:361―364, 1999
【参考リンク】
- 流涙とは|カネカメディックス
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