【仮説】テキストメッセージが増え、触れ合い(直接会う・スキンシップ)や電話で話すことが減ったことで世界は不安定になっている!?


今回考えた仮説というのは、こちらです。

【仮説】テキストメッセージが増え、触れ合いや電話で話すことが減ったことで世界は不安定になっている!?

※ここでいうテキストメッセージとは、文字を使ったコミュニケーションアプリを指します。

なぜこんな仮説を考えたのか、紹介していきます。




【目次】

■スキンシップによって幸せホルモン「オキシトシン」が分泌され、ストレスホルモン「コルチゾール」のレベルが下がる

Texting ...

by kimdokhac(画像:Creative Commons)

オキシトシンで痛みやストレスが和らぎ、血圧が下がる|簡単タッチケアの方法|#ガッテン(#NHK)によれば、カラダに触れられると脳から出てくる「オキシトシン」というホルモンは、痛みやストレスを緩和し、血圧を下げたり、認知症にも効果的だったり、ストレスや不安も軽減してくれるそうです。

ハグをする実験によれば、ハグをすることによって、「オキシトシン」というホルモンが増えたそうです。

なぜスキンシップが多いバスケットボールチームは強いのか?|身体的接触のもたらす2つの効果で紹介した米ジョンズ・ホプキンス大学のデイビッド・リンデン教授によれば、スキンシップによって絆や信頼などの感情を呼び起こすオキシトシンが分泌され、チームの絆が強くなり、個人・チーム両方の生産性を向上させると考えられるそうです。

また、スキンシップにはストレスを軽減する効果があるということです。

New Research Focuses the Power of Physical Contact

(2010/2/22、The New York Times)

A warm touch seems to set off the release of oxytocin, a hormone that helps create a sensation of trust, and to reduce levels of the stress hormone cortisol .

スキンシップによってオキシトシンが分泌され、ストレスホルモンであるコルチゾールのレベルを下げるそうです。

In the brain, prefrontal areas, which help regulate emotion, can relax, freeing them for another of their primary purposes: problem solving.

スキンシップによって、感情を調節するのに役立つ脳の前頭前野がリラックスして、問題解決に集中することができるそうです。

今のところ、「会う」以上のコミュニケーション手段はない!で紹介した英チェスター大学の調査結果によれば、直接もしくはスカイプで対話すると笑いが50パーセント増しになり、幸せと感じる度合いが増すことが明らかになったそうです。

ところで、ニホンザルはなぜ毛づくろいをするのか?によれば、毛づくろいには3つの意味があるそうです。

1.シラミをとる(直接的)

2.不安を和らげる(心理的)

3.社会的な絆を深める(社会的)

毛づくろいを「コミュニケーション」に置き換えて考えるとすれば、毛づくろいというコミュニケーションによって、オキシトシンが分泌されることにより、ストレスが軽減することにより、不安を和らげることができると思います。




■オキシトシンは信頼する人との電話でも分泌される

オキシトシンは触れ合うことだけでなく、信頼する人と電話をすることでも分泌されるそうです。

UW-Madison Research Finds Mom’s Comfort Lowers Stress Levels

(2010/5/12、University of Wisconsin-Madison School of Medicine and Public Health)

A simple phone call from mom can calm frayed nerves by sparking the release of a powerful stress-quelling hormone, according to researchers at the University of Wisconsin-Madison.

米ウィスコンシン大学マディソン校(University of Wisconsin at Madison)の研究によれば、母親からの電話は、強力なストレス解消ホルモンの放出を促すことによって、疲れた神経を落ち着かせることがわかったそうです。

【参考リンク】

■インスタントメッセージではオキシトシンは分泌されない

しかし、母親と直接コミュニケーションをとっている子供とは異なり、インスタントメッセージを送った女の子はオキシトシンを放出しなかったことがわかったそうです。

Leslie J. Seltzer, Ashley R. Prososki, Toni E. Ziegler, and Seth D. Pollak Instant messages vs. speech: hormones and why we still need to hear each other Evol Hum Behav. 2012 Jan; 33(1): 42–45.

(2012 jan、NCBI)

Indeed, speech between trusted individuals is capable of reducing levels of salivary cortisol, often considered a biomarker of stress, and increasing levels of urinary oxytocin, a hormone involved in the formation and maintenance of positive relationships.

We discovered that unlike children interacting with their mothers in person or over the phone, girls who instant messaged did not release oxytocin;

信頼している個人間の話は、ストレスのバイオマーカーと見なされるコルチゾールのレベルを低下させることができ、良好な関係の形成および維持に関与するホルモンである尿中オキシトシンレベルを上昇させることができるそうです。

直接触れ合うことや身近で慰めの声を電話で聞くことではオキシトシンが放出されたのに対して、インスタントメッセージでは得られなかったことは、テキストメッセージ全盛の現代において重要な問いかけをしているのではないでしょうか?

つまり、声によるコミュニケーション(ボーカルコミュニケーション)からテキストメッセージによるコミュニケーションが多くなった現代において、もしかするとオキシトシンの分泌が減少しており、そのことによって、神経が疲れた状態になっているのではないかと考えたのです。

【関連記事】

■まとめ

この仮説が正しければ、人々はつながろうとして、新しいコミュニケーションツールを開発するたびに、実は幸せからは離れていっているのではないでしょうか。

どんなにテキストメッセージを送りあっても、オキシトシンは分泌されず、コルチゾールのレベルは下がらない、つまり、体には何の反応も得られていない行動をやっているだけなのです。

もっと自分自身の体を幸せにすること、例えば、電話をしたり、できれば直接会うことを増やせば、自分の体は幸せな反応を示すはずで、それが自然と世界を幸せにしてくれることにつながるのではないでしょうか。

性別(男性・女性)・年齢階級別にみる悩みやストレスの原因からわかることで紹介した厚生労働省の平成13年 国民生活基礎調査の概況にある「性・年齢階級別にみた上位5位までの悩みやストレスの原因」によれば、女性75歳以上、男性85歳以上の悩みの中には「話相手がいない」が挙がってきます。

人生において、仕事やお金、人間関係、健康など様々な悩みがありますが、「人生100年時代」となったときに最後に「話し相手」がいれば幸せなのかもしれません。

もっと人と会って、人と話しましょう!







【コミュニケーション関連記事】

P.S.

コルチゾールを減らす方法にはこのような方法もあります。

男性は美女と5分話すだけで男性ホルモンが増え健康に、科学的に確認|米カリフォルニア大学の研究で紹介した米カリフォルニア大学の研究によれば、男性は美女と5分間話すと、男性ホルモンに含まれるテストステロンと抗圧効果のあるコルチゾンといった成分が急速に増加することで、元気になり注意力が増すだけでなく、緊張がほぐれる作用もあるそうです。

名前(ファーストネーム)で呼びかけられると女性の愛情ホルモンは増加する!?によれば、ファーストネーム(名前)を呼ばれると、愛情ホルモンであるオキシトシンが増加し、ストレスホルモンであるコルチゾールが減少するということがわかったそうです。

1か月のハイキング生活で体はどう変化するの?|海外セレブ(ジャスティン・ビーバー、セレーナ・ゴメス、エミリー・ラタコウスキー)は #HIKING が好き!?で紹介した29日間で1日8~10時間のハイキングを行なった人によれば、ストレスホルモンともいわれるコルチゾールの値は平常が10-23μg/dLのところ、ハイキング前17.8μg/dL→ハイキング後10.8μg/dLと、コルチゾール濃度の正常範囲の最高値に達しました。

なぜ化粧療法プログラムを受けると健康寿命が延びるのか?|化粧動作には「心」「脳」「身体」の3つの面に効果があるによれば、化粧をすると、脳の活動(脳血流)が高まり、ストレスホルモンであるコルチゾールが減少し、認知機能の低下を抑制するそうです。