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南アフリカワールドカップ日本代表として活躍した長友佑都選手に関するインタビューで「体幹」「骨盤」といったキーワードがあったので、抜粋してみました。
長友、“弟子”本田に体幹トレの極意伝授…F東京
(2010/7/3、スポーツ報知)
長友は世界と対等に戦うためにここ数年、体幹に着目。
関連書物を読みあさり、有効な知識を身につけた。
それだけに本田には骨盤を立てる重要性などを説いた。
FC東京の長友「無名でもW杯の舞台に立てることを証明できた」
(2010/7/2、スポーツナビ)
――本田選手と2人でいる姿がよくテレビに映っていたが、一緒にいた時間は長かった?
長かったですね。部屋も横でしたし。いろんな話をしましたよ。サッカーの話、プライベートのことも……(笑)。あ、思い出し笑い。でも、サッカーの話が多かった。これからおれたちが成長するために、どういうことをやっていけばいいのかとか、メンタル的な話だったり、僕の体幹の講義だったり。真剣に聞いてくれるの、あいつぐらいなんですよ。でも、やっぱりあいつは上に行きたいから、めっちゃ真剣に聞く。ヤバイですよ。あいつ、普段から骨盤を立てるの意識しているし。もう練習風景を見ていたら分かる。トレーニングのときから骨盤を立ててやっている。「走るとき、力みすぎ」とか言って。あいつ、ホンマに真剣ですよ。
スイスで1回、自由時間があって、あいつと一緒に日本料理屋にメシを食いに行ったんですよ。もう、ホテルから日本料理屋まであいつ、骨盤意識して歩いてましたからね(笑)。でも「お前、伸びしろあるな~」って言ってね。なかなかできないですからね、普通は。あいつ、これからもっといきますよ。僕は確信していますけど。師匠と弟子? 体幹に関しては完全にそうですよ。
本田選手とも体幹や骨盤に関する話をしていたそうです。
その話をきっかけなのかどうかは分かりませんが、本田選手は普段から骨盤を立てることを意識してやっているそうです。
トレーニングの時だけでなく、普段歩くときも骨盤を意識して歩いていたそうです。
長友佑都選手は以前から体幹について興味を持っていたそうですが、骨盤を意識した走り方については、2010年1月の記事でも取り上げられています。
「会話してます」長友今度は“骨盤マニア”
(2010/1/24、スポニチアネックス)
「体幹マニア」を自負するFC東京の日本代表DF長友が、今度は骨盤を意識したランニングを取り入れた。
「骨盤を立てて走ると胸を張ったフォームになる。最近は骨盤と会話してますよ。“もっと立ててみようか”ってね」。すべてはW杯で激突するカメルーンなど、フィジカルに勝る外国勢と互角以上に戦うため。「アフリカ勢のフィジカルはヤバイでしょ。いろんな研究してやるしかない」と話していた。
外国人選手と五角以上に戦うために走り方を研究していたようです。
このころから始めていたのかと思っていたところ、実はもっと前から取り組んでいたようです。
長友佑都が特殊な走法を身に付け、「戦えるサイドバック」に変身!
(2009/9/28、Number)
足を真下に落として、地面をかく──。長友を変えたフォーム。
この、トップスピードに素早く引き上げる長友の特性は、6月までのW杯アジア最終予選では見られなかったものだ。最終予選当時の映像とオランダ遠征の映像を見比べてみると、走り方にやや違いがあるのが分かる。走る歩幅が短くなり、重心は幾分、低くなっている。
FC東京の小平グラウンドで練習を終えた長友に走り方の変化について尋ねると、やはり意識的に変えているという答えが返ってきた。
「今、走り方というのはフィジカルコーチと一緒になって、取り組んでいるところ。スピードを上げるためのトレーニングをやっていて、(コーチには)フォームをずっとチェックしてもらっています。大事なのは、お尻に体重が乗っているイメージで走ること。太腿の前とかに体重が乗るんじゃなくて、(お尻に)一番、体重が乗っているから移動がスムーズになるんです」
長友がこの走り方に本格的に取り組むようになったのは、オランダ遠征の少し前あたりからだと、FC東京の土斐崎浩一フィジカルコーチは言う。
「彼の走り方というのは上に跳ねるようなイメージがあって、浮いてしまっていた。速さを出したいときに、これだとどうしても使う力がピッチにうまく伝わらない。いかに力をピッチに伝えるか。足をできるだけ真下に落としてから、地面をかくイメージ。それをずっと意識させてきました」
練習ではもっぱら20m弱の距離をダッシュさせ、走るフォームに神経を使わせた。「足を真下に落とす」イメージを持たせたフォーム改造で、20mのタイムもコンマ1秒、コンマ2秒ほど短縮できるようになったのだと土斐崎コーチは言う。
何よりも、この走法の基本にあるのは、効率の向上にある。無駄な力を使わないことで、スピードだけではなく、スタミナにも直結する。長友は消耗戦となった2試合とも90分間、フルに走りまくることができた。遠征から帰国後、長友は土斐崎に「手ごたえがありました」と報告している。
この走法に加えて、長友が力を入れているのがバランスの強化である。体幹を使っての開脚、屈伸運動など、日本代表が取り入れる前から、FC東京で取り組んできたことが今、実を結ぼうとしている。
この記事に書かれている走り方のポイントとしては、
- 走る歩幅が短くなり、重心は幾分、低くなっている。
- お尻に体重が乗っているイメージで走ること。
- 足をできるだけ真下に落としてから、地面をかくイメージ。
- この走法の基本にあるのは、効率の向上にある。無駄な力を使わないことで、スピードだけではなく、スタミナにも直結する。
次の記事では、長友選手の体幹に関する記事です。
(2010/6/23、読売新聞)
14日のカメルーン戦で、8年ぶりのW杯勝利を収めた日本。この試合で持ち前の1対1の守備力を生かし、相手のエースとして最も恐れられていたFWエトーをほぼ封じ込んだDF長友佑都は、「ほとんど仕事をさせなかったと思う」と胸を張った。
1対1の局面で、ボールを奪うには、フィジカルの強さが求められる。それは、単なる体の大きさというより、「体幹」(体の中心部)の筋力の強さに左右されるものだ。1メートル70と小柄な長友が当たり負けしないのは、この体幹筋を鍛え、常に安定した姿勢で、前後左右どの方向へもぶれずに対応できる瞬発力を備えているためだ。
聖マリアンナ医科大の河野照茂教授によると、腹筋、背筋を中心とする体幹筋の中で、特にフィジカルの強さを支えるのは、骨盤の近くにある「腹横(ふくおう)筋」や、背骨と大腿(だいたい)部を結ぶ「大腰(だいよう)筋」という。まさに、長友が走る際に意識するという「丹田」(へその下)にある筋肉群だ。「これらの筋肉は、体のバランスを保つのに重要。手足の動きと連動させて鍛えることで、重心がぶれたりバランスが崩れたりしても、瞬時に姿勢を戻せる。俊敏に体の切り返しやキックに対応できるのはそのためだ」と強調する。
筋肉の強さだけでなく、「ぶつかり合う時の動作の巧みさも重要」と指摘するのは、東京大の深代千之教授だ。長友は、相手と接触する時に重心を低くすることを心がけている。「これにより、地面をける足の力(地面反力)を重心の方向に向けやすくなるなど、コントロールが容易になる。けりの力を、効率よく相手を押す力に変換できる」と分析する。
相手の動きを見て駆け引きする1対1の守備では、「最後の最後まで動かず機をとらえることが大切」(丸山剛生・東工大准教授)だ。カメルーン戦で、長友はエトーとの距離を保ち、相手の出方を待って、ぎりぎりになって対応した。それがエトーの動きを封じたわけだが、この試合での長友は、最もスピードに乗った時で時速30・13キロと世界トップクラスの数字を記録した。瞬発力が弱いと言われがちな日本の中で、フィジカルの強さは光っている。
【まとめ】
ここ最近、歩き方や走り方に興味を持っています。
なぜ興味を持ち始めたのかというと、それは、もしかすると、今までやってきた歩き方や走り方は日本人にはむいていないのではないかと思うのです。
侍ハードラーとして有名な為末大さんの著書「日本人の足を速くする」でも、日本人に合ったトレーニング法と正しい身体の動かし方をマスターする必要性を説いています。
日本人と欧米人では、生まれつき骨格が違う。
日本人が速く走るために必要なのは、筋力よりもむしろ、技術である。
体の前側に筋肉がついてしまうのが日本人。欧米、アフリカ系は逆。
こうした考え方を世間で広めた選手として思い出されるのは、男子短距離の高野進さんや末續慎吾さんです。
日本人でも世界に通用すると期待された走り方でしたよね。
おそらく長友選手も自分にあった走り方というものを研究しているうちに、現在のような走り方を見つけ出したのではないでしょうか。
日本人が短期間でクリスティアーノロナウドのような体格になるのは難しいと思います。
サッカーの技術についてはよくわかりませんが、もっと日本人の身体(骨格・筋肉)にあった身体の使い方・走り方・トレーニング方法を研究する必要があると思うのです。
そして、その体の使い方をベースに技術を磨くことが出来れば、日本代表はもっと強くなれると信じています。
P.S. 長友選手は今大会での活躍(それより前からかもしれません)で欧州移籍が取り出たされていますが、ヨーロッパでのトレーニング方法によって、走るフォームが崩さず、自分の走り方を追求して欲しいですね。
【2011/1/31更新】
アジアカップでは全6試合にフル出場。オーストラリア戦はチーム最長15・466キロを走破したそうです。
疲れているはずの延長後半にもドリブルで勝負を仕掛け、FW李忠成選手の決勝弾をアシストしていました。
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