【目次】
■高嶋ちさ子さん、母を亡くし、高齢の父と高齢のダウン症の姉、育児と仕事を抱え、ダブルケア以上の状態に
by Financial Times(画像:Creative Commons)Photo Credit: Grace Villamil
高嶋ちさ子、母亡くして弱音を吐露…高齢の父姉と仕事育児を抱え「人生は過酷」
(2018/1/25、スポーツ報知)
母が亡くなって、残された高齢の父と高齢のダウン症の姉の事。ぷち反抗期の長男に甘えん坊の次男の事。そしてコンサートの事。私にのしかかる物は想像以上大きく。愚痴を言いたい相手はこの世にいない。本当に困ったと思ったら、朝になってた。取り敢えず動くしかない。人生は過酷だ!
— 高嶋ちさ子official (@chisako824) 2018年1月25日
バイオリニストの高嶋ちさ子さんは2017年8月にお母さんを亡くし、現在は高齢のお父さんと高齢のダウン症のお姉さんがいて、二人のお子さんを育てながら、なおかつ仕事をしていることをツイートしています。
芸能活動引退の会見で小室哲哉さんが最後にメッセージを伝えた「高齢化社会」「介護の大変さ」「社会のストレス」についてみんなで考えてみよう!では、小室さんが感じているような高齢化社会・介護の大変さ、社会のストレスというのは決して他人事ではなく、私たちのすぐ目の前まで来ているといっても過言ではないと書きました。
高嶋ちさ子さんのケースは、高齢化社会・介護の大変さ、仕事のストレスに加えて、育児と介護を同時に行なう「ダブルケア」の状態であると考えられます。
【追記】
2018年10月3日放送の「一周回って知らない話」でご家族が出演していましたが、お父さんとお姉さんとのやりとりを見てみるとそんな心配をする必要などないくらい元気でした。
■ダブルケアとは
参考画像:ダブルケアを行う者の年齢構成|平成28年版厚生白書|スクリーンショット
参考画像:ダブルケアに直面する前後の業務量や労働時間の変化|平成28年版厚生白書|スクリーンショット
育児と介護を同時に行なう「ダブルケア」の原因と実態とは?で紹介した内閣府の「育児と介護のダブルケアの実態に関する調査」(2016年)によれば、一人や一つの世帯が同時期に介護と育児の両方に直面する「ダブルケア」の実態は次のようになっています。
●ダブルケアを行う者の推計人口は25万3千人
●男女別では、男性が8万5千人、女性が16万8千人と女性が男性の約2倍であり、女性に負担が偏っている
●ダブルケアを行う者は30歳~40歳代が多く、男女ともに全体の8割を占めている
●「業務量や労働時間を減らした」者は、男性で約2割、女性で約4割となっており、そのうち離職して無職になった者は、男性で2.6%、女性で17.5%となっている
晩婚化・晩産化(出産年齢の高齢化)が進んだ結果、子育てと親の介護を同時に行わなければならない問題である「ダブルケア」に注目が集まっているそうです。
■まとめ
参考画像:「ダブルケア」を身近な問題と思うか|平成28年版厚生白書|スクリーンショット
厚生労働省政策統括官付政策評価官室委託「高齢社会に関する意識調査」(2016年)における 「「ダブルケア」の問題はあなたにとって身近な問題だと思うか」という質問に対する回答に対しては、45.4%の人が「ダブルケア」の問題を身近な問題として「思う」「どちらかというと思う」と回答しています。
現役世代の多くが「ダブルケア」の問題を抱えてしまう可能性がありえます。
だからこそ、いかに育児の負担と介護の負担を軽くすることができるのかが重要になってきます。
特に、女性への負担が大きく、介護のために労働時間を減らしたり、無職になったりするケースもあり、無償の介護を行なわずに就労していた場合の収入や年金を考えると、大きな損失を生んでいることがわかります。
女性が働きながらでも、子育ても介護もできるようにするためにはどのようにしたらよいか、自分事として考えていく必要があるのではないでしょうか?
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