1日1万歩は古い!?世界が注目!ジャパニーズウォーキング「インターバル速歩」とは?歩くことで脳若返り!【ミスターサンデー】




2025年8月17日放送のフジテレビ系「Mr.サンデー(ミスターサンデー)」では「歩く新常識で健康に?日本式ウォーキング」を取り上げました。

■1日1万歩は古い!?

1日1万歩を歩くことが推奨されてきましたが、実はこの常識が変わってきています。

ある研究によれば、1日15分の速歩きで全死亡リスクが約20%低下することがわかりました。

一方で、3時間以上のゆっくり歩きでは効果が限定的と報告されています。

【参考リンク】

  • Wen CP, Wai JP, Tsai MK, Yang YC, Cheng TY, Lee MC, Chan HT, Tsao CK, Tsai SP, Wu X. Minimum amount of physical activity for reduced mortality and extended life expectancy: a prospective cohort study. Lancet. 2011 Oct 1;378(9798):1244-53. doi: 10.1016/S0140-6736(11)60749-6. Epub 2011 Aug 16. PMID: 21846575.

    低活動量群(週平均92分(95%信頼区間71~112分)または1日平均15分(SD 1.8)の運動をしていた)は、非活動群と比較して、全死亡リスクが14%低下し(0.86、0.81~0.91)、平均寿命が3年延長した。1日15分の最低限の運動量を超えて15分運動するごとに、全死亡リスクが4%低下し(95%信頼区間2.5~7.0)、全がん死亡リスクが1%低下した(0.3~4.5)。

つまり、ここから考えられることは「歩数」や「歩く時間」ではなく、「歩き方の質」を変えることにより、得られる健康効果が違うということなんです。

一日1万歩を実際に達成するのは難しく、厚生労働省の2023年「国民健康・栄養調査」によれば、日本人の1日あたりの平均歩数は男性6628歩、女性5659歩にとどまっています。

【補足1】

運動したいけど運動する時間がない女性に2つのアドバイス|72.5%の女性が「運動する時間が不足」|63.6%が運動によって健康が改善されたと回答によれば、定期的に運動ができていないと回答した女性に、定期的に運動ができない理由を尋ねたところ、71.3%もの女性が「時間が取れないから」と回答しています。

この回答から、運動をするためにはまとまった時間が必要だと考える傾向が強いのではないかという仮説が立てられます。

1日1万歩歩かないといけない、脂肪を燃焼させるには20分運動しないといけないというようなことが無意識に刷り込まれているからかもしれません。

しかし、「時間がない」という言い訳はできない?1分間の激しい運動が45分間の穏やかな運動と同じ効果がある!?で紹介したカナダのマクマスター大学の研究チームによれば、1分間の激しい運動を継続すれば、軽めの運動を45分間したのと同じくらいの効果があるそうです。

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つまり、「まとまった時間がとれないから運動しない」というよりも1分でも時間があれば運動するといいということができます。

【補足2】

1日7千歩で死亡リスクが47%低下!心血管疾患・がん・2型糖尿病・認知症・うつ病も抑制!で紹介したランセット誌に掲載された1日あたりの歩数と健康の関係を調べた研究によれば、1日2,000歩と比べて、7,000歩で死亡リスクが47%低下し、また死亡率、心血管疾患、がん、2型糖尿病、認知症、うつ病、身体機能、転倒なども抑制することがわかりました。

これまで一日一万歩が健康の目安と言われてきましたが、この研究によれば7000歩でも十分な健康効果が得られることがわかりました。

■世界が注目するジャパニーズウォーキング「インターバル速歩」

インターバル速歩のやり方・コツ・注意点!なぜインターバル速歩は老化防止に効果なの?によれば、信州大学大学院医学系研究科、スポーツ医科学講座の能勢博教授の研究チームが提唱しているインターバル速歩とは「速い」「普通」を交互に繰り返すウォーキングのことで、世界的に注目が集まっている運動法なのだそうです。

なぜ、注目が集まっているのでしょうか?

普通のウォーキングと比べると、インターバル速歩をすると、体力が向上し、血圧、血糖値、中性脂肪BMIといった生活習慣病に関わる指標の全てで改善することが確認できたそうです。

具体的にインターバル速歩のやり方は「速歩3分」「普通歩行3分」を繰り返す、自分の最大運動能力の7割ぐらいの強度で行うことがポイントです。

「1日1万歩」は効果が無かった…!ついにわかった「ジムに行かなくても体力がつく」すごい方法(2024年9月26、現代ビジネス)によれば、7300名の中高年者を対象に5ヵ月間のインターバル速歩トレーニングの効果を検証したところ、5ヵ月間の継続率が95%、体力が最大20%向上、高血圧、高血糖、肥満などの生活習慣病指標が20%改善、膝痛・腰痛などの症状が50%改善、そのほか、うつ症状、認知機能も有意に改善したそうです。

■歩くことで脳若返り!?

スタンフォード大学の実験によれば、歩きながら考えることで創造性が座っている時より約1.6倍高まることがわかりました。

イリノイ大学の研究では、1年間のウォーキングを継続した人の記憶や学習に関わる「海馬」が大きくなっていることが確認されてそうです。

【補足3】

軽い運動でも脳の認知機能は向上する|筑波大によれば、筑波大学体育系の征矢英昭教授らの研究で、ジョギングに相当する運動を短時間行うと脳の中の判断力や注意力を支配する部分の活動が活発になることがわかっていましたが、今回のプレスリリースによれば、ウォーキング程度の軽い運動を短時間行なっても脳の前頭前野が担う実行機能(注意・集中、判断、計画・行動を調節する高次認知機能)が高まることがわかったそうです。

一日に歩く時間が長い人ほど認知症になりにくい!40代・50代は認知症予防のためにも運動する時間を増やそう!|東北大で紹介した東北大の遠又靖丈講師の研究グループの研究によれば、一日に歩く時間が長い人ほど認知症になりにくく、仮に「30分未満」「30分~1時間」のグループが歩行時間を増やして、一段階上のグループに移ると、認知症になる割合が低く抑えられることが分かったそうです。

中年期の運動によって脳の萎縮や認知機能の低下を予防できる!?によれば、米ボストン大学などの研究チームによるランニングマシンで運動してもらうテストによれば、運動成績が悪かった人は脳が萎縮していることがわかったそうです。

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デスクワークの危険性とは?散歩しながら会議しよう!によれば、「ウォーク&トーク・ミーティング」という会議室やカフェなどでのビジネスミーティングをやめ、散歩をしながら会議を行う方法を提案しています。

歩きながら会議をするということを実践している日本の企業もありましたが、実際外の空気を吸って街の景色を見ながら会議するというのは面白い試みだと思います。

■まとめ

インターバル速歩を取り入れてみませんか?