ある研究によれば、キノコを食べる人は、食べない人に比べて抑うつのリスクが有意に低いことがわかりました。
■背景
キノコは抗酸化物質や抗炎症成分が豊富で、がんや生活習慣病のリスクを下げる可能性が以前から指摘されています。特に、エルゴチオネイン(キノコに多く含まれる抗酸化物質)は脳の酸化ストレスを減らし、精神疾患の予防に役立つかもしれないと考えられています。そこで、研究者たちは「日常的にキノコを食べる人は抑うつ症状が少ないのではないか?」を、大規模な米国データで調べました。
■結果
●全体の抑うつ有病率は約5.9%。
●キノコを食べる人は、食べない人に比べて抑うつのリスクが有意に低いことがわかりました。
●特に「中くらいの摂取量」のグループでは、食べないグループに比べて抑うつのオッズが約69%低いという強い関連が見られました。
●しかし、「たくさん食べる」グループではさらにリスクが下がるという「量が多いほど効果大」は明確ではなかったそうです。適度に食べるだけで十分な可能性があります。
●キノコを食べる人は、教育レベルが高い非ヒスパニック白人女性にやや多かったという特徴もありました。
■なぜキノコが抑うつリスクを下げるのに効果的なのか?の仮説
●キノコに含まれるエルゴチオネインが抗酸化・抗炎症作用を発揮し、脳の細胞を保護する。
●カリウムが不安を和らげる可能性。
【補足】
●【キノコ業界に朗報!】きのこが認知症を救う!?キノコをたくさん食べる高齢者はMCI(軽度認知障害)の発症リスクが低い!|シンガポール国立大学(NUS)によれば、過去の研究結果から、シンガポールに住むMCIの症状がある高齢者は同年齢の健康な人たちと比べ、血漿中のエルゴチオネイン濃度が大幅に低下していたことがわかっていることから、エルゴチオネインを今後の研究対象とすることを決めているそうです。
認知症の発症リスクが高いのは、脳卒中の経験がある人、糖尿病や心臓病の持病がある人、握力が弱い人、うつ傾向がある人で紹介した国立長寿医療研究センターなどのチームによれば、うつ傾向がある人は認知症を発症するリスクが高いそうです。
つまり、認知症に良い食べ物やうつ病予防に良い食べ物というように分けて考えるよりも、何らかの関連があると考えて、食事をすることにより、同時に予防ができると考えてもいいのではないでしょうか?
●葉酸がうつ病予防に効果がある|多目的コホート研究によれば、男女ともに、野菜や果物、いも類、大豆製品、きのこ類、海そう類、脂の多い魚、緑茶などが関連した健康型食事パターンにより自殺のリスクが低下するという結果が得られました。
この理由として、この食事パターンのスコアが高い群では、葉酸や抗酸化ビタミン(ビタミンCやカロテン)の摂取が多いことによると考えられます。
葉酸や抗酸化ビタミンは、自殺の危険因子として知られているうつに対して予防的に働くことが報告されており、食事パターンとして総合的にみることで、これらの栄養素の相乗効果も期待できます。
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■まとめ
今回の研究を参考にすれば、日常的にキノコを食べる習慣を持つと抑うつリスクを下げてくれる可能性があります。
【参考文献】
- Ba DM, Gao X, Al-Shaar L, Muscat JE, Chinchilli VM, Beelman RB, Richie JP. Mushroom intake and depression: A population-based study using data from the US National Health and Nutrition Examination Survey (NHANES), 2005-2016. J Affect Disord. 2021 Nov 1;294:686-692. doi: 10.1016/j.jad.2021.07.080. Epub 2021 Jul 22. PMID: 34333177.
「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」
※この情報は、テレビ番組の情報をベースに、25年間の運営実績を持つハクライドウが科学論文を参考にさらに補足を加えています。
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