■使わなくてもスマホがそばにあるだけで、認識や判断が遅くなる|北海道大学
by Japanexperterna.se(画像:Creative Commons)
(2017/1/14、時事通信)
河原特任准教授らは、大学生40人を対象に、パソコン画面から特定の図形を見つけて向きを判断するのにかかった時間を測定。画面の脇にスマホを置いた組と、同じ大きさのメモ帳を置いた組に分けたところ、スマホを置いた組は約1.2倍の時間がかかった。
北海道大学の河原純一郎特任准教授によれば、使わなくてもスマホがそばにあるだけで、認識や判断が遅くなるとの実験結果が出たそうです。
■なぜスマホがそばにあるだけで判断に影響を及ぼしてしまうの?3つの仮説
なぜスマホがそばにあるだけで判断に影響を及ぼしてしまうのでしょうか?
その理由について3つ仮説を考えました。
1.頭の片隅でスマホについて考えているから
なぜ、LINEなどのコミュニケーションアプリを使うと、学力が下がるのか?で紹介した東北大学の発表によれば、LINEなどの無料通信アプリの長時間使用が、睡眠時間や学習時間の不足より大きく学力低下に影響を与えるそうです。
この研究のポイントは、通信アプリの使用で勉強や睡眠の時間が減った結果として成績が下がるのではなく、通信アプリが直接的に成績を下げる方向に作用している可能性があるという点です。
コミュニケーションアプリでメッセージのやりとりをする実際の時間はそれほど長くなくても、頭の片隅でそのやりとりについて考えてしまっているため、集中力が欠けてしまっており、その結果学力低下に影響を与えているのではないかと考えられます。
なぜ、携帯電話禁止で成績が向上するのか?|「携帯禁止で成績向上、週1時間の勉強時間追加に相当 英研究」よりで紹介したロンドン大学経済政治学院(LSE)の研究チームによれば、学校が携帯電話の使用を禁止すると、生徒の成績が大幅に向上したそうです。
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2.人間は手っ取り早く得られる快感と迅速性、テクノロジーの予測不可能性を求める仕組みになっているため
ネット漬け生活でポップコーン脳になってしまう!?によれば継続的な刺激は、脳の側坐核と呼ばれる快感を感じる部分のドーパミン細胞を活性化させる作用があり、人間の脳は手っ取り早く得られる快感と迅速性、テクノロジーの予測不可能性を求める仕組みになっているため、継続的に刺激が得られるネットに依存するそうです。
また、中国の研究チームによれば、1日10時間以上ネットを利用する大学生18人の脳をMRI(磁気共鳴画像装置)を使って調べ、利用時間が2時間未満のグループと比較したところ、脳の思考を司る灰白質が少なくなっていることがわかったそうで、つまり、インターネットを長時間使い続けると、脳の構造が物理的な変化を起こすそうです。
3.デジタル認知症
駆け込みドクター 5月17日|認知症|認知症チェック・認知症予防にアマニ油・デジタル認知症によれば、デジタル認知症とは、スマホやタブレットに依存しすぎることによって、次のような症状が出ることを言うそうです。
- 書けたはずの字が書けない
- 昨日食べたものを忘れる
- 自宅の電話番号、人の名前が思い出せないなど物忘れがひどくなる
■まとめ
勉強するときなど集中をしなければならない場合には、スマホをそばに置かないようにしましょう。
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