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■体温上昇伝達メカニズム解明 熱中症や日射病の治療法に役立つ期待|京大
(2010/4/30、日本経済新聞)
京都大学の中村和弘特定助教と米オレゴン健康科学大学の研究チームが行なったラットの実験によれば、暑いときに無意識のうちに体温調節機能が働く際の脳の情報伝達経路がわかったそうです。
■背景
ヒトは「暑い!」と感じると体温調節を行っていることはわかっていましたが、その情報伝達経路についてはわかっていなかったそうです。
■研究結果
皮膚にあるセンサー役のたんぱく質で「暑い!」という情報をとらえる
→暑さ情報を脊髄を通じて脳に伝える
→脳の体温調節中枢から指令が出て血管が広がり、血流を増やす
→熱を放出し、体温上昇を防ぐ
暑いときに活発に働く神経細胞が脳の「橋(きょう)」と呼ばれる部分にある「結合腕傍核(けつごうわんぼうかく)」に集まっており、この神経細胞が暑さ情報を体温調節中枢に伝えることが分かったそうです。
■まとめ
体温が上昇した際に脳へ情報を伝える伝達メカニズムが解明されたことで、熱中症や日射病など体温の維持機能が働かなくなる病気に対する効率的な治療法が期待されるそうです。
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初稿:2010年4月27日