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肝臓がん・肺がんは厳しい結果|がん患者の5年後生存率

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by Phalinn Ooi(画像:Creative Commons)

肝臓と肺がん、厳しい生存率 治療5年後を集計

(2015/9/14、日本経済新聞)

国立がん研究センターが発表した2007年にがん診療連携拠点病院でがんと診断され治療を始めた患者の5年後の生存率は、すべてのがんを合わせると64.3%で、乳がん92.2%・大腸がん72.1%・胃がん71.2%は比較的高く、肝臓がん35.9%・肺がん39.4%は厳しい結果となっています。

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日本を含む東アジアで胃がんが多い理由はピロリ菌が産生する病原因子CagAタンパク質の1つのアミノ酸残基の違いから起きていた!?

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■東アジアは胃がんが多い!?

1アミノ酸残基の違いにより増強されるCagAの発がんシグナル誘導
1アミノ酸残基の違いにより増強されるCagAの発がんシグナル誘導

参考画像:図3.1アミノ酸残基の違いにより増強される CagA の発がんシグナル誘導|【関連資料】東大、ピロリ菌がんタンパク質の1アミノ酸多型が日本人胃がん多発の背景に(2017/9/20、日経プレスリリース)|スクリーンショット

東大、ピロリ菌がんタンパク質の1アミノ酸多型が日本人胃がん多発の背景に

(2017/9/20、日経プレスリリース)

 ・ピロリ菌がんタンパク質CagAとその発がん標的分子であるSHP2間の複合体形成を担う結晶構造を解明し、複合体の安定性と発がん活性の連関を明らかにしました。

 ・日本を含む東アジアに蔓延するピロリ菌CagAのみが保有するユニークかつ強力なSHP2結合様式を発見し、その結合様式が胃がん発症を著しく促すことを解明しました。

東京大学大学院医学系研究科の畠山昌則教授、高エネルギー加速器研究機構の千田俊哉教授らの研究グループによれば、東アジア型CagAと欧米型CagAには1つのアミノ酸残基の違いが存在し、そのことによる立体構造の違いがはピロリ菌が産生する病原因子「CagA」がSHP2と結合する能力に大きな影響を与えることを明らかにし、また、東アジア型CagAが示す欧米型CagAに比べて強固なSHP2結合が、SHP2の酵素活性を著しく増強し、胃の細胞のがん化を促す異常なシグナルを強力に誘導することがわかったそうです。

東アジア型CagAと欧米型CagA
東アジア型CagAと欧米型CagA

参考画像:図2.東アジア型 CagA ならびに欧米型 CagA と SHP2 との複合体の結晶構造|【関連資料】東大、ピロリ菌がんタンパク質の1アミノ酸多型が日本人胃がん多発の背景に(2017/9/20、日経プレスリリース)|スクリーンショット

わかりやすくいえば、東アジア型CagAのほうが、欧米型CagAのほうがより強い建築物となって安定し、なおかつその構造の強さがSHP2の活性化を維持し、がん化を促すシグナルを強力にしてしまうため、東アジアでの胃がん発生率を高くしてしまっている原因の一つと考えられます。

【参考リンク】




■東アジアは胃がんが多い!?

【関連資料】東大、ピロリ菌がんタンパク質の1アミノ酸多型が日本人胃がん多発の背景に

(2017/9/20、日経プレスリリース)

日本を含む東アジアは世界的に胃がんが最も多発する地域として知られています。胃がんは部位別がん死亡の世界第三位を占め、毎年約 72 万人の命を奪っています。その過半数を占める約 39 万人は東アジア諸国に由来し、日本における胃がん死亡者数は年間 5 万人にも上ります。

ピロリ菌感染者6000万人!あなたの胃は大丈夫?|#あさイチ(NHK)によれば、日本人の2人に1人はピロリ菌に感染しているそうです。

なぜ胃がん患者は日本海側で多い傾向にあるのか?|国立がん研究センターのデータによれば、国立がん研究センターによるがんと診断された患者数の都道府県別の推計値が初めて公表されましたが、「胃がん」は、特に地域の特徴が顕著に現れており、日本海側の県で平均よりも多い傾向にありましたが、ピロリ菌の種類が関係していることもあったりするのでしょうか?

【関連記事】

【参考リンク】

  • 胃がん 基礎知識|国立がん研究センター がん情報サービス

    罹患率の国際比較では、東アジア(中国、日本、韓国など)や南米で高く、欧米など白人では低くなっています。

■まとめ

胃がんの8割がピロリ菌が原因 胃がん対策はピロリ菌除菌を中心に|国際がん研究機関によれば、ピロリ菌が胃がんの原因の一つであり、ピロリ菌を除菌することが胃がん予防につながるといわれています。

ピロリ菌感染者が必ず胃がんになるわけではありませんが、ピロリ菌を除菌することによって、胃がんになるリスクを少しでも減らすことにはつながると考えられます。

ピロリ菌による胃がんを予防するには、

・ピロリ菌検査を行い、ピロリ菌が見つかった人は、除菌をおこなう。

・血糖値をコントロールする。

・禁煙する。

・塩分の量を減らす。

といった対策を行う必要がありそうです。

ピロリ菌の検査は、内視鏡検査や呼気検査、血液検査、尿検査などがあるようです。

→ 胃がん|胃がんの症状・原因・手術・食事 について詳しくはこちら







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がんの種類によって病院ごとに治療の役割分担を進めるべきか?|肺がんや肝臓がんの場合、患者の数が多い病院ほど治療成績がいい

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■がんの種類によって病院ごとに治療の役割分担を進めるべきか?|肺がんや肝臓がんの場合、患者の数が多い病院ほど治療成績がいい

Royal Navy Medics

by Defence Images(画像:Creative Commons)

がんの種類で治療成績に差

(2008/10/30、NHK)

一般的に治療が難しいとされる肺がんや肝臓がんの場合、患者の数が多い病院ほど治療成績がいいのに対して、胃がんや大腸がんの場合は、患者の多い病院と少ない病院で成績の差はあまりないという調査結果を、大阪府立成人病センターのグループがまとめました。研究グループは、がんの種類によって病院ごとに治療の役割分担を進めるべきだとしています。

大阪府立成人病センターのグループによれば、5年生存率分析した結果、一般的に治療が難しいとされる肺がん肝臓がんでは、年間数人しか治療していない病院の患者が死亡するリスクは、患者の多い病院で治療を受けた場合に比べ、2倍近くになっていたのに対して、胃がん大腸がん乳がんでは、年間20人以上治療している場合、病院による治療成績の差はほとんどなかったそうです。

つまり、より治療の成果を上げるためには、患者数が多く、治療技術が広まっている胃がんなどのがんについては、一般の病院で、治療が難しい肝臓ガンなどはがんセンターなどで治療するように役割分担が必要ではないかということのようです。

【追記(2017/8/9)】

<がんセンター>がん生存率188病院公表 肝、肺で高低差

(2017/8/9、毎日新聞)

肺がんは、最も高い5年生存率だった病院が68.9%だったのに対し、最も低い病院は2.3%だった。他の部位と比べステージにより生存率の違いが大きいためで、ステージの進んだ患者は、地域の中核病院に集まる傾向があることなどが考えられる。肝臓がんも71.6%から15.8%と開きが大きかった。

 一方、乳がんは最も高い病院で100%。最も低い病院でも81.7%と公表した全病院で80%を超えた。

国立がん研究センターは、患者団体からの要望などに基づいて、がんと診断された人を、治療によってどの程度救えるかを示す「5年相対生存率」について、がん治療拠点の約半数にあたる病院別データを公表しました。

【参考リンク】

生存率は、治療開始時のがんの進行度や年齢などが考慮されておらず、治療の優劣を示すものではない。

ただ、記事にもある通り、生存率は治療の優劣を示すものではないため、病院によっては高齢者が多い病院であったり、他の病気を持つ患者が多い病院であったりなど病院ごとに性格が異なるため、一概に治療の優劣を判断することはできず、患者さんの病院選択の材料になりうるかどうかは難しいところです。

今後はがんの種類によって治療する病院の役割が分担されるようになるかもしれません。







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<部位別死亡率>肝臓がんや胃がん大幅減少|子宮頸がんによる死亡率が高まっている原因とは?




■<部位別死亡率>肝臓がんや胃がん大幅減少|子宮頸がんによる死亡率が高まっている原因とは?

Summer face

by Antara(画像:Creative Commons)

<部位別死亡率>肝臓がん減る傾向 子宮頸がんは微増

(2015/6/10、毎日新聞)

◇がん患者の部位別死亡率の推移

(2005〜15年の推計値、かっこ内は1995〜05年分)

肝臓がん 47.9%減(32%減)

胃がん  30.8%減(31.1%減)

大腸がん  9.1%減(10.2%減)

肺がん   7.5%減(9.4%減)

乳がん   0.1%減(13.7%増)

子宮頸がん  5.9%増(3.4%増)

厚生労働省のがん対策推進協議会がまとめた「がん対策推進基本計画」(2012〜16年度)の中間評価報告書にあるがん患者の部位別死亡率の推移によれば、肝臓がん胃がんで大幅に減少している一方、子宮頸がんによる死亡率は増える見通しなのだそうです。

日本のがん検診受診率は欧米に比べて低い!?によれば、アメリカでは子宮頸がん検診の場合、83・5%の女性が検診を受診しているのに対して、日本では21・3%にとどまっているそうで、特に、20歳代の女性で子宮頸がん検診を受診しているのは11%という極めて低い状況です。




■子宮頸がんによる死亡率が高まっている原因とは?

健康に対する意識が高まっているにもかかわらず、子宮頸がんや乳がんといった女性に多いガンによる死亡率が高まっているのには何らかの原因があるのではないでしょうか。

●子宮頸がん検診へのハードルが高い

●「関心はあるが検診までは」と思っている人が多い

糖尿病の発見につながる血糖値への意識が低い!?で紹介した糖尿病診断アクセス革命事務局が30~60代の主婦300人を対象に行った「主婦の健診受診状況調査」によれば、自分の健康で心配なことについての質問では、乳がんや子宮がんなどの「女性特有の病気」が71.3%と、高い関心を示しています。

しかし、乳がんに9割関心、しかし乳がん検診を受けた人は約4割によれば、乳がんに対しては9割近くの女性が関心は持っていますが、乳がん検診を受けた人は約4割にとどまっているそうです。

仕事や子育てのために時間に追われてしまい、乳がん検診を受けてみたいけれども、その時間がないという人も多いのかもしれません。

子宮頸がん対策のための検診の重要性を呼びかけることや場合によっては子宮頸がんワクチンによる予防が必要になるかもしれません。

※子宮頸がんワクチンによる副作用・健康被害が出たことから、国が子宮頸がんワクチン接種の勧奨を中止して6月14日で丸2年ですが、この問題が解決しなければ子宮頸がんワクチンによるがん予防を積極的に推奨していくということも難しいですね。

→ がん最新ニュースまとめ について詳しくはこちら







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自治体による中高生を対象にしたピロリ菌の検診が拡大|検診・除菌治療は将来的な胃がん予防の面から必要

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■自治体による中高生を対象にしたピロリ菌の検診が拡大|検診・除菌治療は将来的な胃がん予防の面から必要

Blacksburg High School moving to Middle School

by Daniel Lin(画像:Creative Commons)

中高生のピロリ菌検診拡大…「将来への贈り物」

(2017/3/4、読売新聞)

 「日本人の胃がんの多くはピロリ菌感染が原因とみられており、中高生への検診、除菌治療は将来的な胃がん予防の面から必要だと考えています」

 佐賀大病院(佐賀市)小児科で、ピロリ菌の検査・除菌治療に取り組む垣内俊彦医師はこう説明する。

最近では、佐賀県や鹿児島県、大分県、北海道などで自治体による中高生を対象にしたピロリ菌の検診が広がっています。

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ピロリ菌は、胃炎胃潰瘍、胃がんなどを引き起こすことがわかっています。

胃がんの8割がピロリ菌が原因 胃がん対策はピロリ菌除菌を中心に|国際がん研究機関によれば、ピロリ菌が胃がんの原因の一つであり、ピロリ菌を除菌することが胃がん予防につながるといわれています。

ピロリ菌感染者が必ず胃がんになるわけではありませんが、胃がん患者の多くがピロリ菌感染者であるという結果から胃がん対策にはピロリ菌の除菌が有効だと考えられます。

中学生の段階で早期発見し、除菌治療を行なえば、ピロリ菌による胃がんの発症リスクを下げることが期待できます。

ピロリ菌は一度除菌すると再感染はほぼないとされていて、早い段階で除菌をすることにより、ピロリ菌による胃がんの発生リスクを抑えることができると考えられます。

ピロリ菌の検査は、内視鏡検査や呼気検査、血液検査、尿検査などがありますが、尿検査が選ばれている理由は、採血による血液検査よりも心理的ハードルが低く、受診率が高いからだと考えられます。




■ピロリ菌による胃がんを予防する方法

ピロリ菌感染者6000万人!あなたの胃は大丈夫?|#あさイチ(NHK)によれば、胃壁細胞はピロリ菌の攻撃にたえきれなくなると自爆ボタンを押して自滅することで胃全体がギリギリ元気な状況を保つことができるのですが、高血糖・喫煙・塩分の過剰摂取などの3つの要因のどれかが訪れると、胃壁細胞の自爆スイッチが壊れてしまい、ピロリ菌の攻撃にたえきれなくなった胃壁細胞は、「がん」になってしまうそうです。

ピロリ菌感染者のうち・・・
・血糖値が正常値を超えている人は、そうでない人に比べて2.2倍リスクが高い。
・タバコを吸う人は、吸わない人に比べて1.6倍リスクが高い。
・塩分過剰摂取の人は、そうでない人に比べて3倍リスクが高い。

つまり、ピロリ菌による胃がんを予防する方法としては、次の方法が考えられます。

・ピロリ菌検査を行い、ピロリ菌が見つかった人は、除菌をおこなう。

・血糖値をコントロールする。

・禁煙する。

・塩分の量を減らす。

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