「医学」カテゴリーアーカイブ

iPS細胞からすい臓の細胞を効率よく作成することに成功、糖尿病治療につながる可能性‐京都大iPS細胞研究所

CiRA (Center for iPS Cell Research and Application) 京都大学iPS細胞研究所

by Jun Seita(画像:Creative Commons)




効率よく膵臓の細胞を作製 糖尿病治療に効果か 京大iPS研

(2015/2/12、産経新聞)

ヒトの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から膵臓(すいぞう)のもとになる「膵芽(すいが)細胞」を効率よく作製することに、京都大iPS細胞研究所の長船健二教授らのグループが成功したことが12日、わかった。欧州の学術誌のオンライン版に研究成果が掲載された。

この細胞をマウスに移植したところ、血糖値を調節する物質「インスリン」を分泌することを確認。糖尿病の治療につながる可能性があるという。

iPS細胞からすい臓のもととなる膵芽細胞を効率よく作成することに成功したそうで、その細胞をマウスに移植したところ、インスリンを分泌することを確認したそうです。

今後、糖尿病の治療につながるのではないかと期待されます。

糖尿病患者の治療継続は半数にとどまるによれば、治療に伴う経済的な負担や治療継続へのストレスから治療を続けていくことができないようです。

「ウェアラブル人工すい臓」、機能ごとにモジュール化|インスリン治療を低コストにするアイデアとは?という記事を先日ご紹介しましたが、今回紹介した再生医療分野と人工すい臓などの研究が進むことで、糖尿病治療がより進んでいくといいですね。







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「神戸医療イノベーションフォーラム2015 #KMIF」から学ぶ未来の医療・健康のヒント

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by peteselfchoose(画像:Creative Commons)




2015年2月8日に行われた「神戸医療イノベーションフォーラム2015」の様子がTwitterで紹介されており、その中にこれからの医療のヒントとなりそうなことが多くツイートされていましたので、ピックアップしてみました。

 

■移植と3Dプリンター

杉本真樹氏(神戸大学大学院 医学研究科内科学講座 消化器内科学分野特命講師)

3Dプリンタを活用した臓器作製・移植が注目を集めています。

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■骨折の治療から着想したあらたな再生医療とバイオ3Dプリンタの開発(佐賀大学で細胞3Dプリンター作った中山攻一さん)

中山功一/佐賀大学大学院工学系研究科先端融合医工学教授)

■空気圧駆動を用いた手術支援ロボットシステム

手術支援ロボットシステムのダヴィンチには触った感触がないという課題があり、それを空気圧駆動で感触を操作者の手に伝える技術が開発されているそうです。

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【追記(2015/7/9)】

■仮想力覚提示デバイス「Traxion」

ARの次は『拡張人間』 東大 暦本純一教授の世界

(2015/7/3、Sensors)

「Traxion」は、すごい力で押されたり、引っ張られたりするような「力」を体験できる装置なのだそうです。

他人の「触覚」を伝達することができることによって、医学に活用されるようになるかもしれません。

 

■視覚障害者を情報障害から救うiPad・iPhoneの実践活用法

三宅琢/眼科医 神戸理科学研究所客員研究員

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■スマホ連動歯ブラシ

歯みがきの癖がゲームを活用して直すというのは面白いやり方。

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■人工知能

センサーを活用して人工知能が病名や処置を行う時代になるかもしれないそうです。

 

■欧米の最先端ガジェット

■認知症

「地域包括ケア次代に求められる医療者・患者の意識改革」

遠矢純一郎/桜新町アーバンクリニック 院長

認知症の高齢者は2025年には730万人と推計|認知症に役立つ食べ物と生活習慣によれば、10年後には認知症は730万人と推計されるそうです。

認知症にならないような生活習慣に取り組むとともに、認知症の人を受け入れる社会の仕組みづくりが重要になってくるのではないでしょうか。

 

■「佐賀県 IT 救急医療から学んだ3つの変革」

円城寺雄介/佐賀県統括本部情報・業務改革課主査 総務省ICT地域マネージャー

先日放送されたTBS「夢の扉+」で紹介された全国で初めて救急搬送時間の短縮をもたらした救急医療情報共有システムについてです。

 

■まとめ

こうした取り組みを一つ一つ見るのではなく、それぞれをランダムに組み合わせると思いもよらぬアイデアが生まれるものではないでしょうか。

同じ情報を見ていても、人によっては全く違う発想をするものです。

こうした情報を専門家だけでなく、一般の人が知ることによって、また、別のアイデアが生まれることを期待します。







世界初、iPS細胞から視神経細胞作製|国立成育医療センター

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by John Patrick Robichaud(画像:Creative Commons)

> 健康・美容チェック > 目の病気 > 緑内障 > 世界初、iPS細胞から視神経細胞作製|国立成育医療センター




世界初、iPS細胞から視神経細胞作製 成育医療センター

(2015/2/10、産経新聞)

国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)などの研究グループは10日、ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)から「軸索(じくさく)」と呼ばれる神経線維を持つ視神経細胞を作製することに世界で初めて成功したと発表した。英科学誌(電子版)に論文が掲載された。緑内障に伴う視神経の障害や視神経炎などの治療薬開発につながることが期待される。

緑内障治療とIPS細胞による再生医療という記事では、緑内障にiPS細胞を用いた再生医療を適用する研究は現段階ではあまり行われていないとお伝えしましたが、今回のニュースによれば、国立成育医療研究センターなどの研究グループがiPS細胞から視神経細胞の作製に成功したそうです。

今回の研究は、緑内障に伴う視神経障害の治療につながることが期待されます。

→ 緑内障 について詳しくはこちら。

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【関連記事】

スマホでHIVと梅毒を検査する技術を開発|米コロンビア大学

Kiev, Ukraine

by Sharon Hahn Darlin(画像:Creative Commons)




■スマホでHIVと梅毒を検査する技術を開発|米コロンビア大学

スマートフォンでHIVと梅毒を検査、新技術開発 米研究

(2015/2/5、AFP)

米コロンビア大学(Columbia University)の技術者らが主導した研究によると、この新たに開発されたスマートフォン向けのアクセサリー機器で、血液数滴を用いたHIVと梅毒の抗体検査が実施可能になるという。

途上国に住む人の失明の危機をスマホで解決!?スマホのフラッシュやカメラ機能を使い、血糖値管理ができる技術が研究されている!?などをこれまで取り上げてきましたが、コロンビア大学の研究によれば、スマホでHIVと梅毒の検査ができる技術が開発されたそうです。

A smartphone dongle to diagnose sexually transmitted infections

検査の仕組みとしては、次の通り。

1.テスト機器をスマートフォンに接続します。

2.血液サンプルを採り、使い捨てのプラスチックコレクターに血液を挿入します。

3.サンプルを分析するためのマイクロ流体チップにプラスチックコレクターを挿入します。

4.アプリを開き、患者IDを入力します。

5.液体サンプルが入ったチップのカセットをテスト機器に接続します。

6.15分後結果が出ます。

十分な医療サービスが提供できない遠隔地医療がスマホによって変わっていきそうですね。

【参考リンク】







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プラズマ照射溶液を用いた加齢黄斑変性の新たな治療法を開発-名大

Laboratories

by Saint Louis University Madrid Campus(画像:Creative Commons)

健康・美容チェック > 目の病気 > 加齢黄斑変性 > プラズマ照射溶液を用いた加齢黄斑変性の新たな治療法を開発-名大




■プラズマ照射溶液を用いた加齢黄斑変性の新たな治療法を開発-名大

名大,プラズマ照射溶液を用いた加齢黄斑変性の新たな治療法を開発

(2015/1/21、OPTRONICS)

名古屋大学の研究グループは,開発したプラズマ照射溶液(プラズマ活性溶液と呼ぶ)を用いて加齢黄斑変性の新たな治療法を開発した(ニュースリリース)。

以前iPS細胞を使った加齢黄斑変性の治療が話題になりました(IPS網膜を使った加齢黄斑変性の治療、厚労委が了承 安全性を確認)が、名大の研究グループは、プラズマ活性溶液を用いた新しい加齢黄斑変性の治療法を開発したそうです。

→ 加齢黄斑変性 について詳しくはこちら

加齢黄斑変性は脈絡膜から異常な脈絡膜新生血管(CNV)を生じることにより偏視,視力低下,失明などに至ることがある疾患であり,これまでも同大では,放射線治療法,光線力学的療法,抗血管内皮増殖因子(VEGF)薬の硝子体注射療法などの治療を行ない,黄斑疾患の治療成績を向上させてきた。

研究グループは今回,プラズマ活性溶液の硝子体注射療法による加齢黄斑変性の治療という新しい治療法を考案した。独自に開発した超高密度プラズマ装置を用いて,リン酸緩衝生理食塩水にプラズマ照射しプラズマ活性溶液(PAM)を作成した。In vitroの実験系を用いて,PAMはヒト網膜内皮細胞のチューブ形成を阻害することが分かった。

記事によれば、プラズマ活性溶液の硝子体注射療法は、レーザーによりマウスの眼に人工的に誘導された脈絡膜新生血管(CNV)を抑制することが分かったそうです。

より安全な治療法が生まれるといいですね。







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