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健康データを集めれば健康になれるわけではない

NIKE+ FUELBAND SE

by Kazuhiro Keino(画像:Creative Commons)




究極のウェアラブルはスマートフォンそのもの, と見切ったLarkがハードウェアからアプリに転向

(2014/4/15、TechCrunch)

「Huは曰く、スマートフォンが相当進歩したので、センサを利用するアプリを長時間使っても電池が十分保(も)つようになった。“電力消費の少ないセンサを搭載したスマートフォンは、究極のウェアラブルだ、と悟(さと)ったのよ”、とHuは言っている。」

ウェアラブルデバイスのポイントは、「センサー」と「電池」。

今のスマホは電池が長持ちするようになってきたため、わざわざハードウェアを作るよりもアプリの性能を上げたほうがいいという判断になったみたいですね。

でも、10年以上健康について携わっていますが、そんなに健康のデータを集めて本当に使うのだろうか、と思ってしまいます。

ずっとアクセスデータを見ていますが、人は、楽しい時(遊びに出かける週末)は健康について考えないものです。

それよりもストレスのかからないライフスタイルになれば、結果健康でいられる(健康に対する不安を感じない)のであって、健康データを集めれば健康になれるわけではないのです。

物事の本質はそこにあるのです。







【追記】

ナイキ「FuelBand」開発終了の可能性–今後のウェアラブル戦略とアップルとの関係

(2014/4/16、CNET)

もし、ナイキがウェアラブルデバイス市場を広げた上で、ベストなタイミングで市場を撤退し、各社のデバイスに合わせたアプリを提供することを考えたのであれば、すごい会社だ。

【関連記事】

Appleが健康管理アプリ「ヘルスキット」で健康分野に進出

iPhone 5 with Health

by Health Gauge(画像:Creative Commons)




アップルが健康分野に進出。iOS 8新機能「ヘルスキット」登場!

(2014/6/3、Gizmodo)

米アップル、モバイル向け健康管理アプリ公開

(2014/6/3、ロイター)

【噂】APPLEは、HEALTHBOOKとIWATCHで健康チェック機能を提供する!?などAppleから健康管理機能が提供されるのではないかと噂されていましたが、今回の記事によれば、Appleが「Healthkit」という健康管理アプリを公開したそうです。

「Healthkit」を使えば、血圧や体重などの健康データを集約・統合することができ、健康管理をすることができるそうです。

ロイターの記事によれば、

米スポーツ用品大手のナイキ<NKE.N>と、米メイヨー・クリニックの協力を得て開発を進め、今後モバイル端末向けソフトウェアに組み入れる。

そうです。

先日NIKEがフィットネスガジェットからアプリ開発に注力するという話が出ていましたが、今回のことがあったからなのかもしれません。







【関連記事】

触感覚を仮想的に再現できるシステムで医療が進歩する?

Brooke Army Medical Center performs first robot-aided pediatric surgery

by Army Medicine(画像:Creative Commons)




NHKと東大、物体の硬さなどの感覚も仮想的に再現できるシステムを開発

(2014/5/22、マイナビニュース)

NHKと東京大学(東大)は5月22日、物体の形状と硬さの両方を非接触で測定し、物体を触った感覚(触感覚)を仮想的に再現できるシステムを開発したと発表した。

<中略>

東大が新たに開発した物体の形状と硬さの両方の分布を測定できる装置と、NHKが開発した触・力覚ディスプレイを組み合わせることで、形状だけでなく硬さの違いも分かりやすく再現できるシステムを実現することに成功したという。

NHKと東大は両者の技術を組み合わせて、触感覚を仮想的に再現できるシステムを開発したそうです。

視覚と聴覚に関するものはどんな遠隔地でも伝えることができるようになりましたが、今回は、触覚を再現するシステムが実現したそうです。

遠隔地医療でどうしても簡単に診察できない人に対して、視覚と聴覚ではどうしても限界が出てきます。

そこで、今回の触覚を再現できるシステムがあれば、触診ができるようになるかもしれません。

もちろん直接手で触れることから比べると圧倒的に情報量は少ないでしょうが、物体の形状と硬さが判断できる技術で何らかの違いがわかるようになれば、それはひとつのデータとして活用できるのではないでしょうか。







【関連記事】

【追記(2015/7/9)】

■仮想力覚提示デバイス「Traxion」

ARの次は『拡張人間』 東大 暦本純一教授の世界

(2015/7/3、Sensors)

「Traxion」は、すごい力で押されたり、引っ張られたりするような「力」を体験できる装置なのだそうです。

他人の「触覚」を伝達することができることによって、医学に活用されるようになるかもしれません。

フレンチ・パラドックスとは?|フレンチ・パラドックスが覆されたかもしれない!?

steak

by abnehmen.net(画像:Creative Commons)




これは偶然なのかもしれませんが、飽和脂肪酸悪玉論の真相とは?|飽和脂肪酸は心臓疾患の原因にはならない?赤ワインのポリフェノール「レスベラトロール」には健康への効果は確認できずー研究という2つの記事が同時期に出たのにはなにか意味があるかもしれません。

2つの記事に共通するのは、「フレンチ・パラドックス」です。

■フレンチ・パラドックスとは?

フレンチ・パラドックス ー 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科

フランス人の一人当たりの肉消費量は世界のトップクラスであり、また、一人当たり年間67リットルものワインを飲みます(日本は1リットル弱).過度の肉食や飲酒は体に良くないと思われますが、フランス人は他の西欧諸国にくらべて心臓病による死亡率が低く、”フレンチ・パラドックス”と呼ばれています。これは赤ワインの中に含まれるポリフェノールによるものであろうと推測されています。

フレンチ・パラドックスとは、フランス人の食事は肉の消費量が多く、またワインを多く飲むにもかかわらず、他の国々と比べて心臓病による死亡率が低いことから言われている言葉。

その理由として挙げられていたのが、ワインに含まれるポリフェノールだったのですが、飽和脂肪酸悪玉論の真相とは?|飽和脂肪酸は心臓疾患の原因にはならない?という記事が本当であれば、飽和脂肪酸が心臓疾患の原因にはならず、また、赤ワインのポリフェノール「レスベラトロール」には健康への効果は確認できずー研究という記事が本当であれば、ワインに含まれるポリフェノールは心臓血管疾患への効果がないのであれば、結局のところ、なぜフランス人は他の国々と比べて心臓病による死亡率が低いのかについて謎が残ったままとなってしまうのです。

果たして「フレンチ・パラドックス」とは一体何だったのでしょうか?







P.S.

もしかすると、チョコレートのポリフェノールがいいのかもしれません。

【関連記事】

【追記(2014/5/26)】

ゆっくり食べるとやせられる理由

食べる量とスピードは有名な「フレンチ・パラドックス(フランスの逆説)」の理由のひとつです。この逆説は、同じようにカロリーが高く脂肪分が多い食事をしているにもかかわらず、アメリカ人よりフランス人のほうが心臓病や肥満が少ないという現象です。それに関して「フランス人はアメリカ人より長い時間をかけて少ない量を食べる」という報告があります。

フレンチ・パラドックスにはもうひとつ意味があったようです。

それは、食事の時間のスピードが違うということ。

赤ワインのポリフェノール「レスベラトロール」には健康への効果は確認できずー研究

Wine

by TESFox(画像:Creative Commons)




赤ワインのポリフェノールに健康への効果確認できず、研究

(2014/5/13、AFP)

米ジョンズホプキンス大学医学部(Johns Hopkins University School of Medicine)のリチャード・センバ(Richard Semba)氏率いる研究チームは、「欧米式の食事に含まれるレスベラトロールには、炎症、心臓血管疾患、がん、寿命などへの実質的な効果を持たないことが示された」という。

今回の研究によると、赤ワインに豊富に含まれている抗酸化物質のポリフェノールの一種である「レスベラトロール」には人を長生きさせる効果・健康への効果は確認できなかったそうです。

レスベラトロールをめぐっては、がんや肥満糖尿病、加齢などさまざまな分野の健康効果について世界各国で研究が進められていますが、以前赤ワインの健康効果を説き、レスベラトロールと心臓の健康との関連を調べた研究で有名なディパク・K・ダス教授の研究データが捏造されていたことが話題になりました。

【関連記事】

今回の研究はそのことを裏付ける一つのデータとなりそうです。

レスベラトロールといえば、カロリー30%オフで寿命が延びる?でも紹介しましたが、レスベラトロールを摂るとカロリーを30%減らしたのと同等の効果があることが確認されており、長寿サプリメントとして注目されていました。

今回の研究結果について、米ニューヨーク(New York)市にあるレノックス・ヒル病院(Lenox Hill Hospital)の内科医、ロバート・グラハム(Robert Graham)医師は、人それぞれが持つ代謝レベルや、摂取および排出率によってその効果が異なるため、レスベラトロールをめぐる研究は困難と指摘。

今回のような研究結果が続けば、今後レスベラトロールに関する研究をする人は少なくなってくることが予想されます。

夢の長寿サプリメントは、夢となってしまうのでしょうか?