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2017年4月12日放送の「ガッテン!」では
最新研究で「ある特殊ないびき」をかく人は緑内障になりやすい
ことについて取り上げ、睡眠時無呼吸症候群と緑内障の関係について取り上げました。
【目次】
- 睡眠時無呼吸症候群の患者は緑内障になるリスクが高い
- 睡眠時の眼圧をモニタリングした方法
- 睡眠時無呼吸症候群の患者は発作時に眼圧が低下する
- 睡眠時無呼吸症候群とは?
- 正常眼圧緑内障の原因は「低酸素状態」の可能性がある
■睡眠時無呼吸症候群の患者は緑内障になるリスクが高い
by Jess Johnson(画像:Creative Commons)
睡眠時の無呼吸中は眼圧低下 北大、緑内障との関係解明に手掛かり
(2016/6/9、マイナビニュース)
研究グループによると、睡眠時無呼吸症候群の患者は健常者と比べて緑内障になるリスクが約10倍高いという。睡眠時無呼吸症候群と緑内障発症との関係については、無呼吸により眼圧が上昇して緑内障になるとの見方もかつてはあったが、眼圧が正常な緑内障も多く報告されて詳しいことは分かっていなかった。
睡眠時無呼吸症候群の患者は緑内障になるリスクが高く、無呼吸と眼圧の関係について何らかの関係があると考えられていましたが、睡眠中の眼圧を持続的に測定することは技術的に困難であるため、無呼吸と眼圧の関係については謎のままでした。
→ 緑内障とは|緑内障の症状・原因・眼圧・予防 について詳しくはこちら
■睡眠時の眼圧をモニタリングした方法
なぜ睡眠時無呼吸症候群患者は緑内障になりやすいのか – 北大が関係を解明
(2016/6/7、マイナビニュース)
今回の研究では、スイスのセンシメッドが開発した新しいコンタクトレンズ型眼圧計が用いられた。同眼圧計には、眼圧の変化を感知するセンサーがついており、同研究グループは、5分ごとに30秒間の記録を実施。同時に睡眠の状態をモニタリングするために、睡眠中の脳波、呼吸、筋電図、心電図、いびき、酸素飽和度も測定し、記録した。
今回の研究では、スイスの企業が開発したコンタクトレンズ型眼圧計を用いることで、睡眠時の眼圧の状態をモニタリングすることができるようになりました。
■睡眠時無呼吸症候群の患者は発作時に眼圧が低下する
睡眠時の無呼吸中は眼圧低下 北大、緑内障との関係解明に手掛かり
(2016/6/9、マイナビニュース)
北海道大学大学院医学研究科の石田晋(いしだ すすむ)教授、新明康弘(しんめい やすひろ)助教らは、スイスの企業が開発したコンタクトレンズ型眼圧計を用いて睡眠中の患者の眼圧を5分ごとに30秒間記録した。同じ患者に対し同時に呼吸やいびき、心電図などを「睡眠ポリグラフィー」で記録して睡眠状態をモニターした。
息を止めると通常眼圧は上昇する。今回の研究グループが、眼圧と睡眠状態の測定データを比較、分析した結果、無呼吸発作の場合は、気道が閉塞して息が吸い込めなくなるために胸腔(きょうくう)内の圧力が下がって眼圧も下がることが明らかになった。
北海道大学の研究グループによれば、睡眠時無呼吸症候群の患者は発作時に気道が閉塞して息が吸い込めなくなるために胸腔内の圧力が下がって眼圧が下がることがわかったそうです。
■睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群は、簡単に言うと、眠っている間に呼吸が何度も止まってしまう病気のことを言います。
睡眠時無呼吸症候群の診断基準は、「10秒以上の無呼吸が1時間に5回以上ある」場合です。
睡眠時無呼吸症候群は、「SAS(Sleep Apnea Syndrome)」とも呼ばれます。
睡眠時無呼吸症候群の自覚症状としては、日中の眠気ですが、周囲からはいびきがうるさいといわれることがあります。
- 大きないびき(いびきがうるさいと言われる)
- 眠っている間に呼吸が止まる
- 日中の眠気
- 熟睡感がない(よく眠れた感じがしない)
- 起床時に頭痛やだるさを感じる
- 睡眠中に何度も目が覚める
睡眠時無呼吸症候群になると、心筋梗塞や糖尿病、メタボリックシンドロームになるリスクが高くなるといわれています。
→ 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状・原因・検査・治療法 について詳しくはこちら
■正常眼圧緑内障の原因は「低酸素状態」の可能性がある
緑内障とは、目が正常な機能を保てる「適正な眼圧」以上の眼圧のために、視神経が障害され、視野が欠けてくる病気ですが、日本人には正常眼圧緑内障が多い!?で紹介した日本緑内障学会が岐阜県多治見市で40歳以上を対象に行なった調査によれば、緑内障と診断された人は約5.8%で、そのうちの6割が眼圧が正常範囲であるにもかかわらず、緑内障になっている「正常眼圧緑内障(NTG)」だったため、眼圧以外に何らかの原因があることが考えられます。
なぜ睡眠時無呼吸症候群患者は緑内障になりやすいのか – 北大が関係を解明
(2016/6/8、マイナビニュース)
無呼吸発作は、眼圧を下げると同時に血中酸素飽和度も下げることがわかったため、睡眠時無呼吸症候群患者では、低酸素状態などの眼圧上昇以外のメカニズムによって視神経障害が引き起こされていると考えられる。
無呼吸発作が起きると、眼圧が下がると同時に血中酸素飽和度も下がることがわかったため、睡眠時無呼吸症候群の患者は、低酸素状態などの眼圧上昇以外の仕組みによって視神経障害が引き起こされるという可能性があり、このことは、正常眼圧緑内障の原因の解明につながることが期待されます。
→ 正常眼圧緑内障(NTG) について詳しくはこちら
●SAS(睡眠時無呼吸症候群)対策
減量・ダイエット
肥満が原因による睡眠時無呼吸症候群の治療・予防するためには、食生活の改善や運動不足の解消など生活習慣の改善が重要となります。
睡眠前の深酒に注意
アルコールは気道周辺の筋肉を弛緩させ、鼻づまりを引き起こしやすいので、いびきをかきやすくなります。
横向きに寝る
軽度のいびきなら、舌が喉に落ち込んで気道を塞がないよう、横向きに寝るようにしましょう。
腰枕
ファスナーを開いて背中にボールを装着できる腰枕を使うことで、横向きの姿勢を保つことができます。
パジャマの背中に袋を縫い付けて、中にテニスボールなどを入れるお手製腰枕もおすすめです。
ベッドの頭側を高くする
体を少し起こした姿勢にしておけば舌が落ち込みにくくなります。
マウスピース
中等症より軽いいびきには、舌や下あごを前に出させる特殊なマウスピースを使うと軽減することもあるそうです。
CPAP療法
中等症以上や重度のSAS患者の治療には、寝るときに呼吸用のマスクを付け、圧力をかけた空気を機械で持続的に送り込む「CPAP療法」が有効とされています。
睡眠時無呼吸症候群とメタボリックシンドロームによれば、「CPAP(Continuous Positive Airway Pressure=シーパップ)」は、睡眠中に装着した鼻マスクから圧力をかけた空気を送り込み、上気道を開いた状態に保って無呼吸をなくす方法です。
CPAP療法で治療すると無呼吸やいびき、日中の眠気が消失するだけでなく、高血圧や、メタボリックシンドロームのひとつの病態であるインスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性も改善します。
つまり、CPAP療法で睡眠時無呼吸症候群を治療すると、心筋梗塞などのリスクも低下します。
→ 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状・原因・検査・治療法 について詳しくはこちら
→ 緑内障とは|緑内障の症状・原因・眼圧・予防 について詳しくはこちら