「肺の病気」カテゴリーアーカイブ

なぜ喫煙率が下がっているのに肺がん死が増えているのか?

 > 健康・美容チェック > 肺の病気(呼吸器の病気) > 肺がん > なぜ喫煙率が下がっているのに肺がん死が増えているのか?




■なぜ喫煙率が下がっているのに肺がん死が増えているのか?

たばこ消費と肺がん死亡との関係はあるが、20-25年のタイムラグ
たばこ消費と肺がん死亡との関係はあるが、20-25年のタイムラグ

参考画像:非感染性疾患と傷害による成人死亡の主要な2つの決定因子は喫煙と高血圧|厚生労働省スクリーンショット

肺がん死なぜ減らない?喫煙率下がってるけど

(2010/4/13、読売新聞)

たばこは多くの発がん物質を含み、がんの原因の3分の1を占めるとされる。

なかでも肺がんは、喫煙と強く関係しており、喫煙者の方が男性で4・4倍、女性で2・8倍なりやすい。

日本での肺がんによる死者は1960年に5000人余りだったのが、98年には5万人を超え、胃がんを抜いてがんの種類別死亡原因のワースト1になった。

その後も増え続け、2008年は約6万7000人が肺がんで亡くなっている。

肺がんによって亡くなっている人の数は、増え続けているそうです。

しかし、喫煙率は下がっているそうです。

世界でいち早く、たばこによる健康被害に警鐘を鳴らし、1960年代半ばから消費量が減り始めた米国でも、肺がん死亡率が低下に転じたのは90年代に入ってから。

約25年かかった。

日本人男性の喫煙率は60年代半ばから年々下がり、09年は39%にまで下がった。

だが、たばこ消費量全体の伸びに歯止めがかかったのは90年代半ばになってから。

日本人の喫煙率は2009年には39%まで下がったそうです。

【関連記事】

喫煙率が下がっているにも関わらず、なぜ肺がんによって亡くなっている人が増え続けているのでしょうか。

国立がん研究センターたばこ政策研究プロジェクトリーダーの望月友美子さんは

「がんは、正常細胞がゆっくりとがん化していく病気。

このため、喫煙率低下の影響が表れるのには、時間がかかる」と説明する。

<中略>

「米国の例をあてはめると、日本で肺がん死亡率が減るには、あと10年かかる計算になる」と、望月さん。

がんはゆっくりと進行していく病気であるため、喫煙低下の影響が現れ、肺がん死亡率が減るには時間がかかるそうです。

もう一つ、がんで亡くなっている人が増えている要因としては、寿命が延びていることが挙げられます。

全体で見ると、肺がんによる死亡率が増えていたとしても、禁煙による個人の健康への効果は早く現れるそうです。

禁煙の効果は、個人レベルではもっと早く表れる。

国際機関の研究では、禁煙後5~10年以内で肺がんの危険は減り、禁煙期間が長いほど危険度が下がる。

がんを予防するためにも、ぜひ禁煙をおすすめします。

■喫煙率の高さと健康の関係

喫煙が引き起こす疾患|WHO 世界のたばこの流行に関する報告書2009年版
喫煙が引き起こす疾患|WHO 世界のたばこの流行に関する報告書2009年版

参考画像:非感染性疾患と傷害による成人死亡の主要な2つの決定因子は喫煙と高血圧|厚生労働省スクリーンショット

岩手県、脳卒中の死亡率が全国でワースト1!その原因とは!?によれば、岩手県は脳卒中の死亡率が全国でワースト1なのですが、その原因の一つに喫煙率の高さがあります。

なぜ、青森県が平均寿命最下位なのか?|青森県を長寿県にするための方法とは?によれば、たばこに関しては厚労省の25年の国民生活基礎調査によると、青森県民の喫煙率は男性が40・3%で全国1位、女性は14・3%で同2位と、喫煙率は男女とも高いという結果が出ています。

たばこを吸う人は非喫煙者に比べてがんの再発リスクは2.5倍|山形大によれば、がん経験者でたばこをやめなかった人は、たばこを吸わない人に比べて、がんの発症リスクが約2.5倍になるそうです。

世界一受けたい授業 5月2日|エクオール|健康な血管を作る為の3つの習慣|最新のがん予防法によれば、喫煙は肺がん・食道がん・胃がん・すい臓がん・子宮頸がんのがんの発症リスクを上げるそうです。

国立がん研究センターが提供している「日本人のためのがん予防法|国立がん研究センター」でも禁煙をすすめています。

世界中からガンのリスクに関する論文を集め、徹底分析し、癌のリスクとなる要因を決定しようとする大規模プロジェクトです。

●喫煙

たばこは吸わない。他人のたばこの煙をできるだけ避ける。

■受動喫煙と肺がんの関係

受動喫煙が引き起こす疾患
受動喫煙が引き起こす疾患

参考画像:非感染性疾患と傷害による成人死亡の主要な2つの決定因子は喫煙と高血圧|厚生労働省スクリーンショット

受動喫煙による肺がんのリスク約1.3倍!|受動喫煙の肺がんリスク評価「確実」へ|国立がん研究センターによれば、たばこを吸わない日本人の受動喫煙による肺がんのリスクは、受動喫煙のない人に比べて約1.3倍高いという解析結果を発表し、肺がんに対する受動喫煙のリスク評価を「ほぼ確実」から「確実」に格上げしました。

受動喫煙が原因の死者数、年間1万5,000人|なぜ前回調査に比べて倍増したのか?|厚労省調査で紹介した厚生労働省研究班の調査によれば、受動喫煙が原因の死者数は、2010年の調査では、6800人と推定されていましたが、今回の調査ではほぼ倍増し、年間1万五千人と推計されるそうです。

受動喫煙が肺がん心筋梗塞だけでなく、脳卒中やSIDS(乳幼児突然死症候群)にも因果関係があるとされたため、大幅に増えたそうです。

受動喫煙を受けている女性は、受けていない女性より血圧が高い|東北大によれば、東北大学大学院薬学研究科の今井潤教授のグループによれば、受動喫煙を受けている女性は、受けていない女性より血圧が高いことがわかったそうです。

【関連記事】

■まとめ

Untitled

by cori kindred(画像:Creative Commons)

喫煙率が下がっているのに肺がんでなくなっている人が増えているという理由から疑問を感じている人もいるかと思います。

がんはゆっくりと進行していく病気であるため、喫煙低下の影響が現れ、肺がん死亡率が減るには時間がかかるため、長い目で見れば、喫煙率が下がることで肺がんで亡くなる方が減少していくでしょう。

個人のレベルでいえば、禁煙の効果は早く現れるので、健康が気になる方は、少しでも早く禁煙をしてくださいね。

→ 肺がんの症状・原因・予防するための検査 について詳しくはこちら







【関連記事】
続きを読む なぜ喫煙率が下がっているのに肺がん死が増えているのか?

腕と胸に装着して喘息症状を予測するウェアラブルデバイスを開発|米ノースカロライナ州立大学

> 健康・美容チェック > 肺の病気 > 腕と胸に装着して喘息症状を予測するウェアラブルデバイスを開発|米ノースカロライナ州立大学




■腕と胸に装着して喘息症状を予測するウェアラブルデバイスを開発|米ノースカロライナ州立大学

腕と胸に装着して喘息症状を予測するウェアラブルデバイスを開発|米ノースカロライナ州立大学
腕と胸に装着して喘息症状を予測するウェアラブルデバイスを開発|米ノースカロライナ州立大学

参考画像:New Devices, Wearable System Aim to Predict, Prevent Asthma Attacks|スクリーンショット

喘息症状を予測!腕や胸に装着するウェアラブル機器を米大学が発明

(2016/6/12、Techable)

米国のノースカロライナ州立大学・ASSISTセンターの研究員が発明した「健康・環境追跡装置(以下、「HET装置」)」だ。HET装置は、腕や胸部に装着して使用する2体のウェアラブル機器と、肺機能を測定する肺活量計という、計3体の器具によって構成されている。

「ResApp」|咳の音から診断して、肺炎や喘息、気管支炎などを診断するアプリ|豪クイーンズランド大学で紹介したResAppは、咳の音から診断して、肺炎や喘息、気管支炎などを診断できるアプリでしたが、米国のノースカロライナ州立大学・ASSISTセンターの研究員が発明した「健康・環境追跡装置」は、腕と胸に装着して喘息症状を予測するウェアラブルデバイスなのだそうです。

Wearable sensors to monitor triggers for asthma, and more – Science Nation

ノースカロライナ州立大学のASSIST(Advanced Systems of Integrated Sensors and Technologies)のディレクターVeena Misraらのチームは、ナノテクノロジーを活用した、自分の周りの環境やバイタルサインをモニタリングできる、小型の着用できるセンサーの開発を行なっているそうです。

どのような仕組みになっているのでしょうか?

胸部用パッチには患者の動きや心拍数、呼吸数、血中酸素量、皮膚インピーダンス、呼吸時の喘鳴といった生体の変化を追跡するセンサーが搭載されている。

一方、スマートウォッチタイプのウェアラブル機器だが、主に喘息症状を促す大気中の環境因子(例. 揮発性有機化合物、オゾン)を特定したり、湿度・温度変化をモニタリングしたりするために開発されたものだ。その他にも、患者の動きや心拍数、血中酸素量をキャッチするセンサーが搭載されている。

これが使われるようになれば、どんなときに喘息症状が出やすいのかをチェックすることができ、できるだけ喘息症状が出ないようにすることができるようになりそうです。

■まとめ

Appleの医学・医療研究用のiPhoneアプリを開発するためのオープンソースのソフトウェアフレームワーク「ResearchKit」を活用し、このウェアラブルデバイスと組み合わせることができれば、喘息に対する新しい発見もできるかもしれませんね。




→ せきとたんが止まらない時の原因とは?病気を見分ける方法・ポイント について詳しくはこちら

→ たんが出る|痰の色(黄色・緑)や原因でどんな病気かがわかる!? について詳しくはこちら

→ 喉がイガイガする原因|なぜのどの違和感・異物感があるの? について詳しくはこちら




【参考リンク】
続きを読む 腕と胸に装着して喘息症状を予測するウェアラブルデバイスを開発|米ノースカロライナ州立大学

歌舞伎俳優の #中村獅童 さん、初期の肺がん(肺腺がん)と診断|定期的な健康診断で早期発見|肺がんの芸能人・有名人

 > 健康・美容チェック > 肺の病気(呼吸器の病気) > 肺がん > 歌舞伎俳優の中村獅童さん、初期の肺がん(肺腺がん)と診断|定期的な健康診断で早期発見




■歌舞伎俳優の中村獅童さん、初期の肺がん(肺腺癌)と診断

中村獅童さん 初期の肺がん 6、7月の公演は休演

(2017/5/18、毎日新聞)

歌舞伎俳優の中村獅童さん(44)が初期の肺がんと診断されたと松竹が18日、発表した。

中村獅童 初期の肺腺がんで手術へ 6〜7月の舞台休演

(2017/5/18、スポニチアネックス)

歌舞伎俳優の中村獅童(44)が初期の肺腺がんを患っていることが18日、分かった。

中村獅童さんが定期健康診断を受けたところ、初期の肺がん(肺腺癌)と診断され、舞台を休演することを発表しました。




■肺腺がん

cancer

by Oregon State University(画像:Creative Commons)

■肺腺がんの特徴

  • 初期の段階では自覚症状がない
  • 気管支の末端にできる肺がんで、肺がんの中でも最も多いタイプで50%から60%を占める
  • タバコを吸わない人も発症することが多い
  • 女性に多い

【肺腺がん 関連記事】

日本人に多い「肺腺がん」のかかりやすさを決める遺伝子領域を発見|国立がん研究センターなどによれば、EGFR遺伝子に変異のある肺腺がんは喫煙と関係がなく女性や若い人の発症が多く、その原因がわかっていなかったそうですが、国立がん研究センターなどのチームによれば、肺がんの中でも最も多く、またたばこを吸わない人も発症することが多く、予防が難しい「肺腺がん」の遺伝子パターンを調べたところ、免疫に関与する遺伝子領域に特有のパターンを持つ人は持たない人に比べて、1.3倍がんになるリスクが高かったそうです。

→ 肺がんの症状・原因・予防するための検査 について詳しくはこちら







【関連記事】
続きを読む 歌舞伎俳優の #中村獅童 さん、初期の肺がん(肺腺がん)と診断|定期的な健康診断で早期発見|肺がんの芸能人・有名人

すい臓がんと肺がんの悪化に「Dkk1」と「CKAP4」と呼ばれるたんぱく質が関与していることを発見|大阪大

【目次】




■すい臓がんと肺がんの悪化に「Dkk1」と「CKAP4」と呼ばれるたんぱく質が関与していることを発見|大阪大

Labo zoo

by Sam Verhaert(画像:Creative Commons)

がん悪化させるたんぱく質発見=診断薬の開発期待-大阪大

(2016/6/21、時事通信社)

膵臓(すいぞう)がんと肺がんの悪化に「Dkk1」と「CKAP4」と呼ばれるたんぱく質が関与していることを、大阪大の菊池章教授らの研究グループが発見した。

<中略>

これまで、Dkk1ががん細胞の増殖に関わっているという指摘はあったがCKAP4と結合して作用することが初めて分かったという。

大阪大学の菊地明教授らの研究グループによれば、すい臓がん肺がんの悪化に「Dickkopf1(Dkk1)」と「Cytoskeleton-associated protein 4 (CKAP4)」と呼ばれるたんぱく質が関与していることがわかったそうです。




■Dkk1(Dickkopf1)

死亡率の高い膵がんと肺がんを促進するタンパク質を発見

(2016/6/21、リソウ|大阪大学)

細胞の外に分泌されるタンパク質。脊椎動物の胎生期の神経系の発生に重要なタンパク質として同定されました。成体における機能は不明ですが、Dkk1が増えたり、減ったりすることにより、がんが生じることが知られていました。しかし、Dkk1がどのようにしてがんを誘導するかは不明でした。

■CKAP4(Cytoskeleton-associated protein 4)

死亡率の高い膵がんと肺がんを促進するタンパク質を発見

(2016/6/21、リソウ|大阪大学)

細胞表面に存在するタンパク質。もともとは、細胞内の小胞体に存在するタンパク質として同定されました。その後、細胞表面にも存在することが示されましたが、その機能やがんとの関連は不明でした。

■まとめ

Dkk1とCKAP4がすい臓がんと肺がんを診断する際のバイオマーカー(指標)になる可能性があり、また、CKAP4に対する抗体が将来治療に応用できる可能性がでてきたことになるそうです。

今回の発見により、すい臓がんと肺がんの早期発見につながる診断薬や治療薬の開発が期待されます。







【参考リンク】
続きを読む すい臓がんと肺がんの悪化に「Dkk1」と「CKAP4」と呼ばれるたんぱく質が関与していることを発見|大阪大

肺がんを予防するにはどうしたらよいか?|肺がんは喫煙者だけにおこる病気ではない

 > 健康・美容チェック > 肺の病気(呼吸器の病気) > 肺がん > 肺がんを予防するにはどうしたらよいか?|肺がんは喫煙者だけにおこる病気ではない




肺がんを予防するにはどうしたらよいか。

Lung abscess

by Yale Rosen(画像:Creative Commons)

筑紫さんの命奪った…がん死亡数でトップ「肺がん」

(2008/11/15、夕刊フジ)

7日、肺がんで死去したジャーナリストでニュースキャスターの筑紫哲也さん(享年73)。昨年5月のがん告白から1年半の闘病の末に力尽きる格好となったが、筑紫さんは昔からの喫煙派のたばこ好きだった。

筑紫さんは昔から喫煙派のたばこ好きだったそうです。

やはりタバコが肺がんのリスク要因の一つであり、禁煙が肺がん予防の大事な予防法ではあるようですが、記事によると、肺がんは喫煙者だけにおこる病気ではないと忠告しています。

「肺がんには大きく分けて小細胞がんと非小細胞がんの2種類があり、最も多いのは非小細胞がんに分類される腺がん。

これは喫煙の有無とは関係なく発症する危険性が高く、たばこを吸わないからといって安心はできません」と長医師は注意を促している。

たばこが肺がんのリスク要因ではありますが、たばこを吸わないからといって安心はできないようです。

では、肺がんはどのようにすれば予防できるのでしょうか。

肺がんは、現在日本人のがんによる死亡者数でトップ。その理由はいくつか考えられるが、最も懸念すべき点は「早期発見の難しさ」にある。大阪府済生会吹田病院呼吸器病センター長の長澄人医師が解説する。

「肺がんの症状には血痰や息苦しさ、長く続く咳などがあるが、いずれも症状が出た頃には病気が進んでいることが多い。症状が出る前に発見できるか否かが分かれ道になってきます」

肺がんの症状が出る前に、早期発見することが肺がんを早期治療する方法といえそうです。

そうなると、定期的に検診を受ければよいということになりますが、記事によると、そうとも言えないそうです。

「50歳あたりから発症頻度が高まり始め、70歳前後でピークになる。

会社や自治体の健康診断では単純レントゲン撮影しかメニューにないことが多く、これだと小さながんは見落とす危険性がある。

手術が可能な早期の段階で見つけるためには、年に1度は胸部CTを撮るのが理想的。

そのためには人間ドックを受けて、メニューに胸部CTがない場合はオプションで加えるくらいの積極的な姿勢が必要になってきます」(長医師)。

単に検診を受ければよいということではなく、手術が可能な早期の段階で見つけるためには、人間ドックで胸部CTを撮るなど、肺がん予防に対して自らが積極的な行動が必要になるようです。

肺がんを予防するためにも、定期的に人間ドックで自分の体の状態をしっかり把握していくことが肺がんの早期発見において一番重要なようです。

→ 肺がんの症状・原因・予防するための検査 について詳しくはこちら







【関連記事】
続きを読む 肺がんを予防するにはどうしたらよいか?|肺がんは喫煙者だけにおこる病気ではない