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園まりさん(80)、急性心不全で死去

中尾ミエさん、伊東ゆかりさんとともに「三人娘」を結成し、その後ソロで「何も云わないで」「逢いたくて逢いたくて」「夢は夜ひらく」が大ヒットした園まりさんが「急性心不全」でなくなりました。

心不全を目にする機会が増えている印象がありますが何か理由があるのでしょうか?

■心不全とは?

心不全とは、心臓の働きが不十分なことが原因で起きている体の状態のことで、病名ではないそうです。

心不全の症状としては、血液を送り出す能力の低下による症状と血液のうっ滞によって起こる症状があります。

血液を送り出す能力の低下による症状としては、心拍出量が減ったことが原因で、「疲れやすい」「だるい」「動悸がする」などの症状があります。

血液のうっ滞によって起こる症状としては、血液を送り出す能力が低下すると、心臓から前方へ血液が進みにくくなり、心臓の後方、血液を受け取る側で血液のうっ滞が起こります。

心不全の種類、程度、原因が様々あるように、その症状も多様で、紹介した症状が全ての患者さんに当てはまるわけでもなく、また、紹介した症状があるからといって心不全と判断できず、また他の病気の可能性もあるそうです。

息切れや動機、疲労感というのは年齢のせいかなとも思ってしまう症状ですので、自己判断が難しいようですね。

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■心不全になりやすい人とは?

●血糖値が高い糖尿病患者

血糖値高い糖尿病患者ほど心不全にー国循研究センターで紹介した国立循環器病研究センターによれば、血糖値が高い糖尿病患者ほど心不全で入院する割合が多いということから、血糖値と心不全には関係があることがわかったそうです。

「HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)」は、赤血球に含まれるヘモグロビンにブドウ糖が結びついたもので、赤血球の寿命が長いため、過去1~2カ月の血糖状態を把握できます。

HbA1cが8.4%以上のグループでは心不全入院が多かったそうです。

また、心筋梗塞の持病をもともと持っている患者では、HbA1cが 8%以上と6.9%以下で心不全の危険性が高まる傾向にあり、心筋梗塞の持病をもともと持っていない患者では、HbA1cが低い方が心不全が少ない傾向がわかったそうです。

●メタボリックシンドローム

慢性心不全患者:メタボの人の割合、一般の2倍--厚労省が全国調査で紹介した厚生労働省研究班の全国調査によれば、慢性心不全患者の人は、メタボリックシンドロームの人の割合が一般の人の2倍以上であることそうです。

メタボを放置すると心筋梗塞(こうそく)を発症し、慢性心不全へと移行する可能性が示唆されています。

●高血圧

心不全の原因は様々で、心筋梗塞などの心臓病だけでなく、高血圧で心臓に負担がかかっている場合も心不全の原因となるそうです。

高血圧以外にも、動脈硬化やアルコール、遺伝、感染症が原因となって心臓病になり、過労やストレス、暴飲暴食、風邪などの因子が加わって、心不全の症状が現れるそうです。

●鉄分不足

心臓は1日に約10万回鼓動していて、加齢とともに心臓機能は落ちていきます。

心臓では収縮や拡張が繰り返されていますが、心臓の機能が弱くなると、十分な血流を送ることができずに、心不全に陥りやすくなってしまいます。

いま心臓が衰えた人が増えているそうで、例えば、体を動かすと息切れを起こす、疲れやすいという方は、心不全の一歩手前の心不全の予備軍の可能性があります。

心臓の機能が低下・衰えている理由として、心臓に必要な栄養素が足りていないのではないかという説があるそうです。

その栄養素とは、「鉄分」。

身体の中には、3~5gの鉄分(釘1本分)が含まれていて、鉄分を含むヘモグロビンが全身に酸素を送っています。

また、鉄分は筋肉を動かすエネルギー源になり、鉄分が不足することによって心臓も動きが悪くなると考えられます。

スタミナアップ!ミトコンドリアを増やす2つの方法|ためしてガッテン 8月26日によれば、「鉄」はミトコンドリアがATP(エネルギー)を作り出すのを助ける働きをしてくれるそうです。

そこで、鉄分を補給することによって、心不全を予防できるのではないかという説が立てられたのです。

→ 鉄分の多い食品 について詳しくはこちら

●新型コロナウイルス感染

コロナ感染が心不全のリスクを高める?によれば、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の持続的な感染が心不全のリスクを高める可能性があることを、ヒトiPS細胞を用いた実験で明らかにしました。

■心不全のサイン

【たけしの家庭の医学】握力を鍛えて血管年齢若返り!NO分泌入浴法のやり方!によれば、握力を維持できていない人は心血管疾患による死亡リスクが高いと考えられ、反対に握力が維持できている人は心血管疾患による死亡リスクが低いそうです。

【補足】

握力が強いほど長生き?|循環器病の発症リスクも低い|厚生労働省研究班(2012/2/20)

厚生労働省研究班の約20年間にわたる追跡調査によれば、握力が強いほど長生きする傾向があり、死亡リスクだけでなく、心臓病や脳卒中といった循環器病の発症リスクも下がっていたことがわかったことで、健康状態を表す指標として、握力が使える可能性があるそうです。

”#血圧サージ”が危ない~命を縮める血圧の高波~|タオルグリップ法(ハンドグリップ法)|#NHKスペシャル #ガッテンで取り上げたカナダ・マクマスター大学の研究者によれば、8週間のアイソメトリックハンドグリップ(IHG)トレーニングをしてもらったところ、血圧が低下し、動脈の拡張能力が増加することがわかったそうです。

高血圧の代替療法として効果的なのはウォーキングなどの「有酸素運動」と「ハンドグリップ法」であるとして、その理由として、有酸素運動やハンドグリップ法をすると、血管の内皮細胞から血管の壁を柔らかくして血管を広げる作用がある一酸化窒素が出てくるためと紹介されています。

握力は健康のバロメーター!?|握力低下は心臓発作・脳卒中リスク増加に関連(2015/5/15)

カナダ・マクマスター大学(McMaster University)が主導した国際研究チームは、握力が健康のバロメーターになる可能性についての研究を行ない、その結果、握力が低下すると、心臓発作や脳卒中の発症リスクの増加に関係していることがわかったそうです。

具体的には、握力が5キロ低下するごとに、何らかの原因による死亡リスクが16%増加する関連性が認められ、この握力低下は、心臓発作リスクの7%増、脳卒中リスクの9%増にそれぞれ関連していたそうです。

■まとめ

心不全が急激に増えている 「心不全パンデミック」時代の3つの予防法

(2018/10/12、保健指導リソースガイド)

心不全が増加している理由は、心不全の原因になる心筋梗塞や狭心症などの心臓病が増えていること。心臓病を起こす最大の原因は「動脈硬化」だ。

<中略>

心不全の患者は、超高齢社会において急激に増え続けると予想されており、専門家の間では「心不全パンデミック」とも言われている。

心不全が増加しているのは、動脈硬化の増加→心臓病(心筋梗塞・狭心症など)の増加であり、超高齢化社会においては心不全の患者は急激に増えることから「心不全パンデミック」といわれています。

心不全による入院患者数は、2012年の約21万人から2016年には約26万人と、毎年1万人ずつ増加しているそうです。

ニュースを見ていると心不全で亡くなった有名人の方のニュースをよく見かけるため、新型コロナウイルスの後遺症やワクチンの副作用によるものを疑う声も多いのですが、実は大きなトレンドとして超高齢化社会においては心不全の患者が増えるというものがありました。

そのため、今後注目すべきは心不全の患者の増加のスピードが以前よりも増えているのかどうかを見ていくこと(超高齢化社会以外に別の要因があるのかどうか)、そして心不全を予防するには、内臓脂肪を減らしてメタボを改善して動脈硬化を防ぐこと、定期検査をして早期発見をすることですね。

→ 動脈硬化改善・予防に良い食べ物 について詳しくはこちら

セリーヌ・ディオンさんが公表した難病スティッフパーソン症候群(SPS)とはどんな病気?




【追記(2024/7/27)】

パリ五輪の開会式で難病と戦いながら、エッフェル塔から愛の讃歌を熱唱したセリーヌ・ディオン(Celine Dion)さんの姿かっこよかったですね!

2022年に歌手のセリーヌ・ディオンさんが公表したことでスティッフパーソン症候群(SPS)という難病があることを多くの人が知るようになりました。

スティッフパーソン症候群 初の全国疫学調査結果を報告(2023/10/24、徳島大学)によれば、スティッフパーソン症候群(stiff-person syndrome:SPS)は筋肉をゆるめる作用を持つ脳や脊髄の神経系統が、上手く働かないために生じる自己免疫疾患です。

人間の体内には本来、体を動かす際、動かす筋肉と反対の働きをする筋肉がお互い邪魔をしないように働きますが、反対の筋肉を緩めることができず、同時に力が入ったままとなり、筋肉の硬直や痙攣(痛みを伴って持続的に筋肉の収縮がおこる)を引き起こします。

日本におけるSPSの推定患者数は、2015年から2017年の間で257人、罹患率は人口10万人あたり0.2人(0.13-0.28人)と推定されました。

難病SPSを公表したセリーヌ・ディオン…「這ってでも舞台を目指す」と決めて、病気を語る勇気(2024/6/26、ニューズウィーク)で紹介されているジョンズ・ホプキンス大学スティッフパーソン症候群センターのスコット・ニューサム所長によれば、一口にSPSと言っても症状には幅があり、体が動かしにくくなったり、痙攣が起きたり、痙攣が原因で転倒したり、脳幹に影響が及ぶと物が二重に見えたり、うまく話せなくなったり、痛みや疲労感、精神不安定といった症状もあるそうです。

症状によっては別の病気と診断されることもあったり、原因不明で何の病気かわからないままずっと悩んでいる人もいるでしょう。

有名人の方がこうして病気を公表することによって、「もしかすると自分は(あの人は)スティッフパーソン症候群かもしれない」と気づくことによって治療を受けるきっかけになることもあるのではないでしょうか?

病気を公表することは勇気のいることでしょうが、脳脊髄液減少症を公表した米倉涼子さんと同じように、同じような病気で悩んでいるのに周りからはよく思われていない人がいるからこそこうした病気があることを知ってほしいという思いから公表したのだと思います。

「一時は引退も考えた」米倉涼子さんを襲った脳脊髄液減少症とはどんな病気?【あさイチ】







新型コロナと熱中症の症状の見分け方ってあるの?症状の違いとは?




新型コロナウイルスと熱中症の症状が近いといわれていますが、どんな症状の違いがあるのでしょうか?

その見分け方についてまとめてみます。

●新型コロナウイルスと熱中症の症状で似ている症状

  • 倦怠感(だるさ)
  • 頭痛
  • 発熱

新型コロナウイルスと熱中症の初期症状は似ているため見分けがつきにくいです。

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●新型コロナウイルスにあり、熱中症にはない症状

  • のどの痛み
  • せき・たん
  • 鼻水
  • 下痢

●熱中症にあり、新型コロナウイルスにはない症状

  • めまい
  • 手足のしびれ
  • 嘔吐
  • 意識障害

熱中症と新型コロナウイルスの見分け方を紹介しましたが、熱中症にあり、新型コロナウイルスにはない症状は熱中症でもかなりひどい段階にあるため、判断材料にはなりにくく、倦怠感(だるさ)・頭痛・発熱といった初期症状が出たら、医師に診てもらうことが大事だということがわかります。

→ 熱中症の症状・対策・予防 について詳しくはこちら

■熱中症対策(応急処置)

それでは、周りの人が熱中症になったらどうすればよいのかを覚えておきましょう!

(1)涼しい場所に移し、衣服をゆるめてリラックスさせる

建物が近くにない場合には日陰で休ませましょう。

建物が近くにあればエアコンの効いた部屋で休ませましょう。

(2)首筋、脇の下、脚の付け根を(冷たいペットボトルなどを使って)冷やす

脈拍のとれる位置は血管が皮膚に近いため、そこを冷やすと、冷却された血液が全身を巡ることで、クールダウンします。

(3)顔が赤いときは頭を高く、青白ければ足を高くして寝かせる

(4)意識があり、嘔吐がなければ水分補給させる

水分だけでなく塩分などの電解質も失われていると考えられますので、水に塩分などの電解質と糖とがバランスよく配合された経口補水液を利用しましょう。

(5)皮膚が熱ければ、風を送ったり熱い部分にぬれタオルを当てる

(6)皮膚が冷たければぬれタオルをしぼり、冷たい部分をマッサージ

(7)意識がなかったり、急に体温が上がったらすぐ救急車を呼ぶ

帝京大医学部付属病院の三宅康史・高度救命救急センター長によれば、熱中症の応急手当は「FIRE」で覚えるとよいそうです。

ただし、行う順番はつづりとは逆の順番で行なうそうです。

E(Emergency call:救急車を呼ぶ)

→R(Rest:涼しい場所に運んで安静にする)

→I(Icing:首筋、脇の下、脚の付け根など血管が皮膚に近い場所を冷やす)

→F(Fluid:水分補給)

→ 熱中症の症状・対策・予防 について詳しくはこちら

◆まとめ

Googleトレンドの急上昇ワード「手足口病」について調べてみた!で紹介しましたが、2024年に全国的に広がっている手足口病ですが、手足口病は2019年に大流行して以来患者は増えていませんでした。

新型コロナウイルスの感染拡大で、社会全体で感染予防対策が行われたことが影響していると考えられます。

現在新型コロナや手足口病が広がっているのは感染予防対策が緩くなっているからなのではないでしょうか?

新型コロナや手足口病を予防するためにも改めて「石けんでしっかりと手洗いをする」という基本的な感染症対策をやっていきましょう!







「アマゾン薬局」が話題!Amazonは薬局によるオンライン服薬指導から処方薬の配送まで利用できるサービス「Amazonファーマシー」を日本で開始!2,500の薬局と連携




オンライン服薬指導から処方薬の配送まで「Amazonファーマシー」の提供を開始

(2024/7/24、Amazon)

Amazonは薬局によるオンライン服薬指導から処方薬の配送まで利用できるサービス「Amazonファーマシー」を日本で開始します。

利用者はAmazonショッピングアプリのアカウントから、「Amazonファーマシー」に登録されている薬局で薬剤師によるオンライン服薬指導を受け、処方薬を自宅など指定の住所に配送、または薬局の店舗で受け取ることができるそうです。

「Amazonファーマシー」では以下の薬局各社の対象店舗約2,500店で服薬指導を受けることが可能です(2024年7月23日時点):
主な薬局はアイン薬局、ウエルシア薬局、共創未来、クオール薬局、新生堂薬局、薬局トモズ、V・ドラッグ、薬樹薬局、ユニスマイル薬局 等

「Amazonファーマシー」は、慢性疾患などで定期的に処方薬を必要とされてい人や、移動や待ち時間の手間を減らしたい人にとって便利なサービスです。

■まとめ

AMAZON、薬を小分けして配達するオンライン薬局PILLPACKを買収|PRIMEサービスに組み込まれる?それとも従業員の医療費削減を目指すヘルスケアベンチャーサービスに組み込まれる?によれば、以前AmazonはPillPack(薬を1回分に小分けした袋をユーザーに届けるオンライン薬局サービス)を買収すると発表しました。

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また、アマゾン、バークシャー、JPモルガンが新しいヘルスケア企業を設立 医療費削減を目指すによれば、アマゾン、バークシャーハザウェイ、JPモルガン・チュースが共同で米国で働く従業員を対象としたヘルスケアサービス会社を設立すると発表しており、アメリカでも医療費が膨らんでいることが問題となっており、多額の医療費(医療保険料)を企業が負担しているそうで、高齢化や医療の進歩に伴い、企業への負担が大きくなってきていることから、医療保険料などの削減を目指しており、ヘルスケア事業に興味を持っていたのがわかります。

今回のニュースのポイントはAmazonだけで行なうオンライン薬局サービスではなく、様々な薬局や医療機関(メドレーが提供する患者向け総合医療アプリ「CLINICS(クリニクス)」とも連携しており、クラウド診療システム「CLINICS」を導入している医療機関)と連携していることです。

AmazonはPillPackのような薬を1回分に小分けした袋をユーザーに直接届けるオンライン薬局サービスに関心があると思っていたので、AmazonがロボットやITを活用して全てを請け負うシステムを構築するよりも、すでにあるネットワークの力を活用したほうがよいと判断したのは興味深いですね。

「アフリカ 動き出す9億人市場」(著:ヴィジャイ・マハジャン)の中で、MTNバンキングCEOはこう語っています。

「インフラが不足しているからこそ、私たちはどんな飛躍もできるのです。」

今回のケースで言えば、すでに日本には各地に薬局があるというインフラがあるわけですから、診療から処方箋の取得までをオンラインで行ない、自宅に届けるだけでなく薬局の店舗でも受け取れるようにするというのはインフラを活かした取り組みと言えるでしょう。

将来的にはドローンで医薬品を届けるということも考えられますが、その拠点を薬局が担うというのもあり得るのではないでしょうか?

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P.S.

アフリカでは、携帯電話は医療に活用されている。で紹介した「アフリカ 動き出す9億人市場(著:ヴィジャイ・マハジャン、英治出版、2009)」を読むと、もしかするとある面ではアフリカが日本よりも進んでいる点があるのではないかと考えさせられます。

ルワンダでは、携帯電話は医療に活用されている。

アメリカの企業ボクシーバが構築したシステムを使い、僻村の医療従事者は現場から携帯電話を使って診断書を直接送信できる。

このシステムにより、HIV/エイズの患者の経過観察を行い、国内340箇所の診療所のうち75%をつないで合計3万2000人の患者を見ることが可能になっている。※

ショートメール、音声メッセージ、インターネットからの入力にも対応可能だ。

診療所はシステム経由で検査結果や薬品のリコール警告などを受信することもできる。

※Neil Ford, “Record FDI for Africa,” African Business, January 2008, 24

そして、比較する意味で、日本での医療にインターネットを活用するケースをご紹介します。

在宅医療情報、ネットで共有…医師・看護師・ケアマネら

(2011/7/21、読売新聞)

横浜市南区の診療所「睦町クリニック」(朝比奈完院長)を中心に在宅医療を行っている医師や看護師、ケアマネジャーらが、インターネットの情報共有サービスを使って、患者の病状を共有する試みに取り組んでいる。

同じ患者宅を訪問する別々の事業所のスタッフが、常に情報を共有できるようにするのが狙い。

日本の医療システムは最先端なんだろうなと漠然と思っていましたが、2つの文章を比べても、アフリカが遅れているという印象は受けないどころか、かえってアフリカから医療システムにおいて学ぶところも多いように感じます。

なぜこれほどアフリカが進んでいるように感じるのでしょうか。

この答えは、『アフリカ 動き出す9億人市場』を読むと、次のように考えられます。

「何か新しいことを始めるにあたってこの大陸が持つ利点の一つが、跳躍力です。

アフリカは世界中のどこかで生まれた最優良事例を活用し、さらにその上の段階へと進むことができる。

二番手に甘んずることはないのです。」

アフリカはいろんな国々が徐々に進んできた道を飛び越えて、その上の段階に進むことができるのです。

アフリカでは、インフラが日本のように整っていなかったからこそ、携帯電話のようなツールを活用して飛躍しているのです。







運動時の脂肪の燃えやすさを決めるタンパク質が見つかった!肥満を改善する薬に期待!




運動時の脂肪の燃えやすさを決めるタンパク質を同定

(2024/7/11、)

神戸大学の小川渉教授、徳島大学の野村和弘講師らによる研究グループは、運動した時にエネルギー消費を増加させるたんぱく質を同定しました。

マウスの実験によれば、このたんぱく質を増えないようにしたマウスは、運動時のエネルギー消費が落ち、太りやすいことがわかりました。

このたんぱく質の増えやすさによって、同じ運動をしても痩せやすい/痩せにくい人がいること(個人差がある)を説明できるというのが今回の研究のポイントです。

肥満を改善するアプローチとして、食欲を抑える抗肥満薬が使用され始めていますが、この研究が進み、このたんぱく質を増やせる物質を見つけることができればエネルギー消費を高めて肥満を改善する薬が開発できるかもしれません。

■運動すると体重が減るメカニズム

運動すると体重が減るメカニズム
運動すると体重が減るメカニズム

運動をすると筋肉がエネルギーを消費するため、脂肪が燃やされ、体重は減少します。

運動時には、筋肉でPGC-1αb及びPGC-1αcというタンパク質が増え、これによりエネルギー消費が高まり脂肪を燃焼させることがわかりました。

■まとめ

寒冷刺激による褐色脂肪組織でのPGC-1αの発現変化およびPGC-1αb及びPGC-1αcノックアウトマウスの体温の変化
寒冷刺激による褐色脂肪組織でのPGC-1αの発現変化およびPGC-1αb及びPGC-1αcノックアウトマウスの体温の変化

今回気になったのはこの部分です。

新規PGC-1αは褐色脂肪組織での脂肪燃焼や熱産生にも重要な働きをすることが分かりました。

マウスに寒冷刺激あり・なしの条件で褐色脂肪組織を採取し、PGC-1αの発現量を検討した。寒い環境(4°C)では褐色脂肪組織でPGC-1αbとPGC-1αcの発現が増えるが、PGC-1αaの発現は増えない(左)。また、新規PGC-1αノックアウトマウスは寒い環境で体温を保つことができない(右)。

痩せる脂肪!褐色脂肪組織BAT(褐色脂肪細胞・ベージュ脂肪細胞)を活性化させる方法・食べ物【美と若さの新常識~カラダのヒミツ~】【たけしの家庭の医学】で紹介した新潟大学の清水准教授によれば、寒冷刺激、つまり身体を冷やすことによって、褐色脂肪細胞とベージュ脂肪細胞を合わせた「褐色脂肪」が活性化するのだそうです。

北海道大学の実験によれば、継続的に寒冷刺激を与えることによって、褐色脂肪組織が増え、エネルギー消費能力が高まり、体脂肪も減ることがわかりました。

つまり、これまでは褐色脂肪は寒冷刺激(体を冷やす)ことによって活性化され、エネルギー消費能力が高まり、体脂肪が減ることを紹介していたのですが、なぜ寒冷刺激によって褐色脂肪が活性化するのか、寒冷刺激が何に影響を与えて褐色脂肪が活性化するのかはわかっていませんでした。

今回の研究を参考にすると、寒い環境では褐色脂肪組織でPGC-1αbとPGC-1αcの発現が増えることにより、エネルギー消費が高まり、脂肪を燃焼させるということがわかったわけですね。

骨格筋におけるPGC-1αの発現変化とエネルギー消費量の関係
骨格筋におけるPGC-1αの発現変化とエネルギー消費量の関係

そして、運動による新規PGC-1αの増え方には個人差があり、新規PGC-1αの増え方が大きい人はエネルギー消費が高く、増え方が小さい人はエネルギー消費が低いこともわかりました。

つまり、同じ量の運動をしても痩せやすい人と痩せにくい人がいるのは、新規PGC-1αの増えやすさが関わっており、これが個人の体質を決める要因の一つになっているわけですね。