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生体情報から従業員の長期ストレスの増加を早期発見できる技術を開発し、高ストレスになることを未然に防ぐ|NEC




■生体情報から従業員の長期ストレスの増加を早期発見できる技術を開発し、高ストレスになることを未然に防ぐ|NEC

図1:長期ストレスを把握し「高ストレスになることを未然に防ぐ」|NEC
図1:長期ストレスを把握し「高ストレスになることを未然に防ぐ」|NEC

参考画像:NEC、生体情報から従業員の長期ストレスの増加を早期発見可能な技術を開発(2018/4/6、NECプレスリリース)|スクリーンショット

NEC、生体情報から従業員の長期ストレスの増加を早期発見可能な技術を開発

(2018/4/6、NECプレスリリース)

長期ストレスの推定に用いる特徴量を生体情報から抽出する際、心理学の知見を用いて、1ヶ月単位の長期間にわたり生体情報の特徴に変化がない場合と、その期間中に大きなストレスを感じて変化がある場合を区別します。最近開発されたリストバンド型ウェアラブルセンサを用いる手法によって測定された生体情報の特徴に両者に違いがみられなくても、時間経過による変化をとらえることによって、長期ストレスの細かな差異を測定できます。その結果、高ストレスの兆候を含め高精度に把握できるようになります。

NECは、ウェアラブルセンサを用いて取得した生体情報から、従業員の長期ストレスを段階別に高精度に推定する技術を開発しました。

※長期ストレスとは、継続的な仕事量・質の過多、険悪な人間関係などの長期的なストレス刺激のことで、血圧の変化、呼吸数の増加など体が変化した状態が長期間継続し、負荷がかかった状態が続くことにより、心身に不調をきたす可能性があると考えられます。

※短期ストレスとは、プレゼンテーションの前、締め切りの前など短期的なストレス刺激のことで、血圧の変化、呼吸数の増加など体が急速に変化しますが、刺激後、素早く通常レベルに戻るものです。

図2:生体情報の時間経過による変化を捉えることによる推定精度向上の例|NEC
図2:生体情報の時間経過による変化を捉えることによる推定精度向上の例|NEC

参考画像:NEC、生体情報から従業員の長期ストレスの増加を早期発見可能な技術を開発(2018/4/6、NECプレスリリース)|スクリーンショット

「一時的に大きなストレスを受けると、その後些細なこともストレスと感じてしまう」という心理学の知見から新たに見出した生体情報の特徴を用いて、高ストレスの兆候(サイン)を含めて把握することで「高ストレスになることを未然に防ぐ」ことが実現できるそうです。

■まとめ

「ストレスの見える化」ができるツールやアプリに注目!|体の動き・皮膚ガス・皮膚の色の変化・声帯の変化・脈拍の変動でも取り上げましたが、ストレスをチェックする方法については研究がおこなわれています。

スマホのセンサで測り、AIが解析する「組織の活性度(組織の幸福感)」をチェックするツールでできる2つの可能性|ストレス度チェック・イノベーション度チェック|日立によれば、全体的なストレスが高い組織では、無意識に身体が静止してしまう確率が上がることがわかっており、ストレスがかかっているという状況が体の動きを静止してしまっていることが予想されます。

皮膚ガスを検知して疲労度やストレス度を測るデバイスの開発|皮膚ガス分析による健康管理で病気予防|東海大学によれば、東海大学関根嘉香教授は皮膚から出るアンモニアに着目し、体の一部に貼るだけで疲労度やストレス度を測るデバイスを開発したそうです。

【#金スマ】自律神経を整える方法・自律神経測定アプリ(小林弘幸先生)によれば、COCOLOLOはスマホのカメラに指先を当てて、皮膚の色変化から心拍の揺らぎを検知し、ストレスチェックを行うアプリです。

日立システムズ、「音声こころ分析サービス」を開発|なぜ声帯の変化で心の状態の「見える化」ができるのか?|神奈川県が未病の早期発見に寄与するサービスを試験導入によれば、日立システムズは、PSTが開発した声帯の変化(不随意反応)を分析して心の状態を「見える化」する未病音声分析技術MIMOSYS(ミモシス:MindMonitoring System)を利用し、スマホなどの音声データから心の状態の変化を捉え、病気の予防や兆候の早期発見につなげる「音声こころ分析サービス」を開発したそうです。

NEC、生体情報から従業員の長期ストレスの増加を早期発見可能な技術を開発

(2018/4/6、NECプレスリリース)

従業員の心身の健康を維持、向上させることで企業の生産性を高めることは、企業経営の上で大きなテーマとなっています。労働安全衛生法の改正により、ストレスチェックの実施が義務化されているほか、最近では、経営課題の1つである「働き方改革」の一環として、従業員の健康管理に積極的に取り組む企業も増加しています。

これからの企業の目標は「#健康経営」!?|「健康経営」のために企業はどのように取り組んだらいいの?
によれば、経営の視点から従業員の健康維持・増進について取り組むことが企業にとっての収益性・生産性向上につながるという「健康経営」という考え方が注目を集めています。

生産年齢人口の減少や生活習慣病患者・メンタルヘルス不調者の増加といった社会情勢の変化によって、労働力の確保が困難になったり、従業員の健康悪化が企業経営に大きく影響を及ぼすことがわかってきていることから、企業が従業員の健康づくりを支援して、健康悪化による経営リスクを引き下げようという動きが健康経営に注目が集まっている背景にあります。

NECが開発した生体情報から従業員の長期ストレスの増加を早期発見可能な技術にも注目が集まるのではないでしょうか?







日立システムズ、「音声こころ分析サービス」を開発|なぜ声帯の変化で心の状態の「見える化」ができるのか?|神奈川県が未病の早期発見に寄与するサービスを試験導入

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【目次】

■日立システムズ、「音声こころ分析サービス」を開発

日立システムズがPSTと協業し、「音声こころ分析サービス」を開発 神奈川県が未病の早期発見に寄与するサービスを試行導入
日立システムズがPSTと協業し、「音声こころ分析サービス」を開発 神奈川県が未病の早期発見に寄与するサービスを試行導入

参考画像:日立システムズがPSTと協業し、「音声こころ分析サービス」を開発 神奈川県が未病の早期発見に寄与するサービスを試行導入(2017/2/3、日立システムズ)|スクリーンショット

日立システムズがPSTと協業し、「音声こころ分析サービス」を開発 神奈川県が未病の早期発見に寄与するサービスを試行導入

(2017/2/3、日立システムズ)

本サービスは、スマートフォンや固定電話、携帯電話などから録音した音声データを分析して心の状態を見える化し、利用者にメンタル疾患の自覚と予防を促します。さらに、管理者向けの充実した機能によって、メンタル疾患者およびその予兆が見られる利用者の早期発見を支援し、社会課題となっているメンタルヘルス対策に寄与することが期待されます。
なお、本サービスの分析には PST が開発した未病音声分析技術 MIMOSYS(ミモシス:MindMonitoring System)を利用しています。MIMOSYS は声帯の変化(不随意反応)を分析して心の状態を「見える化」する技術で、東京大学大学院医学系研究科 音声病態分析学 特任准教授の徳野先生によって医学的に検証されており、日常の声から客観的かつ手軽に心の状態をチェックすることができます。

日立システムズは、PSTが開発した声帯の変化(不随意反応)を分析して心の状態を「見える化」する未病音声分析技術MIMOSYS(ミモシス:MindMonitoring System)を利用し、スマホなどの音声データから心の状態の変化を捉え、病気の予防や兆候の早期発見につなげる「音声こころ分析サービス」を開発し、神奈川県が2017年2月下旬から試験導入するそうです。

■なぜ声帯の変化で心の状態の「見える化」ができるのか?|MIMOSYS(ミモシス:MindMonitoring System)の原理

なぜ声帯の変化で心の状態の「見える化」ができるのか?|MIMOSYS(ミモシス:MindMonitoring System)の原理
なぜ声帯の変化で心の状態の「見える化」ができるのか?|MIMOSYS(ミモシス:MindMonitoring System)の原理

参考画像:日立システムズがPSTと協業し、「音声こころ分析サービス」を開発 神奈川県が未病の早期発見に寄与するサービスを試行導入(2017/2/3、日立システムズ)|スクリーンショット

日立システムズがPSTと協業し、「音声こころ分析サービス」を開発 神奈川県が未病の早期発見に寄与するサービスを試行導入

(2017/2/3、日立システムズ)

感情をつかさどる脳の大脳辺縁系(へんえんけい)は、神経で声帯と直接つながっているため、脳がストレスを感じると、声帯にシグナルが送られます。例えば、リラックスした状態では声帯は緩み声の周波数は低く、また緊張した状態では声帯は固くなり周波数が高くなります。このように心の状態は自分ではコントロールできない声帯の変化(不随意反応)として表れるため、その変化を解析して、心の状態を「見える化」します。

大脳辺縁系は神経で声帯と直接つながっており、声帯の変化は自分ではコントロールできないので、声帯の変化を分析することで、心の状態を「見える化」することができるそうです。




■神奈川県は未病対策に熱心!?|神奈川県が未病の早期発見に寄与するサービスを試験導入

神奈川県では、神奈川県職員 100 名(希望者)を対象に「ME-BYO BRAND」認定のMIMOSYSを用いた「音声こころ分析サービス」を試験導入するそうです。

以前電子母子手帳アプリ提供開始 「マイME-BYO(未病)カルテ」と連携でお薬情報も管理できる|神奈川県を紹介しましたが、神奈川県は未病対策に熱心なようです。

●ME-BYO BRANDとは?

日立システムズがPSTと協業し、「音声こころ分析サービス」を開発 神奈川県が未病の早期発見に寄与するサービスを試行導入

(2017/2/3、日立システムズ)

ME-BYO BRAND:神奈川県の未病産業関連の優れた商品・サービスを認定する制度。未病産業の魅力を広め、産業化の牽引を図ることを目的としている。神奈川県では、超高齢社会の到来に備え、「未病の改善」と「最先端医療・最新技術の追求」という2つのアプローチを融合する「ヘルスケア・ニューフロンティア」の取り組みを進めることにより、誰もが健康で長生きできる社会をめざしている。

●マイME-BYO(未病)カルテとは?

「マイME-BYO(みびょう)カルテ」とは

(2016/9/1、神奈川県)

「マイME-BYOカルテ」では、お薬情報のほか、薬による副作用の記録、アレルギーの有無、これまでかかった病気、ワクチン接種歴なども登録できます。

「マイME-BYO(未病)カルテ」は、お薬情報や健康情報等を一覧で管理できるアプリです。

■まとめ

未病対策のような予防医療・予防医学に取り組んでいくことは医療費の削減するためにも今後重要になっていくと考えられますし、世界的にも予防医学・予防医療の方向に進んでいるのを感じます。

ザッカーバーグ夫妻、人類の病気を予防・治療するプロジェクトで30億ドルを投資で紹介したザッカーバーグさんはこのようにコメントしています。

ザッカーバーグは「アメリカでは病気にかかった人々を治療するための支出に比べて、そもそも人々が病気にならないように研究するための支出はわずか50分の1しかない」と述べた。

ザッカーバーグさんのコメントは、病気を発症してからではなく、病気予防に重点を置くという考え方は、東洋医学の「未病」という考え方に近いと思います。

また、QOL(生活の質)の向上といった間接的なコスト削減も期待できると考えられます。

社会的インパクト投資(ソーシャルインパクトボンド)とヘルスケア分野(認知症・がん)の可能性|サキドリ↑(NHK)によれば、福岡県大川市の高齢者施設では、学習教材を使っての認知症予防への取り組みに社会的インパクト投資が使えるのかの実証実験として、高齢者100人が参加して、5か月間実験したところ、実験に参加した多くの高齢者の要介護度が下がり、公的介護費用が削減するという結果になったそうです。

※「社会的インパクト投資(ソーシャルインパクトボンド、SIB)」とは、障がい者支援や低所得者(貧困)支援、難民、失業、引きこもりの人の就労支援などの社会問題の解決と収益の両立を目指す社会貢献型の投資のこと。

また、積極的に計画・実行する人はがん・脳卒中・心筋梗塞の死亡リスクが低い|国立がん研究センターで紹介した国立がん研究センターによれば、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の行動をとる人は、そうでない人に比べて、がんで死亡するリスクが15%低く、また、脳卒中リスクが15%低く、脳卒中心筋梗塞などで死亡するリスクが26%低いという結果が出たそうです。

その理由としては、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の人は、がん検診や健康診断を受診するため、病気の早期発見につながり、病気による死亡リスクが低下して可能性があるようです。

つまり、予防医学・予防医療を導入するということは、病気による死亡リスクが減少し、医療費の削減にもつながるということです。

今後ますます未病対策のような予防医学・予防医療に関心が高まるのではないでしょうか。







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うつ病が胃薬「テプレノン」で予防できる!?|HSP(ヒートショックプロテイン)がうつ病の発症に関係|岡山理科大学・徳島大病院

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■うつ病が胃薬「テプレノン」で予防できる!?|HSP(ヒートショックプロテイン)がうつ病の発症に関係|岡山理科大学・徳島大病院

happy

by Hsing Wei(画像:Creative Commons)

うつ病に胃薬が効果か マウス実験で症状改善

(2017/6/1、毎日新聞)

 研究グループは、縄張り意識が強い大きなマウスがいるケージに小さいマウスを入れ、攻撃されるなどしてストレスがかかってうつ病のような状態になった小さいマウスの脳内を解析した。その結果、記憶や学習能力をつかさどる「海馬」のHSP発現量が通常のマウスと比べて大幅に低下したことが分かった。

 そこで、テプレノンを経口投与したところ、他のマウスを怖がらなくなり、うつ病のような症状が改善した。HSPが増加すると、神経の成長や再生を促す物質で、抗うつ効果がある「神経栄養因子(BDNF)」の発現量が増えることが確認され、症状改善に至るメカニズムも解明した。

うつ関与のタンパク質特定=新たな治療法期待-岡山理科大など

(2017/6/1、時事通信)

研究グループは、ストレスを与えてうつ状態にしたマウスの脳の海馬で、HSP105と呼ばれるタンパク質が著しく減少したことに着目。

岡山理科大学と徳島大病院の共同研究グループが行なったマウスの実験によれば、胃薬の「テプレノン」を飲めばうつ病のような症状が改善することが分かったと発表しました。

テプレノンには「熱ショックたんぱく質(HSP)」の発現を促進させる効果を持っており、今回の研究で、HSPがうつ病の発症に関わっていることが分かったそうです。




■ヒートショックプロテインとは?

ヒートショックプロテインとは、熱による負荷で生まれるたんぱく質のこと。

ヒートショックプロテインは、傷ついた部分を直してくれる万能なたんぱく質と言われている。

体の中で起こる異常(ケガ・病気・筋肉痛)はたんぱく質の異常とも言えるが、体内のたんぱく質が外からの影響が受けないようにヒートショックプロテインが防いでいる。

ヒートショックプロテインが体に増えると疲労しにくい。そのため、運動能力がアップする。

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■まとめ

今回の研究はマウスによる実験であったため、人への効果を確認するため、米食品医薬品局(FDA)のデータベースを分析したところ、テプレノンとうつ病との関係をうかがわせるデータがあったそうです。

肝炎などの治療薬「インターフェロン」は副作用でうつ病になることが知られているが、併せてテプレノンを服用していた場合は、うつ病を発症する確率が4割ほど低くなっていたことも明らかにした。

今回の研究成果を活かせば、HSPを増やす方法を実践することで、抗うつ効果があるとされる「BDNF(Brain-derived neurotrophic factor、脳由来神経栄養因子)」を増やして、うつ病を予防する方法がつかわれるようになるかもしれません。

以前、寝る子は「海馬」も育つ|脳で記憶や学習を担う部分によれば、うつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)の患者、高齢のアルツハイマー病患者では海馬が縮小している場合があると紹介しましたが、子供の頃から海馬の体積を大きくしておくことがうつ病の発症を予防する一番の方法なのかもしれません。







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妊娠中のうつ病リスク、味噌と豆乳以外の大豆製品、イソフラボン摂取が減らす!|愛媛大・東大

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■妊娠中のうつ病リスク、味噌と豆乳以外の大豆製品、イソフラボン摂取が減らす|愛媛大・東大

Soybeans

by Toshiyuki IMAI(画像:Creative Commons)

妊娠うつ、大豆でリスク減=食べるほど効果―愛媛大など

(2016/10/31、時事通信)

その結果、摂取量の多い方がうつ病の有症率が低く、1日当たり約93グラム食べた最多のグループは、同約21グラム食べた最少のグループに比べ、有症率が37%低いことが分かった。

愛媛大や東京大などの共同研究チームによれば、大豆製品をたくさん食べる妊婦ほど、あまり食べていない妊婦に比べて、妊娠中のうつ病になるリスクが減ることがわかったそうです。




■大豆製品のどの成分が妊娠中のうつ病になりリスクを減らしたのか?

世界初の研究成果!大豆製品、イソフラボン摂取が妊娠中うつ症状と予防的な関連

(2016/10/31、愛媛大学プレスリリース)

今回、妊娠中から母親と生まれた子を追跡調査した「九州・沖縄母子保健研究」のデータを活用し、妊娠中の大豆とイソフラボン摂取と妊娠中うつ症状との関連を調べました。その結果、妊娠中の総大豆製品、豆腐、豆腐製品、納豆、大豆煮物、みそ汁、イソフラボン摂取が妊娠中うつ症状の有症率低下と関連していることが分かりました。

<中略>

結論:みそと豆乳を除く大豆製品及びイソフラボン摂取は妊娠中うつ症状の有症率低下と関連しているのかもしれない。

妊娠うつ、大豆でリスク減=食べるほど効果―愛媛大など

(2016/10/31、時事通信)

一方、同じ大豆製品でも豆乳の場合、摂取量が違っても、うつ病の有症率にほとんど差がなかったことや、みそだけを調理せずにそのまま食べると、摂取量が多いほど有症率が高まることも判明した。

共同研究チームによれば、大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンのエストロゲンと構造が似ていることが関係しているのではないかと考えているようですが、同じ大豆製品でも加工や調理法によって効果に違いが現れることから、なぜみそと豆乳ではその効果が現れなかったのか、イソフラボンではない別の成分がうつ病の発症リスクを減らす効果がある可能性について今後の研究が必要だと思われます。

妊娠中のうつ病リスクを下げるためにも、大豆製品を摂っていない妊婦さんは摂るようにしましょう!







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うつ病患者は推計3億2200万人|WHO

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■うつ病患者は推計3億2200万人|WHO

Stressed

by Jim Pennucci(画像:Creative Commons)

うつ病患者は推計3億2200万人、WHO発表

(2017/2/24、TBS系)

WHOが23日に発表した報告書によりますと、世界でうつ病に苦しむ人は2015年に推計で3億2200万人に上り、2005年からおよそ18パーセント増加しました。

<中略>

また、うつ病は、男性より1.5倍、女性に多く見られ、年齢別では55歳から74歳の発症率が高いほか、15歳未満の子どもの発症も見られるということです。

WHO(世界保健機関)の報告書によれば、世界でうつ病に苦しむ人が2015年に推計で3億2200万人に増加したと発表したそうです。




■世界でうつ病に苦しむ人が増加している理由について考えてみよう!

世界でうつ病に苦しむ人が増加している理由について考えてみます。

●仕事によるストレスが増えているから?(但し、昔との比較が必要)

午後6時以降に仕事をすると、うつ病にかかる可能性が高くなる!?(2014/11/24)によれば、ドイツでは、午後6時以降に仕事をすることを禁止する方向なのだそうで、その理由は、午後6時以降や週末に仕事をするとうつ病などの心の病気になる可能性が高くからなのだそうです。

研修医のうち3分の1がうつ病や抑うつ症状を患っている!?で紹介した米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院と米ハーバード大学医学部のダグラス・マタ医師による調査によれば、研修中の若手医師のうち、3分の1がうつ病や抑うつ症状を患っているそうです。

看護職員、「慢性疲労」7割超える 医労連アンケートによれば、慢性疲労を訴える看護職員の割合が7割を超えているそうです。

医療に携わる方は、勤務時間が長かったり、夜勤の負担が大きかったり、責任が重かったり、医療事故への不安があったりなど肉体的ストレス・精神的ストレスがかかっていると考えられます。

そのことがうつ病や抑うつ症状を患う原因になっているのではないでしょうか。

●運動不足

運動を続けるとストレスに強くなる?その科学的根拠とは?によれば、プリンストン大学が行なったネズミの実験によれば、活動的なネズミのほうがストレスに対して穏やかな反応を示したそうです。

その理由としては、走ることで生まれる細胞がストレスからの影響を受けづらくする緩衝材になっていると考えられるそうです。

運動がストレス耐性に効果的であることが実験によってわかりましたが、その効果は短期間では得られるものではないようです。

米コロラド大学の研究によると、3週間運動したネズミには、ストレスに対する脳の働きに変化は見られなかったようですが、6週間運動したネズミには変化があったそうです。

「心を強くする」には運動が欠かせないワケ うつ病の治療と予防には定期的な運動が効く|The New York Times

(2016/12/9、東洋経済オンライン)

有酸素運動の仕方によって被験者を3つのグループに分けたところ、運動量が最も少なかった男女のグループは、最も多いグループよりもうつ病を患う確率が約75%も高かった。中間のグループについては、最も運動量の多いグループよりもうつ病になる確率は約25%高かった。

有酸素運動の運動量が多かったグループのほうが、運動量が少なかったグループよりもうつ病になる確率は低かったそうです。

なぜ運動をするとうつ病の発症リスクが下がるのでしょうか?

確立した答えはまだ出ていないようですが、一つの研究がその仮説となると考えられます。

うつ病の人の運動前後の血液サンプルを調査した過去の20の研究を分析したところ、運動によってさまざまな炎症マーカーの値が著しく低下した一方で、脳の健康に寄与すると考えられるさまざまなホルモンや生化学物質のレベルが増加していた。

医学誌「ニューロサイエンス・アンド・バイオビヘイバラル・レビュー」に2月に掲載された研究によれば、運動によって様々な炎症マーカーの値が低下し、また脳の健康に良い影響を与えると考えられるホルモンや生化学物質のレベルが増加していたそうです。

<自宅で長時間は危険>スマホの使用時間と位置情報の分析でうつ病診断ができる可能性がある!?で紹介した米ノースウェスタン大の研究グループによれば、うつ病患者は、うつ病でない人に比べて、スマホの使用時間が長くなり、また使用場所は自宅など極めて少ない地点に限られている傾向にあるそうです。

体を動かさないことがうつ病の発症リスクを高める生活習慣の可能性があります。

●悪いニュース

悪いニュースは、悲観的になるという感情をもたらすだけでなく、ストレスや不安、抑うつ症状を引き起こす!?で紹介したイギリス人心理学者デイヴィ・グラハム(Graham Davey)博士によると、ネガティブで暴力的な報道は、悲観的になる、または非難するといった感情をもたらすだけでなく、ストレスや不安、抑うつ症状を引き起こす要因になるそうです。

SNSの普及で悪いニュースや不安にさせるニュースが拡散することによって、人々のストレスや不安が増しているのかもしれません。

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●昔はうつ病だと診断されなかったが、現在は診断されるようになった

今の判定基準で判断すればうつ病なのですが、昔はそうした認識がなかった可能性があり、それがうつ病が増えた(ようにみえる)原因とも考えられます。

■まとめ

帰宅拒否症は「軽症うつ病」によれば、軽症うつ病は、抑うつ気分、意欲低下、不眠や食欲不振といった症状が本物のうつ病に比べて軽度のため、不調を訴えてもあまり仕事や生活面には大きな支障をきたさないそうです。

周りの人も浮き沈みの一つと思って気づきにくいのかもしれません。

また、睡眠不足・不眠は「うつ」のサイン?で紹介した日本大学公衆衛生学教室が男女それぞれ1万人以上を対象にした調査によれば、1日の平均睡眠時間が7時間より短くなればなるほど、また8時間より長くなればなるほどうつ状態の有病率が高くなっていたそうです。

睡眠時間が短くなることもうつ病のサインの一つと考えられます。

そのほかにもうつ病のサインが紹介されています。

[自己チェックの例]

  • 2週間以上眠れない日が続く
  • 食欲がなく体重が減っている
  • だるくて意欲がわかない
  • 頭痛
  • めまい

以上のような症状があれば、専門医による受診をすすめていました。

自分だけでは気づかない恐れがありますので、周りの人が今までとの違いに気づき、そのサインを見逃さないようにしていきたいですね。







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