UCSF、脳の信号から合成音声を生成|この研究から考える新しいアイデアとは?




■脳の信号から合成音声を生成|UCSF

Speech synthesis from neural decoding of spoken sentences
Speech synthesis from neural decoding of spoken sentences

参考画像:Speech synthesis from neural decoding of spoken sentences
|YouTubeスクリーンショット

Synthetic Speech Generated from Brain Recordings(2019/4/24、UCSF)によれば、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の研究者は、脳の信号から合成音声を作ることができたそうです。

脳に電極を埋め込み、脳の言語中枢から信号を解読し、 唇、顎、舌および喉頭の動きをコンピュータシミュレーションを行なって、シンセサイザーで音声を生成します。

脳卒中、外傷性脳損傷、パーキンソン病、多発性硬化症および筋萎縮性側索硬化症(ALS、またはLou Gehrig病)などの神経変性疾患になると、発話能力の喪失という症状が現れることがあります。

つんく♂、喉頭がんで声帯摘出手術を受け声を失ったことを告白では、ミュージシャンのつんく♂さんが声帯の摘出手術を受けた結果、声を失ったことを告白し、声を取り戻すために「食道発声法」の習得をはじめたということを取り上げました。

目や顔の筋肉の動きをトラッキングする補助装置を使って、文字を書き出したり、合成音声を生成するのは、面倒であり、間違いがあったり、遅かったりと不便なところが多いです。

今回の研究が進めば、流ちょうなスピーチを可能にする合成音声を作り出すテクノロジーが進歩することによって、病気で話す能力が失われた人が再び声を取り戻すことが期待されます。

■この研究から考える新しいアイデアとは?

この研究を他の方法に利用すると、「自分がなりたい自分になる」という希望を叶えるために、声を変化させることもできるかもしれませんし、Vtuberの声をより自分がイメージするものに近づけるということにもできるかもしれません。

また、脳で考えたことをテキスト化や音声化するだけでなく、イメージ化することもできるようになれば、脳で考えたイメージをそのまま人と共有することもできるようになるかもしれません。

「攻殻機動隊」では、マイクロマシン経由で脳と外部世界を直接接続する技術「電脳化」する世界が描かれていますが、脳で考えたテキストを合成音声化する仕組みを使って、脳と車いすやパソコンなどと直接接続することにより、車いすやパソコンを動かすということももしかするとできるようになるかもしれません。

【関連記事】

テクノロジーの進歩によって、健常者・障害者という分け隔てする必要がなくなり、同じような行動をでき、なおかつ自分がなりたい自分で生きていく世界ができていくのではないでしょうか?







【参考リンク】

Lemonade|保険ビジネスにAIと行動経済学を活用したInsurtechスタートアップ




■Lemonade|保険ビジネスにAIと行動経済学を活用したInsurtechスタートアップ

Introducing The Lemonade App
Introducing The Lemonade App

参考画像:Introducing The Lemonade App|YouTubeスクリーンショット

日本だけでなく世界でもフィンテックが話題です。

FinTechとは金融(Finance)と技術(Technology)を掛け合わせた造語で、銀行・金融ではFintech(フィンテック)というITを駆使して金融サービスを生み出したり、見直したりする動きが起きています。

フィンテックの中でも「保険」の分野、「Insurtech(インシュアテック)」に関心が集まっていることをご存知ですか?

「Insurtech(インシュアテック)」とは、生保や損保という保険ビジネス(Insurance)とテクノロジー(Technology)を組み合わせる取り組みのことです。

このブログは健康に関連したニュースについて取り上げているので、「Insurtech(インシュアテック)」を取り上げるときにも、テクノロジーの側面ではなく、主に医療ビッグデータの解析を活用した新しい保険の形といった側面から紹介しています。

今回紹介するニュースは「Insurtech(インシュアテック)」のテクノロジーの側面から見た記事です。

「Botと話して1分で保険に入った」:スマホD2Cのフィンテック

(2017/7/10、Scrum Ventures)

詳しくは元記事をご覧いただくとして、「Lemonade」という保険スタートアップの特徴を簡単にまとめます。

  • 家具や電気製品などの損害保険
  • 人を介さず、Botとのやりとりだけで、保険の見積もり・加入手続きを行う
  • スマホネイティブな層をターゲットにしているのか、タップやスワイプといったスマホに最適化されたUI/UXが特徴
  • AI・行動経済学を組み込んで詐欺の自動検知を行う

日本でもレモネードへの関心が高まりつつあります。

AI活用 保険手続き迅速 米レモネードCEO ダニエル・シュライバー氏

(2018/1/19、日本経済新聞)

ソフトバンク:フィンテック新興企業レモネードに出資

(2017/12/19、Bloomberg)

ニューヨークを拠点とするレモネードは人工知能(AI)とソフトウエアエージェントを使って住宅保険請求の文書業務を減らし処理を高速化する技術を持つ。

ソフトバンクは1億2000万ドル(約135億円)の出資の主導的役割をするそうです。

The Science Behind Lemonade

Lemonade in 60 Seconds

Introducing The Lemonade App

Dan Ariely Joins Lemonade

【参考リンク】

Lemonadeの動画を見てみると、「予想通りに不合理」「不合理だから全てがうまくいく」の著者であり、TEDの人気スピーカーであり、行動経済学者であるダン・アリエリー(Dan Ariery)氏がLemonadeに参画しています。

The Cost Of Our Dishonesty|Lemonade

ダン・アリエリーさんの考えを私なりに解釈すると次の通りになります。

ダン・アリエリーさんの保険ビジネスにおける役割は、保険加入者と保険会社との信頼をいかに築くかということです。

保険加入者はできる限りの個人情報・建物に関する情報などを記入してもらい、誠実さを伝える一方で、保険会社は、不正行為に対するリスクを補うためとして、少し高めの保険料を保険加入者に請求しています。

簡単に言えば、保険会社は保険加入者に対する信頼が低いため、そのような行動をとってしまっているのです。

そこで、AIや行動経済学を活用して、そもそも不正行為が起こりにくい保険の加入の仕方に変えようということがポイントです。

Oh, Behave!|Lemonade

In one well known study, he and his team of researchers managed to significantly reduce cheating simply by asking people to recall the Ten Commandments.They discovered that introducing moral cues can influence how we behave.

ある有名な研究によれば、十戒を思い起こさせるように人々に尋ねると、不正行為を減らすことができたそうです。

つまり、道徳的なつながりを導入することにより、行動に影響を与えるということを発見したのです。

そもそも不正行為が起こりにくい保険の加入の仕方に変えることができれば、不正による請求をする人が少なくなるとにより、保険加入者の保険料を少なくすることになっていく、両者にとってメリットのある変化となるのです。




■まとめ

「Lemonade」では、AIや行動経済学を活用して、道徳的な行動を促すことにより、保険業界に変化をもたらそうとしています。

ただ、もし、そもそも社会全体が信頼に基づく行動をする世界に変わったとしたらどうでしょうか。

人の信頼度を評価するシステムによって信頼自体がお金(通貨)のような価値をもつ時代になる!?では、「信頼」を通貨のような価値を持つ時代になれば、人は道徳的な行動をとるようになるであろうということを書きました。

中国の「芝麻信用」では、支払い履歴だけでなく、学歴や資産情報、人脈関係などによって信用度が格付けされる仕組みとなっており、この信用点数の評価によって、ホテルに泊まれない人がいたり、結婚や就職に影響しているということが起きているそうです。

「信頼」を通貨のような価値を持つ時代になれば、シェア自転車に対してひどい扱いをした人は、自転車と利用者をつないだデータをもとに信頼性が低いと評価されることによって、そのほかの信頼性をもとにしたサービスが使えなくなるといったことが起こるようになります。

つまり、社会全体が信頼に基づく行動をする世界に変わると、そもそも人は道徳的な行動をとるため、「Lemonade」が保険業界に起こしているような変化は必要なくなるということです。

「信頼」自体が通貨のような価値を持つような時代が近づいていますね。







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国会や生命保険でもAIを活用する動き|人工知能によって人間の仕事は奪われるのか?




■国会や生命保険でもAIを活用する動き|人工知能によって人間の仕事は奪われるのか?

tabletop assistant

by Matthew Hurst(画像:Creative Commons)

ここ1、2年とても注目されているのが「人工知能(AI)」で、様々な分野で活用しようとする動きが見られています。

年末年始のニュースでもAIを活用した業務の効率化や国会答弁の下書きの作成にAIを活用する実験などのニュースが報道されていました。

<富国生命>AI導入、34人削減へ 保険査定を代替

(2016/12/30、毎日新聞)

富国生命保険が、人工知能(AI)を活用した業務効率化で、医療保険などの給付金を査定する部署の人員を3割近く削減する。

富国生命保険は、日本IBMのAI「ワトソン」を使ったシステムを導入し、医師の診断書などから入院給付金支払いなどに必要な情報を自動的に読み取ることで業務効率化を行い、段階的な人員削減に着手していくそうです。

国会答弁、AIが下書き=経産省が実験へ

(2017/1/2、時事通信)

過去5年分の国会会議録をAIに学習させ、政策課題や論点をまとめさせることを想定。

<中略>

例えば「省エネルギー政策を推進すべきか」という質問を入力すると、AIが過去に行われた関連質疑から政策のポイント、課題、論点などを整理して提示する仕組みを想定。

AIやモノのインターネット(IoT)技術を活用する「第4次産業革命」を推進する経済産業省では、過去5年分の国会会議録をAIに学習させ、政策課題や論点をまとめさせ、国会答弁の下書きの作成を行う実験を行うそうです。

前日の深夜や当日の未明までかかることも少なくない国会答弁づくりにAIを活用することで効率化され、長時間労働の是正に役立つことが期待されています。

このほかにも、企業の人材活用やコールセンターで活用される事例などAIを活用した事例が増えてきています。

【関連記事】

その中でもこのブログで最も取り上げてきた「医療×AI」の組み合わせが最も注目されている分野といっても過言ではないと思います。

【参考リンク】




■人工知能やロボットによって代替可能性の高い職業と低い職業

参考画像:人工知能やロボット等による代替可能性が高い100種の職業|日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に~ 601 種の職業ごとに、コンピューター技術による代替確率を試算 ~(2015/12/2、野村総合研究所)|スクリーンショット

参考画像:●人工知能やロボット等による代替可能性が低い100種の職業|日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に~ 601 種の職業ごとに、コンピューター技術による代替確率を試算 ~(2015/12/2、野村総合研究所)|スクリーンショット

人工知能やロボット等による代替可能性が高い100種の職業|日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に~ 601 種の職業ごとに、コンピューター技術による代替確率を試算 ~(2015/12/2、野村総合研究所)によれば、野村総合研究所は、英オックスフォード大学のマイケル A. オズボーン准教授およびカール・ベネディクト・フレイ博士との共同研究により、国内 601 種類の職業*2について、それぞれ人工知能やロボット等で代替される確率を試算した結果、10~20 年後に、日本の労働人口の約49%が就いている職業において、それらに代替することが可能との推計結果が得られているそうです。

■まとめ

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参考画像:Why Artificial Intelligence is the Future of Growth – Accenture|スクリーンショット

AIで日本の経済成長率が3倍に?–2035年の成長予測をアクセンチュアが発表

(2016/11/18、cnet japan)

日本では、AIシナリオにおけるGVA成長率が、ベースラインシナリオの場合に比べて3倍以上になる可能性

アクセンチュアが発表した「Why Artificial Intelligence is the Future of Growth」によれば、2035年の各国の経済規模について2つのシナリオで予測を行っており、日本では「AIシナリオ(AIの影響力が市場に浸透した場合に期待される経済成長を示す)」における粗付加価値(GVA)成長率は、「ベースラインシナリオ(従来予想の経済成長を示す)」と比べると3倍以上になる可能性があるそうです。

AIを活用するとどうして経済成長率が高まるという予測が立てられているのでしょうか。

AIで日本の経済成長率が3倍に?–2035年の成長予測をアクセンチュアが発表

(2016/11/18、cnet japan)

こうした先進国市場では、AI技術によって労働生産性が大幅に高まる可能性がある要因として、人間がより効率的に時間を使うことで新たなモノを創造するという、人間が最も得意な仕事に集中できるためだとしている。

ほかの国と比べても日本はAIを活用することによる恩恵が得られるという予測が立てられているのですが、反対に考えると、日本はそれだけ労働生産性が低いとも考えられ、AIを活用することによって、時間が効率化され、最も人間がやるべきことに集中できるようになるのではないでしょうか。

また、人工知能を活用することによって、業務が効率化され、人間がやるべき仕事をする一方で、人工知能が浸透する中で新しく生まれる仕事が出てくるでしょう。

人間が人工知能を道具として使うだけでなく、人間が人工知能に使われるようになるということも出てくるでしょう。(その分野はロボットと人間が行なう役割としてぶつかってしまうこともあるかもしれません。)

【参考リンク】

→ 【人手不足で悩む社長さんへ】求人を増やす方法(給与前払いサービス・AIの活用・ワクワクする仕事をPR) について詳しくはこちら







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CYBERDYNEと損害保険ジャパン日本興亜、サイバニクス技術とリスクファイナンスの融合で「Society5.0(超スマート社会)」および「重介護ゼロ®社会」の実現に向けて、包括的業務連携に関する協定を締結




■CYBERDYNEと損害保険ジャパン日本興亜、サイバニクス技術とリスクファイナンスの融合で「Society5.0(超スマート社会)」および「重介護ゼロ®社会」の実現に向けて、包括的業務連携に関する協定を締結

「SOCIETY5.0(超スマート社会)」および「重介護ゼロ®社会」の実現に向けて、包括的業務連携に関する協定を締結
「SOCIETY5.0(超スマート社会)」および「重介護ゼロ®社会」の実現に向けて、包括的業務連携に関する協定を締結

参考画像:革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)「重介護ゼロ社会を実現する革新的サイバニックシステム」全体計画について|科学技術振興機構|スクリーンショット

CYBERDYNE株式会社と損害保険ジャパン日本興亜株式会社の包括的業務連携のお知らせ~サイバニクス技術とリスクファイナンスの融合による健康で豊かな社会システムの構築~

(2017/10/25、サイバーダインプレスリリース)

● CYBERDYNE社は、人とロボット(機械)と情報を融合複合したサイバニクス技術によって超高齢社会が直面する課題を解決するため、世界初のサイボーグ型ロボット「HAL®」をはじめとする革新的サイバニックシステムを開発し、「Society5.0※2(超スマート社会)」および「重介護ゼロ®社会」の実現に取り組んでいます。
● 損保ジャパン日本興亜社は、損害保険事業を中心に、介護やヘルスケア事業などの領域をグループで展開し、幅広い事業展開やデジタル技術の活用により、「安心・安全・健康」な社会を目指しています。

CYBERDYNEと損害保険ジャパン日本興亜は、「HAL®」をはじめとするサイバニクス技術(人・ロボット・情報系が融合複合した【サイバニクス】という新領域の技術)とリスクファイナンスの融合で「Society5.0(超スマート社会)」および「重介護ゼロ®社会」の実現に向けて、包括的業務連携に関する協定を締結したそうです。

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■Society5.0とは?

CYBERDYNE株式会社と損害保険ジャパン日本興亜株式会社の包括的業務連携のお知らせ~サイバニクス技術とリスクファイナンスの融合による健康で豊かな社会システムの構築~

(2017/10/25、サイバーダインプレスリリース)

Society5.0: 「狩猟社会」「農耕社会」「工業社会」(Society1.0、2.0、3.0)、そして、現在の「情報社会」(Society4.0)に続く未来社会として政府によって掲げられた「超スマート社会」(5 番目の社会)のコンセプト。科学技術イノベーションが先導する新たな社会のイメージで、AI(人工知能)や IoT (モノのインターネット)等が本格的に社会実装されます。

Society5.0 Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」
Society5.0 Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」

参考画像:Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」(2017/5/30、経済産業省)|スクリーンショット

Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」
Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」

参考画像:Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」(2017/5/30、経済産業省)|スクリーンショット

Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」(2017/5/30、経済産業省)

「必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細かに対応でき、あらゆる人が質の⾼いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、⾔語といった様々な違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会。」(第5期科学技術基本計画)

【SoftBank World 2017】特別講演 落合 陽一 氏

「人間社会から計算機自然へ」MOA大学特別講義Vol.2落合陽一先生

(2017/8/27、MOA大学メディア)

つまり、あれだけ多様性があっても、どうやったらコンピューターで、多様性のある人間のままいけるかっていうのが次の時代の勝負なんじゃないかなと僕は思ってます。

それってつまり、一人一人がわりと好きな方向に向いててもまあ社会が成立するようになってきたのかなと。

これまでの社会は、あらゆるものを標準化することによって、人間がその標準化された社会に合わせて生活をすることで問題を解決してきましたが、Society5.0では、多様な違いを持ったままで、必要なサービスを、必要な時に、必要な分だけ提供される社会になっていくことを目指しています。

すでにこうしたアイデアは実現を始めていて、要介護者の排泄の自立支援、介助者の負荷軽減の目的で作られた『ベッドサイド水洗トイレ』|トイレに自分が行くのではなく、トイレの方が自分のところに来るというアイデアでは、必要な時に必要なものが自分のところに届いて、使用すると元に戻るというアイデアについて取り上げました。

The Future of Hotel Delivery Service

ResidenceInnLAXCaseStudy (Japanese Subtitles)

人間用エレベーターも乗りこなす「荷物お届けロボット」、品川プリンスホテルに現る

(2017/9/14、ITmediaニュース)

 Relayは、レーザーセンサーと3Dカメラを使って屋内の環境や現在位置を特定する技術「SLAM」(Simultaneous Localization and Mapping)を利用しているという。

ロボットベンチャー企業の「Savioke」が開発したのは、部屋へ荷物を届けることに特化した自律走行型ロボット「Relay(リレイ)」です。

Relayは客から荷物の運搬を依頼されたホテルのスタッフの指示を受け、自分でエレベーターに乗り降りして、部屋の前に到着すると電話をかけて、ドアが開き、荷物をお客さんが取り出すと、自動で戻るという仕組みです。

このように、人間は標準化された社会に合わせて行動するのではなくて、テクノロジーを活用して、必要なサービスを、必要な時に、必要な分だけ受けられるようになっていくことを目指す世界が始まっています。

【参考リンク】

ちなみに、麺の太さ・長さ・幅の好みの問題を解決!オーダーメイドな「巻きうどん」が強い「蕎麦とパスタとラーメンにも作って欲しい」(2017/10/24、Togetter)で紹介されている「巻きうどん」がSNSで話題になっているそうですが、「巻きうどん」とは、自分が食べたい太さに切ることができる、カットする前の面を巻いてあるうどんのことです。

これこそが、必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細かに対応できることを目指した社会のわかりやすい例ではないでしょうか?

■重介護ゼロ社会とは?

●重介護とは?

革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)「重介護ゼロ社会を実現する革新的サイバニックシステム」全体計画について|科学技術振興機構

「重介護」とは、全介助・部分介助・見守りが多数組み合わされ、介護される側・介護する側にとって身体的及び精神的に重く厳しい状態であり、継続的な介護が困難な状態である。排泄の例では、全介助ではなく部分介助状態となっている方であってもその介護生活が、介護される側・介護する側にとって重く厳しく継続的な介護が困難な状態の場合は重介護となる。一方、脳・神経・筋系の障害によって身体機能改善が見込めないとされていた要介護者について、機能改善が見込める革新技術によって、介護される側・介護する側にとっての重く厳しい介護生活が緩和され、生活の継続が困難な状態から改善される場合には、重介護が改善される一例となる。

少子高齢化に伴って、介護される側(要介護者・寝たきり高齢者・患者)・介護する側(家族・社会)への重く厳しい負担がかかることを「重介護問題」を解決を目指すことが求められています。

アメリカのプライム世代の女性の36%が「介護」を理由に仕事に就けない!?|働き盛り世代が無償の介護をしなければならない問題を解決するアイデアで紹介した米ブルッキングス研究所(Brookings Institution)のハミルトン・プロジェクト(The Hamilton Project)が発表した報告書によれば、アメリカでは2016年、成人の3分の1(37.2%)以上が仕事に就いておらず、そのうち「働き盛り世代」(25~54歳)に当たる人たちの5分の1近くが就業しておらず、女性の36%が介護を理由に仕事に就けないそうです。

また、75歳以上同士の「老老介護」初の30%超|65歳以上同士の「老老介護」は過去最高54%に|平成28年国民生活基礎調査によれば、日本でも介護をする側と介護を受ける側の両方が高齢者の組み合わせである「老老介護」が話題になっていますが、平成28年国民生活基礎調査で発表された、同居の主な介護者と要介護者等の組合せを年齢階級別にみると、60歳以上同士70.3%、65歳以上同士54.7%、75歳以上同士30.2%となっており、また年次推移でみると、上昇傾向にあるのがわかります。

「重介護問題」は遠い未来の問題ではなく、今目の前にある問題なのです。

そのためには、要介護者の自立度を高め、介護者の負担を軽減する取り組みが重要になってきます。

この問題を解決するアプローチとして、人の脳神経系・身体とロボット等を融合複合し機能させる革新技術(サイバニックシステム)の研究開発が提案されています。

介護する側が抱える問題とその介護する側の身体的負荷を直接低減するための支援技術の例がいくつか紹介されています。

【具体例】

身動きが困難な要介護者をベッドから持ち上げて車イスに移乗させ、トイレに移動させた後、更に、要介護者を車イスから抱きかかえて便座に着座させ(or 排泄できるようにさせ)、排泄支援後、要介護者を抱きかかえて持ち上げて便座から車イスに移乗させ、ベッドまで移動した後に、要介護者をベッドや生活空間に戻す

【課題】

介護する側の身体的負荷がかかるためその負担を軽減することや介護される側の生理状態をチェックしながら安全な介護をすること

【介護する側の身体的負荷を直接低減するための支援技術】

“サイバニックインタフェース(人の意思の情報を入出力処理して活用できる技術、人の生理情報を授受し活用できる技術)”
“サイバニックデバイス(サイバニックインタフェースと連動して生理管理を行い、身体動作機能を補助・拡張できるデバイス)”
“上記を連動させた支援システムとしてのサイバニックシステム(システム化により安全で効果的なシステムとして)”

【ImPACTプログラム紹介】 -山海 嘉之PM-

■まとめ

「Society5.0(超スマート社会)」および「重介護ゼロ®社会」の実現に向けて、行政や企業の連携が始まっているようです。

『サードウェーブ 世界経済を変える「第三の波」が来る』(著:スティーブ・ケース)では、第三の波(あらゆるモノのインターネット)によって、あらゆるモノ・ヒト・場所が接続可能となり、従来の基幹産業を変革していく中で、企業や政府とのパートナーシップが重要になると書かれています。

サードウェーブ 世界経済を変える「第三の波」が来る (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)

第二の波では、インターネットとスマートフォンの急速な普及によってソーシャルメディアが激増し、盛況なアプリ経済が誕生した。その中でもっとも成功を収めたスナップチャットやツイッターのような企業は、小規模なエンジニアリング・チームからスタートして一夜にして有名になり、第一の波の特徴であったパートナーシップをまったく必要としなかった。しかし、こうしたモデルは現在がピークであり、新たな時代は第二の波とはまったく違う―そして最初の波とよく似た―ものになることを示す証拠が増えている

「IoT」などの「第三の波」で社会は大きく変化をしていきますが、社会問題を解決する手段として、一人の力ではなく、これからますますいろんな人たちとのパートナーシップが重要になってくるでしょう。







【Society5.0 関連記事】
続きを読む CYBERDYNEと損害保険ジャパン日本興亜、サイバニクス技術とリスクファイナンスの融合で「Society5.0(超スマート社会)」および「重介護ゼロ®社会」の実現に向けて、包括的業務連携に関する協定を締結

医療ツーリズムは拡大しているのか?|インバウンドからアウトバウンド推進へ




【目次】

■医療ツーリズムは拡大しているのか?|インバウンドからアウトバウンド推進へ

MRI

by liz west(画像:Creative Commons)

2010年ごろに「医療ツーリズム(医療観光)」について取り上げていましたが、その後どれほど日本で医療ツーリズムが伸びているのでしょうか?

【関連記事】

「医療ツーリズム」:着実に外国人受け入れ数増加か?

(2015/10/27、nippon.com)

日本が近年どれほどの外国人患者を受け入れているか、正確なデータは残念ながらない。経済産業省が2012年度の推計として、「前年度比5000人増の2万7000人」という数字を挙げているのみだ。

外国人患者の受け入れ状況は経済産業省がアンケート調査結果(2012年度)をもとに推計した前年度比5000人増の2万7000人」という数字が挙がっているだけなのだそうです。

【参考リンク】

第4章 国内医療機関における外国人患者の受入状況(PDF)|経済産業省

本アンケート調査結果をもとに、2011 年度と 2012 年度の日本全国の外国人患者受入人数を 推計したところ、2011 年度は約 22,000 人、2012 年度は約 27,000 人の外国人患者がを受入れら れており、2011 年度から 2012 年度にかけての増加率は約 23%、増加数は約 5,000 人と推計され た。

訪日外国人客数は2012年837万人から2015年2000万人に増加していていることから、訪日外国人客の伸びと連動して増えていると考えれると、医療渡航者も増えていると思われます。

【参考リンク】

本年はいよいよ1000万人を目指します!~2013年訪日外国人旅行者数目標について~|観光庁

本日、日本政府観光局(JNTO)から公表された統計によりますと、2012年の訪日外国人旅行者数は対前年比34.6%増加の約837万人となりました。

訪日外国人、昨年度2,000万人を突破 – 3月は過去最高

(2016/4/22、マイナビニュース)

日本政府観光局(JNTO)は4月20日、2016年3月の訪日外国人客数を発表した。前年同月比31.7%増の201万人で単月では過去最高記録となった。これにより、2015年度累計の訪日外国人客数は2,135万9,000人となり、前年比45.6%増だった。




■日本医師会は医療ツーリズムの拡大を危惧

医療ツーリズム「反対」は34都道府県医師会、日医調査

(2011/1/26、m3.com)

高杉敬久・常任理事は、「地域医療の崩壊の中、医療ツーリズムへ向けた動きが進められていることを非常に危惧している。今回の調査を受け、医療ツーリズムの動向が全国的に広がっていることが明らかになった。これを食い止めるべく、政府への提言などを行い、国民医療を守る姿勢を強めていきたい」と述べた。

医療ツーリズムが全国的に広がっている一方で、地域医療の整備という問題も抱えている中で、これ以上の拡大に対しては反対しているというのが2011年での意見です。

【京都】旅行中の外国人の急病対応が新たな課題 多言語化への対応が急務 24時間通訳タブレット端末導入(2016/3/21)によれば、旅行中の外国人の急病対応が新たな課題となっていて、訪れる外国人の国も人数も増えたことで、医療機関も多言語への対応が求められるようになっているそうです。

医療ツーリズムへの期待がありつつも、医療機関に対する負担は大きくなっているようにも感じます。

■日本の医療技術・サービスのアウトバウンド推進

日本の医療技術・サービスの海外展開(アウトバウンド)推進を重視し、2013年6月の「日本再興戦略」では「新興国を中心に日本の医療拠点について、2020年までに10カ所程度創設し、2030年までに5兆円の市場獲得を目指す」と具体的な目標を挙げた。

日本国内での医療渡航者を増やすよりも、海外に日本の医療拠点を作ったり、医療技術・サービスを輸出するという方向に切り替えていくようです。

【参考リンク】







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このブログは、 テレビやニュースの健康情報を “ばあちゃんの台所レベル”まで落とし込み、 実際の料理と生活にどう使うかをまとめた記録です。本サイトでは、 栄養学・食事指導・健康情報を、 家庭料理の実践・調理工程・生活習慣という観点から再構成し、 再現可能な生活知として整理・記録しています。