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「プロトタイプシティ」|まず「プロトタイプ」を作るのが大事な時代




「プロトタイプシティ」|まず「プロトタイプ」を作るのが大事な時代
「プロトタイプシティ」|まず「プロトタイプ」を作るのが大事な時代

AmélieMourichon|unsplash

プロトタイプシティ 深センと世界的イノベーション (角川書店単行本)

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「プロトタイプシティ 深センと世界的イノベーション」(高須 正和 (著), 高口 康太 (著), 澤田 翔 (著), 藤岡 淳一 (著), 伊藤 亜聖 (著), 山形 浩生 (著) ))では深センがどのように出来上がったのかという話も興味深いのですが、大事なのは「プロトタイプ」を作り上げるという意識を持つこと。

「プロトタイプシティ」では頭でっかちに計画を立てるよりも、「まず手を動かす」ことにより「プロトタイプ(試作品)」を作るやり方が大事な時代であることを伝えています。

ところで、以前#SONY ロボット・プログラミング学習ができるSTEM教育キットKOOV|「TINKERING(ティンカリング)」とデザイン力を育てるでは、「Tinkering(ティンカリング)」について紹介しました。

「Tinkering(ティンカリング)」は、試行錯誤する課程を通じて課題に対処することが教育効果が高いというもの。

子供の頃に、時計や家電製品を分解したことがある人もいるのではないでしょうか。

これも一種の「Tinkering(ティンカリング)」と考えると、分解することでモノの構造を知り、大きく言えば世界を知ろうという好奇心や創造力を育てることにつながっているのではないかと考えられます。

これからは「プロトタイプ」を作る過程を通じて「ティンカリング」を養うという教育が大事になってくるのではないでしょうか?

そして、アイデアの断片となるいろんな要素を集めることで新しいものが生まれてくるのではないでしょうか?







一流のクリエイター・研究者・起業家・料理人に共通した思考パターンとは?




一流のクリエイター・研究者・起業家・料理人に共通した思考パターンとは?
一流のクリエイター・研究者・起業家・料理人に共通した思考パターンとは?

unsplash-logoMathilde Merlin

今回取り上げるのは「アイデア」の話です。

どうやってアイデアを出すのかというときに、みんなが集まってアイデアを出すことがあると思いますが、その時にうまくいかない理由として、東京大学 暦本教授があげていたのは、インプットがない状態でアイデアを出しているから。

それよりもみんなが知らなそうなアイデアの引き出しを持ち寄ってからはじめたほうがいいといっていました。

アイデアが出ない理由はインプットの充填が足りていないのです。

任天堂の宮本茂さんは引き出しにアイデアを貯める際に、ダメなアイデアもそのダメな理由をつけておけば、いつか使えるかもしれないというアドバイスをしています。

「メモの魔力」が話題の前田裕二さんのメモの考え方も具体を抽象化して、それを具体的なアイデアに転用するというものです。

クリエイティブなものは一般人の私たちには遠い存在に感じますが、料理をクリエイティブなものとして考えるとわかりやすいです。

このように考えると、一流のクリエイター・研究者・起業家・料理人は共通した思考を持ち、行動をしているのはないかと感じます。

私たちも一流のクリエイター・研究者・起業家・料理人の考え方を取り入れて、何か気になったことがあったら、深く考えたり、調べたりして、その情報の解像度を高めて、そのアイデアを引き出しに貯める習慣を持っていきたいですね!







P.S.

P.P.S.

プログラミング教育に料理やゲーム・ロボットプログラミングを活用するアイデア!

料理も研究も同じような過程を通っていくもの。

1.どんなものを作りたいか?
2.必要な材料(材料の目利き)・技術は何か?(リサーチ・参考文献)
3.実際の調理(試行錯誤して実験)
4.料理の完成
5.料理のレシピを書く(論文)
6.他の人が再現できるかをチェック(査読)

アイデアやテクノロジーの中には「遊び」から生まれたものがある!?|スティーブン・ジョンソン(Steven Johnson)




■アイデアやテクノロジーの中には「遊び」から生まれたものがある!?|スティーブン・ジョンソン(Steven Johnson)

参考画像:Steven Johnson スティーヴン・ジョンソン:音楽がもたらしたコンピューターの発明(Oct 2016、TED Studio)|スクリーンショット

Steven Johnson スティーヴン・ジョンソン:音楽がもたらしたコンピューターの発明

(Oct 2016、TED Studio)

コンピュータの歴史は暗号解読などの軍事技術から始まったものという認識をしている人も多いと思います。

映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』は、イギリス人の数学者アラン・チューリングが、第二次世界大戦中にドイツ軍の暗号エニグマを解読するドラマを中心としたストーリーですが、アラン・チューリングこそがコンピューターの概念を初めて理論化した人といわれています。

【参考リンク】

しかし、コンピュータの始まりというのはそんな物騒な話から始まっているのではなく、スティーブン・ジョンソンによれば、コンピュータの起源というのは、「音楽」からスタートしているそうです。

千年ほど前イスラム・ルネサンスの最盛期にバグダードに住む3兄弟が自動オルガンを設計し「自奏器」と名付けました。

それは巨大なオルゴールのようなものでした。

このオルガンは回転する円筒に配置したピンの指示で様々な曲を演奏させることができました。

この装置に別の曲を弾かせたかったら円筒を異なる符号のものに入れ替えるだけでよかったのです。

これはその種のものとして最初のものでした。

プログラム可能だったのです。

概念として これは大きな飛躍でした。

この発明によって初めてハードウェアとソフトウェアというものを考えられるようになりました。

コンピュータの概念を理論化する上で軍事的応用というのは重要な役割を果たしているのですが、それまでに様々なコンピュータの概念が出揃っている必要があったのです。

その一つが「自奏器(the instrument that plays itself)」と呼ばれるプログラム可能な機械であり、ここから、ハードウェアとソフトウェアという概念が生まれたのです。

つまり、コンピューターの始まりというのは音楽を「楽しむ」ことから始まっているのです。

現代では効率が重視されているように感じますが、楽しむこと、つまり「遊び心」から生まれるアイデアもたくさんあるのです。

遊び心というのは本質的に探索的であり身の回りの世界に新たな可能性を見つけようとします。この見つけようとするということが単なる愉しみや娯楽として始まったものが大いなる発明に繋がる理由なんです。




このブログを書きながら思い出したのが、ノーベル生理学・医学賞受賞の大隅良典さんの会見での言葉です。

大隈氏「役に立つかどうかで科学を捉えると社会はダメになる」ノーベル生理学・医学賞受賞の大隅良典氏が会見

(2016/10/4、日経Gooday)

役に立つかどうかという観点でばかり科学を捉えると、社会をダメにすると思う。科学の世界では、『役に立つ』を、『数年後に実用化できる』と同義語に使うことがあるが、大いに問題だ。その科学が本当に役に立つのは、10年後、20年後かもしれないし、100年後かもしれない。将来を見据え、科学を文化として認めてくれるような社会にならないかと思っている。

大熊さんが行なっている研究を遊び心というのが正しいのかどうかはわかりませんが、身の回りの世界に新たな可能性を見つけようとするという考え方は一致していると思います。

「ハープシコードの鍵盤」を発明した人も、「自奏器」を発明した3兄弟も、「自動フルート吹き人形」や「 プログラム可能な織機」を発明したジャック・ド・ヴォーカンソンも、金属の円筒の代わりに紙のパンチカードを使うというアイデアを生み出したジャカールも、決して未来のコンピュータを作るために発明したわけではなく、身の回りの世界に新しい可能性を見つけようとしてやったことが今につながっているだけなのです。

遊びから生まれたアイデアやテクノロジーはコンピュータだけではないそうです。

遊びから生まれた 世界を変えたアイデアやテクノロジーは たくさんあるんです 美術館 ゴム 確率論 保険業 まだまだあります

「役立つ」考えるのではなく、純粋に楽しみたい・楽しませたいというような「遊び心」を大事にすると、それが数十年後、数百年後にみんなを驚かせるようなアイデアの種になるかもしれません。







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『her/世界でひとつの彼女』スパイク・ジョーンズ監督から学ぶ「アイデアの作り方」





スパイク・ジョーンズ監督が『her/世界でひとつの彼女』をシーンごとに解説!

(2014/6/29、シネマトゥデイ)

さらにジョーンズ監督は「僕はよく“映像の革命児”みたいに言われるし、何もないところからフクロウのアイデアを思いついてスタッフに『フクロウ探してきて』と言ったんだ! って言えたらよかったんだけど、でも、こうしたアイデアは普段の生活の中で感じたことや見たものからもたらされるものなんだよね」と続けていた。

アイデアの数々は決して湧いて出てくるものではなく、普段の生活から感じたことや見たものからもたらされるものなのですね。

「アイデアのつくり方」(著:ジェームズ・ウェブ・ヤング)には、アイデアの作り方の原理が2つ紹介されています。

アイデアのつくり方

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アイデアは既存の要素の一つの新しい組み合わせであるという原理

新しい組み合わせを作り出す才能は事物の関連性を見つけ出す才能によって高められるという原理

アイデアが無尽蔵にあふれているようにみえる人というのは、いろんな物を見て、感じて、それらをストックしておいて、必要になった時にそれらを組み合わせているのだと思います。

【関連記事】

人工知能型OS(声:スカーレット・ヨハンソン)と孤独な男セオドア(ホアキン・フェニックス)の恋のてん末を追ったSFチックな本作は、ジョーンズ監督いわく「そこで描かれる全てのアイデアが、僕自身が『人と人とがつながること』について感じることそのものだったり、メタファーだったりする」という。

今回のアイデアは、「人と人とがつながること」をテーマに、そのことへの関連性を見つけ出すことで生まれたのだと思います。







P.S.

スパイク・ジョーンズ監督インタビュー:女(OS)は経験から進化し、男(人間)のヴァージョンアップの頻度は遅い

(2014/6/21、Webdice)

それは、人と繋がりを持ちたいという願望や、親密な関係を持つことの必要性。そして、時に、僕らの内面において、何がそれを妨げているのかということ。

記事の中にもありましたが、どんなに住みやすい場所に住んでいても孤独は感じるものです。

もしかすると、昔よりもより孤独を感じやすくなっているとも言えるかもしれません。

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