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ニホンザルはなぜ毛づくろいをするのか?グルーミングの3つの意味とは?

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■ニホンザルはなぜ毛づくろいをするのか?グルーミングの3つの意味とは?

Japanese Macaque - 38

by Kabacchi(画像:Creative Commons)

ニホンザルはなぜ仲間に毛づくろいをするのか?

(2016/1/1、medley)

毛づくろいをする側のサルでは、相手が友好関係にあるとき、不安が和らいでいると見られました。また、毛づくろいを受けるときは、相手が友好関係にあってもなくても、不安が和らぐと見られました。

毛づくろいには不安を和らげるという心理的効果があるそうです。

なぜ毛づくろいには不安を和らげる効果があるのでしょうか。

毛づくろいを「触れる」ということに置き換えて考えてみます。

抱きしめられたい 心理|なぜ「抱きしめられたい」と思うのか?によれば、女性が男性に抱きしめられたいと思う4つの瞬間があります。

それは、1.淋しい時、2.好きな気持が高まった時、3.不安なとき、4.疲れている時です。

人は不安な時に抱きしめられたい(触れ合いたい)と思うものなのです。

それでは、触れることでどのような体の変化が起こるのでしょうか。

女の子はなぜ頭ぽんぽんに弱いの? そのメカニズムとは?によれば、抱きしめられたり、やさしくふれられると、オキシトシンの分泌が増加し、ストレスが軽減したり、愛情や信頼などの感情を呼び起こすそうです。

ハグをすると、幸せな気持ちになり、健康になり、若返る!?によれば、触れ合うことで、幸せホルモンとも呼ばれるオキシトシンが分泌され、幸せな気持ちになったり、ストレスが軽減されるそうです。

つまり、触れること(触れ合うこと)によって、オキシトシンが分泌されることにより、ストレスが軽減するのです。

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また、毛づくろいには社会的な側面もあります。

「天才が語る サヴァン、アスペルガー、共感覚の世界」(著:ダニエル・タメット)

天才が語る サヴァン、アスペルガー、共感覚の世界

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ロビン・ダンバーの「言葉の起源 猿の毛づくろい、人のゴシップ」という本で、多くの人は会話の3分の2近くをゴシップに当てていて、これは「社会生活の自然なリズム」だと指摘している。ダンバーによれば、ゴシップは霊長類の毛繕い(グルーミング)と同じ行為だという。集団生活が基本の霊長類には、共同体のつながりを強めるための毛繕いが不可欠だ。人間が毛づくろいではなく言語を使って絆を深めるのは、そのほうが時間がかからず、他のことをしながらでも出来るからだ、とダンバーはいう。

毛づくろい=人のゴシップであり、毛づくろいをすることによって、つながりを強めているのです。

つまり、毛づくろいをすることによって、社会的な絆を深めているわけです。

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■母親ラットから熱心に舐められ身づくろいされた子供のラットは成長したときにリラックスしている

Moshe Szyf(モシェ・シーフ):DNAへ人生初期の経験が刻まれる|TED

マギル大学マイケル・ミーニーによれば、人間同様にラットの子供の育て方(舐め方)もさまざまで、非常に熱心な母親もいればそうでない母親もいるそうです。

興味深いのは、母親ラットから熱心に舐められ身づくろいされた子供のラットは成長したときにリラックスしているということです。

子供のラットをよく舐める母親ラット(養母)とあまり舐めない母親ラット(養母)に交換哺育する実験をおこなった結果わかったことには、ラットの特性を決めているのは、生みの母親ではなく、育ての親だということです。

ここで考えられた仮説が「母親は行動(熱心に舐めて身づくろいする)を通じて子供の遺伝子をリプログラミングするのではないか?」というもので、母親によるグルーミングや子供を舐める行為が生化学的シグナルへと翻訳され、細胞核、DNAへと伝わってリプログラミングし直しているということです。

エピジェネティクスと遺伝子への影響 | コートニー・グリフィス | TEDxOUによれば、ラットは糖質コルチコイド受容体の遺伝子(ラットの脳の特定領域で読み取られ、これが発現されるとストレス状況への対応を促す)を持っており、ラットにこの受容体がたくさんあればあるほど上手くストレスに対処できるそうです。

生後一週間の母ラットが子ラットに対してどのような世話をしたかによって、子ラットが成長して脳の中に保持する糖質コルチコイド受容体の数が変わるか、つまり、子ラットがストレスにどれだけうまく対応するようになるか、長期的に影響する可能性があることを示した研究があります。

子ラットが生まれた時、糖質コルチコイド受容体遺伝子の周囲には多くの不活性化エピジェネティック・マークがある、つまりこの遺伝子をオフにしています。

もし母ラットが生後一週間に子ラットをよく舐めたり、手入れしたり、面倒見がよかったならば、子ラットの不活性化エピジェネティック・マークは取り除かれる可能性があります。

糖質コルチコイド受容体遺伝子はオンになり、この状態が生涯を通じて子ラットの脳に続き、その子ラットはストレス対処ができる適応力のある動物に育つと考えられます。

もしも母ラットが子ラットを無視すると、糖質コルチコイド受容体遺伝子は不活性化エピジェネティック・マークを保持したままになり、取り除かれず、子ラットの脳に生涯を通してとどまるため、子ラットはストレス状況に弱く育つと考えられます。

人間に近いサルでもラットと同様の実験をおこなったところ、 母親と育ったサルはアルコールに興味を示さず性的に攻撃的ではなかったのに対して、母親がいなかったサルは攻撃的で落ち着きがなくアルコール依存症になったそうです。

母親がいないことがどのように影響するか、子供のDNAに母親の印があるかどうかを出生後14日目のサルにおいて比較したところ、多くの遺伝子で変化が起きていることがわかったそうです。

このことが、人生の初期の経験がDNAに刻まれるという動画のタイトルにつながるわけです。

ちなみに、今回の研究は、細胞の中にあるDNAの配列は正常だが、DNAが巻き付いているタンパク質の性質の変化によって、通常とは違う遺伝子情報が現れることを指す「エピジェネティクス」に関係する研究です。

世界初・染色体の新しい構造ユニットの特殊な立体構造を解明 癌をターゲットとした創薬研究に重要な基盤情報を提供(2017/4/17、早稲田大学)によれば、エピジェネティクスの本質を「遺伝情報の収納様式の違いにある」と書かれています。

また、がんの研究などにも重要な意味を持つ「エピジェネティクス」|テルモ生命科学芸術財団の解説によれば、エピジェネティクス状態をコントロールすることによってDNAのメチル化を正常化することができれば、がん治療ができるのではないかと考えられるそうです。

■まとめ

毛づくろいには3つの意味がある。

1.シラミをとる(直接的)

2.不安を和らげる(心理的)

3.社会的な絆を深める(社会的)

人間も不安を和らげ、つながりを強めるためにも、直接的なコミュニケーションをとるほうがいいのではないでしょうか。







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肝臓のPEMTと呼ばれる酵素が働かないと、脂肪肝の発症やNASH(非アルコール性脂肪肝炎)に進展する

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■肝臓のPEMTと呼ばれる酵素が働かないと、脂肪肝の発症やNASH(非アルコール性脂肪肝炎)に進展する

testTubes

by University of Liverpool Faculty of Health & Life Science(画像:Creative Commons)

脂肪肝の発症、脂肪肝炎へと進展するメカニズムを解明 酵素「PEMT」の発現低下がカギ

(2016/2/17、岡山大学プレスリリース)

 研究グループは、PEMTを欠損したマウスを高脂肪高蔗糖食で飼育。野生型マウスと比べてPEMT欠損したマウスは肥満が抑制されますが、早期から著しいNASHを発症し、多発性肝腫瘤が出現することを発見しました。患者においても、単純性脂肪肝よりもNASHの肝臓でPEMTの発現は低下しており、肥満のない痩せたNASHにおいてPEMT発現がより低下していることを見出しました。

岡山大の和田淳教授(糖尿病学)の研究チームが行なったマウスの実験によれば、肝臓のPEMT(ホスファチジルエタノラミン-N-メチルトランスフェラーゼ)と呼ばれる酵素が働かなくすると、脂肪肝の発症やNASH(非アルコール性脂肪肝炎)に進展することがわかったそうです。

■背景

NAFLDは、遺伝的素因やエピジェネティクス制御機構(遺伝子の塩基配列によらない遺伝子発現の制御)、遊離脂肪酸の脂肪毒性、さらには腸内細菌叢、自然免疫などが組み合わさって発症・進行すると言われています。しかし一方で、飢餓や脂肪酸代謝障害、消化管・胆膵外科手術後などの栄養不良の病態においてもNALDH/NASHは発症することにも注意する必要があります。

メタボリックシンドロームや糖尿病が増加し、これに伴う脂肪肝や脂肪肝炎が注目されていましたが、脂肪肝・脂肪肝炎の中には肥満や糖尿病がなくても起こるものがあったそうです。

脂肪肝発症、酵素も一因 岡山大、治療薬開発に道 (2016/5/8、日本経済新聞)によれば、PEMTが少ない人に脂肪肝や脂肪肝炎が発症しやすい傾向があったそうで、PEMTの働きの低下によって肝臓から中性脂肪が肝臓の外への放出が低下するためNASHになると考えられていましたが、そのメカニズムが解明されていませんでした。




■脂肪肝になるメカニズム

PEMT欠損マウスで脂肪肝炎が起こる分子メカニズム
PEMT欠損マウスで脂肪肝炎が起こる分子メカニズム

参考画像:脂肪肝の発症、脂肪肝炎へと進展するメカニズムを解明 酵素「PEMT」の発現低下がカギ(2016/2/17、岡山大学プレスリリース)|スクリーンショット

脂肪肝になるメカニズムとしては、次のものをこのブログでは紹介してきました。

肥満から糖尿病や高血圧などの生活習慣病になる仕組み解明―阪大によれば、肥満になると、脂肪細胞が炎症の引き金となる特定のたんぱく質を出すことで、脂肪組織で炎症が起こり、この炎症が生活習慣病糖尿病高血圧動脈硬化など)につながるそうです。

内臓脂肪の量が限度を超えると、「ミンクル」を介して脂肪組織の線維化が起こり、脂肪肝になるによれば、ミンクルを取り除いたマウスとそうでないマウスで高脂肪食を食べさせて太らせる実験をしたところ、ミンクルを取り除いたマウスは肝臓への脂肪の蓄積や血糖値の異常が軽減されたことがわかりました。

内臓脂肪の量が限度を超えると、「ミンクル」を介して脂肪組織の線維化が起こり、脂肪肝になる

栄養の摂りすぎ・運動不足

→脂肪の蓄積=肥満

→ミンクルを介した脂肪組織の線維化

脂肪肝肝臓に脂肪が蓄積)

→脂質代謝異常(コレステロール値の異常)や耐糖能障害(血糖値の異常)

動脈硬化

糖尿病NASH(非アルコール性脂肪肝炎)

しかい、NASHの中には、肥満や糖尿病が原因ではなく、PEMTの働きが低下することによって、脂肪肝の発症、NASHへの進展をするメカニズムがあり、今回の研究でそのメカニズムが明らかになりました。

また、研究によりPEMTは、クラスリン重鎖(CHC)とp53という物質が複合体を形成することがわかりました。さらに、PEMTが欠損するとCHCとp53がアポトーシスに関連した遺伝子の転写を活発化させ、肝細胞アポトーシスが強まり、炎症が起こるというメカニズムを解明しました。またPEMT欠損によりFbxo31、HNF4αという遺伝子のDNAメチル化が亢進し、両遺伝子の発現が抑制されることによって、細胞増殖に関係するcyclinD1の発現が著しく増強することも新たに発見しました(図1)。

■まとめ

これまで取り上げてきた記事によれば、栄養の摂り過ぎや運動不足によって脂肪が蓄積し、何らかの原因によって脂肪細胞が炎症し、線維化を起こすことによって、脂肪肝になると考えられます。

脂肪肝は食べ過ぎや運動不足などが原因とされており、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は非アルコール性とあるように、アルコールなしで発症する肝炎で、肝硬変肝臓がんに進む恐れもあります。

しかし、肥満や糖尿病でなくても、脂肪肝やNASHになる人もいるため、それ以外にも原因があると考えられ、PEMTが少ない人に脂肪肝や脂肪肝炎が発症しやすい傾向があったことから、PEMTの働きが脂肪肝の発症やNASHの進展に関係しているのではないかと考えられました。

そこで、今回の研究によって、PEMT発現量の低下によりNASHへ進展するメカニズムが解明されました。

脂肪肝とは|脂肪肝の症状・原因・治し方 についてはこちら

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