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iPS細胞で老化や細胞のがん化にかかわるテロメア(Telomeres)の修復に成功|米ボストン小児病院などのチーム

Telomeres

by AJC1(画像:Creative Commons)




iPS細胞:作成技術で長寿に? 米チーム、老化にかかわるテロメア修復

(2010/2/18、毎日新聞)

染色体の両端部「テロメア」が異常に短くなる難病の患者の皮膚細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を作り、長さを回復させることに、米ボストン小児病院などのチームが成功した。

テロメアは老化や細胞のがん化にかかわることが知られており、生命活動の営み解明やがん治療に役立つ可能性がある。

17日付の英科学誌ネイチャー電子版で発表した。

ボストン小児病院などのチームによれば、老化や細胞のがん化にかかわることが知られているテロメアの修復(長さの回復)に成功したそうです。

チームは、先天性角化異常症という遺伝性疾患に着目。

テロメアを維持する酵素「テロメラーゼ」が不足してテロメアが短くなる難病で、老化が早まるほか貧血や皮膚の異常などが起こる。

<中略>

その結果、患者の元の細胞では、テロメラーゼを構成する分子の一部が不足しているにもかかわらず、iPS細胞ではテロメラーゼが正常に働くようになることを突き止めた。

また、テロメアが修復され、正常の長さに戻ることも発見した。

今回の研究が、老化現象の解明につながるかもしれません。







ノーベル医学賞、寿命をつかさどるテロメアとテロメラーゼ酵素とは?




ノーベル医学賞、寿命をつかさどるテロメアとテロメラーゼ酵素とは?

(2009/10/6、AFPBB)

5日に発表された2009年のノーベル医学生理学賞(Nobel Prize for Medicine)は、米カリフォルニア大(University of California)のエリザベス・ブラックバーン(Elizabeth Blackburn)教授、ジョンズ・ホプキンズ大(Johns Hopkins University)のキャロル・グレイダー(Carol W. Greider)教授、ハーバード大(Harvard University)のジャック・ゾスタック(Jack W. Szostak)教授の3氏が受賞したが、受賞理由は「寿命のカギを握るテロメアとテロメラーゼ酵素の仕組みの発見」だった。

テロメアとテロメラーゼ酵素について検索すると、「寿命のカギを握るテロメアとテロメラーゼ酵素の仕組みの発見」でノーベル医学賞を受賞したとの記事を見つけました。

テロメアと老化にどのような関係があるのか、詳しく紹介されています。

■老化との関連性

「TTAGGG」の塩基配列の繰り返しから成るテロメアの長さ、ならびにテロメラーゼ酵素による修復作業は、目には見えないが老化プロセスにおいては重要な役割を果たしている。

テロメアは、細胞が分裂するたびに短くなっていく。

テロメラーゼはテロメアを部分的に再建するが、テロメアが「ヘイフリック限界(Hayflick limit)」として知られる一定の限界を超えて短くなると、細胞は死んでしまう。

テロメラーゼの量の少なさは、早期の細胞死と早期老化に関連している。

テロメラーゼの異常は、極めてまれではあるが、慢性貧血など症状が重い病気の原因となる。

テロメアは、細胞が分裂する度に短くなっていくそうで、テロメアはテロメラーゼによって再建されますが、限界を超えて短くなると細胞が死んでしまうそうです。

 

そう考えると、テロメラーゼ酵素を体内に多く取り入れれば、寿命が長くなると考えてしまいがちですが、実はそうではないそうです。

テロメラーゼが初めて発見された当初は、この酵素を体内に多くとり入れることで長寿命化が可能との憶測が盛んだったが、今は慎重なムードが漂っている。

テロメラーゼの濃度が高いとかえって害を及ぼす可能性があることがわかったためだ。

例えばがんの場合、活性化されたテロメラーゼはがん細胞を際限なく分裂させ、がんの特徴である「細胞の不死」を引き起こしてしまう。

テロメラーゼの濃度が高いとかえって体の健康に良くないそうです。

このことは少し残念なことでしたが、テロメラーゼとガンとの関係はがん治療薬の開発につながったそうです。

■有望ながん治療薬のきっかけに

だが、この発見は、テロメラーゼを抑制したり、テロメラーゼを発現させる細胞を攻撃するがん治療薬の開発につながった。

約10年間の研究を経て、初めての臨床試験が現在欧米で行われている。

テロメラーゼは、人間のほぼすべてのがん性腫瘍(しゅよう)で活性化されるが、正常な細胞ではたいてい不活性であるため、化学療法においては理想的なターゲットだという。

つまり、テロメラーゼを不活性化する薬は、すべてのがんに働くうえに副作用がほとんどない可能性があるという。

テロメラーゼを不活性化することでがん治療に役立つのではないかと考えられ、研究が行われているそうです。

 

また、テロメアは病気のかかりやすさの指標にもなるのではないかと考えられいるそうです。

■テロメアの短さと病気のかかりやすさ

一方、テロメアは病気へのかかりやすさに関する生体指標だと考えられるようになっている。

2007年に英国で行われた中高年の男女1500人を対象にした研究では、テロメアが最も短いグループが5年以内に心臓病を発症する確率は、テロメアが最も長いグループの2倍であるという結果が出ている。

その理由は明らかではないが、短くなったテロメアが動脈壁の損傷部分の細胞の修復を妨げていることが考えられる。

ブラックバーン教授は2004年、精神的負担が体に影響を及ぼすという、いわゆる「心身相関」を調べるための実験を行った。

その結果、母親が子どもを看病する時間が長いほど、母親のテロメアは短く、テロメラーゼのレベルは低く、テロメアやDNAが破壊される酸化的ストレスは高いことがわかった。

今後ますますテロメア・テロメラーゼに関する研究が進むと思いますので、今後も注目したいと思います。







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テロメアを伸ばして、寿命を延ばす6つの方法とは|ホンマでっかニュース




candle

by Derrick Caluag(画像:Creative Commons)

2009年12月30日放送のホンマでっかニュースでは、テロメアを伸ばして、寿命を延ばす方法を紹介していました。

■カロテノイドが少ないと、DNAのテロメアが短くなり、体がどんどん老けていく!

テロメアとは、DNAの一部で、寿命や若さをコントロールする部分です。命のろうそくともいわれています。

テロメアは年をとるにつれて、短くなります。

本日の放送によれば、テロメアを伸ばして、寿命を延ばす方法として、

  1. 禁煙
  2. 過度の飲酒を避ける
  3. 睡眠
  4. 適度な運動をする
  5. ストレスを避ける
  6. 抗酸化物質を積極的にとる

ある論文によると、活性酸素がテロメアを短くするといっています。

抗酸化作用を持つビタミンC・E、ポリフェノールを含む食品を摂りましょう。

緑黄色野菜のカロテノイドで若さを保ちましょう。

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