by jayneandd(画像:Creative Commons)
ネット漬け生活で脳が「ポップコーン化」 専門家が警鐘
(2011/6/24、CNN.co.jp)
メールやチャット、ツイッターやフェイスブックなど、ネットでさまざまな作業が同時進行する「マルチタスク」の刺激に慣れた脳は、ネットよりもペースの遅い現実社会に適応できなくなる恐れがあると、研究者が警鐘を鳴らしている。
ワシントン大学のデービッド・リービー教授はこの状態を「ポップコーン脳」と命名している。
脳がマルチタスクの刺激に慣れると、ネットよりもペースの遅い現実社会に適応できなくなるおそれがあり、そうした状態を「ポップコーン脳」と呼んでいるそうです。
また、マルチタスクの習慣がある(≒ネットに費やす時間が長い)人は、感情の読み取りが苦手になる可能性があるようです。
スタンフォード大学の社会心理学者クリフォード・ナス氏も、インターネットのマルチタスクは人間の感情の読み取り方を忘れさせてしまう可能性があると指摘する。
マルチタスクの習慣がある人は、人間の顔写真を見せられてもその感情を見極めるのが難しく、物語を読み聞かせられても登場人物の感情を言い当てにくい傾向があることが、実験で判明したという。
「人間同士の交流のスキルは学習によって獲得するものであり、学習が不足している」とナス氏。
人とのコミュニケーションスキルは、経験を通じて学習するものであり、ネットに集中する時間が長いと、直接人と接触する機会が少なくなることから、感情の読み取り方を学ぶことができなくなるようです。
大事なコミュニケーションをする機会をなくしてしまうほど、ネットには依存性があるのかもしれません。
人間の脳は手っ取り早く得られる快感と迅速性、テクノロジーの予測不可能性を求める仕組みになっていると話すのは、ネット端末を手放せないトラブルを抱える人の相談に乗っているカウンセラーのヒラリー・キャッシュ氏。
継続的な刺激は、脳の側坐核と呼ばれる快感を感じる部分のドーパミン細胞を活性化させる作用があるという。
インターネットを長時間使い続けると、脳の構造が物理的な変化を起こすという調査結果も最近発表された。
中国の研究チームは1日10時間以上ネットを利用する大学生18人の脳をMRI(磁気共鳴画像装置)を使って調べ、利用時間が2時間未満のグループと比較したところ、脳の思考を司る灰白質が少なくなっていることが分かったと発表している。
人間の脳は手っ取り早く得られる快感と迅速性、テクノロジーの予測不可能性を求める仕組みになっているため、継続的に刺激が得られるネットに依存してしまうようです。
また、インターネットを長時間使い続けると、脳の思考を司る灰白質が少なくなるという変化が起こるという調査結果も出たそうです。
では、依存性があるネットからどうしたら離れることができるのでしょうか?
ネットのマルチタスクから実社会へとペースを落とすのが難しいと感じている人に対し専門家は、1)ネット利用時間の記録をつける、2)ネット利用時間に上限を設ける、3)窓の外を眺める、4)「フリータイム」を設ける、5)電話をかける、6)ネット依存症にかかっていないかどうか診断を受ける――などの対策を促している。
散歩なんて良さそうですよね。
季節の移り変わりを感じたり、ふらーっとお店に入って店員さんに話しかけてみたり、ボーっと何も考えることなく歩いてみたりすると、一時はネットから離れることが出来ます。
ただ、今はケータイ、スマートフォンがあるので、すぐにネットの世界とつながることができるので、その点には注意が必要なようです。
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