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変形性股関節症の進行に歩き方と歩数の「股関節累積負荷」が影響|#京大




■変形性股関節症の進行に歩き方と歩数の「股関節累積負荷」が影響|#京大

一歩ごとの股関節負荷×一日の活動量(歩数)=股関節累積負荷→股関節累積負荷の増大→変形性股関節症の進行
一歩ごとの股関節負荷×一日の活動量(歩数)=股関節累積負荷→股関節累積負荷の増大→変形性股関節症の進行

参考画像:歩き方と歩数の累積負荷が変形性股関節症の進行に影響(2017/3/15、京都大学プレスリリース)|スクリーンショット

歩き方と歩数の累積負荷が変形性股関節症の進行に影響

(2017/3/15、京都大学プレスリリース)

分析の結果、一歩ごとの股関節への負荷と一日の活動量は、それぞれ単独では疾患進行に大きな影響はないものの、股関節累積負荷が増すことで変形性股関節症が進行することが分かりました。さらに、研究開始時点での年齢や体重、関節症の進行度の影響も含めて検討したところ、やはり股関節累積負荷が増すことで疾患が進行することが分かりました。股関節への力学的な負荷の観点から変形性股関節症の進行に影響を与える要因を明らかにした世界初の報告です。

京都大学の建内宏重 医学研究科助教、市橋則明 同教授らの研究グループは、患者一人一人の歩き方の違いに影響される一歩ごとの股関節への負荷と、日常生活や仕事による一日の活動量(歩数)とを掛け合わせた新たな指標である「股関節累積負荷(一日に股関節に加わる負荷の総量)」を考案し、変形性股関節症の進行との関係を調査しました。

その結果、股関節累積負荷の増大は、変形性股関節症の進行に関わる重要な要因であることが明らかとなりました。




■まとめ

変形性股関節症は、股関節の痛みや可動範囲の制限、筋力低下などの症状がでる疾患です。歩行や立ち座りなどの運動機能や生活の質にも大きな悪影響を与えます。女性に多い疾患であることが知られており、日本では約 120 万から 420 万人の患者さんがいるとされています。
変形性股関節症は慢性進行性の疾患であるため、進行予防は極めて重要な課題です。現在まで、骨形態の異常や加齢、性別など複数の要因が疾患進行に関わることが明らかになっています。さらに、一般的に、股関節に過剰な負荷をかけることも疾患を進行させる可能性があると考えられてきました。しかし、関節へのどのような負荷が進行を加速させてしまうのか、その要因はまだ世界的にも明らかではありませんでした。進行要因が明確でなかったため、進行を予防する効果的なリハビリテーションも不明でした。

「股関節累積負荷」の増大は、負荷がかかる歩き方か過剰な活動量(歩数)のどちらか、あるいは両方の問題によって生じます。

現在のところ、リハビリによって変形性股関節症の進行を抑制できるという十分なエビデンスは存在していないそうですが、股関節累積負荷の増大は、負荷のかかる歩き方か過剰な活動量のどちらか、あるいはその両方の問題かと考えられますので、歩き方の改善や活動量をコントロールするなどのリハビリによって変形性股関節症の進行が予防できるのかどうかという研究を行なうことが期待されます。







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変形性股関節症の進行に姿勢の悪化(立っている時の脊柱の傾き)と脊柱の柔軟性低下が影響|#京大




■変形性股関節症の進行に姿勢の悪化(立っている時の脊柱の傾き)と脊柱の柔軟性低下が影響|#京大

股関節の機能障害(可動域・筋力の低下、疼痛)よりも立位での脊柱前傾変位・脊柱の柔軟性低下が変形性股関節症の進行の重要な要因である
股関節の機能障害(可動域・筋力の低下、疼痛)よりも立位での脊柱前傾変位・脊柱の柔軟性低下が変形性股関節症の進行の重要な要因である

参考画像:姿勢の悪化と脊柱の柔軟性低下が変形性股関節症の進行に影響(2017/12/26、京都大学プレスリリース)|スクリーンショット

これまでに歩行における一日の股関節への負荷総量が変形性股関節症の進行に関わる要因であることを明らかにしてきましたが、建内 宏重 京都大学大学院医学研究科助教、市橋 則明 同研究科教授らの研究グループによる研究によれば、股関節の関節可動域制限や筋力低下など股関節自体の問題よりも、姿勢の悪化(立っている時の脊柱の傾き)と脊柱の柔軟性低下が歩行時の負荷に関わらず重要な要因であることがわかったそうです。




■まとめ

変形性股関節症は、股関節の痛みや可動範囲の制限、筋力低下などの症状がでる疾患です。歩行や立ち座りなどの運動機能や生活の質にも大きな悪影響を与えます。女性に多い疾患であることが知られており、日本では約 120 万から 420 万人の患者さんがいるとされています。

変形性股関節症は慢性進行性の疾患であるため、その進行予防は極めて重要な課題です。現在まで、骨形態の異常や遺伝的要素、年齢(加齢)、性別(女性)など複数の要因が疾患進行に関わることが明らかになっています。これらの要因はリハビリテーションなどの運動によって変化させることができない要因です。そのため、変形性股関節症の進行予防を目的としたリハビリテーションのターゲットを明確にすることができず、どのような運動が有効か不明でした。

今回の研究によれば、立っている時の姿勢や脊柱の柔軟性が変形性股関節症の進行に関わる重要な要因であることから、立っている姿勢における脊柱の傾きや脊柱の柔軟性の低下を評価することにより、リスクが高い患者を特定することが期待されます。

現在はまだリハビリテーションによって変形性股関節症の進行を抑制できるという十分なエビデンスは存在しませんが、立位姿勢や脊柱の柔軟性は理学療法士の適切な指導のもと医療機関や自宅での運動によって変化させることが可能です。今

現状ではリハビリによって変形性股関節症の進行を抑制できるという十分なエビデンスは存在しないものの、立っている姿勢や脊柱の柔軟性の改善によって変形性股関節症の進行予防ができるというデータが集まれば、新たなリハビリの開発につながることが期待されます。







【参考リンク】
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