LUNA SEAの真矢さん(55歳)が2020年に大腸がん(ステージ4)で手術と抗がん剤治療、放射線治療を行っていたこと、2025年に脳腫瘍を診断されたことを自身のSNSとバンドの公式サイトで発表しました。
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大腸がんのステージ分類(0・1・2・3・4)の基準とは
ステージ0 がんが粘膜の中にとどまっている。
ステージ1 がんが筋肉の層にとどまっている。5年生存率90%
ステージ2 がんが筋肉の層を越えている。5年生存率80%
ステージ3 リンパ節転移している。5年生存率60-70%
ステージ4 肝臓・腹膜・肺などの違う臓器に転移。5年生存率10%
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■有名人と大腸がん
多くの有名人の方が大腸がんになったことがニュースになっています。
■大腸がんの症状
■大腸がんのリスク要因
■大腸がんの治療・予防
■大腸がんになりにくい体質にするための方法
大腸がんでは、直系の親族に大腸がんの人がいることは、大腸がんのリスク要因とされていますが、生活習慣を改善することによって大腸がんになりにくい体質にすることも可能なのだそうです。
●禁煙
●アルコールを控える
肥満や飲酒なども大腸がんリスクとされています。
大腸がん予防方法・大腸がんの危険度チェックによれば、最もリスクが高いのは飲酒。
飲酒による大腸がんのリスクは一日に日本酒を1合⇒1.4倍、2合⇒2.0倍、3合⇒2.2倍、4合⇒約3倍となっているそうです。
葉酸代謝と大腸腺腫との関連|国立がん研究センターのがん検診受診者を対象とした研究 |国立がん研究センター
アルコール摂取と大腸腺腫との間には、統計学的有意な正の関連が見られました(傾向性P = 0.04)。非飲酒グループに比べ、週300g以上飲酒している大量飲酒グループでは、大腸腺腫のリスクが約1.5倍上昇していました。
飲酒と大腸がんリスク|科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究|国立がん研究センター
男性では、23-45.9g/日、46-68.9g/日、69-91.9g/日、92g以上/日のグループでまったく飲まないグループよりもそれぞれ1.4倍、2.0倍、2.2倍、3.0倍と、量が増えるほどリスクが高くなりました。1日のアルコール摂取量が15g増えるごとに、大腸がんリスクが約10%増えると推定されます。部位別には、結腸がんでも直腸がんでも同様の傾向が見られました。
女性では、23g以上/日のグループでまったく飲まないグループよりも大腸がんリスクは1.6倍、結腸がんリスクは1.7倍、直腸がんリスクは2.4倍高いという結果でした。男性と同様に、1日のアルコール摂取量が15g増えるごとに、大腸がんリスクが約10%増えると推定されます。
アルコールの摂取量が増えれば増えるほど大腸がんのリスクが増えるという結果が出ています。
葉酸代謝と大腸腺腫との関連|国立がん研究センターのがん検診受診者を対象とした研究 |国立がん研究センター
アルコールには、葉酸の腸吸収を阻害したり、腎排泄を促進したりする作用があるため、その摂取により体内の葉酸レベルが低下することが知られています。
●運動
運動は、大腸がん予防に非常に効果が高いことがわかっているそうです。
全身運動(水泳・ジョギング・ダンスなど)がおすすめなのだそうです。
※大腸がん危険度チェックによれば、毎日合計60分歩く程度の運動をしていない方が運動不足に該当します。
■大腸ポリープ・大腸がんを予防する方法
●葉酸
【みんなの家庭の医学】大腸がん予防に葉酸の多い海苔|10月20日によれば、大腸がんのリスクを高める大腸ポリープのできやすさと葉酸の濃度には関係があるといわれ、血液中の葉酸濃度の値が8ng/ml(ナノグラム)以上あれば、女性なら大腸ポリープの頻度が約2割減、男性なら約5割減するそうです。
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■葉酸代謝が大腸がんの発がんの初期段階で重要な働きを示している
葉酸代謝と大腸腺腫との関連|多目的コホート研究|国立がん研究センター
大腸発がんには、DNAのメチル化が関わっていると考えられています。適切なDNAメチル化の維持には、葉酸が重要な役割を果たしていることが知ら れています。葉酸は、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)、メチオニン合成酵素(MTR)、メチオニン合成酵素還元酵素(MTRR)などの酵素群とビタミンB2、B6、B12などの補酵素群の働きにより代謝され、DNAのメチル化に必要なメチル基を供給しています(図1)。
葉酸、ビタミンB2、B6、B12摂取については、大腸腺腫との間に統計学的有意な関連は見られませんでした。
大腸がんの発がんにはDNAのメチル化がかかわっていると考えられており、葉酸が重要な働きを果たしていると考えられますが、葉酸、ビタミンB2、B6、B12摂取と大腸線種との間に統計学的な関連は見られなかったようです。
メチオニン合成酵素 の遺伝子多型とアルコール摂取および葉酸摂取との間に交互作用を認めたことは、「葉酸代謝が大腸発がんの初期段階において重要な役割を果たしている」とするこれまでの研究結果を支持するものであると考えられます。
ただ、葉酸代謝が大腸がんの発がんの初期段階で重要な働きを示していることは間違いないようです。
■葉酸濃度が高くても大腸がんリスクが下がるという関連は見られない
血中の葉酸と大腸がん罹患との関係について|多目的コホート研究|国立がん研究センター
これまでの研究では、葉酸が不足している場合に、わずかに大腸がんリスクが高くなることが示されていますが、日本人の多くでは必要な量が摂取されているため、その中での差が見られなかったという可能性があります。また、葉酸は、大腸がんの多段階発がんの初期の段階では予防的に働くにも関わらず、進行した段階ではかえって促進するという可能性を示す研究結果もあります。また、ある特定の遺伝子多型のタイプの人やアルコールを多量に飲む人で、葉酸不足によって大腸がんリスクが高くなるという研究結果もあります。
葉酸と大腸がんの関係については様々な研究が行なわれています。
- 葉酸が不足している場合に、わずかに大腸がんリスクが高くなる
しかし、日本人の多くでは必要な量が摂取されているため、その中での差が見られなかったという可能性
- 葉酸は、大腸がんの多段階発がんの初期の段階では予防的に働くにも関わらず、進行した段階ではかえって促進するという可能性
- ある特定の遺伝子多型のタイプの人やアルコールを多量に飲む人で、葉酸不足によって大腸がんリスクが高くなる
多目的コホート研究では、男女とも、葉酸濃度が高くなっても、大腸がんリスクが下がるという関連はみられませんでした(図1)。また、飲酒量でグループ分けしても、結腸がんと直腸がんに分けて調べても、どのグループでも男女とも関連は見られませんでした。
国立がん研究センターが発表している多目的コホート研究によれば、葉酸濃度が高くても大腸がんリスクが下がるという関連は見られなかったそうです。
葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、メチオニン摂取と大腸がん罹患との関連について|多目的コホート研究|国立がん研究センター
葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、メチオニンは、生体内でのメチル代謝において、それぞれ異なる役割を担っています。アルコールやアセトアルデヒドはそれらの代謝経路を阻害したり、栄養素を破壊したりすることによって、大腸がん発がんの初期段階である遺伝子の低メチル化を引き起こすと考えられます。
今回、特にビタミンB6と大腸がんの関連が強かった理由として、日本人の一般的な食事からは葉酸やビタミンB12は十分取れるのに対し、ビタミンB6摂取量は不足していることが挙げられます。その最大の摂取源は白米ですが、茶碗1杯(約150g)に約0.03mgのビタミンB6しか含まれていません。ビタミンB6を多く含む食品(魚・ナッツ・穀類等)を積極的に摂取することが、大腸がんの予防につながる可能性があります。
日本人の一般的な食事からは葉酸は十分に摂取できるため、差が見られなかった可能性が考えられます。