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抗炎症食品で慢性炎症を抑えよう!




最近興味があることに共通するのが「炎症・抗炎症」なんですよね。

もっと抗炎症食品をとる必要がある、もしくは炎症を抑える生活習慣を取り入れるべきなのではないかと思っているんです。

食いしばりをやめたら歯茎の膿が消えた話、アトピーのかゆみがお風呂の後・運動後に悪化する理由、臓器ごとの老化のタイミング、和食の弱点と地中海式の組み合わせ、エストロゲンの抗炎症作用と閉経、亜鉛サプリ、うつ病と腸内細菌・環境汚染物質による炎症、炎症を引き起こす食事と認知症リスク……。

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これらをつなぐ共通のキーワードが「低度の慢性炎症(inflammaging)」です。

加齢やホルモン変化、生活習慣の積み重ねで体内に持続的な弱い炎症が広がると、心血管疾患、代謝異常、認知機能低下、関節や皮膚のトラブルなど、さまざまなリスクが高まります。

逆に言えば、日常の食事と生活習慣でこの炎症を抑える方向にシフトできれば、健康寿命を延ばす可能性があるのではないか?

ここでは論文をベースに、抗炎症食品についてまとめます。

■慢性炎症とは何か? なぜ食事が重要なのか

急性炎症はケガや感染に対する体の防御反応ですが、低度の慢性炎症は「静かに続く炎」のようなものです。

C反応性蛋白(CRP、特に高感度hs-CRP)やインターロイキン-6(IL-6)、腫瘍壊死因子α(TNF-α)などの炎症マーカーがわずかに上昇した状態が長く続くと、組織の損傷や老化を加速させます。

女性の場合、エストロゲンに抗炎症作用があることが知られており、閉経前後でそのブレーキが弱まることで慢性炎症が広がりやすい「炎症イベント」の時期になる、との指摘もあります(Journal of Neuroinflammation 2020のレビューなど)。

加齢全体でも「inflammaging」という概念で説明されます。

さらに見逃せないのが「体の糖化(AGEs)」との悪循環です。

精製された砂糖や炭水化物の過剰摂取、高温調理などにより体内で作られる「AGEs(最終糖化産物)」は、細胞の受容体(RAGE)と結びつくことで強い炎症シグナルを発生させます。

「糖化(体の焦げ)」が「慢性炎症(体の火事)」を招き、それがさらに組織の老化を加速させるという負のスパイラルが形成されるのです。

食事はこの「糖化」と「炎症」の両方を左右する大きな要因です。

西洋型の食事(加工食品・精製炭水化物・過剰な飽和脂肪・砂糖中心)は炎症マーカーを上げやすい一方、植物性食品・良質な脂質・食物繊維が豊富な食事パターンは下げやすいことが、複数の観察研究と介入試験で示されています。

→ 糖化を防ぐ食べ物(抗糖化成分)・食事法 について詳しくはこちら

■論文が支持する抗炎症食事パターン

●地中海式

最もエビデンスが蓄積されているのが地中海式食事です。

最近の系統的レビューとメタ分析(2024年までのRCTを対象、33試験・約3500人)では、地中海式食事が対照食に比べてhs-CRP、IL-6、IL-17を有意に低下させることが報告されています。

特に60歳未満や心血管疾患のある人、介入期間が比較的短い場合で効果が明確だったケースもあります。

PREDIMED試験などの大規模研究でも、エクストラバージンオリーブオイルやナッツを加えた地中海式が心血管イベントを約30%減らしたことが知られ、その一部は抗炎症・抗酸化作用によると解釈されています。

MIND食(地中海式+DASH食を脳の健康向けに調整したもの)やAlternative Healthy Eating Index(AHEI)のような「健康的な食品を積極的に、悪い食品を控える」パターンも、認知症リスク低下と関連するデータがあります(UK Biobankを用いた研究など)。

一方、伝統的な和食は魚のオメガ3、大豆、発酵食品、海藻といった優れた点を持ちますが、野菜量が不足しがち・煮物や調味料による隠れ砂糖・塩分過多・タンパク質がやや少ない、といった弱点が指摘されることもあります。

だから「和食をやめて地中海式に切り替え」ではなく、和食の長所を残しつつ地中海式の強みを足すハイブリッドが現実的です。

ただ、砂糖やみりんを多く使う煮物は、味付けとして美味しい反面、血糖値を上げやすく「糖化→慢性炎症」につながりやすいので、AGEsを増やさないように調理に工夫が必要です。

AGEsは「高温での加熱(揚げる・焼く)」で特に増えやすいため、野菜やタンパク質は『焼く・揚げる』だけでなく、「低温での加熱(生・蒸す・煮る)」や「クエン酸(酢やレモン)」を活用することで糖化(AGEs)の発生も抑えられます。

■抗炎症に寄与する食品・栄養素

●野菜・果物(特にカラフルなもの)

ポリフェノール、カロテノイド、ビタミンCなどが抗酸化・抗炎症に働きます。

アブラナ科野菜(ブロッコリー、キャベツなど)は解毒・抗炎症・抗酸化の三拍子、ベリー類(ブルーベリー、イチゴ)のアントシアニンは脳の炎症抑制と関連する報告があります。

摂取量が多いほどCRPやTNF-αが低い傾向があります。

アブラナ科野菜に多く含まれるイソチオシアネートや抗酸化性ビタミンの持つ抗炎症および抗酸化作用が死亡リスクの低下に寄与している可能性を指摘しています

→ アブラナ科の野菜 について詳しくはこちら

●全粒穀物・豆類・食物繊維

腸内細菌を育て、短鎖脂肪酸を増やして炎症を抑える経路が重要です。

精製穀物より全粒の方が有利です。

●ナッツ・種子類

不飽和脂肪酸、抗酸化物質、マグネシウムなどが寄与。

アーモンドなどでCRP・IL-6低下の報告があります。

●青魚・オメガ3脂肪酸(EPA・DHA

炎症性サイトカインを抑制する強いエビデンスがあります。

魚をあまり食べない人ではサプリでもCRPなどがわずかに下がるデータ(VITAL試験など)があります。

筋損傷後の炎症緩和にも有用とされています。

→ オメガ3を多く含む食べ物

●エクストラバージンオリーブオイル

オレイン酸に加え、ポリフェノール(オレウロペインなど)が抗炎症・抗酸化を担います。

●スパイス・ハーブ

ターメリック(クルクミン)は条件付きで有望(吸収を高める工夫が必要)。生姜なども。

●その他

亜鉛はインスリン抵抗性や炎症改善の可能性が指摘され、ビタミンDも一部病態で有効との報告があります。

→ 亜鉛を含む食べ物 について詳しくはこちら

タウリンの摂取により、炎症の重要な指標である「CRP」などが低下することがメタアナリシスなどで報告されています。

※CRP(C反応性蛋白)とは、体内で炎症や組織の損傷が起きると、肝臓から血液中へ放出されるタンパク質のことです。体のどこかで細菌感染やケガ、手術、膠原病などの異常が起きると、数値が急激に上昇しますので、炎症のサインともなります。

→ タウリンの多い食べ物 について詳しくはこちら

■炎症を促しやすい食べ物

逆に炎症を促しやすいのは、加工肉・赤身肉の過剰、砂糖入り飲料、揚げ物、過度に精製された炭水化物などです。

エネルギー調整した食事炎症指数(EDII)が高い人は認知症リスクが約30%高まるとのデータもあります。

■和食をベースにした実践的な取り入れ方

・白米に玄米・雑穀・もち麦を混ぜ、食物繊維を増やす。
・野菜は加熱だけでなく生や蒸しを意識的に増やし、1日の量を確保。
・魚や豆腐に加え、卵や適量の肉もバランスよく。仕上げにオリーブオイルやえごま油を。
・味付けは出汁・酢・薬味・ハーブ・スパイスで減塩・減糖。
・毎日の習慣にナッツ(ひとつかみ)やベリー類を。
・発酵食品(納豆、味噌など)は腸内環境を整える味方として継続。

できるところから少しずつ取り入れていきましょう。

また、体重管理、適度な運動(激しすぎない有酸素+筋トレ)、質の良い睡眠、ストレス軽減も炎症抑制に寄与します。

運動直後は一時的にヒスタミンや血管拡張で症状が悪化することがあるので、アトピーなどがある人はクールダウンを意識するとよいでしょう。

■まとめ

抗炎症を意識して、健康寿命を延ばす方向にシフトしませんか?

【参考文献】

  • McCarthy M, Raval AP. The peri-menopause in a woman’s life: a systemic inflammatory phase that enables later neurodegenerative disease. J Neuroinflammation. 2020;17(1):317.
  • Mediterranean Diet Reduces Inflammation in Adults: A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Controlled Trials. Nutrition Reviews. 2025.(33 RCTs, n≈3476)
  • Youn JE, Kwon YJ, et al. Association of Mediterranean, high-quality, and anti-inflammatory diet with dementia in UK Biobank cohort. J Nutr Health Aging. 2025;29(7):100564.
  • Estruch R, et al. Primary Prevention of Cardiovascular Disease with a Mediterranean Diet Supplemented with Extra-Virgin Olive Oil or Nuts. N Engl J Med. 2018;378:e34.(PREDIMED試験改訂版)
  • AGEs-RAGE axisに関するレビュー(例:Activation and modulation of the AGEs-RAGE axis: Implications for inflammatory pathologies. 2024など)
  • VITAL Research Group. Vitamin D and Omega-3 Trial関連論文(オメガ3と炎症マーカー)

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