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なぜ熱射病になると、体温が高い・意識障害・手足の運動障害・けいれん・おかしな言動や行動という症状を起こすのか?|熱中症の症状

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熱中症の症状には、熱射病(「体温が高い(体に触ると熱いぐらい)」「意識障害(声をかけるなど呼びかけに反応しない)」「手足の運動障害(まっすぐ歩くことができない・ふらつく)」「けいれん」「おかしな言動や行動」)という症状がありますが、なぜ熱中症(この場合は熱射病)になると、「体温が高い」「意識障害」「手足の運動障害」「けいれん」「おかしな言動や行動」という症状を起こしてしまうのでしょうか?




【目次】

■なぜ熱射病になると、「体温が高い」「意識障害」「手足の運動障害」「けいれん」「おかしな言動や行動」という症状を起こすのか?

Tired

by Piotr loop(画像:Creative Commons)

熱中症の症状は重症度で3段階に分かれており、熱射病の症状である「体温が高い(体に触ると熱いぐらい)」「意識障害(声をかけるなど呼びかけに反応しない)」「手足の運動障害(まっすぐ歩くことができない・ふらつく)」「けいれん」「おかしな言動や行動」はⅢ度(入院して集中治療が必要な重症)に当てはまります。

熱射病は、Ⅱ度の症状(熱疲労(「めまい」「頭痛」「吐き気」「嘔吐」「倦怠感」「虚脱感」))に重なり合って起こります。

熱射病は、高温多湿の環境で運動をすることなどによって体温が上昇し、体温が高くなる(40℃以上)になることで、脳の体温調整を行う機能に異常が起こり、体温調節ができなくなった状態です。

→ 熱中症の症状・対策・予防 について詳しくはこちら

■熱中症対策(応急処置)

それでは、熱中症になったら、どうすればよいのでしょうか?

(1)涼しい場所に移し、衣服をゆるめてリラックスさせる

建物が近くにない場合には日陰で休ませましょう。

建物が近くにあればエアコンの効いた部屋で休ませましょう。

(2)首筋、脇の下、脚の付け根を(冷たいペットボトルなどを使って)冷やす

脈拍のとれる位置は血管が皮膚に近いため、そこを冷やすと、冷却された血液が全身を巡ることで、クールダウンします。

(3)顔が赤いときは頭を高く、青白ければ足を高くして寝かせる

(4)意識があり、嘔吐がなければ水分補給させる

水分だけでなく塩分などの電解質も失われていると考えられますので、水に塩分などの電解質と糖とがバランスよく配合された経口補水液を利用しましょう。

(5)皮膚が熱ければ、風を送ったり熱い部分にぬれタオルを当てる

(6)皮膚が冷たければぬれタオルをしぼり、冷たい部分をマッサージ

(7)意識がなかったり、急に体温が上がったらすぐ救急車を呼ぶ

ただし、熱射病(「体温が高い」「意識障害」「手足の運動障害」「けいれん」「おかしな言動や行動」)の症状が現れている場合には、Ⅲ度(入院して集中治療が必要な重症)であるため、まずはこのレベルに達するまでに予防をすることが重要です。

<汗ばむ季節>熱中症の意外な誤解 正しい知識で予防を

(2017/6/10、毎日新聞)

三宅センター長は、Fluid(水分補給)▽Icing(冷やす)▽Rest(安静にさせる)▽Emergency call(救急車を呼ぶ)--の四つを挙げる。覚え方は「FIRE」。ただし、行う順番は逆からで、まず救急車を呼び、患者を涼しい所に運んで服を緩めて安静にさせ、首や脇の下や太ももの付け根を冷やして、できれば水分補給をさせる。

帝京大医学部付属病院の三宅康史・高度救命救急センター長によれば、熱中症の応急手当は「FIRE」で覚えるとよいそうです。

ただし、行う順番はつづりとは逆の順番で行なうそうです。

E(Emergency call:救急車を呼ぶ)

→R(Rest:涼しい場所に運んで安静にする)

→I(Icing:首筋、脇の下、脚の付け根など血管が皮膚に近い場所を冷やす)

→F(Fluid:水分補給)

■まとめ

熱射病は、高温多湿の環境で運動をすることなどによって体温が上昇し、体温が高くなる(40℃以上)になることで、脳の体温調整を行う機能に異常が起こり、体温調節ができなくなった状態です。

→ 熱中症の症状・対策・予防 について詳しくはこちら







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体温上昇伝達メカニズム解明 熱中症や日射病の治療法に役立つ期待|京大

Temperature in C° + R

by Acid Pix(画像:Creative Commons)

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■体温上昇伝達メカニズム解明 熱中症や日射病の治療法に役立つ期待|京大

暑さ情報の脳内伝達ルート解明 京大と米大など

(2010/4/30、日本経済新聞)

京都大学の中村和弘特定助教と米オレゴン健康科学大学の研究チームが行なったラットの実験によれば、暑いときに無意識のうちに体温調節機能が働く際の脳の情報伝達経路がわかったそうです。

■背景

ヒトは「暑い!」と感じると体温調節を行っていることはわかっていましたが、その情報伝達経路についてはわかっていなかったそうです。

■研究結果

皮膚にあるセンサー役のたんぱく質で「暑い!」という情報をとらえる

→暑さ情報を脊髄を通じて脳に伝える

→脳の体温調節中枢から指令が出て血管が広がり、血流を増やす

→熱を放出し、体温上昇を防ぐ

暑いときに活発に働く神経細胞が脳の「橋(きょう)」と呼ばれる部分にある「結合腕傍核(けつごうわんぼうかく)」に集まっており、この神経細胞が暑さ情報を体温調節中枢に伝えることが分かったそうです。

■まとめ

体温が上昇した際に脳へ情報を伝える伝達メカニズムが解明されたことで、熱中症や日射病など体温の維持機能が働かなくなる病気に対する効率的な治療法が期待されるそうです。







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初稿:2010年4月27日