■毛髪診断コンソーシアム|毛髪に蓄積された健康データで健康診断|理研など
by Chris Yarzab(画像:Creative Commons)
(2017/12/27、アジュバンコスメジャパン)
毛髪は、毛包器官(毛髪をつくるいわば工場)の毛母細胞(上皮細胞)が細胞分裂して生み出され、内部にケラチンが蓄積して死んだ細胞の集合体であり、いわば「最近まで生きていた細胞の標本」です。毛髪は、非侵襲的に採取できる数少ない生体組織です。毛髪(頭髪)は、1 か月に約 1 ㎝伸びるため、根元から 1 ㎝には最近 1 か月の健康情報が、12 ㎝先には 1 年前の健康情報が蓄積した過去ログを持っている細胞標本と言えます。
理化学研究所とオーガンテクノロジーズ、ヤフー、アデランスなど、計 18 社の機関が参加して、毛髪診断コンソーシアムを設立し、毛髪に蓄積される健康指標や疾患指標による新たな非侵襲型診断システムの確立に向け、科学的なエビデンスに基づくビッグデータの構築を目指し、共同研究を開始するそうです。
病気を早期に検出するような目印となるマーカー物質を特定するため、個人の健康や習慣などの情報と毛髪の解析データをもとにビッグデータを構築していくそうです。
参画するのは、理化学研究所、オーガンテクノロジーズ、ヤフー、アデランス、アジュバンコスメジャパン、京セラ、コンピュータ技研、島津製作所、ダイキン工業、東ソー、NEC ソリューションイノベータ、公益財団法人先端医療振興財団、三井物産、アジュバンコスメティック、アデランスメディカルリサーチ、京セラオプテック、他2社(非公開)です。
■まとめ
今回は「毛髪」に蓄積された健康データで健康診断をするという研究に関するニュースですが、現在がん診断に関しては、「血液」「尿」「唾液」「呼気」から診断する研究が行われています。
いかに肉体的・精神的負担がなく診断ができるのかに注目してみていきたいですね。
【関連記事】
- 尿中マイクロRNAから「がん(肺がん、膵臓がん、肝臓がん、膀胱がん、前立腺がん)」を特定|名古屋大学
- アフラックと日立製作所、尿中代謝物によるがんの識別技術の活用方法、がんの早期発見・早期治療を促進する新しい保険商品・サービスを作り出すための検討を開始
- 採血1回で13種のがんが診断できるようになる!?
- 微量の血液でがんに関連する60種類の遺伝子異常をまとめて調べる新手法を開発|国立がん研究センター
- 大腸がんを血液一滴で早期診断-神戸大など
- パナソニック、息に含まれる肺がん特有の臭い成分から肺がんを診断する製品の開発を進めている
- 食道がん患者の呼気には特定の物質が多く含まれることが判明―順天堂大
- 唾液でがん発見 80~99%の高精度-慶応大
- スマホでがん診断する技術開発‐米研究