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網膜剥離が日帰り手術になる日も近い!?長期埋め込み可能な人工硝子体の開発に世界で初めて成功|東大・筑波大

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■長期埋め込み可能な人工の硝子体の開発に世界で初めて成功

ウサギを用いた動物モデルにおいて、硝子体を切除した後に本ゲルを眼内に充填し、一年以上にわたる安全性を確認した。さらにウサギに網膜剥離モデルを作成し、本ゲルを眼内に充填したところ、網膜剥離を治療することに成功した。
ウサギを用いた動物モデルにおいて、硝子体を切除した後に本ゲルを眼内に充填し、一年以上にわたる安全性を確認した。さらにウサギに網膜剥離モデルを作成し、本ゲルを眼内に充填したところ、網膜剥離を治療することに成功した。

参考画像:「世界で初めて長期埋め込み可能な人工硝子体を開発」 (2017/3/3、東京大学プレスリリース)|スクリーンショット

「世界で初めて長期埋め込み可能な人工硝子体を開発」

(2017/3/3、東京大学プレスリリース)

◆眼の中に注射で注入でき、速やか(10 分以内)にゲル化し人工硝子体として使用可能な、生体適合性のハイドロゲル(注1)を、世界で初めて開発しました。

◆安全に眼球内に置換可能なこととその安全性を、1 年以上にわたり確認しました。

◆硝子体(注2)手術の合併症や眼への負担を大幅に軽減し、将来的にはすべての硝子体手術を日帰り手術にする道をひらきます。

東京大学大学院工学系研究科の酒井崇匡准教授と筑波大学医学医療系の岡本史樹講師の共同研究により、世界で初めて長期埋め込み可能な人工の硝子体の開発に成功しました。




■【背景】長期使用が可能な硝子体の材料がなかった

●生体適合性が低い

網膜のさまざまな疾患に対して行われる硝子体手術では、硝子体置換材料が必須です。

従来の材料であるガスやシリコンオイルなどは疎水性であるため生体適合性が低く、長期の使用には適さないことから、長期的かつ安全に置換可能な人工硝子体材料の開発が望まれていました。

また、眼の透明組織としては、水晶体と角膜は人工物が開発されていましたが,人工硝子体は未だ開発されていませんでした。

硝子体(しょうしたい)とは、水晶体と網膜の間にあり、眼球の大部分を占める無色透明でゼリー状の組織です。

硝子体手術には、置き換えるための材料が必要ですが、従来の材料は性質上長期使用には適さないものであり、また、人工硝子体はいまだ開発されていなかったそうです。

【参考ワード】

硝子体

コラーゲンからなる高分子網目からできているハイドロゲルの一種である。

生体適合性|weblio

ある材料を装着あるいは移植した際に、生きた体に異物として認識され、排除されることなく馴染む性質、またはその度合いを意味する表現。

【関連記事】

●再手術やうつ伏せ管理の必要があった

患者は入院で 1 週間程度うつ伏せの体位を保たねばならず、数カ月後には抜去を含む再手術を受ける必要がありました。

網膜の病気の手術には、ガスやシリコンオイルなど、長期埋植に向かない材料が用いられているため、、再手術やうつ伏せ管理の必要があるそうです。

●ハイドロゲルの成功例はこれまでなかった

インジェクタブルゲルは、生体内でゲル化を誘起する反応が周辺組織に刺激を与えることや、生体内において周囲の水を吸い込んで膨らみ、周辺組織を圧迫する等の問題を有しています。

ハイドロゲルとは、高分子が分岐し網目構造になったものが、水を含んで膨らんだ物質のことで、身近な例では、ゼリーやソフトコンタクトレンズが挙げられます。

人工硝子体の材料として、ハイドロゲルの応用研究がなされてきましたが、注射により生体内に埋植が可能で、生体内でゲル化するインジェクタブルゲルには、反応が周辺組織に刺激を与えたり、水を吸い込んで膨らみ周辺組織を圧迫するなどの問題がありました。

また、膨潤(ゲルが液体を吸収して膨張すること)をコントロールする試み自体もほとんどされてこなかったそうです。

■研究内容

本研究では、ゲルが作製されてから分解されていくまでのすべての期間にわたり、膨潤圧を周辺組織に影響を及ぼさないレベル(1 kPa 以下)まで低減することに成功しました。

さらには、ゲル化過程を含め、周辺組織に対する毒性・刺激性も容認可能なレベルまで低減することに成功しました。

その結果、上記の特性を保ちながら、液状のままで眼内に注入し、内部において速やか(10 分以内)にゲル化させることを世界で初めて可能にしました(図1)。

研究グループは、この技術を動物モデルに用い、ハイドロゲルによる網膜剥離の長期にわたる治療を世界で初めて実現させました(図2)。

しかも、人工硝子体として 1 年以上、なんら副作用をおこすことなく使用可能であることが確認できました。

膨潤をコントロールしながら、液状のままで眼の中に注射で注入でき、10 分以内にゲル化することに世界で初めて成功しました。

また、動物での研究で、ハイドロゲルによる網膜剥離の治療を行い、人工硝子体として長期間副作用を起こすことなく使用できることを確認しました。

■まとめ

将来的には、人工硝子体を活用すれば、網膜剥離のような病気でも日帰り手術が可能になる日も近いかもしれません。

→ 網膜剥離(もうまくはくり)とは|網膜剥離の症状・原因・見え方 について詳しくはこちら







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網膜・硝子体に関する目の病気|網膜剥離・糖尿病網膜症・加齢黄斑変性

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「網膜・硝子体の病気-1」放置すれば失明に直結 白神史雄香川大教授

(2010/6/15、47ニュース)

目の病気の中で、視力障害や失明に直結しやすいのが網膜と硝子体に関係したものだ。

手術や薬物治療が進歩しており、早い段階での発見や管理、治療の重要性が増している。

網膜・硝子体の機能や視力との関係、主な病気について白神史雄・香川大病院眼科 教授に聞いた。

この記事では、目の病気の中で、視力障害や失明に直結する網膜と硝子体について紹介されています。

■網膜・硝子体は目の中でどんな役割を果たしているの?

―網膜・硝子体は目の中でどんな役割を?
「目をカメラに例えると、レンズに当たる水晶体から入った光が像を結ぶところが、フィルムの役割をする網膜です。眼球の奥にあり、ここにある視細胞が受け取った視覚情報が、視神経を通じて大脳に伝わることで物が見えます」
「一方、硝子体は水晶体から網膜までの空間を埋めるゼリー状の透明な組織で、目の4分の3を占めます。硝子体の98%は水です。眼球の形を保つとともに、網膜に対する衝撃を和らげるクッションのような役割をしています」

網膜はカメラに例えるとフィルムの役割を果たし、硝子体はその網膜に対する衝撃を和らげるクッションの役割を果たしているそうです。

■網膜の中の黄斑部が最も重要な部分

―網膜は全体で視力を担うのか。
「網膜の中で最も大切な場所が黄斑という部分で、このわずかな場所が細かい部分や物を見分けるのに重要な中心視力を担います。黄斑部には、視細胞の中でも視力や色覚と関係が深い『錐体細胞』が密に分布しています。ここが障害を受けると、視力は0・1以下になることが多いのです」

網膜の中の黄斑部が最も重要な部分で、この部分に障害を受けると、視力が低下してしまいます。

■黄斑部がダメになると視力は回復しない!?

―眼鏡やコンタクトレンズでは矯正できない?
「視力矯正には、レーザー照射で屈折率を変えるレーシック手術などもありますが、レンズ側をいくらいじっても、フィルムがないカメラは写りません。網膜、とくに黄斑部がだめになると矯正しても視力の回復は難しくなります。レーシックは通常、網膜の病気がある人には行いません」

網膜、特に黄斑部がだめになると矯正しても視力は回復しないようです。

■網膜の代表的な病気

―代表的な病気は。
「硝子体が網膜を引っ張るなどして網膜がはがれ、その外側の脈絡膜から栄養をもらえなくなってしまう網膜剥離や、糖尿病が原因で網膜の毛細血管が詰まり、新たな血管ができて出血などが起きる糖尿病網膜症があります。そして、中高年者の黄斑部の下に病的な血管ができるなどして、ダメージを与えるのが加齢黄斑変性です。視細胞はいったん死滅すると再生しません。いずれの病気も放置すれば失明につながります。できるだけ早期の段階で見つけることが治療成功のカギです」

網膜・硝子体に関する代表的な病気は、

です。

これらの病気は放置すると失明につながるので、早期発見・早期治療が大事になってくるようです。







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