Nature誌に掲載された論文によれば、認知症は脳の病気というイメージを持たれている方がほとんどだと思いますが、認知症の原因の約3分の1が、意外と「体の他の部分の病気」に関係していることがわかりました。
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■研究の目的
最近の研究で「脳以外の体の病気(末梢疾患)が認知症のリスクを上げるかも」という報告が増えているそうです。
そこで、体のいろんな病気がどれだけ認知症のリスクがかかわっているか、逆に言えば、もしこの病気がなかったら認知症患者がどれくらい減るかを調べました。
■結果
認知症のリスクが上がる病気は16あり、この16の体の病気が全部合わせると、認知症の33.18%(約1/3)に関係しています。
2021年時点で約1,880万人の認知症が、これらの病気と関連している計算になります。
【特に影響が大きいトップ10の病気(PAFの割合が高い順)】
- 歯周病(歯の病気・歯茎の炎症) → 6.10%
- 肝硬変・その他の慢性肝疾患 → 5.51%
- 加齢性難聴・その他の難聴 → 4.70%
- 失明・視力低下 → 4.30%
- 2型糖尿病 → 3.80%
- 慢性腎臓病 → 2.74%
- 変形性関節症(関節の変形・痛み) → 2.26%
- 脳卒中 → 1.01%
- 虚血性心疾患(心筋梗塞など) → 0.97%
- 慢性閉塞性肺疾患(COPD) → 0.92%
この研究を参考にすれば、認知症予防には脳だけでなく、体全体の体調管理が重要になることがわかります。
認知症予防には次のことが効果的だと考えられます。
- 歯の定期検診・歯周病予防
- 難聴の補聴器早期使用
- 糖尿病・慢性腎臓病のコントロール
- 肝臓の健康維持(お酒の節度など)
- 視力の定期チェック
■【家庭料理の視点から】
病気の予防・改善といえば、体の部分的にいいものをおすすめされがちですよね。
しかし、今回の研究を参考にすれば、体全体にいいものを食べることが結果的にほかの病気を減らし認知症も予防できるということなんです。
肝臓病や糖尿病、慢性腎臓病にならないような食事を心がけること。
食事をしたらきちんと歯を磨くこと。
これを徹底するだけで認知症予防につながるんですね。
食生活を改善することで糖尿病、脂肪肝、慢性腎臓病を予防することが、認知症の予防につながることが期待できます。
炎症を引き起こす食事をしている人は認知症のリスクが高い!によれば、地中海式ダイエット(野菜、果物、魚、オリーブオイルなどが中心)など健康的な食事をしている人は認知症のリスクが低く、反対に炎症を引き起こす食事をしている人は認知症のリスクが高いことがわかりました。
認知症予防のために毎日食べたい!抗炎症力や抗酸化力を持つ○○科の野菜とは何?によれば、認知症リスクを減らすために毎日食べたい食材としてアブラナ科の野菜を紹介しています。
その理由としては、アブラナ科の野菜には、認知症予防に欠かせない「抗炎症力」「解毒力」「抗酸化力」という3つの力が備わっているから。
ブルーベリーやイチゴなどフラボノイドを豊富に含むベリー類を摂取すると、高齢女性の記憶力低下を2.5年遅らせることができる!では、ブルーベリーやイチゴに含まれる**フラボノイド(特にアントシアニン)**が活性酸素(細胞を傷つける物質)を減らし、脳の神経細胞を老化やダメージから守る抗酸化作用があり、また、脳の炎症を抑え、認知症やアルツハイマー病のリスクを下げる抗炎症作用があると紹介されています。
つまり、認知症リスクを下げる方法の一つとして、抗炎症作用のある食品を選択するといいのではないでしょうか?
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■まとめ
「認知症は脳の病気」ではなく「認知症は体全体の病気の影響を受ける」と認識を改めることが大事ですね。
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【参考文献】
- Deng, Z., Yang, Y., Lin, Q. et al. Population attributable fractions of a wide range of peripheral diseases for the burden of dementia. Nat Hum Behav (2026). https://doi.org/10.1038/s41562-025-02392-2
「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」
