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アンバンドル・リバンドル・エンハンスを視点の一つに組み込もう!|#Fintech #Insurtech #Healthtech #Agritech #Edtech の次は?




■アンバンドル・リバンドル・エンハンスを視点の一つに組み込もう!

Ecomaterials Innovation Lab - Boston, MA

by PopTech(画像:Creative Commons)

Fintech時代の金融機関は新たな顧客価値の創造が問われる(2016/8/4、ハーバードビジネスレビュー)によれば、テクノロジーを活用した金融のイノベーションである「Fintech」によって3つのインパクトがもたらされるとあります。

1.アンバンドル(解体)

例:スタートアップ企業や従来の金融機関以外の企業による伝統的な金融業務が解体

2.リバンドル(再結束)

非金融企業による業際(異なる事業分野にまたがる)の再定義

3.エンハンス(性能向上)

例:ブロックチェーンによって、既存の金融サービスに革新がもたらされる

【参考リンク】

こうしたテクノロジーによる変化は金融業界だけに起きるわけではありません。

Fintechの一つには、保険(Insurance)と情報技術(Technology)が融合した「InsTech(インステック)」がありますし、その他では、Health(健康)とTechnology(技術)が融合したHealthTech(ヘルステック)、農業(Agritech)、教育(Edtech)でもこうした変化が起きています。

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このように、今まで変化が起きていなかった業態でも、テクノロジーによってさまざまな変化がもたらされるかもしれないのです。

そこで、役立つ考え方が、1.アンバンドル(解体)、2.リバンドル(再結束)、3.エンハンス(性能向上)です。

あなたが携わる仕事の業界に3つのインパクトを当てはめてみるとどんな変化がもたらされるのかという実験ができるのではないでしょうか?

そのためには、あなた自身が顧客に提供する価値のどのような点がひきつけているのか、そしてそれが移行していないかを常にチェックする必要があります。

また、最新のテクノロジーについてのウォッチも重要でしょう。

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成功したビジネスモデルを持っていると、事業のカニバリズム(共食い)を起こしてしまわないかと思って、新しいビジネスモデルには移っていきづらいものです。

理想的には、自分がスタートアップの立場だったり、全くの異業種から企業だという立場に立ち、従来型の業務でアンバンドルできる部分がないかを考えたり、リバンドルができる分野がないかと考えてみるといいのではないでしょうか。




■まとめ

世界は、統合されつつ、分割もされ、繰り返しつつ、いつも違う|United, Fragmented, Repeated and Impermanent World

チームラボの作品の「世界は、統合されつつ、分割もされ、繰り返しつつ、いつも違う」のタイトルこそ、アンバンドル・リバンドル・エンハンスの考え方に近いように感じます。(アート作品のメッセージとは違うかもしれませんが、どのようなインスピレーションを受けるかはその人次第と思っていただければ幸いです。)







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Lemonade|保険ビジネスにAIと行動経済学を活用したInsurtechスタートアップ




■Lemonade|保険ビジネスにAIと行動経済学を活用したInsurtechスタートアップ

Introducing The Lemonade App
Introducing The Lemonade App

参考画像:Introducing The Lemonade App|YouTubeスクリーンショット

日本だけでなく世界でもフィンテックが話題です。

FinTechとは金融(Finance)と技術(Technology)を掛け合わせた造語で、銀行・金融ではFintech(フィンテック)というITを駆使して金融サービスを生み出したり、見直したりする動きが起きています。

フィンテックの中でも「保険」の分野、「Insurtech(インシュアテック)」に関心が集まっていることをご存知ですか?

「Insurtech(インシュアテック)」とは、生保や損保という保険ビジネス(Insurance)とテクノロジー(Technology)を組み合わせる取り組みのことです。

このブログは健康に関連したニュースについて取り上げているので、「Insurtech(インシュアテック)」を取り上げるときにも、テクノロジーの側面ではなく、主に医療ビッグデータの解析を活用した新しい保険の形といった側面から紹介しています。

今回紹介するニュースは「Insurtech(インシュアテック)」のテクノロジーの側面から見た記事です。

「Botと話して1分で保険に入った」:スマホD2Cのフィンテック

(2017/7/10、Scrum Ventures)

詳しくは元記事をご覧いただくとして、「Lemonade」という保険スタートアップの特徴を簡単にまとめます。

  • 家具や電気製品などの損害保険
  • 人を介さず、Botとのやりとりだけで、保険の見積もり・加入手続きを行う
  • スマホネイティブな層をターゲットにしているのか、タップやスワイプといったスマホに最適化されたUI/UXが特徴
  • AI・行動経済学を組み込んで詐欺の自動検知を行う

日本でもレモネードへの関心が高まりつつあります。

AI活用 保険手続き迅速 米レモネードCEO ダニエル・シュライバー氏

(2018/1/19、日本経済新聞)

ソフトバンク:フィンテック新興企業レモネードに出資

(2017/12/19、Bloomberg)

ニューヨークを拠点とするレモネードは人工知能(AI)とソフトウエアエージェントを使って住宅保険請求の文書業務を減らし処理を高速化する技術を持つ。

ソフトバンクは1億2000万ドル(約135億円)の出資の主導的役割をするそうです。

The Science Behind Lemonade

Lemonade in 60 Seconds

Introducing The Lemonade App

Dan Ariely Joins Lemonade

【参考リンク】

Lemonadeの動画を見てみると、「予想通りに不合理」「不合理だから全てがうまくいく」の著者であり、TEDの人気スピーカーであり、行動経済学者であるダン・アリエリー(Dan Ariery)氏がLemonadeに参画しています。

The Cost Of Our Dishonesty|Lemonade

ダン・アリエリーさんの考えを私なりに解釈すると次の通りになります。

ダン・アリエリーさんの保険ビジネスにおける役割は、保険加入者と保険会社との信頼をいかに築くかということです。

保険加入者はできる限りの個人情報・建物に関する情報などを記入してもらい、誠実さを伝える一方で、保険会社は、不正行為に対するリスクを補うためとして、少し高めの保険料を保険加入者に請求しています。

簡単に言えば、保険会社は保険加入者に対する信頼が低いため、そのような行動をとってしまっているのです。

そこで、AIや行動経済学を活用して、そもそも不正行為が起こりにくい保険の加入の仕方に変えようということがポイントです。

Oh, Behave!|Lemonade

In one well known study, he and his team of researchers managed to significantly reduce cheating simply by asking people to recall the Ten Commandments.They discovered that introducing moral cues can influence how we behave.

ある有名な研究によれば、十戒を思い起こさせるように人々に尋ねると、不正行為を減らすことができたそうです。

つまり、道徳的なつながりを導入することにより、行動に影響を与えるということを発見したのです。

そもそも不正行為が起こりにくい保険の加入の仕方に変えることができれば、不正による請求をする人が少なくなるとにより、保険加入者の保険料を少なくすることになっていく、両者にとってメリットのある変化となるのです。




■まとめ

「Lemonade」では、AIや行動経済学を活用して、道徳的な行動を促すことにより、保険業界に変化をもたらそうとしています。

ただ、もし、そもそも社会全体が信頼に基づく行動をする世界に変わったとしたらどうでしょうか。

人の信頼度を評価するシステムによって信頼自体がお金(通貨)のような価値をもつ時代になる!?では、「信頼」を通貨のような価値を持つ時代になれば、人は道徳的な行動をとるようになるであろうということを書きました。

中国の「芝麻信用」では、支払い履歴だけでなく、学歴や資産情報、人脈関係などによって信用度が格付けされる仕組みとなっており、この信用点数の評価によって、ホテルに泊まれない人がいたり、結婚や就職に影響しているということが起きているそうです。

「信頼」を通貨のような価値を持つ時代になれば、シェア自転車に対してひどい扱いをした人は、自転車と利用者をつないだデータをもとに信頼性が低いと評価されることによって、そのほかの信頼性をもとにしたサービスが使えなくなるといったことが起こるようになります。

つまり、社会全体が信頼に基づく行動をする世界に変わると、そもそも人は道徳的な行動をとるため、「Lemonade」が保険業界に起こしているような変化は必要なくなるということです。

「信頼」自体が通貨のような価値を持つような時代が近づいていますね。







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ロボアドバイザー(投資・資産運用アドバイスサービス)とは?簡単にわかりやすく!|#Fintech

【目次】




■ロボ・アドバイザー(投資・資産運用アドバイスサービス)とは?|#Fintech

Fintech, money, finance

by Tech in Asia(画像:Creative Commons)

ロボアドバイザーとは、スマホやPCを活用した、自動で資産配分を設定し、ユーザーの代わりに資産運用を行なう資産運用提案サービスです。

ポートフォリオ(資産配分)や商品選び、発注、リバランス(複数の資産や証券に分散投資するポートフォリオ運用において、時間経過とともに相場が変動し、資産配分の比率が変わってきますが、その資産の再配分をすること)といった資産運用をユーザーの代わりに自動で行なうことにより、「投資には興味があるけど投資をする時間がない」という方には考えてみてはいかがでしょうか?

THEO(テオ)WealthNavi(ウェルスナビ)楽ラップ(楽天証券)といったところが有名でしょうか。

最低投資金額や運用パターン、リバランスの頻度、運用にどれだけの手数料(経費)がかかるのか、などに違いがありますので、より詳しく知りたい方は各ホームページやホワイトペーパーをチェックしてみてください。




■ビル・ゲイツが断言「今ある銀行は必要なくなる」|ロボ・アドバイザーによる人間の置き換えが始まってる?

ビル・ゲイツが断言「今ある銀行は必要なくなる」

(2016/2/29、プレジデント)

1994年、あるベンチャー企業に投資を決めたビル・ゲイツは「銀行機能は必要だが、今ある銀行は必要なくなる」と発言した。

<中略>

スマホを数回タップするだけで株を取り引きでき、「ロボアドバイザー」と呼ばれる技術により、10問程度の質問に答えるだけで、本人にとって最適と思われるポートフォリオを組み立ててくれる。

ユーザー側からすれば、金融知識の不足を補うような資産運用提案サービスは喜ばしいサービスのように感じますが、ロボ・アドバイザーによって、最適なポートフォリオを組み立ててくれることにより、ネット証券も脅威にさらされてしまうかもしれないそうです。

Up to 220 staff could be replaced with ‘robo advisors’ at Royal Bank of Scotland

(2016/3/14、mirror)

Royal Bank of Scotland announced on Monday it was replacing 220 investment staff with robo advisors. In future, only customers with £250,000 or more to invest will get face-to-face advice.

すでにロボ・アドバイザーによる人間の置き換えが始まっているそうです。

これは決して海外だけのニュースではなくて、日本でも起き始めています。

野村G、フィンテック活用−投資一任運用サービス開発へ

(2016/3/15、日刊工業新聞)

野村ホールディングス傘下のウエルス・スクエア(東京都中央区)はフィンテック(金融とITの融合)による資産運用「ロボ・アドバイザー」を使ったラップ(投資一任運用)サービスの開発・検討に着手した。

ロボアドバイザー等を開発中のFolio、3億円の第三者割当増資を実施(2016/3/16、finasol)

人工知能をコールセンターで活用する事例が増えている!?によれば、2014年11月に三井住友銀行とみずほ銀行がWatsonをコールセンター業務に導入することを発表しました。

人間からコンピュータに仕事を受け渡しはじめているようですね。







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日本のフィンテックは「貧テック」!?日本はフィンテックの前にITや金融の活用度を上げていく必要がある!|#Fintech




■日本のフィンテックは「貧テック」!?

Belmont Cafe, Addis Ababa

by SarahTz(画像:Creative Commons)

最近のインターネットビジネスでは、「ZOZOツケ払い」(2カ月間内で都合の良い時に支払いができる決済手段)や「メルカリ月イチ払い」(月次で購入した商品の代金をまとめて翌月に支払うことのできる)、「CASH」(モノをスマホで撮影し、食事入金される質屋アプリ)、「Payday」(給料を前借りして、後払いするサービス)のような今やりたい・買いたいことを我慢することなく、将来入ってくるであろうお金を前借りしたり、モノを現金化する仕組みが増えてきていると感じます。

こうした流れを受けて、日本のフィンテックは「貧テック」だと揶揄する(読み方「やゆ」意味:からかう)人もいます。

ただそういう人は現状で苦しんでいる人のことが見えていないのかもしれません。

例えば、給与前払いサービスとは?|給料前借りアプリが注目のきっかけ!?人手不足で悩む2018年以降は給与前払いサービスが求人に応募するポイントになる?で紹介した大手求人サイトの検索キーワードによれば、常に日本全国で「日払い 」「週払い」がベスト10にランクインするほどなのだそうで、求職者にとっては、「前払い」「日払い」「週払い」ということは重要な求人募集の要素となっているそうです。

奨学金による貧困問題|大学生の仕送りは減少傾向、アルバイトの就労率・収入金額の増加、返済に対する不安もによれば、仕送り10万円以上をもらっている学生は減少傾向にあり、アルバイトの就労率・収入金額ともに増加傾向にあり、アルバイトを増やすことで暮らし向きを良くしようとしているのがわかります。




■日本はフィンテックの前にITや金融の活用度を上げていく必要がある

日本はIT・金融の活用度が低いと考えられます。

【参考リンク】

日本銀行によればモバイル決済の利用者は6%ほどにとどまるそうです。

これは、日本だけでは起きていることではなく、アメリカやドイツでもモバイル決済(スマホでの支払い・決済)が進んでいません。

その一方、発展途上国では急速にモバイル決済が普及しています。

モバイル決済の普及のためにも、次のような対策が必要になると考えられます。

しかし、ある仮説によれば、35歳が新しいテクノロジーを受け入れられる年齢であるそうで、モバイル決済の普及が進んでいない国々の平均年齢がいずれも高いことから、もしかするとこの仮説が当てはまるかもしれません。

■まとめ

日本のフィンテックは「貧テック」だと呼び、弱者から搾取する仕組みだと表現する人もいるそうです。

ただこれを逆に考えると、それだけ多くの人が金融の仕組みからはじき出されているということではないでしょうか?

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貧しい地域の人たちにとって、銀行口座を持つための最低残高や、決済の最低支払い額、システム手数料といった壁はあまりに高すぎる。金融機関のインフラにコストがかかりすぎるせいで、貧しい人たちのささやかな経済活動は犠牲になっているのだ。p66

今の仕組みではある程度のまとまった金額を貸さないと企業としては合わない計算であるため、貧しい人々向けに少額の貸し出しなどをするマイクロファイナンス(小規模金融)の分野は手つかずのままでいるのではないでしょうか。

貧困問題を新たなテクノロジーや様々な組み合わせによって解決に向かっていくといいですね。







【参考リンク】
続きを読む 日本のフィンテックは「貧テック」!?日本はフィンテックの前にITや金融の活用度を上げていく必要がある!|#Fintech