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SGLT2阻害薬により脂肪萎縮性糖尿病に治療に成功|脂肪肝が減少し、糖尿病、インスリン抵抗性が改善|東北大

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■SGLT2阻害薬により脂肪萎縮性糖尿病に治療に成功

SGLT2阻害薬追加→HbA1cの改善→脂肪肝・インスリン抵抗性改善→糖尿病改善
SGLT2阻害薬追加→HbA1cの改善→脂肪肝・インスリン抵抗性改善→糖尿病改善

参考画像:内服薬により難病指定の糖尿病一亜型の治療に成功- 脂肪萎縮性糖尿病に対する新たな治療選択肢を提示 –(2017/3/16、東北大学)|スクリーンショット

内服薬により難病指定の糖尿病一亜型の治療に成功- 脂肪萎縮性糖尿病に対する新たな治療選択肢を提示 –

(2017/3/16、東北大学)

長期にわたってコントロール不良な糖尿病が持続していた先天性全身性脂肪萎縮症に対して、SGLT2 阻害薬であるイプラグリフロジンを投与したところ、脂肪肝が減少し、糖尿病、インスリン抵抗性が著明に改善しました。

SGLT2 阻害薬は脂肪燃焼による内臓脂肪減少効果が報告されており、本例でもそのことがインスリン抵抗性、糖尿病の改善につながったと考えられます。

東北大学病院糖尿病代謝科の今井淳太講師、川名洋平医師、片桐秀樹教授らのグループの研究によれば、脂肪萎縮性糖尿病に対して、尿中へのブドウ糖排泄を促進することにより血糖値を低下させる作用をもつ経口糖尿病治療薬であるSGLT2阻害薬を投与したところ、脂肪肝が減少し、インスリン抵抗性(インスリンが効果を発揮しにくくなる状態)が改善することがわかったそうです。




【背景】脂肪萎縮症とは

脂肪萎縮症は本来脂肪組織から分泌される善玉アディポサイトカイン注 3であるレプチンなどが減少することにより、脂肪肝などの著明な内臓脂肪蓄積、インスリン抵抗性、重症糖尿病を呈します。

皮下注射によるレプチン補充療法が有効な治療法ですが、高価であり、また皮下脂肪がないことによる注射時痛で治療継続が困難な場合があります。

脂肪細胞のホルモン「レプチン」が脳に働き、インスリンの働きを助け、糖尿病を防止するメカニズムを解明|自然科学研究機構・生理学研究所によれば、脳視床下部にある満腹中枢に脂肪細胞のホルモン「レプチン」(「肥満ホルモン」)注入すると、褐色脂肪細胞、心臓での糖の取り込みが促進し、また筋肉においても糖の取り込みが促進したことによって、血糖の上昇が抑えられ、糖尿病の発症を防止すると考えられるそうです。

レプチンは脳の視床下部の満腹中枢に作用して、POMC(プロオピオメラノコルチン)神経と呼ばれる摂食調節神経などの神経回路を活性化させ、交感神経を介して、筋肉や、褐色脂肪細胞、心臓での糖の取り込みを促進し、糖尿病の発症を防止すると考えられるそうです。

脂肪萎縮症はレプチンが減少することで糖尿病が発症しやすい状態になると考えられ、従来の治療法としては、レプチン補充療法が有効なのですが、効果であり、また駐車時の痛みで治療継続が難しいことが今回の研究の背景にありました。

■まとめ

今後、脂肪萎縮性糖尿病の治療法の選択肢の一つとして、SGLT2阻害薬が選ばれるようになるかもしれません。

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