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なぜHbA1cの値が高いと心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まるのか?|国立がん研究センターと東京女子医大など

Health Screening and Disparities Press Conference

by Maryland GovPics(画像:Creative Commons)

病気・症状 > 糖尿病 > 糖尿病の診断基準(血糖値・HbA1c) > なぜHbA1cの値が高いと心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まるのか?




高HbA1c、心筋梗塞や脳卒中増=3万人を追跡調査―がんセンターなど

(2015/6/11、時事通信)

過去1~2カ月間の血糖値の平均を反映するHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値が高いと、心筋梗塞や脳卒中の危険性が強まると、国立がん研究センターと東京女子医大などのチームが11日、発表した。

国立がん研究センターと東京女子医大などのチームによれば、HbA1cの値が高いと、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まるそうです。

→ 糖尿病の診断基準(血糖値・HbA1c) について詳しくはこちら

糖尿病の診断基準(血糖値・HbA1c)によれば、HbA1cは、赤血球に含まれるヘモグロビンにブドウ糖が結びついたもので、赤血球の寿命が長いため、過去1~2カ月の血糖状態を把握できます。

低血糖でも脳梗塞リスクがある?|ヘモグロビンA1cが低くても脳梗塞や心筋梗塞のリスクが上がる|国立がん研究センターによれば、HbA1cが6・5%以上の人は、5・0~5・4%の人に比べ、心血管疾患になるリスクが1・8倍だったそうです。

また、この調査結果によれば、ヘモグロビンA1c(HbA1c)が高い場合だけでなく低くても脳梗塞心筋梗塞のリスクが上がるそうです。

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参考画像:ヘモグロビンA1c (HbA1c)と心血管疾患リスクとの関連について|多目的コホート研究|国立がん研究センター|スクリーンショット

ヘモグロビンA1c (HbA1c)と心血管疾患リスクとの関連について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

心血管疾患を虚血性心疾患、脳梗塞、脳出血に分けて分析したところ、虚血性心疾患はHbA1cが高いほどリスクが高くなるのに対して、脳梗塞や脳出血ではHbA1cが低い群と高い群においてリスクが高くなっていることがわかりました(図2)。

虚血性心疾患はHbA1cが高くなるほどリスクが高くなっており、脳梗塞や脳出血ではHbA1cが高い場合だけでなく低い場合においてリスクが高くなっています。

■なぜ、HbA1cの値が高いと、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まるのか?

なぜ、HbA1cの値が高いと、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まるのでしょうか?

理由としては、

研究チームの後藤温東京女子医大助教は「HbA1cが高いと動脈硬化が進み、心筋梗塞などの危険を高める

と考えられるそうです。

動脈硬化の危険因子には、高血圧脂質異常症高脂血症)、糖尿病肥満、喫煙、運動不足、偏った栄養バランスの食事、アルコール、加齢、ストレスの有無などがあり、動脈硬化が進行すると、日本人の死因の主な原因である心疾患(狭心症、心筋梗塞など)や脳血管疾患(脳梗塞、脳出血など)を引き起こす恐れがあります。

糖尿病にならないような生活習慣をすることで、動脈硬化の進行を食い止め、心筋梗塞や脳卒中の予防ができるということですね。

→ 心筋梗塞 について詳しくはこちら

→ 脳卒中の症状・前兆・原因・予防 について詳しくはこちら







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コーヒーを飲む量を増やした人は、糖尿病にかかりにくくなる!?

a time for a cup of coffee

by Toshihiro Oimatsu(画像:Creative Commons)

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コーヒー消費量増で糖尿病リスク低減か、研究

(2014/4/28、AFP)

コーヒーを飲む量を増やした人は、同じ量のコーヒーを飲み続けている人よりも成人で発症する糖尿病(2型糖尿病)にかかりにくくなるとする研究結果が、25日の欧州糖尿病学会(EASD)の学会誌「ダイアビトロジア(Diabetologia)」に掲載された。

<中略>

研究チームを率いた米ハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health)のシルパ・ブパシラジュ(Shilpa Bhupathiraju)氏は「コーヒー摂取量の変化は、比較的短期間のうちに糖尿病リスクに影響を及ぼすようだ」と述べた。

コーヒーを飲む量を増やした人は、糖尿病にかかりにくくなるとする研究結果が発表されたそうです。

精神的要因、コーヒーと糖尿病との関連について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

コーヒーをよく飲む人たちでは糖尿病発症のリスクが低くなる傾向が見られました。これは男女とも統計学的に有意な傾向でした。コーヒーには、ストレス緩和以外にも、糖尿病リスクを下げるような独自の効果があると考えられます。

コーヒー摂取量と糖尿病発祥の関連を調べた研究においても、コーヒーをよく飲む人たちでは糖尿病発症のリスクが低くなる傾向があり、コーヒーに含まれる何らかの成分に糖尿病リスクを下げる効果があると考えられるそうです。

ただ、記事全体を読むと、今回の研究はコーヒーの飲む量を増やしたことによる短期的な効果があることを示しただけで、長期的にコーヒーの摂取量を増やしたことが糖尿病リスクを減らしたことを示すわけではなく、単純にコーヒーの摂取量を増やして糖尿病を予防しましょうということにはならないようです。

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WHO(世界保健機関)が掲げる「#健康」の定義から考えたこと

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by Tella Chen(画像:Creative Commons)




WHO憲章では「健康」の定義について次のように書かれています。

健康の定義について|日本WHO協会

Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

日本WHO協会訳を参考に訳してみます。

「健康とは、肉体的にも、精神的にも、社会的にもすべて満たされた状態であり、病気にかかっていないとか虚弱であるということではない。」

健康といえば、体が丈夫であるとか、病気にかかっていないというように、医療に限定してとらえていましたが、WHOによる健康の定義によれば、精神面の健康だけでなく、社会的にも安心安全な生活を送ることができているという広い意味で捉えられているようです。

#健康格差 とは|所得や学歴など社会経済的な地位が低いと不健康が多くなる!?によれば、健康格差とは、所得や学歴など社会経済的な地位が低いと不健康が多くなるといわれている格差のことをいいます。

健康格差の研究は1980年代から始まり、WHO(世界保健機関)によって健康格差の要因についてまとめたレポートもあるほど、すでに欧米では深刻な格差の一つとして受け止められているそうです。

#健康格差 は収入・学歴などが要因?|WHO、社会的・経済的な格差が健康の格差を生んでいるによれば、愛知県の高齢者約1万5000人を対象にした調査では、所得水準が低いほど精神疾患や脳卒中、肥満などの割合が高いとの結果が出たそうです。

また、学歴が低いほどがんや外傷による死亡率が高いことや、収入が低い人ほど運動をしていない割合や喫煙率が高いとの研究もあるそうです。

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「所得」「地域」「雇用形態」「家族構成」の4つが「#健康格差」の要因|NHKスペシャルによれば、「所得」「地域」「雇用形態」「家族構成」の4つが健康格差の要因になっていると指摘しています。

自身の健康については自己責任かどうかという議論がありますが、どれくらいの所得がある家庭に生まれるのか、どの国・地域に生まれるのか、どんな職業につくのか(正規雇用・非正規雇用など雇用形態を含む)、どんな家族構成なのか(両親が健在かどうかなど)という要素が含まれているため、簡単に健康は自己責任とはいうことはできないと思います。

自身が恵まれている環境にいることに感謝こそすれ、恵まれていない環境の人を健康は自己責任だからといって切り捨てるというのはやさしい社会ではないと思います。

人は一人では生きていけないとよく言いますが、どんなに金銭的に恵まれていたとしても、孤独は老化を促進し心臓病のリスクを上げる?によれば、孤独は老化を促進し、心臓病のリスクをあげるということがわかったそうです。

社交的な生活が認知症のリスクを減らす可能性=研究によれば、社会的に活発な人はストレスにさらされにくく、孤独で悩みがちな人に比べて、認知症になるリスクは50%低いそうです。

「圏」を持つ人の76.8%が「幸せだ」と感じているによれば、「圏(目的のある自発的な人のつながり)」を持つ人の76.8%が自分を「幸せだ」と感じているそうです。

健康で幸せな生活を送るには、人と人同士がつながりを持つことが大事なのではないでしょうか。







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眼底検査で糖尿病や高血圧、緑内障、加齢黄斑変性などの病気の予測ができる

Royal Navy Medics Treating a Patient

by Defence Images(画像:Creative Commons)




眼底検査で糖尿病や脳卒中を予測

(2010/9/21、産経新聞)

瞳の奥にある網膜などの状態を見る「眼底検査」。

目の疾患だけでなく、高血圧や糖尿病など全身疾患を発見するきっかけにもなることから、企業の健康診断などに取り入れられている。

最近では、眼底検査が将来の病気の発症予測につながることを示唆する研究も出てきた。

専門医は眼底検査の重要性を訴えている。

眼底検査が、目の病気だけでなく、高血圧糖尿病などの病気を発見するきっかけになっているそうです。

また、眼底検査が病気の予測につながるのではないかとする研究も行われているそうです。

■眼底検査とは

眼底検査は、目に光を当ててレンズを使って眼科医が直接のぞきこむ方法と、専用の眼底カメラで撮影して結果を分析する方法の2種類ある。

いずれの場合でも瞳の奥にある網膜や血管、網膜の外側の脈絡膜などの様子をチェックする。

■眼底検査によってわかる病気とは

検査によって、緑内障や糖尿病網膜症、網膜色素変性症や黄斑(おうはん)変性症といった視力障害の原因となる疾患が見つかる。

眼底検査によって、緑内障糖尿病網膜症加齢黄斑変性などの目の病気がわかりますが、眼底検査は目の病気以外の病気の発見にもつながるのだそうです。

だが、「眼底検査は一義的には目の病気を発見し、治すためのもの。でも実は、その情報は眼科だけにとどまりません」と山形大学医学部の山下英俊教授は話す。

「内臓の血管を生きた状態で見ることができるのは網膜だけ。だから、眼底検査は内臓の血管をつぶさに見ていることと同じなのです」。

そのため、網膜の血管の変化から、高血圧や糖尿病などを早期に発見することにつながり、健康診断などに取り入れられている。

眼底検査は、内臓の血管を生きた状態で見ることができる唯一の検査であり、これによって、血管の変化から、高血圧や糖尿病などの病気の早期発見につながるのだそうです。

■眼底検査で病気の発症を予測

最近では、眼底検査によって全身疾患の発症を予測する可能性を示唆するような研究も報告されている。

山形大学医学部が山形県舟形町の住民を対象に行った研究では、血圧が正常であっても眼底検査の結果、「網膜細動脈」と呼ばれる、血管のサイズが細い人の方が太い人に比べて、5年後に高血圧を発症するリスクが高いことが明らかになった。

また、眼底検査によって発見される目の病気の一つで、視野の中心部で物がゆがんだり小さく見えてしまう「加齢黄斑変性症」も、その重症度と、脳卒中や心疾患、認知症の発症率との間に関連があることが分かってきた。

このうち脳卒中の場合では、より重症の新生血管を伴う加齢黄斑変性症は発症リスクが約2倍高いことなども判明。

少しずつだが、眼底をめぐる他疾患との関係性が解明されてきている。

ポイントをまとめます。

  • 血圧が正常であっても眼底検査の結果、「網膜細動脈」と呼ばれる、血管のサイズが細い人の方が太い人に比べて、5年後に高血圧を発症するリスクが高い。
  • 「加齢黄斑変性症」も、その重症度と、脳卒中や心疾患、認知症の発症率との間に関連がある
  • 脳卒中の場合では、より重症の新生血管を伴う加齢黄斑変性症は発症リスクが約2倍高い

眼底検査が様々な病気の発症リスクの判断基準の一つになるようになりそうですね。

40歳を過ぎたら、ぜひ眼の検査(眼底検査)を受けましょう。







目の病気

緑内障

飛蚊症

加齢黄斑変性

白内障

ドライアイ

眼精疲労

老眼

スマホ老眼

糖尿病網膜症

VDT症候群

網膜剥離

近視

結膜弛緩症

斜視(隠れ斜視)

眼瞼下垂・まぶたのたるみ

まぶたの痙攣

翼状片

瞼裂斑

コンタクトレンズと目の病気

紫外線と目の病気

目の症状

目の充血(目が赤い)

目の疲れ

目の痙攣

目の下のくま

目のかゆみ

目が痛い

目のかすみ

肩こり頭痛

目やに

光がまぶしい・目がまぶしい

目がゴロゴロする

ディープ・ラーニングでがんを見つける?|がん検診を人工知能が行なう時代になる!?

Enlitic

参考画像:The wonderful and terrifying implications of computers that can learn | Jeremy Howard | TEDxBrussels|YouTubeスクリーンショット




がん検診は人工知能で!Deep Learningが悪性腫瘍を見逃さない

(2015/8/5、ITpro)

人工知能をがん検診に応用することで、悪性腫瘍を高精度で見つけ出す技術の開発が進んでいる。メディカルイメージをDeep Learningの手法で解析すると、熟練した医師より正確にがん組織などの病変を見つけ出す。

人工知能をがん検診に活用する技術の開発が進んでいるそうです。

■ディープ・ラーニングでがんを見つける?

サンフランシスコに拠点を置くベンチャー企業Enliticは、Deep Learningを医療データに応用したシステムを開発している。イメージデータをDeep Learningの手法で解析し、病気を判定する(上の写真)。イメージデータにはレントゲン写真、MRI、CTスキャン、顕微鏡写真などが使われる。検査結果に悪性腫瘍などがあるかどうかを高速にかつ正確に判定する。

ディープ・ラーニング(深層学習・機械学習)について知らない方のために、「コンテンツの秘密」(著:川上量生)では、ディープラーニングのことをこのように説明しています。

ディープ・ラーニングとは、簡単に説明すると、なにかを学習するときに、いちどに全部を学習するのではなく、基礎から応用へと何段階かに分けて学習するような学習方法のことです。

つまり、ディープ・ラーニングとは、多くの段階に分けて学習を行うことです。

今回紹介したEnliticのシステムは、おそらくディープ・ラーニングの手法で組織構造の特徴を学習させ、被験者の組織画像から悪性腫瘍があるかどうかを組織構造の特性から探し出すものだと思われます。

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The wonderful and terrifying implications of computers that can learn | Jeremy Howard | TEDxBrussels

■IBMのWatsonとの違いは?

IBM Watsonは、人工知能を医療分野に応用し成果を上げているが、Enliticのアプローチとは大きく異なる。Watsonは、Cognitive Computingと呼ばれ、大量のデータから意味を引き出すことを目的とする。医学論文や臨床試験結果など、大量のドキュメントを読み込み、そこから治療に関する知見を得る。医師が治療方針を決定する際に利用する(上の写真)。

一方、Enliticは、Deep Learningの手法でメディカルイメージを解析し症状を判定する。イメージ解析ツールとして位置づけられ、医師の視覚として活躍している。さらにDeep Learningの特性とし、高速で学習する能力を備えている。つまりEnliticは、短時間で熟練医師を超える能力を獲得する。両者共に人工知能を医療分野に適用しているが、そのアーキテクチャーは大きく異なる。

IBMの「WATSON」によってがん治療がスピードアップする!?によれば、Watsonは膨大な量の医療データや論文などのデータベースが格納されており、患者のデータを高速で解析し、医療データを照らし合わせることで、患者に最も最適と思われる治療方針を提案することで、医師や患者が意思決定の支援をするシステムです。

同じ人工知能を活用するシステムといっても、がん治療に対するアプローチは全く違っています。

しかし、人工知能「Watson」に医療画像解析を追加|IBM、Merge Healthcareを10億ドルで買収によれば、IBMは、医療用画像解析技術をMerge Healthcareを買収することで、Watsonに医療画像分析の機能を追加しようとしていると思われるので、その違いは小さくなるかもしれません。

■まとめ

今後は、人工知能を医療に活用されるようになり、IBMのWatsonとEnliticのような画像診断を組み合わせたものもできてくるでしょう。

大事なことは、より多くの患者のデータを得て、より精度の高いシステムを作り上げることです。

そのためには、病院同士が連携して、データを共有していくことが大事になっていくのではないでしょうか。







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