雄生殖器道内でタウリンを吸収した精子は、雌生殖器に侵入した際に浸透圧的ストレスを受けても、受精能力を喪失しない。雄生殖器道内にタウリンが分泌されないと、雌生殖器に侵入した精子は、浸透圧的ストレスによって鞭毛が変形し、受精能力を喪失する。

精子のタウリン不足が不妊を招く!|精子が雌生殖器道内での浸透圧的ストレスを回避するメカニズムの発見|筑波大


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■精子のタウリン不足が不妊を招く!|精子が雌生殖器道内での浸透圧的ストレスを回避するメカニズムの発見|筑波大

雄生殖器道内でタウリンを吸収した精子は、雌生殖器に侵入した際に浸透圧的ストレスを受けても、受精能力を喪失しない。雄生殖器道内にタウリンが分泌されないと、雌生殖器に侵入した精子は、浸透圧的ストレスによって鞭毛が変形し、受精能力を喪失する。
雄生殖器道内でタウリンを吸収した精子は、雌生殖器に侵入した際に浸透圧的ストレスを受けても、受精能力を喪失しない。雄生殖器道内にタウリンが分泌されないと、雌生殖器に侵入した精子は、浸透圧的ストレスによって鞭毛が変形し、受精能力を喪失する。

参考画像:精子のタウリン不足が不妊を招く~精子が雌生殖器道内での浸透圧的ストレスを回避するメカニズムの発見~ (2018/4/20、筑波大学)|スクリーンショット

精子のタウリン不足が不妊を招く~精子が雌生殖器道内での浸透圧的ストレスを回避するメカニズムの発見~

(2018/4/20、筑波大学)

精巣において形態的分化を終えた精子は、精巣上体管を通過しながら様々な機能性成分を取り込んだり、機能を終えた分子を放出することにより、受精機能を獲得します(これは「精巣上体成熟注1」と呼ばれています)。タウリンは、精巣上体管内腔液に豊富に存在しており、一般的に細胞内浸透圧調整、抗酸化作用、細胞膜安定化など様々な機能を有していることが知られています。精子においても、タウリンには精機能性改善効果があることが古くから知られていました。しかし、その分子メカニズムは不明でした。

システインジオキシゲナーゼ(CDO)はシステイン代謝系の中核的酵素であり、タウリン合成を制御しています。Stipanuk教授の研究グループにより、CDO欠損マウスの雄は原因不明の不妊となることが報告されています。本研究では、このノックアウトマウスを使い、CDOの生殖系器官における発現と機能に加え、雄の不妊を引き起こす分子メカニズムの同定を試みました。その結果、CDOは精巣上体領域において豊富に発現してタウリン合成を司ること、また、精子は精巣上体管内腔液からタウリンを吸収することで、雌の生殖器道に侵入した際の浸透圧的ストレスに対する耐性を獲得することがわかりました。

ヒト生殖医療で好発する受精障害の主因は、精子や卵子の機能障害です。しかし、その分子メカニズムの解明はあまり進んでいません。本研究により、CDO欠損雄マウスの精子は、タウリン不足によって受精能力を喪失することが明らかになりました。このことから、ヒトにおける精巣上体成熟の分子メカニズム解明のみならず、原因不明とされてきた受精障害の有効な検査法および治療法の開発が期待されます。

国立大学法人筑波大学生命環境系/つくば機能植物イノベーション研究センター 浅野敦之助教の研究グループとコーネル大学のTravis教授およびStipanuk教授との共同研究によれば、1.精子は雄生殖器道内でタウリンを吸収することで雌生殖器侵入時の浸透圧的ストレスによる受精能力喪失を回避すること、2.精子のタウリン不足が不妊を招くことがわかったそうです。

精子のタウリン不足が不妊を引き起こす原因の一つであることがわかったことから、今後タウリンと精子の関係に着目した不妊治療法の開発も進められていくことが考えられます。

→ タウリンとは|タウリンの効果・効能|タウリンの多い食品・食べ物 について詳しくはこちら




■まとめ

DHAが不足すると視力低下や男性不妊の原因となる!?|国立国際医療研究センターで紹介した国立国際医療研究センターの研究によれば、DHAが不足すると視力低下や男性不妊の原因となる可能性があるようです。

→ DHA・EPAとは|DHA・EPAの効果・効能・食品・摂取量 について詳しくはこちら

オメガ3脂肪酸は精子によい影響がある|脂肪分の高い食事が精子に影響する?によれば、魚や植物油に含まれるオメガ3脂肪酸は精子によい影響があるそうです。

→ オメガ3脂肪酸|オメガ3の効果・効能・食べ物(オイル)・ダイエット について詳しくはこちら

また、精子を作るためには亜鉛が欠かせません。

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つまり、今回取り上げたニュースと総合すると、魚介類を含む食事をすることが男性不妊予防に重要だといえるのではないでしょうか?

国民一人一日当たり魚介類と肉類の摂取量の推移|水産庁
国民一人一日当たり魚介類と肉類の摂取量の推移|水産庁

参考画像:水産物の消費動向|水産庁(スクリーンショット)

麻布大学の守口徹教授によれば、オメガ3は青魚などの魚から摂るのが一番効率よいそうですが、水産庁による国民一人当たりの魚介類と肉類の摂取量推移によれば、平成18年には初めて肉類の摂取量が魚介類を上回り、21年には肉類と魚介類の摂取量が上回り、その差が拡大しているそうです。

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もっと魚介類を含む食生活をしていきましょう!

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