糖化のトリセツ/糖化測定器で寿命が予測できる?/糖化度チェックリスト/糖化年齢の高い人は食後高血糖の人が多い!【トリセツショー】




2025年4月10日放送のNHK「トリセツショー」のテーマは「糖化のトリセツ」でした。

■糖化とは?

「糖化」とは、私たちの体内にある大切なたんぱく質と、食事によって摂取した「糖」とが結びつくことで、糖化したたんぱく質AGE(糖化最終生成物)が生成され、体内に蓄積してしまうことです。

糖化・AGEsのことを知って、アンチエイジング・病気予防!によれば、糖化は、老化を促進するだけでなく、肌のシミ、シワ、たるみだけでなく、骨、血管、脳にも影響を与えます。

糖化によって起こる症状をまとめてみます。

【肌】

  • 肌のキメが粗くなる
  • シワ、くすみの増加
  • 肌のたるみ
  • カサつき、ゴワつき
  • 体もたるむ

【病気】

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■「糖化」で寿命が予測できる?

2018年、オランダのフローニンゲン大学がAGEの蓄積度を測定する糖化測定器を使って調べたところ、AGEの蓄積度が高いグループは、低いグループに比べて糖尿病や心臓病になるリスクが3倍、死亡リスクは5倍になることが分かったそうです。

【補足】

血液中の糖のコントロール状態を示す「HbA1c(ヘモグロビンA1c)」と、皮膚で測る「SAF(皮膚自己蛍光)」という2つの方法で2型糖尿病の人が将来「血管のトラブル」(心臓病や目の病気など)を起こすリスクを予測する方法を調べた研究です。

SAF:皮膚にたまった「AGE(終末糖化産物)」という物質を光で測る方法。AGEは、糖が体の中で悪さをした結果できる物質で、血管を傷つける原因になります。

この研究によれば、HbA1cが高い人は、微小血管合併症(目や腎臓の細かい血管のトラブル)が起こりやすく、SAFが高い人は、「大血管イベント」(心臓病や脳卒中など大きな血管のトラブル)が起こりやすかったことから、SAFは、大血管イベントを予測するのに役立つことがわかりました。

【参考リンク】

■糖化しやすい人の特徴とは?

最近の研究により、血糖値が正常な健康な人々の中にも糖化が進んでいる人がいることが分かってきたそうです。

昭和医科大学の山岸昌一さんが健康な日本人1万人のAGEを測定し、生活習慣を調査し、健康な人でも糖化が進んでいる人に特徴的な生活習慣をもとに作った番組独自の「糖化度チェックリスト」が紹介されています。

【糖化度チェックリスト】

□ 運動不足である(30分程度の運動を週1回以下)
□ 睡眠不足である(5時間未満が週4日以上)
□ 甘いものをよく食べたり飲んだりする
□ ふだんから朝食をよく抜く
□ 食後に急激な眠気を感じることがある
□ 夕方にけん怠感やだるさを感じることがある
□ こげの多い食品や加工食品を多くとっている
□ アルコールをよく飲む(ほぼ毎日)
□ たばこを吸っている

※チェックが3~4つ→糖化リスクに【注意】
※チェックが5つ→糖化リスクに【要注意】

以前紹介された糖化チェックを見てみるとその違いがわかります。

□甘いものの間食が多い
□丼物が多い
□アメやお菓子が周りにある
□ペットボトルの清涼飲料水をよく飲む
□甘辛い料理が多い
□ごはんや麺類などの主食をしっかり食べたい
□野菜や豆類が嫌い
□夜食を食べることが多い
□早食いをする
□運動不足

以前の糖化チェックリストはほとんど食事の内容が中心でしたが、今回番組で紹介されたチェックリストでは、睡眠不足であったり、朝食抜きだったり、食後の眠気、夕方の倦怠感、アルコール、たばこというように、血糖値スパイク(食後高血糖)に関連していたり、悪い生活習慣に挙げられていることが実は糖化の症状につながっていることがわかります。

■糖化年齢の高い人は食後高血糖の人が多い!

糖化測定器で「糖化年齢が実年齢よりも高い」と判定された方5人に、血糖値を24時間モニタリングできる機器をつけて調べてみたところ、5人中4人が食後高血糖(食後に血糖値が急上昇する)であることが分かったそうです。

【補足】

糖尿病のこれまでの診断基準は、空腹時血糖値または食後血糖値を基準に診断されていましたが、血糖値は、食事や運動の影響を受けやすく、検査前の一時的な節制をすることで数値が変わってしまい、より適正な診断ができない可能性がありました。

隠れ糖尿病の原因となる脂肪肝と脂肪筋の簡単改善法のやり方!|#ためしてガッテン(#NHK)によれば、隠れ糖尿病とは、空腹時は正常な血糖値であっても、食後は基準値以上の血糖値=高血糖になってしまう状態のことをいいます。

隠れ糖尿病と普通の糖尿病との違いは、普通の糖尿病は空腹時の血糖値が高いのですが、隠れ糖尿病は、空腹時の血糖値は正常であるため、通常の健康診断では見つけるのが難しいのです。

そこで注目されたのが、ヘモグロビンA1c(HbA1c)。

HbA1cは、赤血球に含まれるヘモグロビンにブドウ糖が結びついたもので、赤血球の寿命が長いため、過去1~2カ月の血糖状態を把握できます。

HbA1cを診断基準として導入すると、短期間の血糖の状態ではなく、長期的に見た血糖状態が把握できることで、より適切な判断ができるということのようです。

ただこのHbA1cは長期的に見た血統状態の把握に向いているのですが、「一日の中で血糖値が上下動する様子は捉えられない」という弱点がありました。

そこで新たな評価指標「TIR(Time in range)」が用いられるようになってきているそうです。

糖尿病の新たな診断指標「TIR(ティーアイアール)」とは?CGM(シージーエム)による血糖値のリアルタイム計測によって生まれた血糖値管理で高血糖と低血糖を回避する!によれば、TIRはCGM(Continuous Glucose Monitoring、持続血糖測定器)によって血糖値をリアルタイムで計測できるようになったからこそ、生まれた考え方ですね。

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■食後高血糖を防ぐには

血糖値を下げる方法|ngsp(エヌジーエスピー)値を下げるには?血糖値(HbA1c;ヘモグロビンエーワンシー)を抑える食べ方|#たけしの家庭の医学によれば、血糖値を抑えるには、食後一時間以内にエネルギーを消費するとよいそうです。

食後一時間以内に運動や入浴をすると、エネルギーとして糖分が消費され、血糖値は抑えられるそうです。

→ 糖化の症状・原因・チェック・糖化を防ぐ方法 について詳しくはこちら







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