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納豆に含まれるナットウキナーゼには血栓を溶かす効果があるといわれています。
そこで、血栓ができるメカニズムやナットウキナーゼの効果についてまとめてみました。
【目次】
■血栓の原因(血栓ができるメカニズム)
血栓の原因となるのは「フィブリン(Fibrin)」という物質です。
フィブリンは傷ができた時に固まって止血する役割を持っていますが、フィブリンが網目状になって固まってしまうと、血栓ができてしまいます。
できあがった血栓を電子顕微鏡で観察すると、網目状の物質が赤血球や白血球など他の血液成分をからめ取っています。
フィブリンは恐怖やストレスなどに影響しやすい成分で、ストレスを感じるとフィブリンが働いて、血栓ができやすくなるそうです。
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■フィブリンが固まりやすくなる理由
フィブリンが固まりやすくなる理由は、2つ。
1.心房細動によって、血液が淀んで固まりやすくなる
通常心臓は規則的に一分間に60から100回拍動しますが、心房細動になると、心臓は不規則に300回以上拍動します。
<不整脈>飲酒量の増加で危険性高まるによれば、心房細動が起きると、心臓内の血がよどんで血のかたまり(血栓)ができやすくなり、それが脳の血管に詰まると重症の脳梗塞につながるそうです。
2.動脈硬化によって、血管が傷だらけになると、傷を治そうとして固まりやすくなる
体中の血管が動脈硬化によって傷だらけになると、フィブリンはその傷を治そうとして固まりやすい状態になります。
そして、そのフィブリンが心房細動によって、よどみやすくなった心臓に戻ってきたとたん、巨大血栓を作ってしまうのです。
⇒ 動脈硬化 について詳しくはこちら。
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■納豆に含まれるナットウキナーゼには血栓を溶かす効果がある!?
ナットウキナーゼ|日本ナットウキナーゼ協会
ナットウキナーゼには、血栓の主成分であるフィブリンに直接働きかけ分解(溶解)する作用、身体の中の血栓溶解酵素であるウロキナーゼの前駆体プロウロキナーゼを活性化する作用、さらに血栓溶解酵素プラスミンを作り出す組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)量を増大させる作用があります。
さらに、最近の研究で、ナットウキナーゼには血栓を溶けにくくする血栓溶解阻害物質PAI-1を分解する作用、オイグロブリン溶解時間の短縮作用があり、血栓溶解活性の増強作用があることがわかってきました。
ナットウキナーゼには血栓を溶かすために役立つ効果がいくつかあるようです。
- 血栓の主成分であるフィブリンに直接働きかけ分解(溶解)する作用
- 身体の中の血栓溶解酵素であるウロキナーゼの前駆体プロウロキナーゼを活性化する作用
- 血栓溶解酵素プラスミンを作り出す組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)量を増大させる作用
(2015/6/16、NEWSポストセブン)
納豆の効能成分ナットウキナーゼには血栓を溶かす作用があり、食後7、8時間効果が持続する。
ナットウキナーゼの持つ血栓を溶かす効果は食後7、8時間持続するそうです。
ナットウキナーゼと循環器疾患の関係に関する研究ではないのですが、納豆と循環器疾患との関係を調べた研究がおこなわれています。
(2017/2/4、STYLE NIKKEI)
循環器疾患による死亡のうち、脳卒中による死亡のリスクは、大豆タンパク質の摂取量と納豆の摂取量が多いほど低く、下位25%と比較した上位25%群の脳卒中死亡リスクは、大豆タンパク質では25%、納豆では32%低くなっていました。
<中略>
納豆を多く摂取する人(上位25%群)では、虚血性脳卒中による死亡のリスクも33%低下していましたが、出血性脳卒中による死亡については、納豆との関係は明確にはなりませんでした。
高山スタディによれば、納豆の摂取が循環器疾患死亡のリスクを下げる可能性を世界で初めて示しました。
■まとめ
血栓を予防するためにも、一日の食事に納豆を一品加えてみませんか?
【追記(2017/4/30)】
ただ、「納豆 血栓」と検索すると、納豆では血栓予防ができないという意見もありました。
納豆に含まれるナットウキナーゼには血栓を溶かす効果があるとしても、納豆として食べて消化・吸収されたときにナットウキナーゼがそのままの状態でいくかどうかが確かに気になるところではあります。
納豆と血栓の関係について、新しい情報を見つけましたら、追記したいと思います。
→ 心筋梗塞の症状・原因・前兆・予防 について詳しくはこちら
→ 脳梗塞の症状・原因・予防 について詳しくはこちら
→ 脳卒中の前兆・原因・予防 について詳しくはこちら
【参考リンク】
納豆キナーゼと線溶系|須見洋行|JStage
腸溶カプセルにしたNKの投与(図3-a, b),あるいは納豆の摂取(表3)*5はヒト血液内の線溶活性の亢進(ELT短縮あるいはEFA増加)を1~6時間にわたって持続した(15~18).
また一過性であるが血栓の分解産物(FDP)も増加させることがわかった*6.
さらに,その作用で臨床で最も注目されているのは,投与後血中に生じるプラスミノーゲンアクチベーターの抗原性が現在第二世代の血栓溶解剤として開発されつつあるTPAと一致することである(図3-c).
つまり,腸内に入った納豆中のNKが直接血栓に働くというより間接的に生体自らが持つ(恐らく血管の内皮細胞由来の)プラスミノーゲンアクチベーターの産生を促して血中の線溶亢進をひき起こすと考えられるのである*7.
【参考リンク】
- Nagata C, Wada K, Tamura T, Konishi K, Goto Y, Koda S, Kawachi T, Tsuji M, Nakamura K. Dietary soy and natto intake and cardiovascular disease mortality in Japanese adults: the Takayama study. Am J Clin Nutr. 2017 Feb;105(2):426-431. doi: 10.3945/ajcn.116.137281. Epub 2016 Dec 7.
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