【目次】
■服薬支援ロボ+介護健診ネットワークの連携で高齢者の服薬管理の改善が期待される
by tr0tt3r(画像:Creative Commons)
服薬支援ロボを活用した「服薬支援クラウドサービス」日立システムズとクラリオン、笠間市と共同実証
(2016/6/27、日経デジタルヘルス)
服薬支援クラウドサービスは、クラリオン開発の服薬支援装置「服薬支援ロボ」を活用し、誤飲防止などの服薬管理と、患者を中心とした包括ケアに関わる関係者の業務効率化を支援するクラウドサービスとなる。
日立システムズとクラリオンは、2016年4月から茨城県笠間市が運用する「介護健診ネットワーク」に「服薬支援クラウドサービス」の試験導入と、その連携に関する実証実験を実施しました。
今回の実証実験の結果どのような結果が得られたのでしょうか。
その結果、自分で薬が飲めなかった患者が、服薬支援ロボの支援により自分で自発的に薬を服用できるようになったとする。予定時間に服薬されなかった場合も、ロボットが再度服薬をアナウンスすることで飲み忘れを防げたという。
また薬剤師は、介護健診ネットワークを通じて要介護者の服薬状況が確認可能になった。
服薬支援ロボにより自発的に薬を服用できるようになったり、飲み忘れを防ぐことができたり、薬剤師は要介護者の服薬状況が確認できるようになったそうです。
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■高齢者の薬のもらい過ぎが問題になっている!
なぜ高齢者の薬のもらい過ぎという問題が起きるのか?によれば、次のような理由で高齢者の薬のもらい過ぎという問題が起きています。
- 高齢者になると複数の病気にかかることが多い
- 複数の医療機関・複数の薬局にかかる
- 薬剤師は「お薬手帳」で患者がどんな薬を飲んでいるか把握するが、薬の重複がわかっても、薬の整理までは手が及ばない
- 医療機関に問い合わせてもすぐに返事がもらえず、患者を待たせないため、処方箋通りに薬を渡せばよいと考える薬剤師がまだ多い
- 薬の情報が、医師や薬剤師間で共有されていない
例えば、緑内障 患者判断で治療中断18.7%によれば、「大した症状がない」、「継続受診が面倒」、「治療効果が実感できない」など病気自体への理解度が低いことや治療効果についての理解が低いという理由で、患者判断で緑内障の点眼治療を中断してしまっているそうです。
処方された薬を適切に服用できずに、その結果、症状が悪化して薬が増えてしまい、また、その薬を飲み残してしまい、症状が更に悪くなっていく悪循環に陥ってしまうこともあるようです。
■まとめ
高齢者宅には年475億円分の残薬(飲み残し・飲み忘れの薬)がある!?|解決する4つの方法では、服薬忘れ防止システムなどの提案を行ないましたが、今回の実証実験の結果によれば、服薬忘れ防止システムは効果的であることがわかりました。
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また、薬剤師は、介護健診ネットワークを通じて要介護者の服薬状況が確認可能できるようになっていますが、このことも高齢者の服薬状況をチェックすることにより、不要な薬を減らすことであったり、治療にもつながることが期待できます。
今後服薬支援ロボ+介護健診ネットワークとの連携によって、高齢者の服薬管理のあり方が変わっていきそうです。
→ 高齢者への不要な薬を減らすためには、かかりつけ薬剤師・薬局の役割が重要になる について詳しくはこちら
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