> 健康・美容チェック > 中性脂肪 > 近赤外光を当て、採血なしで中性脂肪を測定する機器開発
by Drew Selby(画像:Creative Commons)
注射嫌いの人には朗報!?採血なしで中性脂肪を測定する機器開発
(2016/9/20、ニュースイッチ)
メディカルフォトニクスは北海道大学大学院情報科学研究科の清水孝一教授の研究成果を発展させて測定機器の技術開発に取り組んだ。生体内の光散乱理論を基に、腕などに近赤外光を当て体内透過光を分析。人体の散乱係数と吸収係数を同時に計測することで、血中脂質を測定する。収集したデータはパソコンやスマートフォンなどに転送できる。
メディカルフォトニクスは、採血せずに、近赤外光を当てて血液中の中性脂肪を測定できる機器を開発したそうです。
以前、指先に光を当てるだけで中性脂肪値が測定できる装置が開発される!?では産業技術総合研究所が開発した、持ち運び可能な大きさの光ファイバーの先端にかざした指先に、「近赤外光」と呼ばれる可視光と赤外線の間の波長の光を照射し、人体に比較的吸収されにくい性質を利用し、透過した光を分析して血中の中性脂肪の濃度を調べるという装置を紹介しましたが、そのアイデアに近いものといえそうです。
■近赤外光とは?
身体に負担なく何度でも血中脂質を測定できる高感度分光装置を試作
(2014/10/15、産総研)
可視光と赤外光との境界付近の波長の光。一般的には、波長0.7-2.5 µm程度の光を指す。可視光(0.4-0.8 µm)、赤外光(2.0-20 µm)は電子に吸収されるが、可視光は分子内を動く電子に吸収され(物が色づいて見える原因のほとんど)、赤外光は分子の振動など、結合に係る電子に吸収される。(分子振動が活発となり温度が上がる。温かいと感じる原因。)一方、近赤外光はこれら吸収の中間的なエネルギーであるためいずれのメカニズムによる吸収も起こりにくく、可視光や赤外光に比べて、比較的透過性が高い。
「近赤外光」と呼ばれる可視光と赤外線の間の波長の光で、人体に比較的吸収されにくい性質があります。
■光を当てて分析を行ない健康管理・治療に活かす
近赤外光などの光を当てて分析を行ない健康管理・治療に活かすというアイデアが広まっていますね。
■血糖値管理
●スマホのフラッシュやカメラ機能を使い、血糖値管理ができる技術が研究されている!?
スマートフォンのフラッシュ機能やカメラ機能を活用して、血糖値の検査を行ない、血糖値コントロールができないかという研究が行われているそうです。
東京大生産技術研究所と技術研究組合「BEANS研究所」が行なったマウスによる実験結果によれば、血糖値を測定する方法として、ブドウ糖の濃度に応じて異なる強度の光が出る物質でごく小さな粒を作って体内に埋め込み、外から光を測定する方法が有効なのだそうです。
Implantable blood sugar sensor : DigInfo
→ 血糖値とは|血糖値を下げる食品・正常値・空腹時血糖値・食後血糖値 について詳しくはこちら
■うつ病
光トポグラフィーは頭に近赤外線を当て、反射してくる光から脳血流の変化を読み取り、脳の活動状態を数値化する装置なのだそうで、健常者の場合は、脳の使い始めにどっと血流量が増え、活動中は高値で維持されるのに対し、うつ病患者は課題の始まりに反応するが、血流量がなかなか増えないという特徴があるそうです。
■貧血
「HEMAAPP」|採血なしでスマホで手軽に貧血チェックができるアプリを開発|ワシントン大学
米国ワシントン大学の研究チームが開発したアプリ「HemaApp」は、スマホのフラッシュ部分に指を当てながら撮影し、血液のヘモグロビン濃度を調べて貧血かどうかを判断することができるそうです。
→ 貧血 について詳しくはこちら
■がん光治療
がん光治療(近赤外線でがんを壊す新治療法)の治験が始まる|米国立保健研究所など
小林久隆・米国立衛生研究所(NIH)主任研究員らの研究チームによれば、体の外から光(近赤外線)を当てて、がん細胞を免疫の攻撃から守っている仕組みを壊し、がんを治す動物実験に成功したそうです。
■まとめ
注射器嫌いの人に朗報!「針なし注射器」の開発に成功-芝浦工大で紹介したように痛みのない注射針などの発明も進んでいるようですが、注射針を刺して採血するというのは利用者によっては負担があるものですので、採血なしで検査をできるというアイデアは今後も注目を集めていくのではないでしょうか。
→ 中性脂肪とは・数値(正常値)・高い原因・下げる(減らす) について詳しくはこちら
→ 中性脂肪の減らし方(食事・運動・サプリメント) について詳しくはこちら
→ 中性脂肪が高い人の食事の特徴 について詳しくはこちら
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