■ケアマネ就業先のICT・介護ロボット導入の現状とは?
参考画像:ケアマネ就業先のICT・介護ロボット導入は2割、高額な導入費用などの課題も~【ケアマネドットコム調べ】「ケアマネ就業先におけるICT・介護ロボット活用実態調査」~(2017/12/8、エス・エム・エス)|スクリーンショット
ケアマネ就業先のICT・介護ロボット導入は2割、高額な導入費用などの課題も~【ケアマネドットコム調べ】「ケアマネ就業先におけるICT・介護ロボット活用実態調査」~
(2017/12/8、エス・エム・エス)
ケアマネ就業先におけるICT・介護ロボットの導入、「導入していない」(79.0%)が「導入している」(21.0%)を大きく上回る
「ケアマネ就業先におけるICT・介護ロボット活用実態調査」を実施したところ、「ケアマネ就業先におけてICT・介護ロボットを導入していますか?」という質問に対して、「導入している」(21.0%)が「導入していない」(79.0%)を大きく下回る結果となっています。
その理由としては、「導入経費が高額だから(54.5%)、「導入効果がわからないから」(32.0%)、「導入までの準備や手続きが大変そうだから」(24.2%)となっています。
導入についてのハードルは高いようですが、実際に導入後の満足度を調査したところ、効果に「満足している」(57.2%)が「満足していない」(9.5%)を上回る結果となっています。
「介護記録支援システム」や「コミュニケーション情報共有システム」などICT・介護ロボットの導入によって得られた効果としては、「現場の業務効率化、残業時間削減」(52.2%)、「従業員の業務負荷、心理的負担の軽減」(41.7%)、「ペーパーレスによる書類の保管場所の削減」(37.4%)となっています。
導入したが満足していない理由としては「使いにくい、使いこなすのが難しい」(63.2%)、「職員が使い方を覚えたり業務に浸透させる時間がない」(36.8%)、「他システムやソフトとの連携ができない」・「維持費用が高額」(15.8%)となっています。
この結果をまとめると、使いこなせなかったり、他のシステムとの連携ができなかったり、導入費用が高額というような導入をする手前の段階で悩んでいるところが多い一方で、実際にICT・介護ロボットを導入したところは効果に満足をしている所が多いという結果が出ています。
■解決すべきポイントは「いかに導入のハードルを下げることができるかどうか」
つまり、解決すべき問題は、使い方を簡単にする、他のシステムとの連携がスムーズにいく、導入・維持費用を低くするといったように、いかに導入へのハードルを下げるかにあるかというところにありそうです。
参考画像:ケアマネ就業先のICT・介護ロボット導入は2割、高額な導入費用などの課題も~【ケアマネドットコム調べ】「ケアマネ就業先におけるICT・介護ロボット活用実態調査」~(2017/12/8、エス・エム・エス)|スクリーンショット
今回のアンケート調査でも「介護業界全体のICT・介護ロボット導入が進むためには、どのような条件が必要だと思いますか?」という質問に対して、「操作がわかりやすく簡単なこと」(78.2%)、「セキュリティが強固なこと」(56.1%)、「初期導入経費に対する支援」(52.1%)と同様の結果が出ています。
大事なことは、介護現場にいる人たちにいかにテクノロジーが介護の仕事に役立つのかということを理解してもらえるような製品やサービスを作ることなのでしょう。
介護の現場にいる人がICT・介護ロボットの導入についてのコメントをしていますが、ここにヒントがあるのではないでしょうか?
・データ入力が時間内に終わらない。ICT化により時間を効率的に使えるようになるので、デスクワークでのストレスがなくなり、とても有用と考えます。(男性、40代、沖縄県、居宅勤務)
・今後増々進む人材不足のなか生産性の向上のためには必須だが、皆がそれに対して同じ方向に向かうことが必要(女性、50代、島根県、地域包括支援センター勤務)
・導入に対するコストと使いこなすまでの人材教育の時間が課題だと思う(男性、30代、千葉県、介護老人保健施設勤務)
・ICTに弱い人が多く、タブレットごときでも導入できていない。(女性、60代、東京都、居宅勤務)
・絶対必要。今は導入コストや時間が手間と考えられるが、国が強制力や実施した事業所に補助金を付けても行うべき。(男性、40代、奈良県、居宅勤務)
・アセスメントやケアプラン作成に時間をかけると、定時退社は絶対出来ないです。効率よく、残業せずに仕事が出来る何かがあるといいと思います。いつまでも仕事は終わらないですし、持ち帰って仕事をされているケアマネが殆どです。(女性、50代、栃木県、居宅勤務)
・まだまだ普及がすすんでいないと感じる。高価なことが一番の原因では?実際に使っているところの事例(いい例も悪い例も)がたくさん見られれば、もっと活用意欲が出るかもしれない。(女性、40代、石川県、グループホーム勤務)
・介護ロボット、ICT化は開発の途についたところであり、未だ使い勝手も十分ではなくコストも高く便利なものと実感ができていない。業務の効率化、コスト削減を図れるよう今後の進化、進展を期待している。(女性、40代、東京都、居宅勤務)
・介護の近代化のためにも、現場の声を汲み上げながら、現場にマッチしたものを導入していけると良い。(女性、50代、青森県、特別養護老人ホーム勤務)
・今後ICT化になることで情報の透明性、時間の節約、連携など効率的になると思う。例えば、施設(ショート)デイ等の情報をタブレットなどで映像付きで説明すると利用者、家族の選択がしやすくなるメリットがある。今はパンフレット位しか資料として提供できないため漠然としたものがある。担当者会議等も現場に集合しなくてもビデオで意見交換も可能となり、移動などでかかる時間的コストが減る。全ての事業所がICT化の環境になればいずれ実現できると期待する。(女性、50代、東京都、居宅勤務)
例えば、そもそもデータ入力を必要としないシステムを作ることができないか、というような介護の現場に携わる人たちが介護のことだけに集中できる仕組みを作り上げることができれば、きっと導入に対して否定的だった人たちも少しずつ導入してみようかと検討をするものだと思います。
いかにICT・介護ロボット導入のハードルを下げていくかが今後の鍵となりそうです。
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