熱中症は自宅での発症が最も多い!熱中症になったらどう対処したらいいの?

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■ 熱中症の症状

Time dreamer - still trapped (in time/in dream) after two weeks

by Cristian Bortes(画像:Creative Commons)

熱中症:高齢者、室内でも注意 気温上昇、脱水…気付かず重症化

(2010/8/3、毎日新聞)  

1度(熱失神・熱けいれん、現場での応急処置で対応できる軽症)=めまい、失神、筋肉痛、こむら返り、大量の発汗 2度(熱疲労、病院搬送が必要な中等症)=頭痛、気分の不快、吐き気、嘔吐(おうと)、倦怠(けんたい)感、虚脱感 3度(熱射病、入院して集中治療が必要な重症)=意識障害、けいれん、手足の運動障害、体に触ると熱いぐらいの高体温 ※日本救急医学会の資料から

→ 熱中症の症状・対策・予防 について詳しくはこちら

■ 熱中症は自宅での発症が最も多い!

独立行政法人・国立環境研究所のまとめでは、09年夏に熱中症で救急搬送された20都県市の2835人のうち、自宅での発症が591人(21%)で最も多かった。

三宅康史・昭和大准教授は「今の住宅は密閉性が高く風通しが悪く、窓を閉め切り冷房を使わないと、室内は外気温以上に上がる。

また高齢化で、体温の調節機能が衰え熱中症になりやすい高齢者が室内にいる割合が高くなった」と説明する。

独立行政法人・国立環境研究所によれば、熱中症で緊急搬送された人のうち、自宅での発症が最も多かったそうです。

その理由としては2つ。

1.住宅の密閉性

今の住宅は密閉性が高く風通しが悪く、窓を閉め切り冷房を使わないと、室内は外気温以上に上がること。

2.高齢化

体温の調節機能が衰え熱中症になりやすい高齢者が室内にいる割合が高くなったこと。

【追記(2017/6/10)】

<汗ばむ季節>熱中症の意外な誤解 正しい知識で予防を

(2017/6/10、毎日新聞)

発症場所の1位が居間、2位が寝室、3位がトイレとの統計があるため、それらが発症の危険性が高い場所だと思われている。

現実には若者の熱中症患者のほとんどがスポーツや肉体労働の最中に屋外で発症しており、高齢者が日常生活の中で発症するケースは屋内と屋外が半々だという。

帝京大医学部付属病院の三宅康史・高度救命救急センター長によれば、熱中症の発症場所は統計上室内となっていますが、居間は生活する時間が長い場所で、寝室は体調が悪くなって休んでいる場所で、トイレは吐いたりする場所であるため、必ずしも家の中が熱中症の発症リスクが高いというわけではないそうです。

ただ、室内にいるからといって熱中症の症状が現れないということではないので、熱中症らしき症状が現れた時には注意が必要です。

 

■ なぜ、熱中症が起こるのか?

人間の体は暑さを感じると、皮膚に血液を多く流したり、汗を出して体温を下げる。

血液には熱を運ぶ役割があり、皮膚を流れる血管を通る時に熱を外に出す。

汗は体から蒸発する時に体の熱も一緒に放出している。

ところが、気温が高い状態が長く続くと大量に発汗して水分や塩分が失われ、血液中の水分を奪い、汗が出なくなったり臓器に流れる血流量に影響する。

また、気温が30度を超えなくても湿度が高いと汗が蒸発せず皮膚の表面にたまり、熱もこもったままになる。

こうしたバランスの崩れが熱中症の症状を引き起こす。

気温が高い状態が長く続くと、発汗して、水分や塩分が失われてしまうそうです。

また、湿度が高いと、汗が蒸発せず、熱がこもったままの状態になるそうです。

その結果、体の中の熱が放出されず、熱中症となってしまうようです。

 

■ 熱中症とエアコン

今夏の室内での死亡例を見ると、エアコンが作動していなかったケースが目立つ。

<中略>

調査責任者の三宅准教授は「室内は決して安全な場所でないと肝に銘じ、湿度計付き温度計を置き、室温28度、湿度70%を超えたらエアコンを使ってほしい。例年患者のピークはお盆ごろまで。あと約2週間を乗り切って」と訴える。

室温28度、湿度70%を超えたらエアコンを使ったほうがいいようです。

 

■ 熱中症と水分補給

室温調整とともに重要なのが水分補給だ。筑波メディカルセンター病院の管理栄養士、遠藤祥子(やすこ)さんは「のどの渇きを感じる前に、こまめに水分を取るよう心がけて」と話す。

遠藤さんによると、男性は体重の約60%、女性は約55%が水分。体重60キロの男性の場合は36キロ(36リットル)で、このうち汗や排せつなどで1日計2・5リットルが体外に出ているが、食事と飲料、体内で作られる代謝水で計約2・5リットルを補い、バランスを保っている。

水分補給は、室内で普通に生活したり軽く汗ばむ程度なら、水か甘くないお茶で十分。冷たすぎるとおなかを壊しがちだが、熱中症の発症後には効果的。吸収が速いうえ体温を素早く下げるからだ。利尿作用があるアルコールや糖分が多いジュース類は脱水を進めるため不向きという。

ただし発熱や下痢をしている人はかかりつけ医に相談しよう。水分はトマトやキュウリ、スイカ、みそ汁やスープ類でも補える。塩分や糖分の取り過ぎに気をつけ、上手に水分コントロールしたい。

熱中症を予防するには、喉の渇きを感じる前にこまめに水分を取ることが大事です。

多くの人がのどがかわいてから水分を補給したら良いと考えがちです。

しかし、高齢者の場合には、喉の渇きを感じづらく、喉が渇いてからでは水分が失われすぎているということがあるようです。

そのため、喉の渇きを感じる前に、こまめに水分補給をしたいですね。

 

■ 熱中症と高齢者

消防庁消防・救急課によると、今年5月31日~7月25日の間に熱中症のため救急搬送された人は全国で1万5114人で、うち46・4%にあたる7014人が65歳以上だ。

高齢者が熱中症になりやすいのは、主に加齢による体の衰えが原因だ。

気温の上昇に鈍感になり、脱水症状が始まっても自分で体の異変に気付きにくくなる。

家族ら周囲も察知しにくく、救急搬送されるまで異変が分からないことも多い。

また、高血圧糖尿病など持病がある人も重症化しやすい。

高齢者が熱中症になりやすいのは、気温の上昇に鈍感になり、自分の体の異変に気づきにくい傾向になるからのようです。

できるだけ周りの人が気をつけてみていきたいですが、異変に気づかないことも多いようです。

そのためには、まずは、室内のエアコンや水分補給などで予防していきたいところです。

 

■ 熱中症になったらどう対処したらよいか?

(1)涼しい場所に移し、衣服をゆるめてリラックスさせる

(2)首筋、脇の下、脚の付け根を冷やす

(3)顔が赤いときは頭を高く、青白ければ足を高くして寝かせる

(4)意識があり、嘔吐がなければ水分補給させる

(5)皮膚が熱ければ、風を送ったり熱い部分にぬれタオルを当てる

(6)皮膚が冷たければぬれタオルをしぼり冷たい部分をマッサージ

(7)意識がなかったり、急に体温が上がったらすぐ救急車を呼ぶ

まずは、涼しい所に移動させ、リラックスさせる。

次に、首筋や脇の下、脚の付け根などを冷たいペットボトルで冷やします。

これによって、太い血管を通る血液が冷やされ、体全体の冷却効果があるようです。

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