AI・ロボットが働く未来ではクリエイティブな仕事が求められる|PUSH型からPULL型への移行とモチベーション(内発的動機づけ)がキーワード




■AI・ロボットが働く未来ではクリエイティブな仕事が求められる

Startup Weeekend Merida

by Steven Zwerink(画像:Creative Commons)

2016年4月18日に放送された「スマホで”朝生”」では「人工知能、ロボットが働く未来…ド~なる仕事、ド~するライフスタイル」がテーマでした。

そこで、気になったのは、AIが仕事を代替する時代になると、貧富の格差はさらに大きくなってしまう懸念があるから、それにあわせた教育が必要だという意見です。

ただ「そこにはモチベーション格差の問題があるのでは?」というのが堀江貴文さんと落合陽一さんの意見でした。(記憶が正しければ)

ここで大事になってくるのは、時代がPUSH型からPULL型に移行する必要があることとクリエイティブな仕事には内発的動機づけが重要だということです。

■時代がPUSH型からPULL型に移行する必要があること

時代の変化がゆるやかな落ち着いた時代ならば、需要を予測し、行動計画を立て、業務内容を念入りに作成するということが可能でした。

教育においても、子供たちが将来的に必要となるであろう知識を予測して、それに合わせたカリキュラムを作ることも可能でした。

しかし、現代のスピードは速くなり、需要を予測することができない現代においては、標準化したカリキュラムを作ることは難しくなっています。

そんな時に、プッシュ型プログラムでは変化に対応することができないというわけです。

【参考文献】

『「PULL」の哲学』(著:ジョン・ヘーゲル3世/シーリー・ブラウン/ラング・デイヴソン)

「PULL」の哲学 時代はプッシュからプルへ―成功のカギは「引く力」にある

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■クリエイティブな仕事には内発的動機づけが重要

AIが仕事を代替するといった場合に、まず私たちが考える仕事は決まり切った仕事や何度も繰り返す仕事を人工知能にやってもらうことを目指すと思います。

ダニエルピンク「やる気に関する驚きの科学」|TED TALK

この動画によれば、ルーチンワークやルールのある仕事、会計、財務分析のような仕事は自動化することができ、ソフトウェア・AIのほうが速くできる仕事に対しては、成功報酬的な動機付け(アメとムチ)― If Then式に「これをしたら これが貰える」というやり方は効果的なのだそうです。

報酬というのは視野を狭め心を集中させるものであるため、ルーチンワークやルールのある仕事、会計、財務分析のような仕事では、報酬がうまく機能する場合が多いそうです。

しかし、クリエイティブな仕事に対しては、ご褒美と罰というようなアプローチでは視野が狭くなってしまうため、報酬(外発的動機づけ)はうまく機能しません。

※ここでいう「クリエイティブな仕事」とは、簡単に自動化することができない仕事を指す。

AI時代にはソフトウェアやAIに自動化できる仕事を割り振るようになり、人間はクリエイティブな仕事をすることを求められるようになっていくとするならば、報酬のような外発的動機づけではクリエイティブな仕事のパフォーマンスを向上させることはできず、内発的動機づけをもたせることが重要になってくるのです。

ダニエルピンク「やる気に関する驚きの科学」|TED TALK

内的な動機付けに基づく アプローチです重要だからやる 好きだからやる 面白いからやる 何か重要なことの一部を 担っているからやる ビジネスのための 新しい運営システムは 3つの要素を 軸にして回ります 自主性・成長・目的 自主性は 自分の人生の方向は 自分で決めたいという欲求です成長は 何か大切なことについて 上達したいということです 目的は 私たち自身よりも 大きな何かのために やりたいという切望です これらが私たちのビジネスの 全く新しい運営システムの 要素なのです

内発的動機づけとは、お金のような報酬を目的として行動するのではなく、自分がやりたい(重要だと思うから・好きだから・面白いから)からやるというものです。

つまり、2つのことをまとめると、AI時代に必要な人間の仕事はクリエイティブなものになるわけだから、モチベーション(内発的動機づけ)が低い人に対して、無理強いをして教育(プッシュ型プログラム)をしても双方にとって残念な結果に終わる可能性があるということではないでしょうか?

これからの時代に合った考え方をもとにすると、もし格差をできるだけ小さくしたいと考えるのであれば、教育格差や貧富格差を論じる前に、モチベーションをいかに上げるのか(それ自体をできる方法があるのか?)が重要になり、自主性・成長・目的という3つの要素を考えた上で、内発的動機付けを持たせることが大事になるのではないでしょうか。

■まとめ

『「PULL」の哲学』(著:ジョン・ヘーゲル3世/シーリー・ブラウン/ラング・デイヴソン)を参考にすると、これからの時代は、

知識のストックよりも新しい知識のフローのほうがより大きな価値を持つようになる

と考えられます。

そこでは、新しい知識の価値が高まり、従来の知識の価値が低くなるため、自分が、いかに最先端の、生まれたばかりの知識に触れられる環境を作るかが重要になってくるのです。

面白いと思える知識を提供している人と良好な人間関係を作ることや自分自身が他の人が面白いと感じられる情報を提供することによって、信頼関係が生まれ、その輪が広がっていくことでしょう。

これからはますます人と人とのつながりが一層重要になってくる時代になってきそうです。







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