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肝臓のPEMTと呼ばれる酵素が働かないと、脂肪肝の発症やNASH(非アルコール性脂肪肝炎)に進展する

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【目次】




■肝臓のPEMTと呼ばれる酵素が働かないと、脂肪肝の発症やNASH(非アルコール性脂肪肝炎)に進展する

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by University of Liverpool Faculty of Health & Life Science(画像:Creative Commons)

脂肪肝の発症、脂肪肝炎へと進展するメカニズムを解明 酵素「PEMT」の発現低下がカギ

(2016/2/17、岡山大学プレスリリース)

 研究グループは、PEMTを欠損したマウスを高脂肪高蔗糖食で飼育。野生型マウスと比べてPEMT欠損したマウスは肥満が抑制されますが、早期から著しいNASHを発症し、多発性肝腫瘤が出現することを発見しました。患者においても、単純性脂肪肝よりもNASHの肝臓でPEMTの発現は低下しており、肥満のない痩せたNASHにおいてPEMT発現がより低下していることを見出しました。

岡山大の和田淳教授(糖尿病学)の研究チームが行なったマウスの実験によれば、肝臓のPEMT(ホスファチジルエタノラミン-N-メチルトランスフェラーゼ)と呼ばれる酵素が働かなくすると、脂肪肝の発症やNASH(非アルコール性脂肪肝炎)に進展することがわかったそうです。

■背景

NAFLDは、遺伝的素因やエピジェネティクス制御機構(遺伝子の塩基配列によらない遺伝子発現の制御)、遊離脂肪酸の脂肪毒性、さらには腸内細菌叢、自然免疫などが組み合わさって発症・進行すると言われています。しかし一方で、飢餓や脂肪酸代謝障害、消化管・胆膵外科手術後などの栄養不良の病態においてもNALDH/NASHは発症することにも注意する必要があります。

メタボリックシンドロームや糖尿病が増加し、これに伴う脂肪肝や脂肪肝炎が注目されていましたが、脂肪肝・脂肪肝炎の中には肥満や糖尿病がなくても起こるものがあったそうです。

脂肪肝発症、酵素も一因 岡山大、治療薬開発に道 (2016/5/8、日本経済新聞)によれば、PEMTが少ない人に脂肪肝や脂肪肝炎が発症しやすい傾向があったそうで、PEMTの働きの低下によって肝臓から中性脂肪が肝臓の外への放出が低下するためNASHになると考えられていましたが、そのメカニズムが解明されていませんでした。




■脂肪肝になるメカニズム

PEMT欠損マウスで脂肪肝炎が起こる分子メカニズム
PEMT欠損マウスで脂肪肝炎が起こる分子メカニズム

参考画像:脂肪肝の発症、脂肪肝炎へと進展するメカニズムを解明 酵素「PEMT」の発現低下がカギ(2016/2/17、岡山大学プレスリリース)|スクリーンショット

脂肪肝になるメカニズムとしては、次のものをこのブログでは紹介してきました。

肥満から糖尿病や高血圧などの生活習慣病になる仕組み解明―阪大によれば、肥満になると、脂肪細胞が炎症の引き金となる特定のたんぱく質を出すことで、脂肪組織で炎症が起こり、この炎症が生活習慣病糖尿病高血圧動脈硬化など)につながるそうです。

内臓脂肪の量が限度を超えると、「ミンクル」を介して脂肪組織の線維化が起こり、脂肪肝になるによれば、ミンクルを取り除いたマウスとそうでないマウスで高脂肪食を食べさせて太らせる実験をしたところ、ミンクルを取り除いたマウスは肝臓への脂肪の蓄積や血糖値の異常が軽減されたことがわかりました。

内臓脂肪の量が限度を超えると、「ミンクル」を介して脂肪組織の線維化が起こり、脂肪肝になる

栄養の摂りすぎ・運動不足

→脂肪の蓄積=肥満

→ミンクルを介した脂肪組織の線維化

脂肪肝肝臓に脂肪が蓄積)

→脂質代謝異常(コレステロール値の異常)や耐糖能障害(血糖値の異常)

動脈硬化

糖尿病NASH(非アルコール性脂肪肝炎)

しかい、NASHの中には、肥満や糖尿病が原因ではなく、PEMTの働きが低下することによって、脂肪肝の発症、NASHへの進展をするメカニズムがあり、今回の研究でそのメカニズムが明らかになりました。

また、研究によりPEMTは、クラスリン重鎖(CHC)とp53という物質が複合体を形成することがわかりました。さらに、PEMTが欠損するとCHCとp53がアポトーシスに関連した遺伝子の転写を活発化させ、肝細胞アポトーシスが強まり、炎症が起こるというメカニズムを解明しました。またPEMT欠損によりFbxo31、HNF4αという遺伝子のDNAメチル化が亢進し、両遺伝子の発現が抑制されることによって、細胞増殖に関係するcyclinD1の発現が著しく増強することも新たに発見しました(図1)。

■まとめ

これまで取り上げてきた記事によれば、栄養の摂り過ぎや運動不足によって脂肪が蓄積し、何らかの原因によって脂肪細胞が炎症し、線維化を起こすことによって、脂肪肝になると考えられます。

脂肪肝は食べ過ぎや運動不足などが原因とされており、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は非アルコール性とあるように、アルコールなしで発症する肝炎で、肝硬変肝臓がんに進む恐れもあります。

しかし、肥満や糖尿病でなくても、脂肪肝やNASHになる人もいるため、それ以外にも原因があると考えられ、PEMTが少ない人に脂肪肝や脂肪肝炎が発症しやすい傾向があったことから、PEMTの働きが脂肪肝の発症やNASHの進展に関係しているのではないかと考えられました。

そこで、今回の研究によって、PEMT発現量の低下によりNASHへ進展するメカニズムが解明されました。

脂肪肝とは|脂肪肝の症状・原因・治し方 についてはこちら

脂肪肝の改善方法 についてはこちら

NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)の症状・食事・改善方法 についてはこちら







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ドラマ「#下町ロケット」の主演 #阿部寛 さんの充血の目が話題!

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hate wednesdays

by Lucky Lynda(画像:Creative Commons)

Yahoo!で「充血」について調べていたところ、関連ワードに「下町ロケット 充血」「下町ロケット 阿部寛 充血」が表示されていました。

確かに、充血している目が印象的で、それを検索した人が多かったということでしょう。

血走った目にするために充血させる|山田孝之さんインタビューによれば、山田孝之さんは、血走った目を表現するために、目を触って目を充血させていたそうです。

役者さんによっては、そこまでして役作りをする人もいるものだと驚いたものです。

→ 目の充血の原因・治し方|目が赤いのは目の病気のサイン? について詳しくはこちら

→ なぜ白目が赤く充血するのか?その理由 について詳しくはこちら







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WHO(世界保健機関)が掲げる「#健康」の定義から考えたこと




■WHO(世界保健機関)が掲げる「#健康」の定義から考えたこと

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by Tella Chen(画像:Creative Commons)

WHO憲章では「健康」の定義について次のように書かれています。

健康の定義について|日本WHO協会

Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

日本WHO協会訳を参考に訳してみます。

「健康とは、肉体的にも、精神的にも、社会的にもすべて満たされた状態であり、病気にかかっていないとか虚弱であるということではない。」

健康といえば、体が丈夫であるとか、病気にかかっていないというように、医療に限定してとらえていましたが、WHOによる健康の定義によれば、精神面の健康だけでなく、社会的にも安心安全な生活を送ることができているという広い意味で捉えられているようです。

#健康格差 とは|所得や学歴など社会経済的な地位が低いと不健康が多くなる!?によれば、健康格差とは、所得や学歴など社会経済的な地位が低いと不健康が多くなるといわれている格差のことをいいます。

健康格差の研究は1980年代から始まり、WHO(世界保健機関)によって健康格差の要因についてまとめたレポートもあるほど、すでに欧米では深刻な格差の一つとして受け止められているそうです。

#健康格差 は収入・学歴などが要因?|WHO、社会的・経済的な格差が健康の格差を生んでいるによれば、愛知県の高齢者約1万5000人を対象にした調査では、所得水準が低いほど精神疾患や脳卒中、肥満などの割合が高いとの結果が出たそうです。

また、学歴が低いほどがんや外傷による死亡率が高いことや、収入が低い人ほど運動をしていない割合や喫煙率が高いとの研究もあるそうです。

【関連記事】

「所得」「地域」「雇用形態」「家族構成」の4つが「#健康格差」の要因|NHKスペシャルによれば、「所得」「地域」「雇用形態」「家族構成」の4つが健康格差の要因になっていると指摘しています。

自身の健康については自己責任かどうかという議論がありますが、どれくらいの所得がある家庭に生まれるのか、どの国・地域に生まれるのか、どんな職業につくのか(正規雇用・非正規雇用など雇用形態を含む)、どんな家族構成なのか(両親が健在かどうかなど)という要素が含まれているため、簡単に健康は自己責任とはいうことはできないと思います。

自身が恵まれている環境にいることに感謝こそすれ、恵まれていない環境の人を健康は自己責任だからといって切り捨てるというのはやさしい社会ではないと思います。

人は一人では生きていけないとよく言いますが、どんなに金銭的に恵まれていたとしても、孤独は老化を促進し心臓病のリスクを上げる?によれば、孤独は老化を促進し、心臓病のリスクをあげるということがわかったそうです。

社交的な生活が認知症のリスクを減らす可能性=研究によれば、社会的に活発な人はストレスにさらされにくく、孤独で悩みがちな人に比べて、認知症になるリスクは50%低いそうです。

「圏」を持つ人の76.8%が「幸せだ」と感じているによれば、「圏(目的のある自発的な人のつながり)」を持つ人の76.8%が自分を「幸せだ」と感じているそうです。

性別(男性・女性)・年齢階級別にみる悩みやストレスの原因からわかることによれば、女性の75歳以上の悩み、男性の85歳以上の悩みの中には「話相手がいない」というものが挙がってきます。

健康で幸せな生活を送るには、人と人同士がつながりを持つことが大事なのではないでしょうか。







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肝線維化を促進する疾患特異的マクロファージを同定し、脂肪肝からNASHを発症する新たな病態メカニズムを解明|短期間でNASHを発症する誘導性NASHモデル開発|#東京医科歯科大学

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■肝線維化を促進する疾患特異的マクロファージを同定し、脂肪肝からNASHを発症する新たな病態メカニズムを解明|短期間でNASHを発症する誘導性NASHモデル開発|東京医科歯科大学

NASHの新たな病態メカニズムとNASHに特異的なマクロファージの同定
NASHの新たな病態メカニズムとNASHに特異的なマクロファージの同定

参考画像:「 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の新たな病態メカニズムの解明 」― 短期間でNASHを発症する疾患モデルの開発を通して ―(2017/11/16、東京医科歯科大学プレスリリース)|スクリーンショット

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子細胞代謝学分野・九州大学大学院医学研究院病態制御内科学分野の小川佳宏教授と名古屋大学環境医学研究所分子代謝医学分野の菅波孝祥教授を中心とする研究グループによる研究によれば、短期間で非アルコール性脂肪肝炎(NASH: non-alcoholic steatohepatitis)を発症する“誘導性モデル”を新たに開発しました。

「 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の新たな病態メカニズムの解明 」― 短期間でNASHを発症する疾患モデルの開発を通して ―

(2017/11/16、東京医科歯科大学プレスリリース)

近年、わが国においても NASH が急増しています。脂肪肝が 1,500 万症例、その 10%程度が NASH に進行し、さらに 10%程度が肝硬変や肝細胞癌を発症すると想定されます。しかしながら、どのようにして脂肪肝が NASHに進行するかは未だ明らかになっていません。

今回の研究のポイントは2つ。

一つは、1週間という短期間で肝線維化過程を評価できるため、病態解析や薬剤スクリーニングを効率的に行うことが可能であるということ。

もう一つは、NASHに特異的なマクロファージの同定。

新たなNASHモデルの開発と肝線維化を促進する疾患特異的マクロファージの同定により、患者の急増が予想されるNASHの発症メカニズムの解明や新しい治療法の開発につながることが期待されます。

→ NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)の症状・食事・改善方法 について詳しくはこちら







【参考リンク】
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医学的エビデンス+人工知能による脂肪肝・NASH治療アプリが開発される!?|東大病院

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■医学的エビデンス+人工知能による脂肪肝・NASH治療アプリが開発される!?|東大病院

HP manager Regine Pohl demonstrating the webOS based Touchpad Tablet @ DLD DLDWomen 2011

by innovate360(画像:Creative Commons)

脂肪肝を治す人工知能アプリ、キュア・アップが挑む

(2015/11/9、日経デジタルヘルス)

医療分野に人工知能が活用されているというニュースが最近話題ですが、今回のニュースによれば、キュア・アップは、東京大学医学部附属病院 消化器内科と共同で、医学的エビデンスに基づいて、人工知能による脂肪肝治療アプリが開発されるそうです。

どのようなアプローチで脂肪肝患者に対する心理療法を行うのか興味深いところです。

CureApp脂肪肝(非アルコール性脂肪肝炎(NASH)治療アプリ)【東京大学医学部付属病院と共同開発 、臨床研究中】|CureApp

慢性肝炎や肝硬変、肝癌につながる慢性肝疾患である非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を治療するために開発された医療用アプリです。

治療アプリを用いることで個別化医療ができるようになることが期待されます。

■NASH治療アプリの臨床研究開始

【追記(2016/10/5)】

東大病院、NASH治療アプリの臨床研究を開始

(2016/10/3、日経デジタルヘルス)

東京大学医学部附属病院 消化器内科とキュア・アップが共同開発したNASH(非アルコール性脂肪肝炎)の治療アプリの臨床研究を開始したそうです。

【関連記事】

■まとめ

糖尿病予備軍に電話で予防のアドバイスを続けることで発症率が4割下がるで紹介した国立病院機構京都医療センターによれば、糖尿病予備軍の人に電話で予防のアドバイスを続けることで、発症率が4割下がったそうです。

予防のアドバイスを継続することによって、病気の発症率が下がるということですから、アプリでも継続的にアドバイスを行うことができれば、治療につながるかも知れません。

→ 脂肪肝とは|脂肪肝の症状・原因・治し方 について詳しくはこちら

→ 脂肪肝の改善方法 について詳しくはこちら







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