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乳がん検診への関心高まる|乳がん検診が推奨されるのは40代以上、その理由とは?

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10月は乳がんに対する知識を身につけ、検診の早期受診を推進する啓発キャンペーンが行なわれるピンクリボンキャンペーン月間です。

そこで、今回は乳がん検診に対するニュースについて取り上げたいと思います。




【目次】

■乳がん検診を受ける必要性がある(84.0%)

Pink Ribbon Key Blanks

by Gerald Geronimo(画像:Creative Commons)

【「女性の乳がん」に関する意識調査】乳がん検診を毎年受けない三大理由は「お金がかかる」・「時間がない」・「年齢的に早い」

(2015/9/29、メットライフ生命保険)

メットライフ生命保険が2015年に20代から50代の女性に対して行なったアンケート調査によれば、北斗晶さんの乳がんというニュースで乳がん検診に対する関心が高まっているからでしょうか、「乳がん検診を受ける必要があるとおもいますか?」という質問に対して84.0%の人が必要と回答しています。

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■あなたが最後に乳がん検診を受けたのはいつ頃ですか?

【「女性の乳がん」に関する意識調査】乳がん検診を毎年受けない三大理由は「お金がかかる」・「時間がない」・「年齢的に早い」

(2015/9/29、メットライフ生命保険)

メットライフ生命保険が2015年に20代から50代の女性に対して行なったアンケート調査によれば、「あなたが最後に乳がん検診を受けたのはいつ頃ですか」という質問に対して最も多かった回答は、「一度も受けたことがない」が47.8%でした。

しかし、2016年に行なった調査によると、「一度も(乳がん検診を)受けたことがない」と答えた方が減少しています。

メットライフ生命の乳がん検診コンシェルジュ、提携施設を全国に拡大

(2016/9/29、メットライフ生命保険)

「一度も(乳がん検診を)受けたことがない」と答えた方が43.5%という結果になり、乳がん検診への関心が高まっているのを感じます。

■乳がん検診が推奨されるのは40代以上

マンモグラフィー推奨は40歳以上 20~30代には「不利益」も

(2015/10/13、産経ニュース)

20~30代に検診を推奨しないのは、40歳未満の有効性が証明されていないためだ。また、実際には乳がんではないのに、「疑いあり」と診断される偽陽性で無駄な検査を受けたり、確定診断まで精神的に不安になったりすることや、X線による被曝(ひばく)リスクが高まることなどで、乳がん検診による「不利益」が「利益」を上回るとされる。

乳がんの早期発見のためには乳がん検診を受けることが重要なのですが、20から30代では「疑いあり」の判定によって無駄な検査を受けたり、診断による精神的なショックが大きいことなどから、乳がん検診の受診は推奨されていません。

乳がんマンモグラフィー定期検診で議論沸騰=40代勧めず-米政府作業部会(2010年)によれば、アメリカ政府の予防医療作業部会は、誤判定や過剰診断によるリスクと受診による利益を比較した場合、40代はリスクがほかの年齢層より高いため、乳がんの予防に有効とされるマンモグラフィー検診の40代の定期検診は勧めないという勧告を発表したことから、議論が起こっているそうです。

米「40代の乳がん検診でのマンモ勧めず」で波紋(2010年)によれば、米国では、相対的に閉経後の高齢者が乳がんにかかる確率が高く、日本では40代後半から罹患(りかん)率が高くなるそうなので、日本では40代のマンモグラフィー検診による効果が高いそうです。





■乳がんリスクをあげる要因

<小林麻央さん>比較的まれ30代前半の乳がん 治療法は

(2016/6/9、毎日新聞)

(1)初潮が早い=11歳以下(2)閉経が遅い=54歳以上(3)初産年齢が高い=30歳以上(4)妊娠・出産歴がない(5)授乳歴がない(6)祖母、親、子、姉妹に乳がんの人がいる(7)肥満度が高い(閉経後)(8)喫煙している(9)大量に飲酒する習慣がある(10)運動不足--の10項目のうち、当てはまる項目が多いほど高リスクだ。

 乳がんは女性ホルモンにさらされる期間が長いほど、罹患リスクが上がる。血管や骨を守り、肌の潤いを保って、心筋梗塞(こうそく)の予防効果もある女性ホルモンだが、乳がんに関してはメリットばかりではない。

【乳がんリスクが高くなる要因】

  1. 初潮が早い=11歳以下
  2. 閉経が遅い=54歳以上
  3. 初産年齢が高い=30歳以上
  4. 妊娠・出産歴がない
  5. 授乳歴がない
  6. 祖母、親、子、姉妹に乳がんの人がいる
  7. 肥満度が高い(閉経後)
  8. 喫煙している
  9. 大量に飲酒する習慣がある
  10. 運動不足

●女性ホルモンにさらされる期間が長い

~更年期世代女性の体調変化と心理状態に関する調査レポート~ 40~50代女性は、がんばりすぎの「がむしゃら世代」 「体調不良時には我慢してやりすごす」が4割以上 無理することが習慣化!?

(2017/3/27、読売新聞プレスリリース)

過去、女性たちは生涯において閉経までにおおよそ10回程度出産を経験しましたが、現代女性においてはその回数が減っています。そのため、過去の女性たちは生涯での月経回数が約50回程度だったのが、現代女性は約450回と9倍に。しかし、その一方で女性ホルモンの仕組みは進化していません。「産まなくなった」現代女性たちは、毎月排卵と月経を無駄に繰り返していることになり、排卵月経が増えることで子宮内膜症・子宮体癌・卵巣癌・乳癌などの健康リスクが増加しています。

女性ホルモンは美容や健康に欠かせないものですが、乳がんは女性ホルモンにさらされる期間が長いほど、罹患リスクが上がるそうです。

そのため、初潮が早い、閉経が遅い、妊娠・出産歴がないという人は、女性ホルモンにさらされる期間が長くなるため、乳がんリスクが高くなると考えられるそうです。

2、3人子供を産むと、授乳中を含め5年ほど月経がなく、女性ホルモンの分泌が減る期間ができ、相対的に罹患リスクは下がる。

●祖母、親、子、姉妹に乳がんの人がいる

乳がん(PDF)|がん情報サービス|国立がん研究センターによれば、乳がんを発症した人の5~10%は、乳がんを発症しやすい遺伝子をもつと考えられているそうです。

●大量に飲酒する習慣がある

<乳がん>飲酒量多い女性は注意を 厚労省調査(2009/12/25)によれば、毎日ビール大瓶を1本以上飲むような飲酒量の多い女性は乳がんになりやすいとお伝えしましたが、女性は少量の飲酒でも乳がんリスクが高くなる!?|米ハーバード大(2015/10/6)によれば、1日に缶ビール1本程度の飲酒でも女性の場合は乳がんのリスクが少し高くなってしまうそうです。

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●運動不足

また、運動不足も乳がんリスクが高くなる要因ですが、積極的に運動する女性は乳がんリスクが低い|国立がん研究センターによれば、積極的に運動する女性は、運動しない人に比べて、乳がんリスクが低いそうです。

特に、閉経後や太り気味の女性は、週1回でも余暇に運動を取り入れることが乳がん予防につながると考えられるそうです。

乳がん検診を受けない理由とは

受診しない理由の第1位は「診療時間中に行くことが困難だから」があげられ、30代~50代の女性は仕事や家事、育児などに追われ自身の健康に割く時間をとりにくい現状が反映された。

また第2位には「マンモグラフィは痛そうだから」、第3位には「自分が乳がんになると考えたことがなかったから」があげられており、罹患のリスクと受診によるベネフィットなど、乳がんについてさらなる情報伝達が必要であることもわかった。

「診療時間中に行くことが困難だから」というのは、仕事や家事、育児に追われているために、自分の健康のことを考える時間がないのでしょう。

乳がんの早期発見のためには乳がん検診を受けることが重要なのですが、検査を受ける人の肉体的・精神的負担が大きいことが課題としてあります。

360度の方向から計測し高精度の乳がん検診を行うことができる超音波計測技術を開発|日立によれば、日立の超音波計測技術は、痛みがなく、高精度であり、簡単であるため、乳がん検診を受ける人にとって肉体的負担が軽減されるものになっているようです。

また、今回の技術は、検査をする人のスキルに左右されず、誰が行なっても同じ結果が出ることを目指して開発されているため、検査をする側にとってもメリットが大きいと考えられます。

こうしたテクノロジーの進歩によって、乳がん検診自体の印象が良くなり、検診を受ける人が増えることで、乳がんの早期発見ができるようになるといいですね。

■まとめ

こうしたことを含めて、乳がんや乳がん検診に対する知識を身につける必要があるということですね。

→ 乳がんの症状・原因・検査・予防法 について詳しくはこちら







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食道がん、野菜と果物で危険半減|アブラナ科のイソチオシアネートで食道がんのリスクが低下|厚労省研究班

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■野菜と果物で食道がんのリスクが低下

<食道がん>野菜と果物で危険半減 厚労省研究班

(2008/8/14、毎日新聞)

野菜と果物を多く食べる男性は、あまり食べない男性に比べ、食道がんになる危険性がほぼ半減することが、厚生労働省研究班(担当研究者、山地太樹・国立がんセンター予防研究部研究員)の調査で分かった。

厚生労働省研究班によれば、野菜と果物を多く食べる男性は、あまり食べない男性に比べ、食道がんになる危険性がほぼ半減するということが分かったそうです。

野菜・果物摂取と扁平上皮細胞由来食道がんとの関連について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

野菜・果物の高摂取グループでは、低摂取グループに比べ食道がんのリスクがほぼ半減していました。野菜・果物の合計摂取量が1日当たり100グラム増加すると、食道がんのリスクが約10%低下していました。

この研究でのポイントは、くだものを多く摂取するグループや野菜を多く摂取するグループよりも、野菜・果物の両方の摂取量が多いと、食道がんのリスクが低下しており、野菜・果物の合計摂取量が1日当たり100グラム増加すると、食道がんのリスクが約10%低下しているということです。

■アブラナ科のイソチオシアネートで食道がんのリスクが低下

野菜・果物摂取と扁平上皮細胞由来食道がんとの関連について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

野菜・果物の種類別には、キャベツ・大根・小松菜などが含まれる十字花科の野菜でのみ統計学的に有意な関連がみられました。十字花科の野菜は、実験研究などで発がんを抑制するとされるイソチオシアネートを多く含んでいるという特徴があります。

また、野菜・果物の種類別では、キャベツや大根などのアブラナ科の野菜の摂取がよいそうで、アブラナ科の野菜は、がんを抑制するとされる成分『イソチオシアネート』を多く含むため、効果があるのではないかと考えられるそうです。

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■抗酸化作用を持つイソチオシアネートでがん予防

アブラナ科の野菜「クレソン(米Watercress、仏cresson)」には抗酸化作用を持つ「イソチオシアネート(Isothiocyanate)」という栄養素が含まれているそうです。

イソチオシアネートが体内に入ると、抗酸化物質が大量に作られ始め、抗酸化物質が、全身の細胞内にある有害な活性酸素を無毒化してくれることにより、がんの発生を抑制してくれると考えられるそうです。

国際がん研究機関(IARC)によれば、ブロッコリー・キャベツ・クレソンなどアブラナ科の野菜ががんリスクを減少させると発表されているそうです。

アブラナ科の野菜には「イソチオシアネート」が含まれているのですが、その中でもクレソンに豊富に含まれているそうです。

がん予防に効果的な一日の摂取量についてはまだわかっていないそうですが、定期的に摂取することでがん予防に効果的だと考えられるそうです。

→ 抗酸化食品|抗酸化作用とは・抗酸化物質 について詳しくはこちら

■まとめ

野菜や果物を積極的にとって病気を予防しましょう。

*なお、アブラナ科の野菜には青汁で有名なケールも含まれます。







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細胞同士の反発の原理を活用したがん細胞が組織から排除される仕組みの解明|#京都大学

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■細胞同士の反発の原理を活用したがん細胞が組織から排除される仕組みの解明|京都大学

Rush hour in London

by SarahTz(画像:Creative Commons)

「Slit」と「Robo」が細胞間接着に関わるE-カドヘリンというタンパク質の働きを抑制することで変異細胞と正常細胞との接着性が低下し、変異細胞が組織からすり抜けるように排除される
「Slit」と「Robo」が細胞間接着に関わるE-カドヘリンというタンパク質の働きを抑制することで変異細胞と正常細胞との接着性が低下し、変異細胞が組織からすり抜けるように排除される

参考画像:がん細胞が組織から排除される仕組みをハエで解明 -神経同士の反発の原理を使いがん細胞が組織から飛び出す-(2016/12/26、京都大学ニュースリリース)|スクリーンショット

がん細胞が組織から排除される仕組みをハエで解明 -神経同士の反発の原理を使いがん細胞が組織から飛び出す-

(2016/12/26、京都大学ニュースリリース)

今回の研究ではショウジョウバエの眼の上皮細胞を使い、正常組織中に生じたがんの元になる細胞を排除するのに必要な遺伝子を探索しました。その結果、「Slit」や「Robo」といったタンパク質を作り出す遺伝子を破壊すると、変異細胞が排除されなくなることがわかりました。

 さらに、「Slit」と「Robo」が細胞間接着に関わるE-カドヘリンというタンパク質の働きを抑制することで変異細胞と正常細胞との接着性が低下し、変異細胞が組織からすり抜けるように排除されることがわかりました。

井垣達吏 生命科学研究科教授、John Vaughen 同研究生(現スタンフォード大学大学院生)らの研究グループは、「Slit」と「Robo」と呼ばれる2種のタンパク質の神経系細胞同士を反発させる性質を利用してがん細胞を排除しているというメカニズムを明らかにしました。




■まとめ

正常な細胞はがん細胞を排除するという細胞の社会性を応用したがん治療法|北海道大学では、北海道大学藤田恭之教授が2005年に「がんの初期段階で、正常な細胞が隣接するがん細胞を認識し、血管などの管腔側にはじき出す能力がある」と発見したと紹介しました。

この時には、細胞には”おしくらまんじゅう”のように、正常な細胞ががん細胞を認識してはじき出す能力があるんだなと感じたことを覚えています。

がんの元になる変異細胞が正常細胞に囲まれると、「細胞競合」と呼ばれる現象によって変異細胞が組織から排除されます。この現象は、細胞間コミュニケーションを介した新たながん抑制メカニズムとして注目されています。

今回発見したメカニズムを利用することができれば、がん細胞だけを正常な組織から排除するという新しいアプローチのがん治療につながることが期待されますが、正常な細胞はがん細胞を排除するという細胞の社会性を応用したがん治療法|北海道大学の中でいくつかの疑問が浮かんできたのを覚えています。

  • なぜ正常細胞からがん細胞が生まれるのか(意味のないことがあるのだろうか)
  • 正常細胞ががん細胞を認識し、駆逐する能力があるのであれば、なぜそれが失われてしまうのか
  • 社会性という視点で語るのであれば、排除するのではなく、それをも受け入れて、不活性化するなどの対策の方法はないのだろうか

がん細胞が組織から排除される仕組みをハエで解明―神経同士の反発の原理を使いがん細胞が組織から飛び出す―

(2016/12/26、京都大学ニュースリリースPDF)

本研究の成果は、異常な細胞や不必要な細胞を積極的に組織から排除する現象に普遍的に関わる可能性があり、基礎生物学だけではなく関連する医学研究にも寄与する、射程の長い成果だと考えられます。

異常な細胞や不必要な細胞を積極的に組織から排除する現象がなぜ起こるのか、そして、それがなぜできなくなるのかといったことを解明することが様々な研究に活用できることが期待されます。







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肥満が発がんを促進する原因の一端を解明|アスピリンのような抗炎症薬でがん予防的治療ができる可能性|北海道大学【論文・エビデンス】

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■肥満が発がんを促進する原因の一端を解明|アスピリンのような抗炎症薬でがん予防的治療ができる可能性|北海道大学

肥満が発がんを促進する原因の一端を解明|北海道大学
肥満マウスは慢性炎症・脂肪酸代謝異常によって初期がん細胞の排除が起こりにくくなり、がんのリスクが高まります。抗炎症剤を与えると初期がん細胞の排除機能が回復し、初期のがん細胞が周囲の正常細胞によって体外に押し出され、がんが予防される。

参考画像:肥満が発がんを促進する原因の一端を解明~がん予防的治療薬の開発に期待~(2018/4/25、北海道大学)|スクリーンショット

肥満が発がんを促進する原因の一端を解明~がん予防的治療薬の開発に期待~

(2018/4/25、北海道大学)

今回の研究では,独自に樹立したマウスモデルシステムを用いて,肥満がどのように細胞競合現象に影響を与えるかについて,検討を行いました。

普通食を与えたマウスでは,がんを誘発する Ras 変異細胞が組織から体外へと積極的に排除されました。

一方,肥満マウスでは,すい臓と小腸において変異細胞の体外への排除が抑制され,組織に残ってしまうことがわかりました。

特にすい臓では,1ヶ月後には残存した変異細胞が増殖して小さな腫瘍の塊を形成しました。

肥満マウスで変異細胞の組織からの排除が弱まる原因が,肥満による脂肪酸代謝の亢進と慢性炎症の2つであることも明らかになりました。

北海道大学遺伝子病制御研究所の藤田恭之教授らの研究グループは、肥満が発がんを促進する原因の一端を解明することに成功しました。

正常な細胞はがん細胞を排除するという細胞の社会性を応用したがん治療法|北海道大学(2015/11/26)では、北海道大学・藤田恭之教授は、2005年に「がんの初期段階で、正常な細胞が隣接するがん細胞を認識し、血管などの管腔側にはじき出す能力がある」と発見しており、長い間ブラックボックスとされてきた「がんの初期段階で何が起きているか」の解明を進めるプロジェクトを紹介しました。

正常細胞ががん細胞を駆逐するメカニズムを解明したい!

これまでの研究では、がんの超初期段階において正常細胞層の中にがんを誘発する変異が生じた時に、新たに生じた変異細胞と周囲の正常細胞との間に「細胞競合」という互いに生存を争う現象が生じ、その結果、変異細胞が体外へと排出されることが明らかになっていたそうです。

今回の研究によれば、肥満マウスに抗炎症剤であるアスピリンを投与すると、変異細胞の組織からの排除が増加しており、脂肪酸代謝変化と慢性炎症が細胞競合現象を抑制することが、肥満によるがん発生亢進の原因の一つである可能性が示されました。

アスピリンの服用で大腸や胃などの消化管がん発症リスクが減少によれば、看護師や医療従事者の約13万6000人を対象とした健康調査で収集された32年分相当のデータを分析したところ、週に2回以上アスピリンを定期的に服用している人はがんの発症リスクが低くなっていることがわかったおり、アスピリンの使用によって、大腸がんリスクが19%、各種の消化管がんのリスクが15%減少したそうです。

つまり、今後、肥満で慢性炎症や脂肪酸代謝異常がみられる場合、アスピリンのような抗炎症薬を与えることにより、初期のがん細胞を周囲の正常細胞によって体外に押し出すことによりがんを予防する治療法が開発される可能性があります。







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大腸がん予防に期待 糖尿病薬メトホルミンに大腸ポリープの再発を防ぐ効果|横浜市立大

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■大腸がん予防に糖尿病薬メトホルミンが効果

medicine

by mahmoud99725(画像:Creative Commons)

大腸がん予防に糖尿病薬が効果 横浜市立大が確認

(2016/3/6、日本経済新聞)

横浜市立大の中島淳教授によれば、糖尿病薬として使われているメトホルミンに大腸がんの恐れのあるポリープの再発を抑制する効果があることがわかったそうです。

糖尿病治療薬「メトホルミン」にがん細胞を破壊するキラーT細胞を活性化する作用があることが判明‐岡山大研究グループによれば、糖尿病治療薬「メトホルミン」にがん細胞を破壊するキラーT細胞を活性化させる作用があることがわかったそうです。

メトホルミンは一般的な免疫治療薬や抗がん剤などに比べ、安価であり、患者にとっては、経済的な負担を軽くする上でも喜ばしいことですよね。

→ 大腸がんとは|大腸がんの症状・初期症状・原因・予防 について詳しくはこちら







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