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循環器疾患リスクチェック|心筋梗塞や脳梗塞の10年先の発症リスクがわかる|国立がん研究センターや藤田保健衛生大など

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■循環器疾患リスクチェック|心筋梗塞や脳梗塞の10年先の発症リスクがわかる

Communication

by Anne Worner(画像:Creative Commons)

脳梗塞や心筋梗塞 10年先の発症リスク、ネットで予測

(2016/5/24、朝日新聞)

国立がん研究センターや藤田保健衛生大などのチームが血圧やコレステロールなどの値から心筋梗塞(こうそく)と脳梗塞の発症リスクを計算する予測式を開発し、23日からウェブサイト(http://www.fujita-hu.ac.jp/~deppub/risk.html)で公開を始めた。

国立がん研究センターや藤田保健衛生大などのチームは、現在40~69歳で、今まで心筋梗塞・脳卒中を発症したことがない方が、 今後10年間に心筋梗塞脳梗塞脳卒中を発症する確率を健康診断のデータを入力するだけで予測する手法が開発したそうです。

入力項目は次の通り。

※身長・体重は脳卒中の発症リスクの計算にのみ使います。

つまり、この入力項目が心筋梗塞や脳梗塞のリスクに関わる要因であるということですよね。




■心筋梗塞や脳梗塞のリスク要因

心筋梗塞や脳梗塞の原因は動脈硬化が進行することや血管内のプラークと呼ばれる脂肪などの固まりが破れて血栓ができてしまうことにあります。

動脈硬化は、動脈硬化の危険因子である高血圧脂質異常症高脂血症)、糖尿病、肥満、喫煙、運動不足、偏った栄養バランスの食事、アルコール、加齢、ストレスの有無などについて確認し、生活習慣を見直し、予防することが大切です。

動脈硬化は加齢とともに進行するため、一種の老化現象ともいえます。

しかし、動脈硬化は、急にあらわれるわけではなく、若いころから始まり、40歳を過ぎる頃に症状があらわれてくることが多いとのことです。

若いからといって安心してよいわけでなく、若いうちから動脈硬化にならないようにする生活習慣に変える必要があります。

■まとめ

健康診断のデータを入力するだけで今後10年間の心筋梗塞、脳梗塞、脳卒中の発症リスクを予測する手法が開発されましたので、みなさんもぜひ一度チェックしてみましょう。

【参考リンク】

多目的コホート研究(JPHC Study)の調査結果にもとづいて、今後10年間の心筋梗塞、脳梗塞、脳卒中(脳梗塞と脳出血)の発症リスクを計算します。

→ 心筋梗塞の症状・原因・前兆・予防 について詳しくはこちら

→ 脳梗塞の症状・原因・予防 について詳しくはこちら

→ 脳卒中の前兆・原因・予防 について詳しくはこちら







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野菜ジュースにメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)予防・改善効果を確認|カゴメ

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■野菜ジュースにメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)予防・改善効果を確認

tomato juice

by gazzaPax(画像:Creative Commons)

カゴメ、野菜飲料にメタボ予防・改善効果を確認

(2009/11/12、日経ネット)

カゴメは12日、財団法人兵庫県健康財団との共同研究で、野菜飲料を一定期間飲み続けると、メタボリック(内臓脂肪)シンドロームを予防・改善する効果を確認したと発表した。

カゴメと財団法人兵庫県健康財団との共同研究によれば、野菜飲料を一定期間飲み続けると、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を予防・改善する効果があるそうです。




■実験内容

野菜ジュース摂取がメタボ関連マーカーに与える影響について|摂取群における中性脂肪とHOWA-IRの推移
野菜ジュース摂取がメタボ関連マーカーに与える影響について|摂取群における中性脂肪とHOWA-IRの推移

参考画像:野菜ジュース摂取により、メタボリックシンドロームの予防・改善に期待-カゴメ、兵庫県健康財団の共同研究-(2009/11/12、カゴメプレスリリース)|スクリーンショット

野菜ジュース摂取により、メタボリックシンドロームの予防・改善に期待-カゴメ、兵庫県健康財団の共同研究-

(2009/11/12、カゴメプレスリリース)

摂取群において中性脂肪やHOMA-IRが高めの方では、野菜ジュース摂取により有意差をもって改善しました。

<中略>

HOMA-IR(Homeostasis model assessment insulin reistance index):
空腹時血糖値とインスリン値から算出するインスリン抵抗性の疫学指標です。
計算式:HOMA-IR=空腹時血糖値×インスリン値÷405

中性脂肪値やHOMA-IRが高めの人が野菜ジュースを摂取することで数値の改善が期待できるという結果が出ています。

血中カロテノイドとメタボ関連マーカーとの相関について
血中カロテノイドとメタボ関連マーカーとの相関について

参考画像:野菜ジュース摂取により、メタボリックシンドロームの予防・改善に期待-カゴメ、兵庫県健康財団の共同研究-(2009/11/12、カゴメプレスリリース)|スクリーンショット

野菜ジュース摂取前における血中総カロテノイド濃度とメタボ関連マーカーとの相関を解析した結果、図2に示したように血中総カロテノイド濃度と、中性脂肪、HOMA-IR、収縮期血圧との間にそれぞれ有意な負の相関を確認しました。

メタボのリスク低下と血中カロテノイド濃度の関連性について検証するため、野菜ジュース摂取前における血中総カロテノイド濃度とメタボ関連マーカーとの相関を解析したところ、血中総カロテノイド濃度の高い人は中性脂肪、HOMA-IR、収縮期血圧の値が低く、メタボのリスクが低いということが考えられます。

■まとめ

野菜ジュースを摂取することによって、中性脂肪やHOMA-IRの値が高めの方で改善がみられたこと、そして、その作用は野菜に含まれるカロテノイドが関係している可能性があることから、日頃から継続して野菜ジュースを摂取することでメタボリックシンドロームの予防・改善効果が期待できると考えられるようです。

→ メタボリックシンドローム について詳しくはこちら




→ 食前に野菜ジュースを飲むことによる食後高血糖抑制効果はベジタブルファーストと同等の効果がある! について詳しくはこちら

→ 食前に野菜ジュースを飲むと、食後の血糖値の上昇を抑える効果-カゴメがヒト試験で確認 について詳しくはこちら




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チョコレートには糖尿病になるリスクを低減させる効果がある|東京医科大学とハーバード大学の研究チーム

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糖尿病が気になるあなたも、糖尿病予備群のあなたも、しっかりと予防をすれば、健康で長生きができ、ワクワク楽しい生活ができますので、ぜひ糖尿病のことを知って、生活習慣を変えていきましょう!




■チョコレートには糖尿病になるリスクを低減させる効果がある

Chocolat and spices on black table

by andrzej kowalski(画像:Creative Commons)

週に1枚アレを食べると、糖尿病リスクが減少する可能性があることが判明

(2015/2/12、マイナビニュース)

東京医科大学とハーバード大学の研究チームによると、チョコレートには糖尿病になるリスクを低減させる効果があるとのことで、栄養学の国際誌であるアメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション誌のオンライン版にも同研究内容が報告されている。

同研究グループは、米国の健康な男性1万8,000人以上のデータを分析し、チョコレートと糖尿病発症についての関係を調査した。その結果、チョコレートを多く食べている人は、全く食べない人と比べて糖尿病のリスクが低くなっていることが判明した。

東京医科大学とハーバード大学の研究チームによれば、チョコレートを食べている人は、そうでない人に比べて糖尿病のリスクが低いそうです。

→ 糖尿病の症状・初期症状 について詳しくはこちら

今回の記事にポイントは次の部分。

ただ、このような効果が見られたのは、65歳以下でBMIが25以下の健康な標準体重の男性だけであったため、注意が必要とのこと。

そのほかにも、チョコレートに含まれるカカオ・ポリフェノールは、糖尿病の危険因子となるインスリン抵抗性や酸化ストレス、炎症に対して予防効果があることも報告されているという。

同社のアドバイザーの高橋陽子管理栄養士によると、チョコレートはカロリーや脂質が高いため、継続的な食べすぎは肥満のほか脂質異常症や糖尿病などの生活習慣病を引き起こしかねない、としている。

まとめるとこうなります。

●標準体重の男性に限り、チョコレートによる糖尿病リスクを低くする効果がある

チョコレートの健康効果によれば、運動習慣があり、チョコレートを定期的に食べる人は、肥満度指数(BMI)が低い傾向があるということであり、今回の研究結果と近いと考えられます。

●チョコレートに含まれるカカオ・ポリフェノールが糖尿病のリスクを低くする効果があると考えられるので、カカオの含有量の多いものを選ぶ

本当? 糖尿病予防にチョコレートが効果的

(2015/2/11、itmediaビジネスオンライン)

板チョコ換算で【月に半分~1枚半、週に板チョコ半分、週に板チョコ1枚】の人々では、それぞれ糖尿病リスクが【7%減、14%減、17%減】となったのです。

チョコレートを食べる量としては、週に板チョコ1枚を食べている人は糖尿病リスクが17%減少していたそうです。

チョコレートの健康効果

1.食物繊維
糖分・脂肪を吸収する。食事の前に取ることで糖のとりすぎを防ぐ。

2.カカオポリフェノール
脂肪燃焼を促す。燃焼効率をアップ。

3.食事前に大好きな食べ物を摂ることで脳が満足感を得られる。
余分なものをとらずにすみ、またダイエットのストレスも減らすことになる。

●チョコレートはカロリーや脂質が高いため、食べ過ぎると、生活習慣病肥満脂質異常症・糖尿病など)を引き起こしやすい

→ 糖尿病の症状・初期症状 について詳しくはこちら

→ 糖尿病危険度チェック について詳しくはこちら







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太っていくにつれて中性脂肪が高くなるメカニズムを解明|東北大

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■太っていくにつれて中性脂肪が高くなるメカニズムを解明|東北大

Full-Figured Man

by Tony Alter(画像:Creative Commons)

肝臓のアミノ酸量増加で発せられる神経シグナルが肥満時の血中中性脂肪上昇に関与-東北大

(2015/8/19、QlifePro)

肝臓でのアミノ酸が増加したというシグナルが、自律神経を通じて脳に伝わり、脳から神経を通じて血中の中性脂肪の分解を抑える指令が発せられるというシステムを発見したという。

東北大、肥満による中性脂肪値上昇の仕組み解明-「栄養が多すぎる」情報が脳に伝達

(2015/8/19、日刊工業新聞)

研究チームは肥満状態で血中の中性脂肪が高くなるとともに、肝臓でのアミノ酸量が増えていることに着目した。

肥満ではないマウスに肝臓へのアミノ酸の流入量だけを増やすと、肥満時と同様に血中の中性脂肪が高値になった。

東北大学大学院医学系研究科の片桐秀樹教授や宇野健司助教らは、太っていくにつれて中性脂肪が高くなるメカニズムを解明したそうです。

2つの記事と東北大学プレスリリースよりそのメカニズムをまとめてみます。




■実験

脳を介した血中の中性脂肪の分解を抑えるシステム
肝臓から脳への信号(アミノ酸過多)→脳から脂肪組織への信号(LPL)の生産低下→血中の中性脂肪分解の抑制(血中の中性脂肪上昇)

参考画像:「太っていくにつれて中性脂肪が上がる」メカニズムを解明~肝臓からの神経シグナルでメタボリックシンドローム発症~(2015/8/17、東北大学プレスリリース)|スクリーンショット

●ポイントとなる前提

  • 肥満状態で血中の中性脂肪が高くなるとともに、肝臓でのアミノ酸量が増えている。
  • 血中の中性脂肪はリパーゼと呼ばれる酵素で分解されることが分かっている。

●疑問・仮説

肥満ではないマウスに肝臓へのアミノ酸の流入量だけを増やすとどうなるか?

●結果

肥満ではないマウスに肝臓へのアミノ酸の流入量だけを増やすと、肥満時と同様に血中の中性脂肪が高値になるという結果になった

●メカニズム

  1. 肝臓でアミノ酸量が増加する
  2. その情報が脳に伝えられる
  3. 脳が中性脂肪を分解する酵素リパーゼの産生を減らすように体に指令を出す
  4. 血中の中性脂肪が分解できなくなる
  5. 中性脂肪値が上昇する

■まとめ

今回の研究によって、体内の中性脂肪値を減らす治療法の開発につながることが期待されています。

→ 中性脂肪を下げる食事・運動・サプリメント について詳しくはこちら







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肝臓における中性脂肪の合成を空腹時に抑制し、食後に促進される仕組み解明 脂質異常症の治療法の開発につながる|#筑波大

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■肝臓における中性脂肪の合成を空腹時に抑制し、食後に促進される仕組み解明 脂質異常症の治療法の開発につながる|筑波大

Medical tubes

by reynermedia(画像:Creative Commons)

食事状況に応じた脂肪合成のON・OFF機構の発見 ~脂質異常症治療へ一歩前進~

(2016/8/19、筑波大学)

筑波大学医学医療系 矢作直也准教授、武内謙憲助教らの研究グループは、食事状況に応じて肝臓における中性脂肪合成がON・OFFされる仕組みを初めて解明しました。

その仕組みとは、絶食時には、肝臓の核内でSREBP-1遺伝子プロモーター上に転写複合体(KLF15/LXR/RIP140)が形成され、その働きによって中性脂肪合成が抑制される、摂食後には逆に、その転写複合体がLXR/SRC1複合体に変化することにより、中性脂肪合成が促進される、というものです。

また、肥満モデルマウスにおいて、KLF15の発現増強は血中の中性脂肪値を低下させ、脂質異常症を改善させることを確認しました。




■より詳しく!

空腹時:肝臓でKLF15の発現が誘導される。KLF15はSREBP-1遺伝子プロモーター上でLXRと結合する。するとそこへさらに転写抑制因子RIP140が結合し、LXRの転写活性が抑制され、SREBP-1の発現がOFFになる。食後:KLF15の発現が低下し、RIP140がLXRから離れ、転写促進因子SRC1と置き換わることにより、SREBP-1の発現がONになる。SREBP-1はFAS(脂肪酸合成酵素)などの転写を行い、脂肪合成が開始される。
空腹時:肝臓でKLF15の発現が誘導される。KLF15はSREBP-1遺伝子プロモーター上でLXRと結合する。するとそこへさらに転写抑制因子RIP140が結合し、LXRの転写活性が抑制され、SREBP-1の発現がOFFになる。食後:KLF15の発現が低下し、RIP140がLXRから離れ、転写促進因子SRC1と置き換わることにより、SREBP-1の発現がONになる。SREBP-1はFAS(脂肪酸合成酵素)などの転写を行い、脂肪合成が開始される。

参考画像:食事状況に応じた脂肪合成の ON・OFF 機構の発見~脂質異常症治療へ一歩前進~ |筑波大プレスリリースPDFスクリーンショット

空腹時:肝臓でKLF15の発現が誘導される。KLF15はSREBP-1遺伝子プロモーター上でLXRと結合する。するとそこへさらに転写抑制因子RIP140が結合し、LXRの転写活性が抑制され、SREBP-1の発現がOFFになる。

食後:KLF15の発現が低下し、RIP140がLXRから離れ、転写促進因子SRC1と置き換わることにより、SREBP-1の発現がONになる。SREBP-1はFAS(脂肪酸合成酵素)などの転写を行い、脂肪合成が開始される。

筑波大学医学医療系の矢作直也准教授と武内謙憲助教らの研究グループによれば、肝臓における中性脂肪の合成を空腹時に抑制し、食後に促進される仕組みを解明したそうです。

肥満モデルマウスによる実験によれば、肝臓で転写因子KLF15の発現を増強させたところ、血中の中性脂肪値が低下し、脂質異常症を改善したそうです。

肝臓における KLF15 の遺伝子発現を制御する仕組みがわかれば、肥満・脂質異常症の直接的な治療法の開発に役立つことが期待されるそうです。

→ 中性脂肪を下げる食事・運動・サプリメント について詳しくはこちら