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遅い夕食などで食事の時間が乱れると、体内時計が混乱し太ってしまう|早稲田大学




■遅い夕食などで食事の時間が乱れると、体内時計が混乱し太ってしまう|早稲田大学

Katrin mit Marmeladenbrötchen

by Torsten Mangner(画像:Creative Commons)

遅い夕食やっぱり太る…体内時計混乱、早大実験

(2012/10/7、読売新聞)

夕食の時間が遅いなど食事の間隔が乱れていると、体内時計がずれることを、早稲田大学の柴田重信教授(薬理学)らの研究チームがマウスを使った実験で明らかにした。

早稲田大学の柴田重信教授らの研究チームによるマウスの実験によれば、夕食の時間が遅くなるなど食事の時間が乱れると、体内時計が乱れるそうです。

体内時計が乱れることにより、肥満糖尿病になりやすくなります。

生物の体内時計は細胞中の時計遺伝子で制御されている。

1日は24時間だが、体内時計の周期は少しずれているため、光や食事によって補正し、1日のリズムを作っている。

柴田さんらはマウスに1日3回の食事を与え、腎臓肝臓の時計遺伝子の働きを計測し、体内時計のリズムを調べた。

その結果、人間の朝7時、正午、夜7時に相当する時間に食事を与えた場合は、1日で最も長い絶食時間の後にとる朝食で体内時計がリセットされることが分かった。この朝食の時間が1日の活動リズムを規定する重要な役割を果たしている。

体内時計をリセットする方法は、朝食をとることだと紹介されています。

以前テレビ番組で紹介された方法としては、脳と体(内臓)とは体内時計のリセット方法は違うようです。

  • 脳:朝日がリセット方法
  • 内臓:朝食がリセット方法(内臓の時計遺伝子をリセットするには、たんぱく質が必要。)

朝から朝日を浴び、朝食(たんぱく質を必ず)をとることで、体内時計がリセットされ、太りにくくなると考えられるようです。

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夜食を取ると、肝臓の「時計遺伝子」が乱れ、代謝異常になり、太りやすくなる?

体内時計 ダイエット|たけしの家庭の医学 5月25日

日本人のエネルギー摂取量の推移(厚生労働省 国民健康・栄養調査結果の概要)によれば、餓死者も出た昭和21年1903kcalに比べて平成20年1867kcalの方が低い。

しかし、日本人男性の肥満率は増加している。

このエネルギー摂取量が減少しているにも関わらず、肥満者数(男性)が増加しているという謎を解く鍵こそ「体内時計」にあるそうです。

時間栄養学とは、体内時計を利用し、食事の摂り方や摂る時間等を実践する最新科学。

■低カロリーなのにコレステロール値を悪化させた本当の原因とは?

栄養クリニックが改善したのは2点。

1 食事の内容

2 食事の時間

■体内時計とは

体内時計とは、体の中にある24時間時計というべきもので、睡眠・血圧・体温のリズムを司っている。

■時間遺伝子とは

体内時計の正体は、遺伝子に組み込まれている。

時計遺伝子とは、体内の様々な臓器の細胞に存在している遺伝子のことで、時間を刻んでいる遺伝子です。

時計遺伝子には、1日24時間を計る仕組みがある。

まず時計遺伝子は細胞内にたんぱく質を分泌させる指令を出す。

このたんぱく質が砂時計でいう砂であり、細胞にたんぱく質がいっぱいになるまでに約12時間かかる。

次に、時計遺伝子は、細胞内にたんぱく質を減らす指令を出す。

再び、たんぱく質が細胞からなくなるまでにおよそ12時間かかる。

このように1周が約24時間となり、その人の生活習慣に合わせて、様々なリズムをコントロールしている。

そして、この時計遺伝子によって、理想的な食事時間も決まっている。

朝食の時間と夕食の時間は起床時間で決まる。

理想的な1日のリズムは、7時起床の場合は、起床から2時間以内に朝食、起床から10時から12時間の間に夕食を摂るのが理想。

起床時間がずれれば、食事時間もずれる。

時計遺伝子が一日ごとにリセットされ、また新たに時計の針を動かしている。

体の場所によってリセット方法が違う。

脳:朝日がリセット方法

朝日を浴びることで脳のリズムがスタート

内臓:朝食がリセット方法

※内臓の時計遺伝子をリセットするには、たんぱく質が必要。

朝食にタンパク質を取ることで、その刺激が小腸に到達し、小腸の時計遺伝子を動かす。

すると、その信号が胃や肝臓にも伝わり、エネルギー代謝がはじまる。

そのため、タンパク質の少ない朝食の場合は、時計遺伝子はリセットされず、内臓の機能も低下したままになります。

すると、すでに活性化している脳が、栄養分が入っていないことを感知し、体が飢餓状態にあると判断します。

そのような状態で昼食をとると、飢餓状態に対応するため、体内に脂肪をため込む機能がスタート。

脂肪がエネルギーとして消費されず、コレステロール量が増加してしまう。

■夕食の時間

BMAL1(ビーマルワン)と呼ばれるタンパク質の一種には、体内に脂肪分を取り込む働きがある。

起床後14時から18時間後BMAL1の数が最大に達する。

■食習慣と体内時計が合わないとどうなるのか?

人間は、食事で摂ったカロリーの中から一定量を脂肪としてため込むメカニズムが備わっている。

体内時計と食習慣が合わないと、余計にカロリーを脂肪としてため込んでしまう。

余計にため込むカロリー

朝食抜きの場合、男性100kcal、女性80kcal。

夕食が時間がずれてしまった場合、男性50kcal、女性40kcal。

※香川靖雄先生の研究によると、7200kcalで脂肪1kg相当をため込むことになる。

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「ビール腹」体形の人は、肥満の人より糖尿病や心臓病のリスクが大きい!?|メイヨー・クリニック




■「ビール腹」体形の人は、肥満の人より糖尿病や心臓病のリスクが大きい!?|メイヨー・クリニック

Fat man in the market

by Tom Graham(画像:Creative Commons)

ビール腹は肥満より危険? 男性の死亡リスク2倍に 米研究

(2015/11/12、CNN)

米ミネソタ州にあるメイヨー・クリニックなどの研究チームが1万5000人あまりのデータを調べた結果、ビール腹体形の男性は単なる肥満や太りすぎの男性に比べて死亡リスクが2倍になることが判明。女性の死亡リスクも1.5倍の高さだった。

メイヨー・クリニックなどの研究チームによれば、「ビール腹」体形の人は、肥満の人より糖尿病や心臓病のリスクが大きいという研究結果が出たそうです。

このニュースを単純に見ると、「ビール腹」体形の人は生活習慣の改善に気を付けたほうがいいという結論になるかと思いますが、よく考えると気になることが2つありました。

1.なぜ「ビール腹」体形の人は死亡リスクが高まってしまうのか?

2.腹部肥満には、皮下脂肪と内臓脂肪がありますが、今回の記事では、なぜ皮下脂肪についてだけ書かれているのか?




1.なぜ「ビール腹」体形の人は死亡リスクが高まると考えられるのか?

胃の周りにたまった皮下脂肪は体内に浸透して重要な臓器を包み込み、肝臓でコレステロールに変換されて血中に送り込まれる。このコレステロールが動脈に蓄積すると動脈硬化が進み、心臓発作や脳卒中を引き起こすと考えられるからだ。

皮下脂肪がたまるとインスリン抵抗性も高まり、2型糖尿病など慢性疾患の原因にもなる。

皮下脂肪がたまることで死亡リスクが高まるメカニズムは以下の通り。

皮下脂肪がたまる

→コレステロールが血中に流れる

→動脈硬化

→心臓発作・脳卒中・糖尿病

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しかし、メタボと腹囲は無関係?によれば、腹部肥満の有無に関係なく、体重が増加すれば、検査値(血圧、血糖値)は悪化することがわかっているそうです。

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つまり、ビール腹体型だからというように、体型が問題ではなく、体重が増加すると、血圧や血糖値は悪化するということです。

2つの研究を比べると、なぜ「ビール腹」体形の人は、肥満の人より糖尿病や心臓病のリスクが大きいのか、その理由はわからないということになってしまいます。

一つ考えられることは、ビール腹体型の人と肥満の人とに体型以外の何か違うポイントがあるかどうかを探ることです。

ビール腹体型の人特有の要素が何か隠されているのかもしれません。

「ミンクル」が脂肪組織の線維化のカギによれば、脂肪にはいくつかの種類があり、腹部の筋肉の外側にあってつまむことができるのが「皮下脂肪」、大腸や小腸のまわりについているのが「内臓脂肪」、皮下脂肪や内臓脂肪の貯蔵量が限度を超えると、毒性の高い「異所性脂肪」が肝臓などに蓄積されるそうです。

肥満の人の内臓脂肪の量が限度を超えると、ミンクルを介して脂肪組織の線維化が起こり、脂肪が肝臓に蓄積して脂肪肝になります。

その結果、脂質代謝異常(コレステロール値の異常)などを経て、動脈硬化になったり、糖尿病になったり、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に発展したりします。

つまり、ビール腹体型が糖尿病や心臓病のリスクが大きい理由としては、内臓脂肪の量が限度を超えたことが原因にあると考えられるのではないでしょうか。

2.なぜ皮下脂肪についてだけ書かれているのか?

腹部肥満には、皮下脂肪と内臓脂肪がありますが、今回の記事では、皮下脂肪についてだけ書かれています。

その理由としては、欧米人は日本人に比べて皮下脂肪がたまりやすいことから研究対象になったからと考えられます。

日本人は欧米人より内臓脂肪がたまりやすい?によれば、日本人は、欧米人と比較すると、皮下脂肪に脂肪を蓄えておく力が低いため、内臓脂肪としてたまってしまうようです。

アジア人は日本人と同様に皮下脂肪に脂肪を蓄えておく力が低いため、内臓脂肪としてたまってしまうようです。

中国の約3億4100万人が「過体重」か「肥満」|内臓脂肪型肥満が多く、糖尿病・脂肪肝・心筋梗塞のリスクが高いによれば、中国人は内臓脂肪型肥満が多く、糖尿病脂肪肝、狭心症、心筋梗塞痛風のリスクが高いそうです。

■内臓脂肪対策

内臓脂肪は溜まりやすい一方、落ちやすい性質があるので、しっかりと対策を行なえば大丈夫です。

→ 内臓脂肪を減らすには|内臓脂肪の落とし方 について詳しくはこちら

●アディポネクチン

アディポネクチンは、中性脂肪の燃焼を助けるホルモンで、内臓脂肪が少ないほど分泌量が増えるそうです。

反対に、メタボリックシンドロームが進行する=内臓脂肪が増えると、アディポネクチンは減少してしまいます。(アディポネクチンの健康効果|中性脂肪を減らす・メタボリックシンドロームの改善・高血圧予防

→ アディポネクチンを増やす方法 について詳しくはこちら







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妊娠糖尿病の女性が2型糖尿病を発症するリスクは高い!

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by Vanessa Porter(画像:Creative Commons)

妊娠糖尿病は高リスク

(2009/6/24、47ニュース)

妊娠糖尿病の女性が2型糖尿病を発症するリスクは、正常血糖の妊婦に比べ7・43倍に上るとする研究結果を、ロンドンにある病院のグループがまとめ、英医学誌ランセットに発表した。

ロンドンにある病院のグループの研究によれば、妊娠中に糖尿病になった女性は、2型糖尿病を発症するリスクが高いそうです。

妊娠糖尿病は、上昇した血糖値を正常に戻す能力の低下が妊娠中に起きるか、初めて発見される病気。

妊婦の数%程度で起こるとされる。

2型糖尿病になる女性を少なくするためにも、妊娠糖尿病にならないように、検査などでの早期発見や食生活の改善・指導を行うようにしていく必要がありそうです。







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アメリカの糖尿病患者の約3割が糖尿病網膜症にかかっている!?

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■アメリカの糖尿病患者の約3割が糖尿病網膜症にかかっている!?

Millions March NYC

by Phil Roeder(画像:Creative Commons)

糖尿病患者で網膜症3割

(2010/9/14、47ニュース)

慢性糖尿病の三大合併症として網膜症、腎症、神経障害が知られているが、米国の糖尿病患者のうち3割近くが糖尿病性網膜症にかかっているとの調査結果を、米疾病対策センター(CDC)などの研究チームが米医師会雑誌に発表した。

米疾病対策センター(CDC)などの研究チームによれば、アメリカの糖尿病患者のうち3割近くが糖尿病網膜症にかかっているそうです。

糖尿病網膜症 についてはコチラ

■糖尿病網膜症

糖尿病網膜症の初期症状としては、ほとんど症状はありません。

新生血管が破れて出血を起こしたときや、黄斑部がむくんだときに、視力低下、ものがゆがんで見える、目の中に蚊のような虫やゴミが飛んでいるように見える飛蚊症、目のかすみなどの自覚症状を感じた段階では、かなり症状が進行しているおそれがあります。

→ なぜ糖尿病になると目がかすむのか? について詳しくはこちら

網膜は、瞳から入った光の明暗や色を感知する組織で、細かい血管が密集しています。

そのため、高血糖状態が続くと血管の閉塞障害と血液凝固異常がおき、眼内の血管が徐々に詰まって、網膜に栄養や酸素が届かなくなります。

そのような状態になると、網膜に新しい血管が生まれ、酸素不足などを補おうとします。

しかし、この新生血管はもろく、少しの刺激でも出血し、重篤化(じゅうとくか:病気がより悪い状態になること)すると網膜剥離を起こし、失明してしまいます。




■糖尿病網膜症の治療・手術

定期的に眼科で見てもらうことが大事と言えそうです。

医師と糖尿病網膜症の治療方針について良く相談の上、治療をして下さい。

増殖前網膜症の段階では、眼科では網膜症の進行を防止するため、網膜レーザー光凝固術を行い、血管新生の発生を抑制する処置を取るようです。

増殖網膜症の段階では、眼科では、網膜に癒着した増殖組織をはがす硝子体手術を行い、失明の防止や視力の回復を目指すことになるようです。

■糖尿病網膜症の予防

●ルテイン

ルテインの継続摂取が糖尿病網膜症の予防に役立つことを発表したそうです。

→ ルテインに糖尿病網膜症の予防作用-慶大の共同研究 について詳しくはこちら

→ ルテインの健康効果 について詳しくはこちら

●ブルーベリー

ブルーベリーに含まれるアントシアニンには、目の網膜にある血管や神経の細胞を保護する作用があることがわかったそうです。

これは、ブルーベリーに含まれるアントシアニンの抗酸化作用が関係していると考えられ、「糖尿病網膜症」に効果的だと考えられるそうです。

→ ブルーベリー「目にいい」実証 岐阜薬科大の原教授|緑内障・糖尿病網膜症に効果的 について詳しくはこちら

→ ブルーベリー(アントシアニン)の健康効果 について詳しくはこちら

●定期検診

糖尿病網膜症を予防するには、定期的に眼科で診ていただくことが重要です。

→ 糖尿病診断後1年以内に「眼科を受診しない」が6割|糖尿病網膜症の予防に関する実態・意識調査 について詳しくはこちら

■まとめ

糖尿病網膜症にならないためにも、まずは糖尿病にならないように気をつけましょう。

→ 糖尿病の症状・初期症状 について詳しくはこちら

糖尿病の合併症 についてはコチラ







ヒトのiPS細胞で作った膵島を糖尿病モデルの「マーモセット」に移植し血糖値が下がる|東大など

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■ヒトのiPS細胞で作った膵島を糖尿病モデルの「マーモセット」に移植し血糖値が下がる

参考画像:iPS細胞を基盤とする次世代型膵島移植療法の開発拠点|文部科学省スクリーンショット

iPS移植で血糖値低下…東大などサル実験成功

(2017/3/7、読売新聞)

膵島は、膵臓にある細胞の集まりで、血糖値を下げるインスリンを分泌する。宮島篤・東大教授(分子細胞生物学)らは、人のiPS細胞で作った膵島数万個を極細のチューブに封入し、糖尿病の小型サル「マーモセット」3匹の腹部に移植。数日後に血糖値が正常値に下がり、20日後まで持続したことを確認した。

東京大学 宮島篤教授ら研究チームによれば、ヒトのiPS細胞で作った膵島数万個をチューブに封入し、糖尿病モデルの「マーモセット」に移植したところ、数日後に血糖値が正常値まで下がり、その効果は20日後まで持続したことを確認したそうです。




■背景

iPS細胞を基盤とする次世代型膵島移植療法の開発拠点|文部科学省

圧倒的なドナー不足: 日本では年間最大でも数十例のドナー

免疫抑制剤: 生涯内服が必要、副作用あり、高額医療費

長期的にグラフト機能が低下する

糖尿病の治療では、膵島移植が行われていますが、膵島を提供してくれるドナーが不足しています。

そこで、iPS細胞を使えば、人工の膵島を大量に作れる可能性があり、iPS-膵島を免疫隔離膜に封じて移植することができれば、ドナー不足も解消します。

人工膵臓|小澤純二,森脇信,宮川潤一郎(大阪大学大学院医学系研究科分子制御 内科)

免疫隔離膜は,異種膵島細胞に対する免疫反応や自己免疫性1型糖尿病患者の細胞性自己免疫からβ細胞を保護する上で必要となるが,移植膵島の機能存続のためには,内蔵される膵島細胞やβ細胞への栄養素の供給も必須である。

→ 糖尿病の症状(初期症状)チェック について詳しくはこちら

→ 糖尿病危険度チェック について詳しくはこちら







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