「Health」カテゴリーアーカイブ

【家庭料理の視点から】カフェインを摂るとマグネシウムが排出されて体に不調が起きやすくなる!?




カフェインを摂取するとマグネシウムが排出されるというXの投稿について調べてみました。

■【論文の視点から】

論文によれば、カフェインを経口摂取すると、摂取後少なくとも 3 時間は尿中へのカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、塩素の排泄量が増加するそうです。

【参考文献】

コーヒーを1日2~3杯程度で、マグネシウムを含む食品(野菜やナッツなど)を十分にとっていれば、ほとんどの人で問題にならないようです。

ただ、1日4~5杯以上コーヒーを飲み、マグネシウムの摂取が少ない人にはリスクがある可能性がありそうです。

■【家庭料理の視点から】

マグネシウムは、亜鉛などと同様に必須ミネラルであり、骨や歯の形成に欠かせない栄養素です。

マグネシウムは摂取量が不足すると、骨粗鬆症や心疾患、糖尿病といった生活習慣病のリスクが高まる恐れがあるといわれています。

厚生労働省は30~49歳の男性に1日370mg、女性に290mgのマグネシウムの摂取を推奨していますが、実際の摂取量は男性平均250mg、女性224mg(平成22年国民健康・栄養調査)で下回っているのが現状です。

→ マグネシウムの多い食品 について詳しくはこちら

■まとめ

マグネシウム不足の人で体調不良を感じている人で、1日4-5杯コーヒーを飲んでいる人は、カフェイン摂取を一時的に休むというのもいいのではないでしょうか?

→ マグネシウムの多い食品 について詳しくはこちら







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2026年花粉予測を参考に1月・2月から花粉症の症状が出ている方、花粉症の薬をいつから飲むか悩んでいる方は今から花粉症対策を始めよう!




もうすぐ2月。1月から少しずつGoogleトレンドに「花粉症」の関連ワードを検索する人が増え始めたようです。

例えば「2026年花粉予測」「1月に花粉症のような症状」「花粉症の薬をいつから飲む」といったワードで検索し始めているようです。

そこで2026年の花粉飛散予測をもとに考えてみたいと思います。

2026年 春の花粉飛散予測(第3報) ~まもなく花粉シーズン 暖かい日は要注意 飛散のピークは2月下旬から~(2026年1月15日、日本気象協会)

■スギ花粉の飛散開始時期

2月上旬 九州や東海
2月中旬 九州から関東
2月下旬から3月中旬 北陸から東北

■2026年春の花粉飛散量予測

西日本:例年並み(理由:飛散量が多い翌年は雄花の形成が抑えられるため)
東日本・北日本:例年より多く、非常に多いところもある(理由:2025年夏は、全国的に高温・多照で、雄花が形成されやすい気象条件だったため)

こちらの資料を参考にすると、スギ花粉の飛散開始時期は九州や東海の2月上旬が最初と考えると、1月から花粉症の症状が出ているというのは、スギ花粉ではない花粉症だったり、他の症状の可能性がありそうですね。

花粉症の薬を飲み始めるなら、ご自身のお住まいの地域の飛散開始時期を参考に少し早めに耳鼻咽喉科で診てもらって薬を処方してもらった方がよさそうです。

■【家庭料理の視点から】

花粉症を予防するなら2月から始めよう!

●青魚(EPA)

抗炎症作用・抗アレルギー効果があるといわれるオメガ3に分類されるEPAを含む食品の青魚がおすすめ。

→ DHA・EPAの効果・効能・食品・摂取量 について詳しくはこちら

→ オメガ3脂肪酸 について詳しくはこちら

【関連記事】

●シソ(ロスマリン酸)

ロスマリン酸の健康効果とは?/抗アレルギー作用(花粉症対策)/アルツハイマー病予防によれば、ロスマリン酸は、シソ科植物(えごまの葉、赤しそ、ローズマリー、バジル、ミントなど)に多く含まれるポリフェノールの一種で、抗酸化作用や抗炎症作用を持つ天然成分として知られています。

近年では、抗アレルギー作用(特に花粉症対策)やアルツハイマー病予防への効果が注目され、研究が進んでいます。

●発酵食品

岡崎体育さんが毎日ヨーグルトを食べて花粉症を克服したことが話題!花粉症の症状がひどい相葉雅紀さん、毎日発酵食品(ヨーグルト、納豆、甘酒、味噌汁)を食べて腸活中!というように腸活で花粉症の症状を和らげようと取り組む芸能人の方もいらっしゃいますね。

■花粉症を抑えるには、乳酸菌で腸内環境を整えるといい!?

花粉症を抑えるには、乳酸菌で腸内環境を整えるといい!?|乳酸菌ヨーグルトの摂取量・選び方のポイントによれば、腸内細菌は免疫力の約7割をつかさどっているといわれており、その腸内細菌のバランスの乱れによって、花粉症が起きているため、腸内細菌を整えれば、花粉症を抑制することができるそうです。

免疫細胞であるT細胞には2種類あります。

Th1細胞:ウイルスやがん細胞などを攻撃する役割

Th2細胞:アレルギー抑制(アレルゲンの撃退)する役割

Th1細胞とTh2細胞は互いを抑制しながらバランスを保っています。

通常は、アレルギー原因物質が体内に侵入したとき、Th2細胞の働きでアレルギー反応に関わる物質IgE抗体がつくられ、攻撃をします。

しかし、何らかの要因(食生活の乱れ、ストレスなど)によって、このTh1とTh2のバランスが崩れて、Th1細胞よりTh2細胞の方が増えてしまうと、IgE抗体が過剰に反応し、体に害のない花粉にまで攻撃を仕掛けるようになった状態が花粉症です。

善玉菌を増やすと、Th1細胞とTh2細胞のバランスがとれ、花粉症は抑えられるそうです。

善玉菌を摂るには、毎日継続して摂取することを考えると乳酸菌を含んでいるヨーグルトがおススメなのだそうですが、どのくらいの量・どんな種類の乳酸菌を選ぶとよいのでしょうか。

  • ヨーグルトの場合、摂取の目安は、1日100~200g程度
  • 熱に強いフェカリス菌や、胃酸に強いKW乳酸菌、ピロリ菌抑制効果のあるLG21乳酸菌など、実験データを参考に選ぶのもよい
  • 自分に合う乳酸菌はそれぞれ違うので、1週間食べ続けて効果がない場合には、別の乳酸菌のヨーグルトに変えるといい

花粉症を抑制するためには善玉菌を増やすと良く、毎日継続して摂取することを考えるとヨーグルトがおすすめですが、自分に合う乳酸菌は違うので、まずは一週間同じヨーグルトを食べて、肌の調子やお通じを目安に効果がないときには、別のヨーグルトに変えましょう!

→ 乳酸菌の多い食品 について詳しくはこちら

→ 腸内フローラを改善する食べ物 について詳しくはこちら

花粉症に効果的な食べ物の組み合わせは「飲むヨーグルト+ミカンの皮」

愛媛大の菅原卓也教授のグループによれば、ミカンの皮とヨーグルトに含まれる成分を同時に摂取すると、かゆみなどの花粉症の症状が和らぐ効果があるとする研究結果を発表したそうです。

「ノビレチン」と「βラクトグロブリン」という2つの成分の相乗効果は花粉による過剰な反応を弱め、化学物質の放出を抑えると考えられるそうです。

ミカンの皮は苦いので、飲むヨーグルト150mlとミカンの皮1個分を3等分にして朝・昼・夜に分けるとよいそうです。

乳酸菌の効果を最大限に発揮するヨーグルトの食べ方(いつ・摂取量・種類・パワーアップさせる食べ合わせ)

●いつ食べるといいの?

乳酸菌の効果を最大限に活かしたい場合にはヨーグルトはいつ食べるといいのでしょうか?

答えは「食後」!

胃酸が薄まった「食後」なら乳酸菌は生きたまま腸にたどりつくからなのだそうです。

ただ、途中で死んだ乳酸菌が体の役に立たないわけではなく、ビフィズス菌や乳酸菌など死んだ菌も善玉菌のエサになるので役に立ちます。

●どれくらいの量のヨーグルトを食べるといいの?

食べる目安は1日100g。

●どんなヨーグルトを選べばいいの?

同じヨーグルトを2週間継続して食べると、あなたにあった乳酸菌がわかってくるそうです。

花粉症を抑えるには、乳酸菌で腸内環境を整えるといい!?|乳酸菌ヨーグルトの摂取量・選び方のポイントによれば、自分に合う乳酸菌は違うので、まずは一週間同じヨーグルトを食べて、肌の調子やお通じを目安に効果がないときには、別のヨーグルトに変えるとアドバイスしていました。

【#林修の今でしょ講座】腸の中に良い菌を増やす方法&便秘対策!腸に良いお風呂の入り方では、ヨーグルトは朝と夜で違うメーカーのものを食べるといいとアドバイスされていました。

その理由は、メーカーによって菌の種類が違うため。

朝晩100gずつ違うメーカーのヨーグルトを食べるとよいようです。

●ヨーグルトの乳酸菌をパワーアップさせる食べ合わせとは?

食物繊維を一緒に摂取すると乳酸菌がパワーアップ!

番組でおすすめしていたのは、生よりも食物繊維が多い「ドライフルーツ」で、特におすすめしたのは「ドライブルーベリー」。

むくみ腸を改善して便秘解消!ヨーグルト+ハチミツ+大根(水溶性食物繊維)|#あのニュースで得する人損する人では、便秘改善のためにヨーグルトを食べる場合には、はちみつと大根(水溶性食物繊維)を一緒に食べるとよいとアドバイスしていました。

  • ヨーグルト(善玉菌であるビフィズス菌の増殖を助ける)
  • はちみつ(ビフィズス菌の餌となるオリゴ糖)
  • 大根(水溶性食物繊維でビフィズス菌の育つ環境を作る)

→ 食物繊維の効果・効能|食物繊維を多く含む食べ物・サプリ について詳しくはこちら

腸の健康を良くするには、毎日同じ発酵食品を食べるよりも、違った種類の発酵食品を食べたほうがいい|オックスフォード大で紹介したオックスフォード大学の研究によれば、腸の中には様々な種類の善玉菌がいて、生存競争が活発な方が腸の健康に良いことがわかったそうです。

腸の健康には発酵食品が良いということが知られていますが、腸の健康をますますよくするには、毎日同じ発酵食品を食べるよりも、違った種類(メーカー・産地)の発酵食品(ヨーグルト・納豆・キムチ・チーズなど)を食べたほうがいいということです。

→ 花粉症の症状(目・鼻・のど)チェック について詳しくはこちら

→ 花粉症対策 について詳しくはこちら

●抗酸化食品(ルイボスティーなど)

トマトやシソ、甜茶、ペパーミント、フキ、バラなどの植物素材は、抗酸化作用をもつポリフェノール成分が、花粉症などのアレルギーの抑制に寄与すると考えられています。

これらは、アレルギー発症の原因となる悪玉細胞(肥満細胞)が活性化するのを抑え、くしゃみの原因となる悪玉物質(ヒスタミン)が悪玉細胞から遊離するのを抑えたり、鼻水や鼻づまりの原因となる悪玉物質(ロイコトリエン)が肥満細胞から放出されるのを抑える作用が、確認されているそうです。

→ 抗酸化食品 について詳しくはこちら

【関連記事】

■まとめ

花粉症対策に役立つことが期待されているものは抗酸化食品や抗炎症作用のある食品が多いようです。

自分の食生活を振り返って抗酸化食品や抗炎症作用のある食品を取り入れるというのもいいのではないでしょうか?

ただまずは耳鼻咽喉科で花粉の飛散開始時期の前に診てもらうのが一番いいと思いますよ。

→ 花粉症の症状 について詳しくはこちら

→ 花粉症対策グッズ・サプリ について詳しくはこちら

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【家庭料理の視点から】妊娠前に低体重だった母親から生まれた子供は低出生体重児に約1.6倍、早産が約1.2倍に増加する!




妊娠前の女性の「やせ」が出産時の母子の健康に影響 ~低出生体重児や早産の可能性が高まることが明らかに~(国立成育医療センター)によれば、妊娠前に低体重(BMI 18.5未満)だった母親から生まれた子どもは、低出生体重児が発生する可能性の比が約1.6倍、早産が約1.2倍、在胎不当過小児(SGA; Small for Gestational Age;妊娠週数に対して出生体重が平均より小さい赤ちゃんのこと)が約1.6倍に増加することがわかりました。

【参考文献】

未熟児の出産率上昇 女性の「痩せ願望」が原因を参考に低体重児の健康への影響をまとめてみます。

●妊婦がやせていると2500グラム未満の「低出生体重児」を出産するリスクが高くなる

●低出生体重児は増加傾向

厚生労働省発表の人口動態統計によると、1990年の全出生数に対する低出生体重児は6.3%だったが、2004年には9.4%に上昇

●元々BMIが低い女性は妊婦となった後も体重が思うように増えず早産して低体重の新生児を出産する可能性が高くなる

●低体重の新生児は将来太りやすく、生活習慣病にかかりやすいという指摘もある

■【家庭料理の視点から】

日本人の平均身長が低下しているのは低出生体重児の増加が原因!?「妊娠中の適切な体重増加の推奨」の影響もある!?でしょうかした国立成育医療センターによれば、1980年以後に生まれた日本人の平均身長は低下しており、低出生体重児増加も一因になっている可能性があるそうです。

その原因の一つが「妊娠中の適切な体重増加の推奨」で体重を気にしすぎて低出生体重児が増加したからではないかという意見がありました。

これまで低出生体重児の増加には女性のヤセ願望・女性のヤセすぎ問題と関連して取り上げられることが多かったです。

【関連記事】

ただ一つの可能性として「妊娠中の適切な体重増加の推奨」によって、それほど気にする必要がなかった人が過度に気にしすぎてしまって、体重をコントロールしようとした結果、低出生体重児が増加しているのではないでしょうか?

→ 「妊娠中の体重増加指導の目安」が変更になってるって知ってた!? について詳しくはこちら

■まとめ

妊娠前の女性のやせが出産時の母子に影響を与えることから、妊娠前から適正体重にすることが大事というわけですね。







【関連記事】

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なぜこういう考え方になるのか

他の記事はどんな視点で書かれているのか

この話が、全体の中でどこに位置づくのか

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※ 無理に読まなくて大丈夫です。
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この考え方の全体像(意味のハブ)

この記事で触れた内容は、以下の概念記事の一部として位置づけられています。

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【家庭料理の視点から】噛み応えのあるソーセージが高齢者の口腔機能改善に有効である可能性




噛み応えのある食肉加工品摂取が高齢期の口腔機能改善に有効である可能性が明らかに(2025年12月24日、日本ハム)

北海道大学と日本ハムによれば、口腔機能の低下を認める高齢者35名を対象に、噛み応えのある食肉加工品(シャウエッセン)を3か月間摂取する試験を行った結果、口腔機能の低下が改善する可能性が示唆されたそうです。

■研究の目的

加齢や疾患、障害などが原因で、噛む、飲み込む、話す、唾液を出すといった口腔の機能が低下した状態である口腔機能低下症を放置していると、咀嚼障害や摂食嚥下障害など口腔の機能障害に陥ることで、食べられる食物の種類や量が減少し、たんぱく質やエネルギーなどの栄養摂取バランスを阻害すること、その結果、低栄養やフレイル、サルコペニアを進展させるなど全身の健康に影響することがわかっています。

【参考文献】

  • Inomata C, et al. Significance of occlusal force for dietary fibre and vitamin intakes in independently living 70-year-old Japanese: from SONIC Study. J Dent. 2014;42(5):556-64
  • Motokawa K, et al. Relationship between Chewing Ability and Nutritional Status in Japanese Older Adults: A Cross-Sectional Study. Int J Environ Res Public Health. 2021;18(3):1216

口腔機能の維持・管理をするために適度な咀嚼を促す噛み応えを持ち、たんぱく源でもあるソーセージを食べることで口腔機能にどのような影響を与えるのかを調べたのが今回の研究です。

■結果

①口腔衛生状態、④舌口唇運動機能、⑥咀嚼機能の測定値および、2)機能低下該当数に有意な改善が認められました。

■【家庭料理の視点から】

今回のポイントとなるのは口腔機能の低下を認める高齢者を対象にしていて、実際にすでに嚥下障害を抱えている高齢者を対象にしたものではないということですね。

健康な高齢者 → 口腔機能低下があるがまだ嚥下障害ではない高齢者 → すでに嚥下障害で悩んでいる高齢者

このグラデーションの中で今回のターゲットとしているのが、「口腔機能低下があるがまだ嚥下障害ではない高齢者」ということです。

高齢者でも食べやすいカステラ「なめらかすてら」の開発|高齢者の低栄養の問題と嚥下障害の問題を解決する|ゆめカステラプロジェクトでも書きましたが、高齢者の食事においては高齢者の低栄養の問題と嚥下障害の問題の2つが背景にあります。

1.高齢者の低栄養の問題

要介護者の4割が低栄養傾向|家族の7割は「低栄養」の意味知らないで紹介した日清オイリオグループが60歳以上の要介護者(要介護度1~3)を在宅で介護しており、介護食を作っている100名を対象に実施した「低栄養に関する実態調査」によれば、要介護者の4割が低栄養傾向にあることがわかったそうです。

これまでにも要介護者の中にはたんぱく質が不足する低栄養の人が多いということを紹介してきました。

適切な食物摂取ができず、栄養状態が悪化していることを「低栄養」と呼びます。

低栄養になると、免疫が低下したり、筋肉が減少したり、骨が弱くなったりすることで、感染症に掛かりやすくなったり、骨折するおそれが高くなるようです。

今回紹介した厚生労働省のまとめによれば、高齢者はたんぱく質の摂取量が少ないと、フレイルティの出現リスクが増加するそうです。

なぜ高齢者になるとタンパク質が不足しがちなのでしょうか?

肉料理が苦手だったり、以前は、家族のために栄養を考えて、肉や卵などを使って料理をしていた人が、一人暮らしになってから、自分が好きなものだけを食べることで食が偏るようになって、肉や卵を使った料理を食べなくなってしまったり、食事の量自体が減ってしまったり、中高年の頃からのメタボ対策のための粗食を継続してしまったりすることで、たんぱく質が不足してしまうということがあるようです。

つまり、たんぱく質を摂るという面でみると、卵が原材料として使われているカステラはたんぱく質を補給するお菓子としておススメできるというわけですね。

2.嚥下障害の問題

要介護者の約6割に咀嚼や嚥下に問題がある|嚥下障害チェックテスト・嚥下障害対策(健口体操・嚥下体操)で紹介した日清オイリオグループが60歳以上の要介護者(要介護度1~3)を在宅で介護しており、介護食を作っている100名を対象に実施した「低栄養に関する実態調査」によれば、要介護者の約6割に咀嚼(そしゃく。かむこと)や嚥下(えんげ。飲み込むこと)に問題があるそうです。

高齢者は注意したい!誤嚥性肺炎の気づきにくい症状のサインとは?によれば、厚生労働省の人口動態統計の死因別統計によれば、「肺炎」で亡くなる人が年間12万人を超え、肺炎は「がん」「心臓病」に次ぐ第3位となっています。

高齢者にとって肺炎は怖い病気であり、肺炎を引き起こす原因としては、「嚥下障害(えんげしょうがい)」によって起こる「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」が挙げられます。

誤嚥性肺炎の原因は、食べ物や飲み物、唾液に含まれた細菌が気管から入り込むことですが、眠っている間に細菌を含む唾液を少しずつ誤嚥することがあるため、気づきにくいです。

寝たきりや脳血管障害、認知症の患者の場合は、嚥下反射やせき反射が低下し、細菌が気道を通じて肺に入り込みやすくなるため、誤嚥性肺炎のリスクが高くなるそうです。

誤嚥性肺炎の予防は、細菌を含む食べ物や唾液の誤嚥を防ぐことが重要となります。

単純に誤嚥を防ぐためには嚥下が難しい食品を食べないようにすると考えてしまいそうですが、そうしてしまうと、好きなものを食べる楽しみを奪ってしまう可能性があります。

つまり、今回の研究では誤嚥を防ぐために嚥下が難しい食品を食べさせないようにするというものではなくて、継続的に摂取可能な市販食品で適度な咀嚼を促す食品としてソーセージを使ってはどうかという提案が行われたというわけなんですね。

■まとめ

単純に誤嚥を防ぐためには嚥下が難しい食品を食べないようにすると考えてしまいそうですが、そうしてしまうと、好きなものを食べる楽しみを奪ってしまう可能性があります。

「#口腔力」を鍛えよう!高齢者の介護から口から食べる楽しみを理解し嚥下障害対策を行おう!|#健康寿命では、先日介護に携わる方に話を聞いた際に驚いたのは、「食べる」という行為が人間にとっての喜びにつながっているという視点でした。

高齢者の介護では3分炊き、5分炊きといったように介助レベルに応じて食事を作り、提供するのですが、本当に食事が難しくなると、おかゆの液体部分をすくったようなものを食事として提供するそうです。

そこまでいくと、腹部に穴を開けて胃に直接水分や栄養を送る「胃ろう」を選択してはどうかと考えることもあるそうです。

ただ、大事なのは、食事における噛んだり、飲み込んだりすることの大事さであり、そのことが食べることへの喜びにつながるため、その選択をするのは難しいとのことでした。

いかに食べる楽しみを奪わないようにするかは大事なことなんですよね。







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もし、

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他の記事はどんな視点で書かれているのか

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【家庭料理の視点から】なぜビタミンD不足の赤ちゃんが増加しているの?




なぜビタミンD不足の赤ちゃんが増加しているの?

乳児期のビタミン D 欠乏の予防に関する提言(2025年3月24日、日本小児医療保健協議会栄養委員会)によれば、最近、ビタミンD欠乏の乳児が増加しているそうです。

日本小児科学会もいっていますが、ビタミンD欠乏は、低カルシウム血症やビタミンD欠乏性くる病などの原因となるため、ビタミンD欠乏予防に取り組むことが大事なのですが、なぜビタミンD欠乏のお子さんが増えているのでしょうか?

1)赤ちゃんのビタミンD充足度は、お母さんのビタミンD充足度と比例しているのですが、お母さんのビタミンDが不足しているから

近年、ビタミンD欠乏の乳児が増加しており、0~5か月の乳児の52%がビタミンD欠乏という報告もあります。

日本人思春期・青年期女性のビタミンD充足度を調べた論文によれば、約半数の女性がビタミンD欠乏であり、また、ビタミン D 欠乏の妊婦が多く、胎児のビタミンD濃度は母体のビタミンD濃度と比例するため、女性や妊婦のビタミンD欠乏は赤ちゃんのビタミンD欠乏のリスク要因になっています。

【補足(2026年1月29日)】

学会最前線 アレルギーの最新研究を紹介します①~あるビタミンが食物アレルギーを予防する?~で紹介されている中野泰至先生(千葉大学大学院医学研究院小児病態学)によれば、秋冬や緯度が高い地域では紫外線の量が少ないため、ビタミンDが不足することにより食物アレルギーが多くなっている可能性があると考えられるそうです。

千葉大学が実施した「CHIBA study」によれば、体内のビタミンD濃度が少ないほど、食物アレルギーになりやすい可能性があること、母乳栄養の1歳児はビタミンD濃度が低いことも明らかになりました。

また、血液中のビタミンD濃度が低いほど食物アレルゲン感作率が高いとのデータも報告されています。

2)お母さんが紫外線防止のために日光を浴びないようにしているから(過度に日焼け止めを塗っているから)

3)ビタミンDを含む食事をしていないから

魚を食べる機会が減っているためビタミンDの摂取が不足しています。

例:鮭は15gで5μg、卵黄1個で2.5μgがビタミンDが含まれています。

ビタミン D は、カルシウムの吸収を促進して骨を丈夫にし、筋力を高めてくれるので、カルシウムも一緒に摂取しましょう。

■【家庭料理の視点から】

国民一人一日当たり魚介類と肉類の摂取量の推移|水産庁
国民一人一日当たり魚介類と肉類の摂取量の推移|水産庁

参考画像:水産物の消費動向|水産庁(スクリーンショット)

オメガ3の美肌効果|オメガ3を摂取するとなぜ美肌になるのか?で紹介した麻布大学の守口徹教授によれば、水産庁による国民一人当たりの魚介類と肉類の摂取量推移によれば、平成18年には初めて肉類の摂取量が魚介類を上回り、21年には肉類と魚介類の摂取量が上回り、その差が拡大しているそうです。

魚介類の摂取量が減少していることからビタミンDが不足していると考えられるので、鮭や卵黄、きのこなどのビタミンDを宇含む食品を取りたいですね。

また、冬は子どものビタミンDが不足しがち 食物アレルギーとの関係は?で解説しているアレルギー学会・小児科学会指導医の堀向健太さんによれば、乳幼児はフォーミュラミルク(「乳児用調製粉乳(粉ミルク)」を意味し、母乳の代わりとして乳児に必要な栄養素を計算し配合(調合)されたもの)やビタミンD強化食品、医師の指導でビタミンDサプリ(子ども用、1日400-1000IU程度)も活用することをアドバイスしていました。

■まとめ

寒さで外遊びが減ることや紫外線ケア、魚を食べる機会が減ってビタミンDが不足することをきっかけに、子どもの食物アレルギー感作(アレルギー反応を引き起こす抗体が作られる)、冬の肌荒れ、湿疹の可能性があるようです。

ビタミンDを含む食品を取りたいですね。

【関連記事】







【参考文献】
1)Nakano S, Suzuki M, Minowa K et al. Current vitamin D status in healthy Japanese infants and young children. J
Nutr Sci Vitaminol 2018;64:99-105.
2)冨本和彦,金城 学.北日本の一地域における母乳栄養時のビタミン D 充足状態評価.日児誌 2018;122:1563-
1571
7)Tsugawa N, Uenishi K, Ishida H et al. Association between vitamin D status and serum parathyroid hormone
concentration and calcaneal stiffness in Japanese adolescents:sex differences in susceptibility to vitamin D deficiency. J Bone Miner Metab 2016;34:464-474.
8)Yoshikata H, Tsugawa N, Watanabe Y et al. 25-Hydroxyvitamin D profiles and maternal bone mass during pregnancy and lactation in Japanese women. J Bone Miner Metab 2020;38:99-108.

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この記事は、
「人の生活を、断定せず、文脈ごと残す」
という この街の憲法 に基づいて書かれています。

この街の中心に置いている憲法を読む