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EXITりんたろー。さん、首のこりが原因で「髪触っただけで痛い」ほどの頭痛、全身の湿疹と唇の腫れに襲われ、入院していたことを告白!




EXITりんたろー。年末に緊急入院の経緯・病状告白「髪触っただけで痛い」「全身に湿疹ができて…」によれば、りんたろー。さんは首のこりが原因で2024年の12月頃から「外側も中側も痛いみたいな。髪触っただけで痛い」ほどの頭痛に悩まされていたそうです。

神経痛の薬を飲んでもよくならず、耳⇒喉⇒左に行ってというようにどんどん痛みが移動して、最終的には全身の湿疹と唇の腫れに襲われ、入院することになったそうです。

湿疹というワードを見ると、帯状疱疹を思い浮かべますが、手紙(2020年5月14日、note)に

仕事が忙しくなり、寝る時間がなくなって体に帯状疱疹ができて、しんどそうに仕事をしている兼近をみていると

というりんたろー。さんが書いた文章があることから、自身に同じような症状が出ると真っ先に疑うことが予想されるため、帯状疱疹ではなかったのかもしれません。

ここからは個人的な経験です。

首のこりからくる頭痛はものすごく痛くて、わかりやすく言えば寝違えのひどいバージョンで、ちょっと動くだけで頭痛の症状が出てきて、動けなくなったことがあります。

同じような症状を思い出したのですが、それはお酒を飲んだ時。

お酒を飲んでいると突然肩や首が緊張して硬くなる時があり、この症状が続くと頭痛を起こしそうな予感があり、首の緊張を和らげるストレッチ・マッサージをして、頭痛を回避したことがあります。

【EXITりんたろー。】食事、運動、睡眠、お酒……生活習慣の“ちょい”見直しで、自律神経のレベルアップを狙う!【連載55回】(2022年4月27日、VOCE)を参考にすれば、りんたろー。さんはお酒は嫌いではないようなので、一つ可能性があるのではないでしょうか?

私の場合は、それ以前から腰が痛かったり、足が痛かったり、肩が痛かったりと、ずっと全身が凝っているような、神経が張っているような感覚があったのですが、最近はこれってもしかすると、寝返りをうっていないからおきていることなのかもしれないなぁと思っているところです。

人は長時間同じ姿勢をしていると体に負担がかかるのですが、寝返りによって体をほぐしているそうです。

姿勢が悪くて筋肉が凝り固まった結果寝返りがうてなくなったり、また掛け布団が重すぎたり、柔らかすぎるマットレスを使うと寝返りを妨げてしまうそうです。

つまり、体をほぐして、寝返りしやすい睡眠環境を整えることが体の緊張を防ぐことにつながるのではないかと思っています。

ただ、りんたろー。さんの場合は全身の湿疹と唇の腫れという症状が出たことから、睡眠とは関係ないかもしれませんが、湿疹と唇の腫れを蕁麻疹と捉えて、疲労やストレスによっても起きると考えれば、このケースに当てはまるのではないでしょうか?

首が痛い(首の痛み)原因(ストレートネック)・解消法

脳には大量の血液が必要なため、首には左右で4本もの動脈が通っています。

同じ姿勢でいたりすることで、ひどい肩こり(肩の筋肉の緊張)になると、首の動脈を圧迫するようになってしまい、血流が悪化します。

その結果、脳に対して十分な血液が届かなくなったり、静脈に血がたまってしまい「うっ血」を起こしたりします。

そして、酸素不足が起こり、頭痛やめまいの原因となってしまうのです。

人によっては、頭痛やめまいだけでなく、吐き気、目の奥の痛みなどの症状を訴える人もいるようです。

りんたろー。 昨年末体調不良→急遽入院の真相激白 医師からは「死ぬやつですこれ…って」(2025年4月4日、スポニチアネックス)で紹介されているEXITのりんたろー。さんがドクターストップで入院した時のエピソードが衝撃的です。

「頑張ってたら急に頭痛くなり始めて。薬飲みながらごまかしてやってたんですけど湿疹が出てきて、唇が腫れて…(病院へ行くと)先生から“死ぬやつですこれ!”って言われて入院しました」と一連の流れを説明しました。

唇が腫れあがってしまったの一例を参考にすれば、湿疹、唇の腫れ、そして生死にかかわることと言えば呼吸困難であれば、アナフィラキシーショックであったり、また別の症状も考えられるようです。







睡眠薬の長期服用が脳のゴミ排出システムを妨げてアルツハイマー型認知症になるリスクが高くなる!?




脳に“ゴミ”を溜めて認知症を招く「恐るべき睡眠薬」とは?医療・製薬業界が激震(2025年2月23日、ダイヤモンドオンライン)によれば、有名な睡眠薬「ゾルピデム」(商品名マイスリー)が、「グリンパティック・システム(脳のゴミ排出システム)」の作用を妨げる可能性を指摘しています。

【参考リンク】

グリンパティック・システムがうまく機能しないと、脳のゴミ=たんぱく質「アミロイドβ」が蓄積され、アミロイドβの蓄積はアルツハイマー型認知症と深く関連することが分かっています。

アルツハイマー病は、アミロイドβタンパクが脳にたまることで、神経細胞が死滅し、萎縮し、認知機能が低下することから起きると考えられています。

脳のごみ排出システム(頭蓋骨の中を満たしている液体である脳脊髄液が細胞のゴミであるアミロイドβを洗い流す)が働くのは、睡眠中だけなのですが、今回の記事によれば、睡眠薬がこの脳のゴミ排出システムの作用を妨げてしまう可能性があるそうです。

そう考えると、いかに睡眠薬に頼らずに眠るかということがアルツハイマー型認知症を防ぐために大事ということなんですね。

→ 認知症の症状・改善・予防に良い食べ物 について詳しくはこちら







男性は仕事中に座っている時間が長いほどすい臓がんの罹患リスクが高い!




職業性座位時間とがん罹患リスクとの関連(国立がん研究センター)によれば、男性は職業性座位時間が長いほど膵がんの罹患リスクが高いという関連がみられ、女性では、職業性座位時間が長いほど、肺がんの罹患リスクが高いという関連がみられたそうです。

座る時間が長くなるとなぜすい臓がんや肺がんなどがんのリスクが高くなるのでしょうか?

長時間座り続けることで血流や筋肉の代謝が低下し、健康への悪影響があるといわれていますよね。

1)インスリン抵抗性

肥満のリスク・デメリット 太る原因と関連する病気(糖尿病・がんなど)(NHK)によれば、食べ過ぎや運動不足によって、大量に余った等を処理するために大量のインスリンが分泌されるのですが、インスリンの過剰分泌が、がん細胞を増殖しやすくするといわれています。

インスリン抵抗性とは、肝臓や筋肉、脂肪などでのインスリンが効きにくくなった状態(血糖値を正常範囲に戻すために過剰なインスリンを必要とする状態)で、インスリン抵抗性が強い状態が続くと、糖尿病脂肪肝メタボリックシンドローム高血圧脂質異常症高脂血症)・動脈硬化を招く原因となります。

がん・糖尿病への罹患と軽度認知障害・認知症との関連(国立がん研究センター)によれば、糖尿病はインスリン抵抗性を高めることでがんのリスク要因となることが知られており、また、がんの罹患後にインスリン抵抗性が高くなることも報告されているそうです。

つまり、長時間座ると代謝が低下してインスリン抵抗性が高まりがんリスクを高めると考えられます。

2)慢性炎症

日米連携研究プロジェクト 「慢性炎症の制御によるがん発症ゼロ社会の実現」 ムーンショット型研究開発事業で始動(名古屋大学)

これまでに、20-30% 程度のがんの発症に、ウィルス(肝がん、子宮頸がんなど)、ヘリコバクター・ピロリ等の細菌(胃がん、悪性リンパ腫)、炎症性腸疾患(大腸がん)等の慢性感染および慢性炎症が関わることが解明され、その一部に対しては抗微生物薬・抗ウィルスワクチン等による発がん予防が進められています。さらに近年では、慢性炎症が加齢や肥満、糖尿病によっても引き起こされ、発がんに寄与することが明らかになりつつあります。

20-30% 程度のがんの発症に慢性炎症がかかわっていること、慢性炎症が加齢や肥満、糖尿病によっても引き起こされ、発がんに寄与することがわかっているのですが、同じ慢性炎症でも発がんに至る場合と至らない場合があり、そのメカニズムは解明されていないそうです。

食べ過ぎ・運動不足によって余分なエネルギーを摂取し、体内に脂肪が蓄積される
→脂肪細胞が大きくなる
→脂肪細胞から脂肪分解によって放出された飽和脂肪酸に惹かれて白血球が集まることで炎症が生じ、炎症性サイトカインが放出される
→慢性炎症

また炎症性サイトカインの働きで、脂肪細胞に含まれる遊離脂肪酸が放出され、遊離脂肪酸は、血流に乗って全身に運ばれ、他の臓器や組織でも慢性炎症が影響し、動脈硬化や糖尿病の発症につながります。

どういった慢性炎症が発がんと関係しているかわかっていないものの、慢性炎症を起こすような生活習慣はがんリスクを高めてしまうため、今回の話でいえば長時間座ることは避けたいところですね。

【関連記事】

■まとめ

長時間イスに座っているのは、健康に良くないらしいによれば、デスクワーク(長時間椅子に座ったままでの仕事など)は、大腸がんのリスクを増加させる可能性があるそうです。

【#ガッテン】1時間座り続けると22分寿命が縮む!?耳石が動かないと自律神経や筋肉の働きが衰えてしまう!30分ごとに立ち上がってアンチエイジング!によれば、耳石は、全身の筋肉や内臓・血管をコントロールしている自律神経とつながっています。

耳石が動いている状態だと、全身の筋肉や自律神経の働きが良くなることによって、心臓などの働きが良くなって血流がよくなったり、コレステロールや糖の代謝も良くなるそうです。

しかし、耳石があまり動かないと状態だと、全身の筋肉や自律神経の働きが衰え、免疫力低下、筋力の低下、循環機能低下、代謝の異常などが起きてしまうそうです。

長時間座ることはどのくらい健康に悪いのか?によれば、長時間座ることの健康への影響は次のようなものが挙げられています。

  • 脂肪を分解する酵素が90%減少
  • インスリン値は下がる
  • 善玉コレステロール減少
  • 血圧は上がる(高血圧
  • 脚の筋肉で支えていた体重は首と背骨にかかり、座ることで脳の血栓ができやすくなる
  • 肥満糖尿病、心循環系の病のリスクも高まり、心臓病のリスクも2倍になる
  • 乳がんにも悪影響を与える

長時間イスに座っているのは、健康に良くないらしいによれば、座っているときは、体の代謝に必要な仕組みがストップされているそうです。

普段からよく歩く人達に歩く量を減らしてもらう実験を行うと、糖分や脂肪の代謝機能が低下し、体脂肪率が増加したそうです。

定期的に運動していれば、「座る」と「立つ」に健康リスクへの差はない!?で紹介したエクセター大スポーツ健康科学部のメルビン・ヒルズドン(Melvyn Hillsdon)さんによれば、「座っていようが立っていようが、同じ姿勢で動かないことは、エネルギー消費が低く、健康に有害である可能性がある」そうです。

つまり、座る姿勢に問題があるということではなく、同じ姿勢で動かないことが健康にとっては良くないということなのです。

耳石を効率よく動かす方法は「立ち上がること」なのだそうです。

立ち上がるという動作は、頭が前後左右上下に動くため、耳石を効率よく動かすことができるそうです。

研究によれば、32回立ち上がる動作をするとよいそうで、それを一日の中で計算をすると、30分に1回立ち上がるとよいそうです。

※(一日(24時間)-睡眠時間(8時間))÷32回=30分

今回番組では、座る時間が長い方に30分に1度立ち上がることを2週間続ける実験を行なったところ、中性脂肪が15%減少・悪玉コレステロールが5%減少、善玉コレステロールが11%増加するという結果が出たそうです。

座る時間が長い人は30分に1回立ち上がるようにするといいのではないでしょうか?

⇒ 膵臓がんの症状(初期症状)・原因・予防 について詳しくはこちら







【関連記事】

胃カメラの際に十二指腸液を採取しすい臓がんの早期発見をする世界初の検査方法を開発/九大




膵臓がんの早期発見へ 胃カメラの際に十二指腸液を採取し診断…九州大が世界初の検査方法開発 健康診断のオプションに 福岡(2025年2月21日、TNCテレビ西日本)で紹介した九州大学の中村雅史教授のチームによれば、胃の内視鏡検査の際にカメラの先からカテーテルを伸ばして十二指腸液を採取し、そこに含まれるタンパク質の成分から膵臓がんの早期発見につなげる世界初の検査方法を開発したそうです。

→ 膵臓がんの症状(初期症状)・原因・予防 について詳しくはこちら

■まとめ

今回のポイントとなるのは、胃の内視鏡検査のオプションとしてできるということ。

がん患者の「5年相対生存率」推計62.1%|国立がん研究センターによれば、男性におけるがんの種類ごとの生存率によれば、すい臓がんが最も低い7.9%、女性もすい臓がんが最も低い7.5%となっています。

すい臓がんはなぜ「最悪のがん」だといわれるのか?|膵臓がんの5年生存率はあらゆるがんの中で最も低い!によれば、すい臓がんが最悪のがんだといわれる理由は3つ。

1.検査で発見しにくい

すい臓は胃の裏側の体の深部にあり、他の臓器に囲まれているため、がんが発生してもレントゲン検査などでは発見しにくい。

すい臓の位置が体の奥深く(肝臓や胃などの裏側の隠れた場所)にあるため、検査が難しいそうです。

2.がんが転移しやすい

また、すい臓がんの多くは中を通る「すい管」という部位に発生するが、すい管はリンパ管や血液とつながっているため、がん細胞が周辺の臓器や体の遠い部位まで転移しやすい。

3.特徴的な自覚症状がない

その上、すい臓がんには特徴的な自覚症状がない。症状として腹痛、黄だん、腰や背中の痛み、食欲不振、体重減少が挙げられるが、胃炎やすい炎の場合も同じ症状になる。

すい臓がんが早期に発見されにくい理由は、自覚症状がなかなか現れず、また、すい臓がん特有の特徴的な症状がないためです。

すい臓がんの症状として共通しているのが、胃のあたりや背中が重苦しい、お腹の調子がよくない、食欲不振やだるさ、体重の減少などがありますが、いずれもすい臓がん特有の症状ではなく、胃腸の調子が悪い程度のもので見過ごしてしまいがちです。

すい臓がんがある程度進行すると、はっきり黄疸が出たり、腹痛も強くなり、背中や腰に痛みが走り、体重の減少といった症状もみられるようになります。

小さなすい臓がんの場合は、腹痛や黄だんなどの症状が出ないことが多く、発見時にはすでに手術ができない状態が多いのだ。

しかし、小さなすい臓がんでは腹痛や黄疸などの症状も出ないことがあるため、すい臓がんが見つかった時にはすでに手遅れという場合も多いそうです。

見つけにくいすい臓がんを早期発見するには、自覚症状がなかなか現れず、また、すい臓がん特有の特徴的な症状がないのですが、すい臓がんの危険因子を多く抱えている人に対して、今回紹介した胃カメラの際に十二指腸液を採取し診断をする方法であれば、比較的負担が少なく、すい臓がんの早期発見につながるのではないでしょうか?

糖尿病とすい臓がんのこと~早期診断に大切なこと~JA尾道総合病院 診療部長花田敬士

すい臓がんの危険因子(身近なもの)

複数ある場合は、高危険群として、すい臓の検査をすすめる
糖尿病
タバコ(本数が増えるほど危険)
すいのう胞(すい臓の小さなふくろ)
慢性すい炎
お酒の飲み過ぎ(1日3合以上)
太りすぎ(特に30代)
親兄弟・姉妹にすい臓がんがいる
慢性B型肝炎
胃潰瘍をしたことがある
ヘリコバクターピロリ感染
歯周病

(膵癌診療ガイドライン2019年より改変)

→ 膵臓がんの症状(初期症状)・原因・予防 について詳しくはこちら







歯周病があるとすい臓がんのリスクが2倍になる!?




糖尿病とすい臓がんのこと~早期診断に大切なこと~JA尾道総合病院 診療部長花田敬士

すい臓がんの危険因子(身近なもの)

複数ある場合は、高危険群として、すい臓の検査をすすめる
糖尿病
タバコ(本数が増えるほど危険)
すいのう胞(すい臓の小さなふくろ)
慢性すい炎
お酒の飲み過ぎ(1日3合以上)
太りすぎ(特に30代)
親兄弟・姉妹にすい臓がんがいる
慢性B型肝炎
胃潰瘍をしたことがある
ヘリコバクターピロリ感染
歯周病

(膵癌診療ガイドライン2019年より改変)

すい臓がんのリスク要因の一つに「歯周病」があるのですが、すい臓がんと歯周病にどんな関係があるのでしょうか?

ある研究によれば、ポルフィロモナス・ギンギバリス菌の保菌者は膵臓がんの発症リスクが1.6倍、アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス菌の保菌者は膵臓がん発症リスクが2.2倍高くなると発表されています。

→ 膵臓がんの症状(初期症状)・原因・予防 について詳しくはこちら

【参考リンク】

口腔内細菌叢とがん、糖尿病など全身疾患との関わりとその予防戦略

膵がん組織DNA検体に歯周病原細菌が検出されたことから膵がん患者の膵臓に歯周病原因菌が恐らく血中を通って膵臓に到達している可能性が示唆された。

こちらの研究によれば、歯周病菌が血液によって膵臓に到達し慢性炎症を起こしてすい臓がんのリスクを上げているのではないかと考えられます。

また、歯周病と大いに関係がある糖尿病が進行してしまうことによって、間接的にすい臓がんリスクを上げる要因になっているのもしれません。

すい臓がんを早期発見する鍵は「血糖値」|#ためしてガッテン(#NHK)すい臓がんを早期発見する「尾道方式」とは?|5年生存率、全国推計の3倍によれば、糖尿病などがすい臓がんのリスク要因として挙げられていて、すい臓がんと糖尿病には大いに関係があります。

糖尿病と歯周病との関連 免疫低下で原因菌増加によれば、糖尿病と歯周病には悪循環を起こす関係があるそうです。

  1. 糖尿病が進行すると、免疫機能が低下し、歯周病を起こす細菌が増えることから。
  2. 歯周病が重症化すると、その細菌と戦おうと「TNF-α」と呼ばれるタンパク質が出されるが、そのTNF-αがインスリンの働きを悪くして、血糖値のコントロールをも悪化させるから。

【関連記事】

糖尿病と歯周病との関連 免疫低下で原因菌増加で紹介した愛知学院大歯学部歯周病科(名古屋市)の野口俊英教授によれば、糖尿病と歯周病には5つの共通点があるそうです。

  1. 初期に顕著な自覚症状がない
  2. 罹患率が高い
  3. 生活習慣病
  4. 慢性疾患
  5. 病気の進行のメカニズムが似ている

さらに最近、歯周病になると糖尿病の症状が悪化する、という逆の関係も明らかになってきて、糖尿病を持つ歯周病患者に治療を行うと血糖値が改善したという報告もあるそうです。

糖尿病と歯周病との関連 免疫低下で原因菌増加によれば、歯周病が重症化すると、その細菌と戦おうと「TNF-α」と呼ばれるタンパク質が出されるが、そのTNF-αがインスリンの働きを悪くして、血糖値のコントロールをも悪化させるそうです。

そこで、糖尿病をもつ歯周病患者に歯周治療を行うと、サイトカインの分泌量が減少し、細胞内へのブドウ糖の取り込みが阻害されることが少なくなるので、血糖値のコントロールができるようになると考えられます。

そう考えると、すい臓がんリスクを下げるには、糖尿病予防と歯周病予防に取り組むことは効果的なのではないでしょうか?

→ 膵臓がんの症状(初期症状)・原因・予防 について詳しくはこちら

■セルフケア

オーラルケアで歯周病予防|予防歯科(セルフケアと歯科医によるケア)

歯周病予防の基本はブラッシングですが、歯ブラシだけでなく、糸状のフロスやインタースペース・ブラシで歯のすき間の汚れも落とすことが重要です。

※フロスには、糸状のものや柄が付いたものがありますが、歯と歯の間に挿入してスライドさせながら歯垢を取り除くための道具です。

※インタースペース・ブラシとは、歯と歯の間や歯と歯肉の間、奥歯の周り、歯並びが悪いところを清掃するために役立つブラシのことです。

歯磨き剤には、歯の表面を硬くコーティングするフッ素入りのものをおすすめで、表面のエナメル質を補う成分の入ったものを、定期的に使うのもよいそうです。

また、歯周病を進行させる因子として喫煙(たばこ)も挙げられているので、禁煙することも重要なようです。

そして、日々のセルフケアに加えて、定期的にプロの歯科医によるケアを受けるのがより効果的なようです。

■プロの歯科医によるケア

オーラルケアで歯周病予防|予防歯科(セルフケアと歯科医によるケア)によれば、ブラッシングで落とせるプラーク(歯垢)は全体の50%で、フロスやインタースペース・ブラシを正しく使えば70%までは高められるそうですが、それ以上はプロでなければ難しいそうです。

プロの歯科医によるケアはどのようなことをするのでしょうか?

ブラッシングでプラークは落とせますが、実はその下にバイオフィルムと呼ばれる膜が付着しています。

細菌の巣窟であり、プラークをつきやすくするバイオフィルムを除去するために行なうのがPMTC。

「PMTC」(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とは、日ごろ自分で行なっている歯磨きでは落ちない歯の汚れをプロ(歯医者)が専用機器を使ってクリーニングすることです。

専用のブラシやラバーカップでこすり取っていきます。

そのあとで、歯の石灰化度を高めて酸に溶けにくくするためにフッ化物(フッ素)を塗布します。

つまり、車でいう油膜であるバイオフィルムを除去し、歯の石灰化度を高めて酸に溶けにくくするためにフッ素を塗るわけですね。

次に、歯周病菌が多く存在する歯肉が作るポケットと呼ばれる溝に、専用の器具を挿入し、先端から薬剤を薄めた液を吹き出し、超音波の振動を作用させることで細菌を洗い流していくという予防処置を週に1回、4週間行なうと歯は驚くほどきれいになるそうです。

やはりここまで聞くと、セルフケアだけでは歯周病予防は難しいようです。

プロの力を借りたほうがより効果的なようですね。

→ 歯周病を予防する方法(歯磨き・歯ブラシ) について詳しくはこちら