ウッズ告白の「セックス依存症」、専門家の間でも論争続く
(2010/2/21、ロイター)
不倫騒動でツアー出場を無期限で自粛しているプロゴルファーのタイガー・ウッズが19日、騒動後初めて開いた記者会見で、「セックス依存症」のセラピーを受けていることを告白。
このことにより、同症がこれまで以上に一般的になるとみる専門家もいる。
セックス依存症をめぐっては、その考え方に意見が分かれており、精神疾患についてまとめた米国精神学会の「精神疾患の診断・統計マニュアル」でも、現在のところ正式な疾患と認められていない。
タイガー・ウッズが告白した「セックス依存症」については、専門家の間でも論争が続いているそうです。
その論点は、「セックス依存症」を疾患として認めるかどうかという点です。
セックス依存症を疾患として認めることに反対する意見としては、以下の通り。
「性的依存症」を疾患として認めることに反対する一部の心理学者は、同症は習慣や衝動だと表現する。
ギャンブルがやめられないのと同じで、脳内化学物質に直接影響する依存症とは違うという。
ニュージャージー州にあるハッケンサック大学医療センターの心理学者、クレイグ・ファブリカント氏は、セックス依存症について「強迫的な特性とでも表現した方が良い、パターン化された行動のようなもの」と説明。
同氏は「恋愛関係にある人たちはセックスのし過ぎと言えるだろうか。セックス好きは依存症の兆候なのだろうか」と疑問を呈する。
セックス依存症を疾患として認めているセラピストの意見は、以下の通り。
一方、セックス依存症を専門にするセラピストは、同症は薬物乱用のようなもので、単純に他人からのセックスの誘いを習慣的に受け入れてしまうというものではないと主張する。
セントルイスで同症の治療を行うマーク・シュワルツ医師によると、多くの場合、抗うつ剤で患者の不安を和らげる努力をし、その行動のもとを患者と語り、信頼し合える親密な関係が必要であると理解できるよう手助けをする。