ハプティクスが医学を飛躍的に進歩させる?|「見えないものを感じる」触覚技術により腫瘍を手で感じられるCTスキャンが実現する日も近い!?

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by Rosenfeld Media(画像:Creative Commons)




参考画像:WIRED

腫瘍を手で感じられるCTスキャンが実現する日:「見えないものを感じる」触覚ホログラム技術、英ブリストル大学が開発

(2014/12/18、WIRED)

ブリストル大学の研究者チームはこのほど、目に見えない三次元の触覚形状を、「焦点を定めた超音波を使って空中で」作成する方法を発見したと発表した。触覚技術は最近、急速に成長を続けており、近年のビッグビジネスとなっている。

この研究は、12月はじめに『ACM Transactions on Graphics(TOG)』誌に発表されたもので、数千個の微小なスピーカーから音圧波を発生させることによって機能する。

このシステムでは、人の手の位置を精密に追跡できるLeap Motion社製のセンサーを利用して、空中に触覚対象物を作製する位置を正確に特定する。

先日LED信号機の弱点(雪が溶けにくい)を解決するデザインとは?という記事の中で対向する超音波フェーズドアレイを用いた三次元非接触マニピュレーション(YouTube)を紹介しました。

落合陽一さんのチームが開発した超音波を組み合わせることで物体から水滴までを空中浮遊させ、自在に操ることができる技術が開発されているそうです。

今後いろいろな分野でこうした技術を目にする機会が増えていきそうなのですが、今回この記事に注目したのは、外科医が人体の内部を視覚で診察できるようになるかもしれないというところを目指しているということが書かれていたからでした。

Rendering Volumetric Haptic Shapes in Mid-Air using Ultrasound

Haptoclone

【参考リンク】

例えば腫瘍を手で感じられるような、触覚フィードバックのあるCTスキャンをつくれるかもしれない。

人間は見えないものを見えるようにしたことで新しい発見を次々としていっています。

顕微鏡が発明されたことで、医学が進歩したように。

天体望遠鏡が進歩されたことで、宇宙に新しい発見があったように。

そして、次は目に見えないものを感じられるようになるということによって、また次の新しい発見が生み出される可能性が高くなっているのです。

ところで、今回紹介したテクノロジーは「ハプティクス」と呼ばれるものです。

Haptics(ハプティクス)ーWikipedia

ハプティクスhaptics)とは、利用者に振動、動きなどを与えることで皮膚感覚フィードバックを得るテクノロジーである。触覚技術: haptic technology)とも。そのような機械的刺激をコンピュータシミュレーション内で仮想オブジェクトを作る補助として使うことができ、仮想オブジェクトを制御したり、機械などの遠隔制御(テレロボティクス英語版)を強化したりできる。

<中略>

ハプティクスは今後、人間とテクノロジーの様々な領域での相互作用に関わっていくと考えられる。21世紀初頭の現在は、ホログラムや遠隔のオブジェクトとの触覚による相互作用に熟達することが研究の中心であり、それが成功すればゲーム・映画・製造業・医療をはじめとする様々な産業での応用が生まれる。医療業界では仮想手術や遠隔手術が可能になれば、医療の幅が広がる。衣料の小売業界では、インターネット経由で衣服に触ることができれば、インターネット販売の可能性が広がる。ハプティクスが将来発展すれば、従来は現実的でなかった新産業が生まれるかもしれない。

ハプティクスは今の私達にはよくわからない技術ですが、近い将来当たり前のように使われるようになるテクノロジーとなるのではないでしょうか。

触感覚を仮想的に再現できるシステムで医療が進歩する?でも書きましたが、遠隔地医療でどうしても簡単に診察できない人に対して、視覚と聴覚ではどうしても限界が出てきます。

ハプティクスが当たり前になれば、遠隔地での手術に用いられるようになり、医療がますます進歩していくことでしょう。

また、インターネットで伝えることができなかった「触れる」と言う感覚もハプティクスが入ってくれば、ネットショッピングで洋服を買う際に生地の肌触りも確かめられるようになっていきます。

ハプティクスについては今後も情報を追い続けていかないといけませんね。







【関連記事】

P.S.

ブリストル大学の研究チームはUltrahaptics社を立ち上げているそうですが、この「Haptic」と言う言葉を見て以前見た本を思い出しました。

「なぜデザインなのか 原研哉 阿部雅世 対談」で紹介されていたのですが、Haptic(ハプティック)というのは、触覚に関する共通言語のような感じです。

触覚に関する共通言語・感覚があれば、世界中の人に伝わりやすいですよね。

なぜデザインなのか。

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【追記(2015/7/9)】

■仮想力覚提示デバイス「Traxion」

ARの次は『拡張人間』 東大 暦本純一教授の世界

(2015/7/3、Sensors)

「Traxion」は、すごい力で押されたり、引っ張られたりするような「力」を体験できる装置なのだそうです。

他人の「触覚」を伝達することができることによって、医学に活用されるようになるかもしれません。

ロボット手術のメリットと今後どのようなことが課題となるのか?

Fort Belvoir Community Hospital astounds with groundbreaking technology and devotion to patient care

by Army Medicine(画像:Creative Commons)




■ロボット手術のメリットと今後どのようなことが課題となるのか?

「神の手」のかわりにロボット。「外科医」ではなく内科医。変わる外科治療 – 世界をリード! 日本の超・先端医療全ガイド

(2015/3/29、プレジデントオンライン)

ロボット手術の利点は、執刀医の手指の動きを正確になぞるロボットアームと、患部を見渡す2つのカメラにある。一般の内視鏡手術では1つのカメラによる平面の画像で、画面は鏡像(左右逆)になる。ロボット手術では、人間の視覚と同じ正対での3D画像。最大15倍にズームアップすることもできる。

人間の手首以上の稼働域があるアームは、臓器の裏側や狭い隙間にも自在に入り込み、執刀医の動きを3分の1に縮小する機能で微細な毛細血管の縫合にも威力を発揮する。

ロボット手術のメリットをまとめます。

  • 一般の内視鏡手術では、1つのカメラによる平面の画像で、画面は鏡像(左右逆)になるのに対して、ロボット手術では、人間の視覚と同じ正対での3D画像で、最大15倍にズームアップすることが可能。
  • アームは、人間の手首以上の稼働域があるため、臓器の裏側や狭い隙間にも自在に入り込みことができる。

宇山一朗|ロボット手術「ダヴィンチ」の普及拡大に貢献|情熱大陸 9月28日によれば、ダヴィンチによる手術は、胃がん、前立腺がん、がん、食道がん、肝臓がんすい臓がんで行われているようで、今後ますます活用の幅が広がっていきそうです。

内視鏡で実績があるオリンパスと東京大学の佐久間一郎教授らが共同で開発中の「小型マニピュレーター」だ。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクトですでに試作機は完成している。

日本でも手術支援ロボット開発が行われるようです。

「神戸医療イノベーションフォーラム2015 #KMIF」から学ぶ未来の医療・健康のヒントによれば、手術支援ロボットシステムのダヴィンチには触った感触がないという課題があり、それを空気圧駆動で感触を操作者の手に伝える技術が開発されているそうです。

【関連記事】

参考画像:新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)

新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)によれば、患者のQOLの最大化に向けて、個人の健康・医療データを活かす新たなシステムが必要であるとして、患者⾃らが納得して選択できる医療、患者の満足度の⾼い医療、時間・場所を問わず、必要な医療が提供される環境の実現が必要とあり、その中でも、ロボット技術を活用した手術システムやがんの低侵襲解析システムによる診断技術のような、患者の負担が小さい治療を実現する医療機器の開発・導⼊の促進が重要となるとあります。

まだまだ開発の余地は残されているので、この分野はますます競争が活発になっていきそうな予感がします。







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ウェアラブル端末+AR(拡張現実)でフィットネスやスポーツトレーニング!?

google-glass

by Bill Grado(画像:Creative Commons)




■ウェアラブル端末+AR(拡張現実)でフィットネスやスポーツトレーニング!?

フィットネスはGoogle Glassで新展開? Race YourselfのGlassFitは10万ポンドを集めてリリース準備中

(2013/10/14、TechCrunch)

Race Yourselfが世に出そうとしているアプリケーションはGlassFitという名前だ。RunKeeperや、Nike Fuel Bandのように、エクササイズの記録をとったり、あるいはモチベーションを高めるのに用いる。ランニングなどのエクササイズにゲーミフィケーションの要素を持ち込み、Glassの特性を活かして拡張現実の面も強化しようとしている。たとえば、自己ベストを記録した自分との仮想レースなどということも行える。あるいは3ヵ月前の平均記録との対戦などということもできる。もちろんソーシャル機能を使って、友人のタイムと競い合うということもできるわけだ。

Glassの特性を活かして拡張現実の面を強化することにより、スポーツ(マラソン・水泳・ゴルフなど)のトレーニングでも活用できそうですね。

プロのアスリートがビデオで走る姿を撮影することにより、自分の走りのフォームを客観的に見るという映像を見たことがありますが、Glassを使えば、視線はそのままに自分のフォーム・タイムをチェックすることができます。

また、他のガジェットと連携して、心拍数やスピードなどの数値を表示すれば、自分の今の状態をチェックすることもできるのではないでしょうか。

暦本 純一(ヒューマンインターフェース研究者)|INFORIUM

トップアスリートのなかにはパフォーマンス中の自分のフォームを客観的に眺めることができる方がいるそうです。これはメンタルのジャックアウトと言えますが、ドローンを使えば工学的にその状態をつくることが可能です。ジョギングしている人の後からドローンがついてきて、自分の後ろ姿を客観的に見ることができるシステムです。この視界に、遠隔地にいるコーチがジャックインしてきて、フォームのアドバイスをしてくれるのです。

ドローンを使って走る姿を撮影し、スピードだけではなく、フォームもチェックすることができそうです。

【参考リンク】

[vimeo]https://vimeo.com/191768529[/vimeo]

Nike Unlimited Stadium|Vimeo

Nike Unlimited Stadiumでは、RFIDを靴ヒモに着けて、一周目のラップタイムを計り、次の周からアバターが出現し、一回目のラップタイムで並走し、そのアバターに勝つと、新しく更新されたベストタイムでアバターが走ることにより、最高記録を伸ばしていくことができるというように、ゲーム性を活かすことでより楽しくトレーニングできるようになるかもしれません。







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NIKEがネイマール視点の360度VR動画を公開|ネイマールの動きを体感してみない?|#サッカー

Neymar Junior the Future of Brazil

by Christopher Johnson(画像:Creative Commons)




■NIKEがネイマール視点の360度VR動画を公開|ネイマールの動きを体感してみない?|#サッカー

ナイキ、ネイマール視点の360度VR動画を公開。華麗な脚さばきを堪能

(2015/7/2、Engadget)

スマホを挿すダンボール製 VR ヘッドマウントディスプレイ Google Card Board があれば、まさにネイマールの視点でピッチを駆ける雰囲気を味わえます。

プロとアマチュアの違いは脳にも現れる!?|ネイマール選手の足を動かす際の脳の活動範囲はアマチュア選手の1割以下によれば、ブラジル代表のネイマール選手の足を動かす際の脳の活動範囲はアマチュア選手の1割以下だったそうで、負荷が少ない分、その他の動きも同時に出来るために、多彩なフェイントができているのではないかと分析されています。

ネイマールの気分を一度味わってみると、また違った発想が出てくるかもしれません。

Nike Hypervenom II – The Neymar Jr. Effect, A Virtual Reality Experience







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【追記(2015/7/9)】

[vimeo]https://vimeo.com/129263445[/vimeo]

JackIn Head: 1st person omnidirectional video for immersive experience

選手が体感している視点やスピードをこうしたテクノロジーで体験することによって、よりよいトレーニングが見つかるといいですね。

HidrateMe|水分補給するタイミングを教えてくれるスマートウォーターボトル #IoT

HidrateMe

参考画像:HidrateMe Smart Water Bottle by Hidrate, Inc|YouTubeスクリーンショット




■HidrateMe|水分補給するタイミングを教えてくれるスマートウォーターボトル

HidrateMe Is A Connected Water Bottle That Will Glow When You Need To Take A Sip

(2015/6/2、TechCrunch)

HidrateMe aims to help you fill up on your H20 with a sensor that monitors your intake and syncs that information up with an app on your smartphone. Should you need more water than you are ingesting, the bottle will glow.

薬の飲み安れを防ぐために、薬を飲むタイミングを通知するシステムを以前紹介しました。

【関連記事】

今回紹介するのは、HidrateMeはIoT(モノのインターネット化)を活用したセンサーが内蔵されたボトルとスマホアプリで水を補給するタイミングを教えてくれるスマートウォーターボトルです。

HidrateMe Smart Water Bottle by Hidrate, Inc

「水なんてのどが渇いた時に飲めばいいし、そんなものが本当に必要なのか」と思う人がいるかと思います。

この商品が役立ちそうな場面がいろいろあります。

HidrateMe1

参考画像:HidrateMe Smart Water Bottle by Hidrate, Inc|YouTubeスクリーンショット

●スポーツ・エクササイズの時の水分補給

水分補給のタイミングをのどが渇いたときに行なっていたのでは遅い場合があります。

●高齢者の熱中症対策

熱中症を予防するには、喉の渇きを感じる前にこまめに水分を取ることが大事です。

多くの人がのどがかわいてから水分を補給したら良いと考えがちです。

しかし、のどが渇いたと感じた時には、実はすでに脱水状態にあるそうです。

特に、高齢者は体温調節機能が衰えており、気温の上昇に鈍感になり、脱水症状が始まっても自分で体の異変に気付きにくくなっています。

●子供の脱水対策

熱中症・かくれ脱水|みんなの家庭の医学 7月17日によれば、子どもは大人に比べて体温調節機能が未発達で、またエネルギー代謝が活発なためにたくさんの水分を必要とするため、脱水しやすい体なのだそうです。

■まとめ

水を補給するタイミングを教えてくれるボトルが必要となる人は多くいると思います。

経口補水液を販売するメーカーやフィットネスクラブ、スポーツブランドと組んだりすればよさそうですね。







【追記(2015/6/5 11:15)】

今回の商品が注目を集めれば、Apple Watchやfitbitのようなウェアラブルガジェットやフィットネスガジェットに水分補給を知らせるタイミングを持つ機能がつくかもしれませんね。

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